白尾山   2003m       皿伏山     1916.8m      荷鞍山    2024m
 
 
 2003.10.19  


   雨のち曇り    単独     富士見下より     行動時間:8H18M


@富士見下ゲート7:08→(97M)→A富士見小屋8:45→(4M)→B富士見峠8:49→(37M)→C白尾山9:26〜29→(74M)→D皿伏山10:43〜11:16→(65M)→E白尾山再び12:21→(40M)→F荷鞍山13:01〜12→(27M)→G登山道に戻る13:39→(28M)→H富士見峠14:07→(79M)→I富士見下ゲート15:26


geto.jpg  fujimikoya.jpg  fujimitouge.jpg  micro.jpg 
@富士見下ゲートより林道を上がる。 A富士見小屋到着 B富士見峠 マイクロウェーブアンテナ
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C白尾山 D皿伏山 D皿伏山から戻る。 E白尾山再び
gasuhareru.jpg  nikurahenoanbu.jpg  nikurasancyou.jpg  nikurasankaku.jpg 
途中からガスが晴れ、中央が荷鞍山か? 藪漕ぎ途中。 F荷鞍山のG標 F三角点は笹に覆われ。
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G登山道に出た辺りから見る荷鞍山。 G荷鞍山への入口の目印。ルートは非公開の為、ここでは曖昧表記。  途中の草原から燧ケ岳。  H富士見峠帰り。 
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富士見小屋帰り。  I富士見下ゲート帰り。     


  

 台風15号のせいで2日間雨が降り止まなかった。山への意欲がかき消され、のんびりスタートとなった。朝5時に家を出て高速で沼田まで飛ばす。沼田からも下道を高速のように快適に飛ばし、現地には7時5分に到着。途中スキー場への道に入ってしまったり、2度ほど迷ったが、道なりに進めば富士見下登山口に到着するのであった。トイレもあり駐車スペースも十分ある。先客が居たが、会話も無くすぐさま出発となった。

 
 林道はかなり往来が多いのだろう、しっかりとした林道であった。雨風が強く最初はかなり寒い。しかし15分ほどすると反対に熱くてたまらず、ウールのシャツを1枚脱ぐ。その時、横を2台の車が通り過ぎて行った。関係車両であるはずだが、あまり気持ちのいいものではない。道中3箇所水場が確認できた。ガラスコップがあり、各所で喉を潤す事が出来る。いつもの発電機の匂いがしてくると小屋が近いことが判る。

 富士見小屋。小屋の中は明かりが点き、外観からは近代的な感じもした。そのまま右手に進路を取り車道を進む。先ほどの車はどこに行ったのか。この先進んでも姿が無かったので、反対側に行ったと推察する。富士見峠には新旧3つの標識があり、各方向を示していた。さらに進むとマイクロウェーブアンテナ施設があり、そこから先は登山道となった。

 
 木道はとても滑りやすく何度も足をとられた。緩やかに高度を上げ、あっという間に白尾山に着く。最高部は藪の中。ササに押し戻される感じの藪であった。周囲はガスが濃く何も見えない。風雨ともに強く、ここにきてじっとしていると寒くなってきた。この先は一気に下りとなる。雨水が川のように登山道を下る。泥濘な場所も数ヶ所あり、左右に避けながら通過。そしてしばらくするとこの日初の登山者と行き会う。相手も同じ内容を口に出し、挨拶を交わす。水気は多いが一級の道。快適に足を出してゆく。赤いマーキングが地上高3m程の所にあり、見上げながら積雪量の多さを知る。平坦だった登山道が、登り勾配になると山頂も近い。

 
 皿伏山。さて三角点を探すのだが、どこにも見当たらない。藪の中なのかとも思い、少し入るが・・・見つからず。珍しく早々に探すのを諦め来た道を戻る。往路と復路は大差ないとは思うのだが、様子がだいぶ違う。皿伏山から白尾山に向かう方が遥かに楽なのである。何でだろうか。ルートを知っているからだろうか、いやそうじゃないような・・・雰囲気か・・・。川になった登山道をジャブジャブと進む。そして再び白尾山に到着。

 雨は上り濡れていた山頂標識も乾き、この日初めて荷鞍山が見えた。なんというタイミングか、誘っているようでもあった。さてどこから攻めようか、行ったり来たりしたが白尾山西の最上部から下りだす。濃い笹薮をかき分けながら下りて行く。道の有る情報を得ていたので、いつになったら道が現れるのか、左右を気にしながら歩く。さらには踏み跡らしき筋が無いか、笹の中を探る。しばらく歩いても全くその様子が無い。情報違いなのかと思っていたら、右側に切開きの一本の筋が見えた。これだ。ようやく道を見つけた。道は立派過ぎるほどに管理されている。毎年管理しているのか、手抜きが見受けられない。軽くアップダウンし、最後は急登をコツコツと登る。すると目の前に三角点が見え、行き止まりとなる。ここが荷鞍山山頂。

 山頂部は5人も居られないような狭さで、Gさんの標識が三角点の横に落ちていた。適当な若木に付け直し、様になる。驚いた事に道はさらに南西尾根に降りていた。全くきれいな道のまま。この謎を抱えて帰らねばならなかった。天気も回復し、遠望が利くようになった。歩いてきた稜線が遠くに見える。“あそこまで戻らねばならないのか・・・”藪漕ぎがトラウマになり、遥か遠くに稜線があるように見える。

 
 往路に薮漕ぎをし、この切り開きに出た場所を過ぎ、さらに切り開きの道を辿る。向かいの稜線に対してやや左(西)に道は行く。トラバース気味に斜面を進むとパタッと切り開きは止まり、目の前は藪となった。さて右に上がるべきかこの方向で進むべきか。少し背伸びをし、まっすぐ空の開いている方を目指す。するとあっけなく登山道に出た。そこは往路、道はここではなかろうかと推測した所その場所であった。現状では荷鞍山へのこの道は、一般には全く判らない道だろう。現地の人にも「公言しないように」と言われていた場所。(この作文を書くのは、もうそれから7年経過している。時効かと思い詳細を書き出している。)

 
 この後は楽々。登山道を伝い富士見峠に戻る。さらに車道を進み富士見小屋。ここで中に入って荷鞍山の情報を聞く。奥の方で作業をしていた人に訊ねるが、判らない様子。モゾモゾと小屋主らしい人が出てきて開口一番「あなたのような人が居るから困っているのです」「あそこは行ってはいけないのです」という。確かに言わんとする事は判るが、道があのようにあって行ってはいけないと言われてもそれは矛盾している。返す言葉がいくつか喉元まで来たが、ぐっと堪えた。さらに情報を聞かねばならない。「であの先はどこまで通じているのか」という私の問いには、「大清水の尾名沢に出る」と教えてくれた。おそらく大清水側からもアプローチは判りづらいのであろう。まーまー少し怒られた感じであるが、満足する情報が得られたので、静かに小屋を後にした。

 
 あとは下るだけ。のんびりと秋の景色を楽しみながら林道を下りる。途中一人抜き去るが、朝方ゲートの所に居た人であった。全く口をきかないので気味が悪い。そしてゲートに到着。すぐさま着替えをしていると、先ほどの小屋主が下りて来た。なにやらゲートの右側をモゾモゾとしている。車越しに見ていたが何をしているのかは判らなかった・・・。


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