長官山 1218.3m 利尻山 1721m 三眺山 1460m
2004.8.13
快晴 同行者あり 利尻北麓野営場から山頂を経て沓形港まで 行動時間:10H12M
@北麓野営場3:41→(7M)→A甘露泉3:48→(6M )→B三合目3:54→(31M)→C四合目4:25→(33M)→D五合目4:58〜5:02→(16M)→E六合目5:18〜21→(18M)→F七合目5:39〜44→(44M)→G長官山6:28〜43→(4M)→H利尻山避難小屋6:47→(27M)→I九合目7:14→(44M)→J利尻山北峰7:58〜8:11→(11M)→K利尻山南峰8:22〜24→(12M)→J利尻山北峰再び8:36〜47→(13M)→L沓形への分岐9:00→(52M)→M三眺山9:52〜10:08→(70M)→N避難小屋11:18→(55M)→O沓形コース登山口12:13〜17→(96M)→Pトロン温泉13:53〜〜Q沓形港出発15:24
P〜Q間は入浴
稚内から利尻島に向かう | 島内のオタトマリ沼越しに見る利尻山。 | @3人用のテントに3人はかなりきつい。荷物のほとんどはビニール袋に入れて外に出した。 | A甘露泉通過 |
B三合目 | 乙女橋 | C四合目 野鳥の森。 | D五合目 |
D五合目から礼文島。 | E六合目。この日の来光。 | E六合目から761高点(西)側の斜面。 | E六合目から鴛泊港。 |
途中から振り返る。大展望。 | 六合目と七合目の間にあるトイレ。ここでは持ち帰りを励行。 | F七合目 | F七合目から北側。 |
七曲途中から振り返る。 | G長官山。 | G長官山から見る礼文島。 | 稜線にある避難小屋が見える。 |
H利尻岳山小屋 | H小屋内部の様子。 | I九合目。ここにもトイレがある。 | 沓形ルートへの分岐点。 |
最後の赤ザレ地形。 | J利尻岳北峰 | J山頂から東側。 | Jローソク岩 |
J山頂から南側。 | J山頂から北側。 | J利尻岳から礼文島。 | K利尻岳南峰最高点の標識。 |
K南峰から見る北峰。 | 北峰と南峰の間にある岩場。 | L沓形コースに下って行く。 | 親不知小不知。少し荒れた地形に入る。 |
親不知の場所を振り返る。 | 下山途中から利尻南稜。 | 三眺山手前の峰(肩)から見下ろす。 | 背負子投げのクサリ場。 |
M三眺山の宮。 | M三眺山山頂。 | M三眺山から利尻岳を振り返る。 | 馬の背通過。 |
八合目 | 夜明しの坂 | 礼文岩。岩の上部の凹凸が礼文島に似ている。 | 七合目 |
見晴台から礼文島。 | N避難小屋内部。 | O沓形コース登山口。少し上に展望台がある。電話ボックスあり。 | 利尻登山線を下って行く。 |
P沓形のトロン温泉に沈没。 | Q沓形港を出発し礼文島に向かう。 | カモメが追ってきていた。 |
羽田空港。少しフライトまでに時間があるのでのんびりビールなどを飲んでいたら、チェックインに大勢の列で冷や冷やする。さすがお盆である。日本の端の方が目的地の為か、登場口までが遠く200mほどあった。走って何とか間に合う。飛行機に乗り込み離陸。1時間45分の快適な旅である。
稚内空港に降り立つと流石に風はひんやりとしている。湿気が無く快適である。バスに乗りフェリーターミナルに向かう。流石に車内はほとんどが利尻、礼文に向かう人らしく、途中で降りる人はまばらである。料金は590円。何処で乗っても何処で降りても同じらしい。フェリーターミナルに着くと乗船券を買い、コインロッカーに荷物を預け散策に出る。短時間で行ける適当な所は無く、スーパーで次ぐ日の買い物をしてターミナルまで戻る。ターミナル内は大勢の人でごった返していた。部活で遠征なのかジャージを着た学生も見られた。かなり時間があり、ここでもまたビールを飲んでしまう。運転が無いのでビール三昧である。1時間ほどあるが少し早めに乗船の列につく、これは正解で、いざ時間になったら物凄い列になった。先頭の方で乗船出来、2等船室の適当な場所を確保できた。
