前巻機   1861m       巻機山  1967m       牛ヶ岳  1961.6m   

 
 割引山  1930.9m 
        
 
 2003.6.29  


   雨     単独       ヌクビ沢から井戸尾根に藪漕ぎ      行動時間:10H41M

                     


@登山口2:12→(71M)→Aヌクビ沢出合3:23→(77M)→B行者の滝4:40→(144M)→C前巻機7:04〜19→(10M)→D避難小屋7:29→(24M)→E巻機山 7:53→(39M)→F牛ヶ岳8:32〜39→(50M)→・割引山9:29〜34→( )→・神字山→( )→・割引山再び10:26
→(46M)→・前巻機11:12〜17→(96M)→・駐車場12:53


途中でデジカメの故障となり銀縁にスイッチしています。スキャナーで取り込んでなく、現在はここまでです。

tozanguchi.jpg  hinandou.jpg  nukubisawadeai.jpg  13.jpg
@登山口から ヌクビ沢への分岐 Aヌクビ沢出合 沢の中のペンキ道標
taki.jpg  18.jpg  19.jpg  20.jpg 
B行者の滝 登山道の様子。 登山道 7合目
8.jpg  nisemakihata.jpg  koya.jpg  sancyouhyoushiki.jpg 
8合目 C前巻機山 D避難小屋 E巻機山
sankakuten.jpg  asahi.jpg     
F牛ヶ岳 「朝日岳方面縦走路」


 
 12時に家を出た。特に急いだつもりも無いが、現地には2時に着く。桜坂駐車場と称される場所はキャンプ場の上の方にあり、料金徴収表が提示してあり、帰りに払うかと腹をくくる。最上部の駐車場にはすでに5台の車が停まっていた。

 
 準備が出来2:12歩き出す。登山道入り口には、「この時期沢ルートを選ばないように」といろいろと注意書きがされていた。舗装された道はすぐに分岐となり左を辿る、さらにその先に小屋を作っている様子の工事現場があった。暗くて様子が判らないのだが、さらに先に3棟の小屋もあった。登山道の踏み跡は草に覆われていて夜には歩きずらい。

 
 左から沢の音がする。狭い道を木をくぐりながら進むと2:33避難道と沢ルートとの分岐。これは右に向かう。上部に向かうに従い登山道に砂が多くなる。「土石流」という言葉を連想するくらいに土が乗っているのである。3:23ヌクビ沢の出合。


 さてここからが問題の箇所。周囲のあらゆる場所を歩き回るが道が見出せない。場所によっては雪渓の下が300mmほど空間があり危なくて足を出せないところもあった。何度も何度も上がったり下がったりしながら道を探したが、だめであった。時計は刻々と過ぎ、気も焦る。こうなると夜が明けるのを待つしかない。

 4時になり白み始めたのだが、ガスがかかっていてなかなか視界が得られない。撤退も含めて何度も地図を眺める。そして一度行ったナメ滝のところに行くと赤いペンキの矢印を発見した4:27。少しだけ気が楽になり先を急ぐ。とても滑りやすいルートで、この先には大きな口をあけた雪渓が待っていた。渾身の力を振り絞って這い上がる。危険な雪渓はこの先も続く。

 行者の滝4:40でどうしても進む事が出来ず、右に谷をずれた。少しでも歩きやすい場所をと沢を詰めてゆくと、だんだん藪が濃くなり、最終的には尾根歩きとなる。なかなか高度を稼げず体力ばかりが減ってゆく。下山を考えながら歩くのも辛いものだ。たまに後ろを振り向くと、前を見るのと同じ藪がある。心を決めて上に向かう。地図を見ると右へずれれば登山道がある。それを目指して歩く事になる。


 6:15目の前に人の顔があった。“オー”などと声を出してしまった。高校生風のパーティーが6人下山中であった。そこが井戸尾根である事を教えてもらう。向こうも驚いた事だろう。何はともあれこれで道は確保でき、今までよりは楽になる。すぐに7合目の標柱があった6:18。巻機山に対して7合目であるならもうじきである。6:47八合目。登山道は水の流れと登山者のためにかなり崩れた所も見えた。その修復作業もしてあるのだが、その土も流れてしまっている状態である。何のための修復か。

