継母岳   2867m     王滝頂上   2936m     飛騨頂上  2800m       
      
    2005.11.5


   晴れ  残雪   単独     行動時間 :8H19M


 ・田の原4:26→(112M)→@9合目小屋6:18→(7M)→A王滝頂上6:25〜30→(21M)→B剣ヶ峰6:51→(13M)→C稜線分岐(
下降点)7:04→(61M)→D継母岳8:05〜12→(76M)→E稜線分岐(下降点)9:28→(15M)→B剣ヶ峰9:43→(31M)→・サイの河原10:14→(21M)→・飛騨頂上10:35〜10:39→(53M)→A王滝頂上11:32→(73M)→F田の原12:45
   

goraikou.jpg tocyukaramikasa.jpg 9goumekoya.jpg  koyatoucyaku.jpg 
途中でご来光を迎える。 途中から振り返る。中央は三笠山。 9合目小屋を前に。 @9合目小屋到着。
koyakararaikou.jpg  outaki.jpg  sancyouhyoucyuu.jpg  sancyoukarashita.jpg
@9合目小屋から。 A王滝頂上。 B剣ヶ峰山頂。 B剣ヶ峰から。
sankakuten.jpg  jigokudani.jpg  bunnkihenonobori.jpg  cyagama.jpg 
B剣ヶ峰三角点。 途中から地獄谷側。 継母への下降点へ登る。 一の池
bunnkikaramamahaha.jpg  bunkikarakenngamine.jpg  anbukaramamahaha.jpg  anbukararyousen.jpg 
C下降点から継母岳を望む。 C下降点から剣ヶ峰。  稜線からの中間点から継母岳を見上げる 中間点から稜線側。
mamahahasancyou.jpg  mamahahahigashi.jpg  mamahahakita.jpg  mamahahanishi.jpg 
D継母岳山頂。 D継母岳から東側。  D継母岳から北側。  D継母岳から西側。 
gezankaishi.jpg  toriiato.jpg  bunnkinimodoru.jpg  cyusyajyou.jpg 
D山頂から直下の様子。 直下の鳥居址 E稜線下降点まで戻る。  F駐車場到着。

 継母岳登行をメインとしており、飛騨頂上側の絵は端折ってあります。悪しからず

  

 家を0:30出発し和田峠を経て塩尻に。そして19号で王滝村に向かう。元橋より山手に入り、しばらく行くと工事箇所が2箇所あった。懐かしい山道を登って行く。路肩の標識には「11月15日から通行止めになる」と書いてある。一週遅かったら厄介であった。高度をどんどん上げて行くと、左側に駐車場らしき所を通過。ここが小三笠山への入山口であるが、取付きの確認は出来なかった。さらに進み田の原の駐車場に着いた。下の駐車場には5台、上には2台停まっていた。すぐに用意をする。寒さもあるのだが、雪を頭に入れて、雨具のズボンを履いた。空を見ると満天の星である。空に近いのと周りが暗いとの恩恵である。


 ヘッドライトで歩き出す。懐かしい登山道を再び歩く。風が吹き左右の笹が揺れる。気温はマイナス5度。登山道が兵站路から傾斜が増すようになってくると、そこの水気が凍っていて危険であった。霜の降りた後を、足跡を残して誰か先に行っているようであった。顔を上げて高みを望むと、ヘッドライトの明かりが見えていた。8合目避難小屋は、前に見た時より綺麗になっていたような気がする。この付近は、登山道に転がる石がグリップするので歩きやすい。凍っている所さえ気をつければ、容易に登れる所であった。6:17この日のご来光であった。真後ろから上がってきたのだが、上がり出すとあれよあれよという間にスッと上がってしまった。

 
 王滝頂上小屋到着。ナビの電池の消耗が早く、ここでブザーが鳴り電池を入れ替えた。だいぶ使っていなかったので放電が進んでいたようでもある。あまりにも寒いので雨具を着て、防寒帽も被った。小屋の前で先を歩いていた人が写真を構えていた。写真の為に夜行をしていたのであるから、足も達者な人だろう。王滝から剣ヶ峰の間は、同時出発のように後を追ったのだが、御仁は天狗のような速さで先を行ってしまった。しばらくして頂上直下に着くと、御仁は御岳頂上山荘の陽だまりでコーヒーを飲んでいた。力量の差が「余裕」に変わるのを見せ付けられる。

 剣ヶ峰登頂。久しぶりに来たのであるが、前回の記憶がほとんど無い。地図を見て先に行くルートを探すのだが、何処だか判らない。情けないものである。しばらく悩んだ挙句に、社務所脇から行こうと決め進むと、そこがルートであった。社務所の裏に来ると記憶は蘇った。大きな石の階段を下って行く。雪が乗り慎重に足を置く。積雪は30センチほどあるので、踏み抜く所と置ける所では、差が出て、筋力を使う。左側を見ると、自然の造形美と言えよう地獄谷側の岩のオブジェがある。下から硫黄の臭いが上がってきている。右手を見ると一ノ池が真っ白に雪に覆われていた。


