薬師岳 1322m 安達太良山 1699.6m 矢筈森 1637m
2005.10.30
小雨・ガス(強風) 同行者あり 強風でゴンドラ運休 行動時間 :5H05M
@あだたらエクスプレス駐車場。強風の為、皆車内で停滞中。 | エクスプレス脇の道標。強風を押して歩き出す。 | A林道からゲレンデ側に入る分岐。見落とすと、くろがね温泉へ | 綺麗な虹が掛かる。 |
B薬師岳。行政の山頂。地形図の山頂とは場所が異なる。 | B薬師岳の鐘。強風でザックカバーが風船のようになっている。 | 安達太良方面はガス。 | 気温低下、強風。中央の子供は喘息でありながらがんばっていた。 |
山頂直下。 | マイナス4度。 | C安達太良山山頂。 | C三角点。 |
C見えない方位盤 | くろがね温泉上部 | 途中の小屋。 | 源泉のある方向。昔は登路が鉄山鞍部まであったそうな。 |
Dくろがね温泉。大勢のハイカーが休憩している。混んでいて温泉には入れず。 | 登山道からくろがね温泉を見上げる。 | いたるところに馬車道の道標がある。 | E奥岳到着。この日は一日中ゴンドラは運休のようであった。 |
4:10家を出る。伊勢崎まで北関東道に乗り50号を経由して佐野藤岡へ。ここから東北道で本宮ICに。下道をナビに従って行く。本宮の町中を通り、岳温泉地内のコンビニで食料を買い、奥岳にあるあだたらエキスプレスの駐車場に到着する7:40。すごい風で、ドアを開けるとそのまま持って行かれそうなほどであった。既に30台ほど停まっており、ゴンドラの始業前なのに歩き出している人も居た。
食事を済ませ8:01歩き出す。ロープウエーの方に向かうと、従業員が「本日運休」のプラカード持って立っていた。躊躇することなく登山道に向かう。しばらく林道を辿り、途中からスキー場の脇に付けられた登山道を行く。道標があるのだが、ポイントポイントに的確に無く、少しだけ不安になるところもある。地図を見てリフトの小屋を右にしながらスキー場内の踏み跡を行く。しばらく行くと一本道が現れ、次第にそれは濃い道となる。後を振り向くとアリンコのように皆登ってくる。風が冷たく、流石に頭にジンジンくる。バンダナを耳に巻いて対応するのだが、意外にこれが使えるのであった。
樹林帯に入ると視界が無くなり、足元が赤土のネチャネチャした土壌になる。小雨も降り、右側の山手を見るときれいな虹がかかっていた。喘ぎならら登ってゆくと目指す山頂駅の駅舎がどんどん近くなる。強風の中に鐘の音がした。どうやらもうすぐらしい。9:02ほぼ予定通りで1時間で登り上げた。薬師岳の標柱と鐘があり、その横に祠があった。そこには若者のパーティーが居た。大きなザックのザックカバーに風を孕んで凄い事になっていた。地形図の本峰はここでは無く、南東に位置する。空荷で往復することにした。ロープウェー駅舎の脇を行く道を伝って行く。登りでなく下りなので、なんとも気分が乗らない。ナビを見ながら適当に同定して踵を返す。同行者を先ほどの標柱の場所で待たせていたのだが、止まって待っている方は至極寒そうで、非難轟々であった。
樹林の中の登山道に入る。ここからはしばらく立派な木道を歩く。これならロープウエーを使えば、難なく歩けてしまうわけだ。入山者の多さに、植生保護のためにしたのだろうが、味気ない感じもする。しばらく行くと、小さな子供連れの男性が先を歩いていた。なかなか道を譲らないのが不思議であったが、子連れとは言えそこそこのスピードで歩いていた。子供を見ると、悪天候の中で山頂を踏めるのかと心配になるほどの小ささであった。喘息が酷いらしく、常に咳き込んでいた。木道は途中から砂利石の道となり、緩やかに高度を上げていった。ナビを見ると残り300m、雨が冷たく、風も15m〜20mほどは吹いている。寒さに耐えられず一枚着込む。砂礫の道を登ってゆくと、目の前に標柱が現れた。安達太良山頂の標柱がある。しかし目の前のガスの中に、まだ高い頂がある。岩峰のように見えるが、行けるのか。岩にぶち当たると、右側の岩の隙間に踏み跡がある。そこを行く。すると鎖場があり、ひと登りで最高地点であった。