 7:04九合目ニセ巻機到着。雨は依然強く、ずぶ濡れで寒い。外気温は9度。歩いていないと冷えてしょうがない、無線を粘り15ほど停滞。本峰へ向かう。

木道が現れだし、それが雨に濡れて滑りやすい。7:29避難小屋到着。ドアは開いたままで中を覗くと、そこそこの設備であった。木道に戻り、一つアップダウンをこなすと巻機山山頂であった7:53。

 木製の標識がデンと構えてあった。先に牛ヶ岳を目指す。東側斜面には雪渓が残る。風は依然強く、それらが体温を奪う。上部の道はとても歩きやすく、整備もされていた。途中朝日岳への分岐をパスし、しばらくで牛ヶ岳山頂に着く8:32。三角点の上に白い標柱がのしかかり倒れていた。さらにその横に「主三角点」と読める石柱も倒れていた。ここからトトンボの頭を目指す予定であったが、この天気ではと諦め、来た道を戻った。

 巻機山まで戻ると、そこにはカラフルな雨具の集団がそこに居た。総数20名ほど居ただろうか、これが100名山の実情だろう。逃げるようにそのまま割引岳に向かう。荒れた登山道を下ってゆくと、そこにも8人ほどのパーティーが居た。登ってきたのかと思ったら、巻機からのピストンのようで、途中の雪渓であたふたしていた。アイゼンが無いと歩けないと引き返してきた。確かに雪渓は一度滑れば100mは落ちそうな斜面である。一歩踏み入れる。やや硬いがステップは切れる。少し高みを目指し、尾根沿いに下降、するとまた登山道が現れ、また雪渓に変わる。2つ目の雪渓が終わると、後は歩きやすい道を辿る。途中に下降点があるのだが進入禁止と書いてある。


 9:29割引岳山頂。一等点と祠があった。残念ながらデジカメが壊れてしまい。この後はインスタントカメラで撮影した。さてこの先どうしようかと迷うが先に進んでみることにした。ほとんど登山者が居ないのだろう。道のあちこちにネマガリタケの新芽が出ており、青いきれいな花が盛んに咲いていた。踏み潰してしまうのが忍びないような状態である。

 左右にクマザサが広がり風に揺れている。狭い道で少し不安になるが、やがてその道も視界が開け、細い踏み痕を辿りだす。すると青く塗られた棒が、どうも行く手を塞いで居るようであった。その北側に新しいうっすらとした踏み跡が続いていた。ここは要注意個所である。棒を越え先に進むと、大きく下った先に尖ったピークが見えた。どうもそこが神字山のようである。そこまで行くには小さな花がたくさん咲き、お花畑であった。少し笹が多いのが玉に傷だが、天候の悪いこんな日は花のみが楽しみである。北側が大きく切れ落ち、その下の方から風が吹き上げてくる。巻機大権現と書かれていたか石碑があった。その先も同じような細い道が続く。引き返す事にする。


 来た道を戻り10:26割引岳。その先慎重に雪渓を通過し、10:48巻機山通過。もう先ほどの賑わいは無かった。11:12ニセ巻機。ここで休憩していたら、小屋から出てきたのだろう。後から3人のパーティーが追い越して行った。おそらくこれで上には残っている人は居ないはず。一気に下りでごぼう抜きを演じる事となる。八合目を過ぎて、登りの時の藪からの出口付近を確認し、ぬたぬたの登山道を下る。

 井戸尾根とはよく言ったもので、確かに井戸の中を歩いているようである。山頂にいたパーティーがヨタヨタと歩いている。後から来る人などは気にしない。嫌になるほど長い下りで、合目間がなかなか長いのである。それでも歩けば進む、

 12:51尾根登山口通過、往路はここを左にルートを取った。そして12:53駐車場到着。今回の山行を終える。駐車場には20台ほどの車が停まっていた。その中にタクシーもあり、先ほどのパーティーを拾うらしかった。


 帰りは、仮眠をとりながら2.5時間ほどで家に着く。

chizu1.jpg

chizu2.jpg 

              
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