船室を確保したはいいが、私はほとんどデッキに居る。いつもそうなのだが、部屋を確保する必要は無いくらいである。デッキでの風は冷たく、半そででは寒いくらいであった。それでも景色を楽しみたいので外に出て北海道の大きさを楽しむ。ノシャップ岬を巻く辺りから利尻岳が大きく見えてくる。その大きさゆえに胸が弾む。「あそこに登るのだ」という武者震いのような感じもある。あとは天候だけが頼みであった。
鴛泊の埠頭に到着。すぐにレンタカーを借りるのだが、事前の電話連絡と違い、キャンプ場に乗り捨ては出来ないという。まートラブルを作ってはいけないので文句は言わなかったが、これは約束違反である。最終的には送ってもらうという事で話はついた。レンタカーで最初にヤマト運輸に行き、今回の旅の荷物を受け取る。そして時計回りに島内を一周する。これと言って目立った名勝は無いのだが、全ては利尻岳の大きさと景観が満足させてくれる。島内を回りながら気になったのは鳥居が白いのである。赤い鳥居は全く無い。なぜだろうか。オタドマリ湖を手前に利尻岳を撮った写真が一番だろうか。でも何処から撮っても様になる山である。特に何も無いので道なりに進むばかり、いつくしま弁天のところでハマナスの実を口にする。選りすぐって食べれば美味しく食べられるのである。結局1時間足らずで一周してしまった。フェリーミナルの一番東の店に入り、うに丼を食べる。なんとこれが3000円。あとから経験したが、高くとも2000円内に収まるのである。夕食の後車を返し、運転手を頼みキャンプ場まで送ってもらう。既に時間は19時を回り辺りは真っ暗であった。ヘッドランプで照らしながらテントを設定し、そそくさと潜り込む。2〜3人用ではあるが、実際は2人用であるためかなりきつい。ザックを全部外へ出し、必要最低限のものを中に入れ晩酌とする。一日移動でかなりつかれたので、すぐに寝袋に収まった。明日は念願の利尻登山。夜鍋して酒を飲んでいるわけにはいかなかった。夜は流石に冷え込んていた。
3時起床。バナナを2本食べ、テントを片付ける。3人分の呼気の夜露がずっしりと重い。乾かす時間は無いのでそのまま畳みザックに入れる。パッキングしてさあ出発。ヘッドランプを点け舗装路を登って行く。途中に「甘露水」と書かれた道標が幾つも目にする。そしてすぐに甘露水の水源に着く。真っ暗で見えずらいがまさしくここである。ここでテルモスに水を補給。よく踏まれた道を登って行く。周りは樹林帯で展望が無い。ポン山も登りたい山だが分岐をスルーしそのまま利尻山頂を目指す。一人だったらポン山へ行ったかもしれない・・・。四合目、五合目と30分おきに現れてくるポイントにおおよその到達時間が読める。がしかしこれは九合目までで、その先は時間の経過がちと違う。さて6合目見晴台。振り返ると青い海に鴛泊の港が見える。来光もまぶしく予想外にも好天らしい。雨を予想していただけに大満足である。前日からの飲酒の為か必要に水を飲むようになった。
登山道は左右と上から木々が覆いかぶさるトンネル状になっており、大きなザックではそれらが引っかかりとても歩きづらい道であった。第2見晴台からもなかなかの絶景。ここからもう一登りすると長官山であった。ここから見る利尻岳もなんとも言いがたい絶景であった。洋上のマッターホルンというのがよく判る。少し休憩し、最後のワンピッチ。目の前に見えてはいるがなかなか届かない山とはこの事を言い、手の届く所に山頂は見えるのだが、なかなか距離は縮まらない。避難小屋は20人ほど入ればいっぱいになるような小屋であり、中はあまり綺麗ではなかった。窓がガラス張りになっており、場所が場所だけに積雪期には大丈夫なのかと思うほどであった。この先からザレタ道が続く。赤茶けた石ころが多く、かなり滑りやすい。そのためにタイガーロープが流してあるのだが、それにしても滑る。この調子でどんどん山が削られているのであろう。途中沓形への分岐があった。帰りはここから沓形の港を目指す。上にあがると今まで見えていたピークは偽ピークでその先に山頂はあった。同行者が先に到着し、そのあとに続いた。山頂には各ホームページに見る祠がそこにあった。360度の展望と、荒々しい山容が見え。この上ない満足感に満ちる。山頂には誰も居なく独占状態である。しばらくして最後の同行者も上がってきて記念撮影。少し南の肩へ移動し休憩。そして最高点のある南峰を目指す。
