伊那丸  1698m     ガボッチョ   1681m        
      
    2004.9.26 


   晴れ    単独    ビーナスラインより       行動時間 :不明



  登山記録・写真ともに紛失、記憶に頼る。(2008.8.28 再作文)


 
 「ガボッチョ」、なんとも興味深い名前である。東側にあるカシガリ山との相乗効果でそう思えるのかもしれないが、それにしても珍名であることには間違いない。周辺の山々を見ても、少しアイヌ語が入っているような感じもあるが語源の真相は判らない。

 ビーナスラインの富士見台の脇から林道に入り、適当に駐車。すぐに目の前の伊那丸を目指す。現在地と山頂とを最短路で結んで歩いてゆく。足許は草原であるが、さほど労せず山頂部に達する。遮るものは何もなく360度の大展望である。次に目指すガボッチョもよく見えていた。トランシーバーからは、周辺の山々へ散らばった仲間からの声が入る。

 伊那丸からは南に草を分けて行ったのだが、歩いてみて思ったのは、東側に戻って林道を利用してガボッチョに向かった方が早い。最初はなんでもない草地なのだが、やや硬さのある草で、時間の経過と共にやや負担に感じるようになる。尾根らしい所を南西に行くのだが、途中から小さな岩のゴロゴロした中を歩くことになり、見通しはいいものの足許にも注意が必要な場所となる。よく見るとこの尾根にも放牧された牛の踏み跡(もしかしたら人間の作道かも)が無数についている。やや擦れた場所もあるが、拾うように伝い行くのだが、なにせ牛の行動であり、向うガボッチョに対して微妙な踏み跡であった。ただ道の無いことを思えば格段に楽であり、牛のおかげで楽に歩けているのは間違いない。

 尾根を降りきるとそこには各方面からの道が合流していて峠のようになっていた。道を逸れると周辺は深い笹でそこを分けるようにガボッチョ手前のピークに這い上がる。北側を巻いてしまおうかとも思ったが、北側も笹が深そうであり、忠実に高い所を拾って進むことにした。完全に笹漕ぎ状態になり泳ぎながら進んでゆく。次の鞍部までも深い笹が続きガボッチョのへの最後の登りになりやや植生が和らぐ。するとそこにはなんとなく踏み跡がついていた。これが牛のものなのか人間のものなのかは判別できないような微妙な踏み跡があり、時折見え隠れしている感じであった。登山道があるのかと見間違えたほどなのだが、その有無は判らない。

 山頂部に達するとそこにはティピーテントの骨組みのような櫓があり、上の方に旗がたなびいていた。登頂に際し、山頂部を示すものとしては嬉しいのだが、この木組みはどのような意味合いのものなのか。北側を見ると何本かのダンダラ棒が立っており、経路の人気無さとは裏腹に人工物が目に付いた。山としては東西に双似峰となっており、現在地から西側を見るともうひとつこんもりとした峰が見えた。ここでの展望はやや周囲の草が繁茂していて、良好とは言えない様な場所となっていた。無線機を握り、霧ヶ峰に散らばっている猛者諸氏と連絡を取り下山となる。

 復路はガボッチョ東側のピークを越えるまでは忠実に往路を辿り、その先の鞍部からは明瞭な踏み跡の方を伝った。往路に辿った尾根を左に見ながら少し進むと立派なダート林道が現れそこを行く。この林道は今でも頻繁に往来があるらしく路面や周辺の様子からそれが判断できた。そして右手(東)に鉄塔が見え出したらゴールも近く、脇を通過して数分で駐車スペースに到着となる。

 冒頭に書いたとおり、ガボッチョを無積雪期に狙うなら林道を伝って南進するのが一番早い。時間に余裕があり、展望や気持ち良さを優先するならば尾根歩きとなるだろう。上手く場所を選べばさほど薮を漕ぐことはないのかもしれないが、それなりの身支度で行くことをお勧めする。と言うのは牛が放たれる(放たれていた)せいかもしれないが、ここでササダニに少しやられてしまったのだった。

chizu1.jpg

                                      戻る