東仙波 2003.1m 前仙波 1960m 白石山 2036.0m 西仙波 1983m
唐松尾山 2109.2m 黒槐ノ頭 2044m 笠取山 1953m
2003.12.13
快晴 単独 三ノ瀬から入山し周回して中島川橋に降りる 行動時間:16H35M
・車道脇1:23→(5M)→@登山口(林道入口)1:28→(97M)→A牛王院平3:05→(17M)→B山ノ神土3:22→(99M)→C東仙波5:01→(73M)→D千代蔵ノ休ン場6:24→(19M)→E白石山(和名倉山)6:43〜7:01→(153M)→F前仙波9:34〜50→(43M)→G東仙波10:33〜38→(11M)→H西仙波10:49〜53→(71M)→I山ノ神土再び12:04→(52M)→J御殿岩12:56〜13:05→(44M)→K唐松尾山13:49〜57→(28M)→・黒槐ノ頭14:25〜28→(30M)→L笠取山15:58〜16:17→(85M)→M中島川橋登山口17:42→(16M)→N車道脇駐車スペース17:58
@三ノ瀬登山口 | 登山道途中の牛王院平への分岐 | A牛王院平通過。 | B山ノ神土 |
C東仙波通過。三角点は雪に埋もれ。 | D千代蔵ノ休ン場 | E白石山到着 | E和名倉山三角点 |
和名倉山西側の伐採地。 | 伐採地から見る富士。 | 千代蔵ノ休ン場帰り。 | 1965高点から白石山を振り返る。 |
焼小屋頭より東仙波と西仙波。 | 東仙波側から見る前仙波。 | F前仙波の石柱(中央)。 | F前仙波から見る龍喰山側。 |
東仙波と前仙波の間のラクダの背。 | G前仙波再び。 | H西仙波から御殿岩側。 | H前仙波から富士。 |
I山ノ神土再び。 | J御殿岩 | K唐松尾山には達筆標識が鎮座。 | K唐松尾山三角点。 |
笠取山南の分岐。 | L笠取山 | L笠取山から鶏冠山側。 | 分岐帰り |
源流のみち | 黒槐尾根を行く。 | M中島橋登山口に下山。 | N車に戻る。 |
家を9:20出発、秩父地内ででルートミスをしてしまい、少々時間のロスをする。雁坂トンネルは軽四は560円(乗用車は710円)で通過し、料金所ブースのすぐ左にある駐車所からの登山道を下見する(次回向け)。国道を塩山に進み途中からクリスタルラインに左折し、道なりに進み411号線に入る。途中にはしっかり標識があり一ノ瀬高原を目指す。気温はマイナス2度で所々で路面が凍結し、注意しながらハンドルを握る。現地に到着するが、登山口付近には駐車スペースが無く、しばらく戻ったカーブの所に駐車する。(1:00)
1:23スタート。林道入り口はとても判りづらい、標識が無かったら民家の庭のように見える場所である。民家の横を通り過ぎると道は安定しとても歩きやすい。驚くほど緩やかなのである。牛王院下で分岐を左に進み登山道に入るのだが、これまた緩やかで歩きやすい。標高1700辺りからちらほらと雪が現れサクサクと音を刻みながら高度を上げる。途中前方から黒い影が横を通り過ぎた。思わず「ウッ」とうめき声を出してしまった。首輪らしき物が見えたので飼い犬の迷子のようであった。それにしても心臓が止まりそうであった。そしてしばらく行くと牛王院平に着いた。ここで将監峠からの道と笠取山へ行く道が結ばれていた。周囲では時折シカの警戒音が聞こえる。かなり繁殖しているらしい。案内の無い分岐を直進し、しばしで山ノ神土に着く。ここには和名倉山方面は不明瞭と書かれた案内看板も見られた。
さてここから一般ルートから離れ、静山山行となる。ササの中になんとなく続く踏み跡を辿る。雪が乗りそこに一本の筋が見える。決して歩きやすくは無いが、判りづらくもない。トラバース道が稜線歩きになると一気に歩きやすくなる。あまり歩く人が居ないので、登山道が管理されないのであろうが、一級の道が続く。
