備前楯山  1272.4m         
      
    2004.10.31 


   晴れ    単独    船石峠から        行動時間 :不明



  登山記録・写真ともに紛失、記憶に頼る。(2008.5.21 再作文)


 
 細尾峠から夕日岳山塊を散策し、次に銀山平東側の備前楯山に向かう。赤倉地区から山道に入るのだが、見える景色はこれぞ足尾と言うような無毛な地形が多い。この道は舗装され状態はいいのだが、狭い場所が多くすれ違いには神経を使う。ほどなくして船石峠に到着。広い駐車スペースには1台も停まっていなかった。秋のハイキングシーズンに登られないのでは、この山はいつ登られるのだろうか、などと思いながら準備をする。

 平面距離にして1.3キロほど、ノルマを30分以内と科せてスタートする。良く管理された一級の道を伝ってゆく。道標やベンチ、丸太を施された階段、なかなかお金の掛かっている道のように見えた。前半は至極なだらかで楽々登頂などと思っていたが、後半にやや急峻が待っていた。足許の状態も一変し、車で言うならギヤを入れ替えて登るような場所であった。ここは常に山頂が見えているコースであり、このように見えている場所ほど、歩いてみると遠く感じるものである。

 山頂は遮る物は何もなく360度が見渡せた。痛々しい山の斜面が目に入るのだが、いい意味で、鉱山開発に携わった人々のパワーをそこに感じたりするのであった。さらに自然破壊の痛ましさと、そしてなんとなく緑も根付いてきている様子から、自然の強さも見てとれた。この足尾地区も、自然回復の兆しとして熊が戻ってきているようである。その理由には、岩盤がむき出している場所に、植樹などで薄く砂が乗り、その下に蟻などが生息するようになるのだそうだ。熊にとっては、深く掘らずとも獲物にありつけるので、生息しやすい場所となるようである。付近に熊が現れると、遮る物が無いので発見しやすいそうだ。この山頂からも、もしかしたらそんな様子が見えるのかもしれない。

 往路は、丁度30分で登りあげた。最後は時計と睨めっこであったが、たまにはこんな登山も楽しいものである。下山はその分、のんびりと景色を楽しみながら下って行った。

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