 7:04喘ぎながら分岐下降点に着く。そして行くべき継母岳を確認する。雪も乗っているのだが、特に道も見えないので、適当にラインを決めて下降開始。大きな岩に乗りながら行くのだが、雪があるためにスピードは出ない。継母岳が近くに見えるのだが、なかなか高度が下がらない。見た目以上に距離があるようである。足場のよいところを探して、ハイマツの上や、小石のところを探すが、何処も今ひとつ歩き辛い。小さな谷を跨ぎ南にずれると、そこにはケルン状の石が並んでいた。どうやらここがルートのようである。やはり今までよりは歩きやすい。

 7:35最低鞍部到着。そこには朽ちた鳥居が横たわっていた。さて目の前は岩峰でどうに登ろうか悩んだ。何処へ行けば正解なのか判らなかった。適当に尾根を選び、途中から岩を巻くのに右(北)にずれた。一つ岩を巻いたが、最後の壁が待っていた。一見何処が行けるのか判らなかった。これもまた右(北)にずれた。かなり危険箇所に足を踏み入れてしまい、雪の付いている事もあり、戻るに戻れない状況になった。要するにセミ状態である。北側にトラバースするようにして稜線部まで行ってしまおうか迷ったが、あと数メートルのバンドがとてももろそうに見え、そのまま真っ直ぐ壁を登っていく事にした。手がかりを探し、足がかりも探す。雪を払いのけ岩の地形を確認する。そんな作業を繰り返してゆっくりと登って行く。ある意味、命がけの作業であった。落ちれば死もありえた。経験不足からもう足はガクガクであった。ナイフリッジの稜線まで上がってしまうと、やっと生きた心地がした。

 8:05継母岳山頂到着。展望はすこぶる良く、360度のパノラマであった。一応、下山路を把握しておかないと落ち着かないので、東側斜面を見下ろす。でも何処がルートなのか良くわからない。雪が全てを消してしまっている。山頂には屋根の取れた社が二つあった。元々どのようになっていたのかは全く判らない。風を避けて腰を下ろす。今歩いてきたルートは、今度は見上げるように長く上に伸びていた。今日の予定は盛り沢山で長居は無用。儀式も手短に、すぐに戻る。北側の岩部で懲りたので、やや東側に下り、岩部は右に巻いて降りた。少し腕力を使うが、さほど難しくない。でも凍っていればやばい場所である。下りは往路に比べれば難なく鞍部まで降りた。さてここからの登り、急ぐ事は無いのだが、楽には登りたい。地形を見ながら緩やかなコースを辿った。往路よりかなり南側を歩いた。こちらは雪が締まり歩きやすい。登りあげたところからは、朝に見た岩のオブジェが左前方に見えていた。と言う事は、かなり地獄谷側にずれてしまったということになる。90度進路を変えて、赤い石の斜面を駆け上がる。右下から上がってくるガスが喉に染みる。噴気孔も近いようだし、大丈夫だろうか。ザレた斜面を懸命に登る。

 9:28やっとの事で分岐まで戻る。ここまで来れば後は心配が無い。地図を見ながらこの先の行動を決める。この後の予定の小三笠山を行くには、飛騨頂上までへはのんびりとはしていられない。既に踏んでいるピークであり、儀式の為だけに行くのであるから、最短で尚且つ短時間で踏んで来たい。そこで剣ヶ峰まで戻って往復する事にした。トレースを見ると剣ヶ峰から先を歩いているのは私のみのようであった。三角点峰まで戻ると、5人ほどが休憩をしていた。王滝側を見るとカラフルな登山者がこちらへ向かって来ている。重装備の方、軽装の方、区々であった。

 さて下り出す。実はこの先にある石碑やオブジェ群が私はとても苦手なのであった。御嶽信仰には欠かせない物であることは理解しているのだが、ドキッとするものばかりで、本当なら競馬馬のように遮眼帯を付けたいくらいなのであった。二の池小屋を過ぎるとそのドキドキ度合いも最高潮。サイノ河原は小走りに行く。こちらのエリアに入ると登山者の姿は居なくなった。その代わりに人のようなオブジェが・・・。自ずと足早になる。足元はかなり凍っているところが多い。こちらの稜線は風当たりが強いのだろう。避難小屋の所からは三の池側のルートを辿り、6年ぶりの飛騨頂上へ10:35。

 大きな社があり、以前と変わらぬ山頂であった。目的の儀式をして4〜5分の滞在で踵を返す。ゼリー飲料を一気に飲み干し、自分のトレースを辿る。往路復路ともに1時間を見込んでいた。ある意味タイムアタックの様相で、時計を頻繁に見ながら残り距離を縮めて行った。

 11:32尻の筋肉と膝の内側の筋肉をパンパンにして大滝頂上に戻る。道中風が強く雨具を着込んでいたのだが、ここに来ると私一人場違い服装のようで、下から登り上げて来た人は皆薄着であった。それを見て一枚脱いで下山となる。先ほどまでの闊歩が足に染み付いているのか、この下りも好調にストライドを伸ばした。朝凍っていた所は安心して足が置けるほどに溶けており、怖い部分は無くなっていた。いくつものパーティーと擦れ違い、さらには先行下山者を追い抜いた。下の兵站路まで来ると観光目的の散策者も目立つようになり、ゴールが近い事が判る。

 12:45登山口到着。多くの観光客の車が並んでいた。すぐに車に乗り込み、場所を移動する。

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