5:01東仙波頂上。足元に三角点が顔を出していた。ここから真北に登山道は進路を変える。外気はマイナス7度を指していた。西からの風が時折冷たく吹く。ここで腹が空いたので大福を2つ食べた。吹上の辺りから放置ワイヤーが目立つようになった。そしてこの時、予期せぬ問題が起きた。急に呼吸が乱れ苦しくなったのだった。それはすぐに「気胸」と判った。どうなるか心配であり、最悪はヘリを呼ばねばならないと覚悟を決めた。しばらく呼吸の流量を調整する。かなり肩の痛みと背中の痛みがある。このまま引き返すのが順当手段であるが、和名倉山は指呼の距離なのである。何かあってからでは笑えないのだが、痛みを堪えて先に進んでしまった。呼吸が荒くなると痛みが増す。さていつからなったのだろうか、この日まで暫く山を休憩していたせいだろうか、先日の忘年会の伏流煙のせいだろか。いろいろ考えるが答えは見出せない。急激な寒さに当たった為だろうと解釈する。それでも胃袋を膨らましていた大福が消化された為か、時間が経つと少し痛みは治まった。これは気胸ではないのではと、疑うほどであった。
6:24千代蔵休ン場の手前だろうか、かなり多くのマーキングと標識がある。前方にはロープが張ってある。小さい木片に「和名倉山右」と書かれていた。トラバース道を進み、目の前に伐採された広い斜面があった。雪で覆われているのでどこを進めばいいのか判らなくなった。一か八かでトラバースを続けるとマーキングが現れた。頂上付近で道は90度向きを変え北側に進む。かなり密生した木の中を進むと山頂があった。視界は無く三角点と標識があるだけであった。測量がされている形跡は無く、空の切開きもされていないようであった。気胸の事もありゆっくりと休憩を取る。少し腹に物を詰めるのだが、胃が膨らむと肩が痛む。これは肋膜と肺が離れてしまっていることである。さらに背中が痛いのもそうである。7:01戻る。
途中の伐採地では富士山のモルゲンロートが見え、絵になる構図でありシャッターを切った。千代蔵分岐7:18通過。復路は我がトレースがあるので迷う所は無い。途中、吹上ノ頭に寄る8:22。ここの山頂は広く居心地の良い場所であった。西側の登山道斜面が開けた場所から登るのが最適と判断した。次にある焼小屋頭も南側が開け展望が良い。先の枝尾根にある前仙波が指呼の距離に見える。地図には点線ルートでその方向へ行く道があるのだが、何も見出せず、一旦東仙波を目指し途中から尾根を下った。目に前に近く見えるものほど遠いもので、なかなか近くならない。道は踏み跡というか獣道に近く不鮮明。付近にはシカが多く、ざっと15頭は確認できた。キーンキーンと谷あいに警戒音が響く。尾根のちょうど鞍部の先に「ラクダの背」と書かれた標識があった。しかも「タ」の字が違っているのである。この付近から少し岩が出てくるが、終始ササを踏みながら前仙波山頂に着いた。三角点ではないが文字が判読できない標柱が埋まっていた。かなり疲れたので腰を降ろして休憩をとった。山頂からはマーキングが芋ノ窪の方へ続いていた。9:50戻る。
鞍部まで戻った所で、疲労が最高に達し休憩とした。腹が空いたので景色を眺めながらサンドイッチをほおばる。空気も良く視界もよく、あとは体調さえ良ければ言う事はないのだが・・・。腹に物を詰めると急激に痛み出す。胃がこなれるまで我慢である。歩き出すと登り勾配という事もあり、息が上がる。なおさら痛みが増し、何度も休憩を取りながら這い上がる。