ルートはよく踏まれた道ではあるが、通行禁止の処置がされている為か、切り開きはされていないようである。二つ目のピークの先で崩落が進んでいた。腕力で降りる。危険箇所はここだけであった。ここを通過出来る者と出来ない者とで最高点に行けるか行けないかは分かれ道となるが、まーたいしたことはないだろう。この付近は青い花が多く、目にまぶしいくらいであった。この先も道に導かれ歩いてゆく、少し西から回り込むように山頂に立つ。山頂には「1719m」の標識があった。誰かが北峰にあった物をここに持ってきたようである。数分の滞在で早々に戻る。先ほどの岩場はやはり腕力で登る。北峰と南峰との間は10分くらいである。北峰に戻ると既に多くの登山者でごった返していた。少しだけ休憩し山頂をあとにする。
登行者はどんどん上がってくる。落石を起こさないように注意をするが、不可抗力の部分もある。沓形への分岐で同行者を待つ。同行者は下りが苦手なのであった。沓形ルートに入り何人かと行き交う。少し情報を貰うとかなり荒れているようである。最初はかなりザレタ道で次にロープを垂らした場所も出てくる。ここが危険箇所なのか、確かに雪が乗っていればかなり危険になるだろうが今は夏、大して難しい所はなく歩いて行く。三眺山までが難しいなどと聞いたが、難なく三眺山へ到着してしまった。ここから見上げる利尻本峰も荒々しくすばらしい。目が回るほどの岩壁がそこにある。ここの山頂には祠があり、三眺の宮社と書かれていた。少し休憩。ここからは下り一辺倒。あまり良い道ではなく滑りやすい。さらには管理がされていないのか、荒れてきていた。すれ違った登山者は荒れている場所をここの事を指していたのかも。水の流れがそうしているのだろうが掘られた部分が多い。赤土が露出してとても滑りやすい。しばらくすると避難小屋到着。この小屋はブロックを積んで出来ており、裏には例のトイレが置いてあった。不思議なのは小便である。どうすれば良いのか。
あとは一気に下るだけである。途中外国人が2名登って行った。その他軽装のハイカーが居たり、ここの登山者もさまざまであった。歩いて行くと車通りの音がして下山口が近いことが判る。そしてどこからか人の声もする。すれ違う方は無かったので、どうも察するに展望台側に居た人の声であった。そしてもう飽き飽きした頃に下山口に到着。直ぐにタクシーを呼ぼうと上の駐車場から電話をするが、出払って一台も居ないとの事。予想はしていたが現実となった。同行者二人を宥める仕事が待っていた。当初予定ではここからタクシーで港まで下る予定であったのだが、沓形のタクシー会社は予約が出来ず、当日呼んで欲しいとの事であり、結局このようになってしまった。自販機でジュースを買い、「これでがんばってくれ」と心の中で言葉にし、無言で渡す。そして車道をすたすたと歩き出す。車道はそこそこ車の往来が多い。同行者の関係もあり、誰かに乗せてもらいたい心境だが、汚い姿で乗せて貰うわけにはいかないので、ひたすら我慢して歩く。
高度計を見ながら残りの高度を確認する。港が見えて来るとなんとなく元気も出てくる。登って行った車が再び下りてくる。そんな車が何台居ただろうか。「利尻礼文サロベツ国立公園」の看板が見える頃、広い車道脇には歩道が出てきた。どうやら町が近い。歩道のところにランダムにベンチが置かれていた。これも町が登山者のために用意したものかもしれない。観光とウニ漁でしか収益がない町である。当然かもしれない。 少し賑やかな街の中になり地元の人に最短の道を聞いてフェリー乗り場に急ぐ。車通りは少なく、センターラインを踏んで歩けるような所だった。左右に真新しい建物が見えた。その左側にあるのが「ホテル利尻」。そして隣接してトロン温泉があった。礼文に渡ってから入浴とも考えていたが、出港時間にも1時間ほど余裕がありここで入る事にした。館内は空いていて、浴場も空いていた。気に入ったのは冷たい水が常備してあり、それがなんともうまい水であった。汗を洗い落としさっぱりしてフェリーターミナルへ向かった。フェリーターミナルまでは10分くらい。沓形は基本的に利用者が少ないのか空いていた。15:20フェリー出発。振り返り利尻岳を見ると上の方はガスの中となった。名残惜しいがだんだんと遠退いていった。それと同時に山頂から歩き下ってきた満足感に満ち溢れた。あっという間に香深の港に到着。