サス峰  1173.5m    栗原山   1310m         
      
    2004.12.19 


   曇り時々晴れ    同行者あり    大福峠付近からから        行動時間 :不明



  登山記録・写真ともに紛失、記憶に頼る。(2008.3.14 再作文)



 前々から気になっていた山なのだが、地形図やコンサイスに掲載が無く、ただそれだけの理由で登っていない山であった。それが日本山名事典に掲載され、晴れて狙う理由が出来たのである。山登りなど自己満足であるから、どんな山をどのように登ろうが勝手なのだが、私の場合は「地形図」か「日本山名事典」に載っている山を登山の対象としている。

 前夜は「亡国の集い」と称される、おどろおどろしい催しが上野村川和の「コテージまほーば」で執り行われた。全国区や関東圏では有名な名だたる猛者が集まり、直立不動、背筋も凍るような山談義が繰り広げられた。私の語る余地は無く、ひたすら聞き役に徹し各情報を吸収していた。そして翌日、皆でサスの峰に行くこととした。

 コテージを掃除して明け渡し、現地に向かう。国道462号を東に進み、右手に叶山が見え出したら分岐も近い。旧中里村宮地地区から大福峠に向かう林道に入る。林道脇には神社やがあり、氏子が集まり何か催し物をしているようであった。新年を迎えるための準備だったかも。林道はしっかり舗装され上に続いていた。特に凍っている箇所も無く順調に進んでゆく。かなりクネクネとした林道で、それだけが障害であった。大福峠からは相原地区へ抜ける林道が分岐しており、それを右に見ながらさらに真っ直ぐ進む。カーナビを見ながらそろそろ適当な取付き点を探す。途中鋭角に西側に入っている林道があり、これは地形図には載っていないが、エアリアには載っている道であり、ここを使うことにした。少しそのまま林道を先に斥候に行ってみたが、やはり狙うには先ほどの林道が一番に思えた。車を戻し、枝林道入口付近に駐車をする。

 当初4人のパーティーであったが、所用で一人欠け3人の編成になった。中では私が一番若いので、トップでルートを見出して行く。枝林道入口にはロープが張られ一応進入禁止をそれが示していた。跨いで歩いてゆく。サスの峰から東に続く尾根末端から取付こうかと思ったが、もう少し我慢し先に行く。すると山沢川の支流の谷の深くなった場所に、山手側にピンクのリボンが付けられた所があった。先を見ると踏み跡が続き、どうもこれがサスの峰への登路に見えた。下の方は植林帯で、少し高度を上げるとやせ尾根のような左(西)側の明るい尾根歩きになった。途中で先ほど取付こうかと思った尾根に合流し進路を西に向ける。この付近はルートは不明瞭で、大きな岩を右から巻くように上がって行く。少しすり鉢状になり、落ち葉で足元が滑りやすい場所であった。ここを通過すると岩交じりの尾根になり、ここにはそこそこの踏み痕が確認できた。そしてそのまま西に向かうとサスの峰に到着。

 山頂部はあまり展望は無いが明るい場所であった。西側は少し開けてこの先向かうルートが見渡せる。地形図では既にゲジゲジマークのエリアに入っている。この先どんな難所があるのか判らぬが、予定した縦走を完結させるために西進して行く。このサスの峰の下降だったか、その次のピークだったか、いやらしい急下降がある。コンパスの長い人なら良いが、短い人は少し苦労する場所に思えた。そこを慎重に足を下ろしてゆく。安全通過はザイルが欲しい場所であった。時折マーキングが目に入り、それを気にしながら安全な場所を選びつつ進んでゆく。世の中一般には「危険」と呼ばれる場所であり、言い方を変えると楽しい場所であった。表妙義や裏妙義の岩場を怖いと思うか楽しいと思うかと相通じる所がある。

 急峻を這い上がり、そして下り込む。5〜6回繰り返したろうか、やっと危険箇所から開放され栗原山に到着した。木々の間から南小太郎山の斜面が見える。そしてその奥には赤久縄山の稜線が見えている。ここまで来れば予定の大半は消化したと判断した。何せ岩場の危険地帯が未知数で、一番の神経を使う部分であった。そこを消化出来たので、ここで持ち上げたビールで皆で祝杯とした。休憩しながら下山ルートを模索する。南に下るルートがこの山のメインのルートであるようだが、それでは車の場所とはかけ離れてしまう。地形図には南小太郎山からの破線ルートが南東に下っているが、エアリアにはさらに持倉越から破線ルートが降りている。おそらく廃道ではあろうが、今日の面子なら心配無用でこのルートで行くことにした。同行の両名は藪の名手なのであった。

 栗原山からよく踏まれた尾根を下ってゆく。そして持倉越の峠からは、エアリアの通りにルートが東側に下りて行っていた。谷に対して左岸を行くようにトラバースしてゆく。少し不明瞭な場所もあるが、よくよく見れば外す事はない。落ち葉を踏みしめながらサクサクと進んでゆく。しばらくの間は右に谷を見ていたが、途中で尾根を北側に乗越して行く。するとそこにはかなり広い林道が下から上がってきていた。昔は車が通ったのであろうが、通らなくなって大分経過したような状態の道であった。落ち葉が40〜50センチほど堆積しており、まるで新雪をラッセルして行くかのよう足を出してゆく。クネクネとなかなか長い下りで、途中で崩落している場所があり、この為に通られなくなったようであった。

 舗装林道に降り立つ。何か標識があったのだが、ちと記憶が薄れてしまった。朝方、取付きを探すのにここまでは斥候に入っていたので、車までの残り距離はおおよそ把握できた。少し登り勾配の林道をのんびりと上がって行く。ぐるっと周回してきたわけだが、1日コースとして計画するには、このコースは丁度いいかもしれない。ただ、サスの峰と栗原山の間にはいくつかの危険地帯が待ち構えている。安全通過にはザイルを持ったほうが無難であろう。

 
地図のルートは、やや不確かな部分があり、おおよそのルートとして記してあります。
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