10:33東仙波到着。通行止めと書かれたところから這い上がってきた。昔は道があったのだろう。ここでも長い休憩をとる。本当に息を整える休憩である。ルートに戻り、自分の他に登山者が居ない事をトレースで確認する。西仙波10:49。ここから見る唐松尾山の稜線はかなり高く見えるものである。この先のルート選定を考えつつ足を進める。時間が遅いならすぐさま答えが出るのだが、まだ12時前なのである。山の神土12:04到着。ここで最終判断せねばならない。地図を見ながら時間の計算をする。夏場なら何も問題ないがこの季節ではリスクが大きい。間違いなくヘッドランプの頼りになる。それでもザックを背負うと自然と尾根の方に体は進んだ。これでいいのである。
道は相変わらずなだらかで歩きやすい。今日はこのような道が多く助かった。これが急登の場所なら早々に引き下がっただろう。12:23西御殿岩への標識が見えた。この山は道が無いので割愛しようと考えていたのだが、道があるのならと突き進んだ。あまりしっかりしていないが道と判る筋が通っている。しかしこの雪の乗った時期はやや危険な場所である。最後の岩場も足がかりがあったからいいものの、もう少し冷え込めば登れないかもしれない。危険な所ほど、登頂後に来る感慨は大きい。この日一番の富士の絶景ポイントなる場所であった。富士を望むとなんとも言えない安らいだ雰囲気になった。しかしゆっくりとはしていられない、ここに寄り道した分の30分ほどの時間超過となる、急がねばならない。登山道はすぐ西側を通って居るのだが、そのまま尾根を進んだ。あまり歩かれては居ないようで、付近は木々が密生していた。この時間帯になるといつもの事なのだが、足の疲れは何処かに行ってしまう。いつの頃からかこのような体調になったのである。
13:49唐松尾山。山頂は登山道から逸れた場所にあり、三角点と達筆標識があった。いぶし銀の達筆標識、この山に良く似合う。アップダウンを何度も繰り返し黒槐山到着。と言ってもほとんど通過点のような感じで、気にしてなければ立ち止まらないようなピークであった。笠取山に近くなるに連れて、また道は歩きやすくなる。地図に載る分岐の場所は通行止めになり、そのままルートを直進した。すると地図に無い分岐があり、そこからルートが笠取山へ通じていた。眠くなるようなたおやかな道を歩き、途中から一転険しくなった。そこにはロープがあり右側から道が上がってきていた。少し崩壊が進み現在の場所は廃道としたように見えた。登り上げると山頂かと思ったらニセピーク。さらにその先も、そして三度目の正直で笠取山の山頂に着いた15:58。
狭い山頂に大きな立派な標柱が立っていた。夕焼けがもう少しで沈み、富士には雲がかかりつつあった。のんびりとはしていられない、ここから2時間は歩かねばならない。16:17下山。来た道をしばらく戻り先ほどの分岐へ。クロエンジュ尾根を目指して下る。途中の沢水で喉を潤す。これが美味い。がしかし、水で腹が満たされると肺が圧迫され、すぐに肩が痛み出す。いたちごっこであった。もう一つ沢を跨ぎ、この先で将監峠へ行く道から離れ、中島川口を目指して南に進む。道は何度も九十九折りが続き緩やかになっている。最初の登山道設置段階で綿密に考えられたのか、感心するほどである。途中からヘッドライトで照らす。面白い事に昼間から夜になった場合はLED灯より豆球灯のほうが見やすいのである。明るいのに慣れてしまっているせいであろう。辺りが完全に闇夜になるとLEDの僅かな明かりでで十分となった。飛ばさないように注意していたが、自ずといつものスピードになってしまう。いつもながらのハイスピードで駆け下り、17:42中島川口に降りついた。ここからしばらく車道歩きをして、17:58車に着いた。
帰路は、睡魔が何度も襲ってきて4度ほど仮眠を取った。家に着いたのが21:30。久しぶりに充実した一日であった。