風を避けて休憩していたが、長居を出来る場所ではなかった。すぐに下る。力のある登山者はどんどん登って来ていたが、話を聞くと諦めて帰る人も多いようだった。分岐から牛ノ背を鉄山の方向に進む。ここからが最大の難所であった。稜線はさらに凄い風で、途中で同行者の手袋を出そうとした時に、雨具の入れ物が飛んで行ってしまった。すぐに諦めたが目で追うとどこかに引っかかったようでガスの中にまだ見える。急いでガレ場を駆け降りてゆく。赤い袋は風の強さからか岩肌にまとわり付くようにあった。がしかし、風にもてあそばれて捕まえるまでに四苦八苦した。そして掴んだ時は小動物を捕まえた時のような感激であった。風に体を斜めにしながら、やっと分岐に付く。地図を見ると手の届きそうな距離に矢筈岳があるのだが、全くのガスの中。下しか見られないような風の中を30センチほどの歩幅で風上に行く。こちらは先ほどの牛ノ背に対して馬ノ背と言うらしい。どんな差があるのだろうか。背と言うよりは尻尾を歩いたほどで矢筈岳に立つ。流石にここではトランシーバーは握れず、少し下って稜線の陰に隠れて交信をする。そして背を強く押されながら再び分岐まで戻る。
分岐からはペンキの印に従い、くろがね小屋を目指す。西からの風を稜線が遮っているので、東側斜面は嘘のように風が無い(ゼロではないが)。ルートがいくつもあるようで、ガスの中を方々から声がする。秋と言う事で、かなりの登山者が居るようである。行き会う人、全てに稜線の風の事を聞かれる。ありのままを話すのだが、聞いた時点で引き返す人も居た。申し訳ない説明をしているようで、後ろめたい気にさえなった。どんどん下ってゆくとガスの下に出て、視界が開ける。大きな谷がありその右岸を登山道は通る。丁度急登の始まるところでは、腰を下ろして休んでいる人が目立った。さらに下る。小さな小屋が左手にあるが、何の小屋だかは判らなかった。そして下の方に大きな建物が見えてきた。最初は、先ほどの小屋がくろがね小屋かと思い違いをしていたが、今度のものが本物である。
くろがね小屋には50人近いハイカーが休憩をしていた。外は寒いので中で暖を取っているのであろう。それからここは、源泉をそのまま引いている掛け流しの温泉がある。360円と銭湯料金で気になる風呂であるが、混んでいる事もあり、次回持越しとした。中で休憩している同行者を待つこと10分。寒空の下、小屋の前で待ちぼうけであった。小屋の建てやの下には炊事場もあり、申し出れば借りられるようであった。
緩やかな道を下る。この先は軽四が通れるほどの道幅がある。よく見ると轍があるので間違いなく車が通っているようであった。山側には、お湯を導水する石積みがあった。昔はこの中に木管を通していたようであるが、現在はビニールパイプが通っているであろう。こちらの登山道は物凄い人であった。温泉目的に来る人も多いので、そのせいだろう。途中でラーメンを食べようと、適当な場所を探していた。風が強いので、風を避け日当たりの良い所をとの思いだったが、探しているうちにどんどん高度を下げて行った。橋を渡り、もうじき奥岳の登山口を目の前にして登山道からスキー場に入る踏み跡を辿った。ここは途中に背の高いお地蔵さんがあり、不思議な場所であった。ゲレンデに出て久しぶりに腰を下ろす。山行時にラーメンを作るなど、いつ依頼か。20分くらい休憩して下る。
13:06登山口到着。下界は好天なので駐車場にはたくさんの車が停まっていた。皆が皆、上に行っては居ないだろうが、ここが人気である事には間違いない。プラカードも持った従業員が増員され、5人くらいが道路整備と不通の為に立っていた。次は風呂である。有名な岳温泉に来たのであるから、入りたい。本に載っていた旅館を聞いたら、タイミング悪く掃除中であった。やむなくホテルらしきところを利用した。光雲閣というなんとも葬祭場らしきネーミングの場所であった。恐る恐る入ってみたら、予想外にも良い所である。525円で設備もしっかりしている。風呂のお湯も、長い距離を揉まれて来ているので流石に柔らかい。露天風呂は湯が少なく、入れなかったが、総合的には大満足であった。風呂を出たのが14:30。来た道を辿り本宮インターから高速に乗り、途中、西那須野と栃木で渋滞に遭いながら佐野まで辿り着く、あとは下道で家を目指す。家には20:00時頃到着。
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