麦草岳 2733m 赤林山 2177.7m 木曽見台 1560m
2005.6.11
曇りのち雨 単独 上部は残雪 行動時間 :10H05M
@キビオ峠の休憩舎。 | @福島Aコース登山口。 | A木曽見台への分岐。 | 3合目。 |
一箇所ガレた場所の通過がある。補助ロープあり。 | B4合目。ベンチあり。 | 赤林山のコル。 | C6合目分岐。直登コースは通行止めであった。 |
C直登コースの取付き部。 | 麦草岳直前。 | D麦草岳三角点峰。 | D立派な道標が二つある。 |
E2733高点。 | 駒岩でいいのか? | F7合目避難小屋。かなり新しい。 | F土間の様子。ストーブ完備。全てが揃っている小屋であった。 |
F板の間の様子。綺麗な作り。 | G6合目分岐に戻る。赤ペンキで小屋の方向が示してある。 | Hコルから赤林山へ向かう。 | I赤林山三角点。 |
I三角点測量の白いプレート板が長い木の先に付けられていた。 | J木曽見台への分岐帰り。 | K木曽見台。 | L登山口。正面の小屋はトイレ。 |
家を1時に出る。佐久を経て武石村の笠取峠を越えて152号線で茅野に出る。これは大きな間違いではないのだが、142号の和田峠を越えねばならないところを、大和橋交差点分岐をボーッとしていて大門峠を越えて茅野に出てしまった。諏訪を経て岡谷から塩尻に入り、やっと19号に乗った。こんな事なら三才山トンネルを越えても良かったのではないかと思った。途中道の駅で小用を済ませ、駒の湯に通じる車道に入る。駒の湯を過ぎY字路を右に行く。次にT字路になり、ここは左に進む。しばらく行くとキビオ峠の施設が見えてくる。最初ここが登山口でいいのか半信半疑だったが、地図を見てもここしか入山口は無く、山際の廃道に車を停め準備をする。
「熊出没注意」の立て看板に、少々背筋を伸ばして入山。植林地の中の掘れた道を登って行く。前夜の夜露にズボンが濡れる。これから天気は下り坂、何度も雨具を着ようか迷いながら歩いて行く。この付近は非常になだらかな歩きやすい道である。有名ルートであるから歩く人も多いはずであるが、流石に今の時期はどうだろう。静かな山道を鈴の音を鳴らしながら歩いて行く。途中崩落箇所もあるがタイガーロープで補修してあった。登山口が2合目から始まっており、木曽見台への分岐が3合目となった5:33。木曽見台は帰りに登る事として先に足を進める。この先も相変わらずなだらかな道が続く。
4合目6:31。腰掛けたくなるようなベンチが設置してあるが、休むことなく歩く。5合目にはタイガーロープで仕切られた道があり、どうもここはルートが変わったようであった。塞いでいたのは赤林山への直登ルートだったのか。辺りはゴミが散乱して汚い感じがした。少し笹薮の濃い場所を通過し、おそらく赤林山を巻いているのだろうトラバース道を辿る。そしてコルに出ると昔の標識があり、「奇美世滝」の文字が読み取れる。昔はここから上松Bコースへの道が始まって居たようである。帰りはここから赤林山を目指す。
6合目の分岐に到着すると正面の岩に赤ペンキで小屋の方向が示されていた。麦草岳へ行く推奨ルートは、小屋を経由するルートらしいが、ここはエアリアマップでは廃道になってしまった直登ルートを辿る。廃道と言っても十分歩ける状態であった。ただ岩場の通過が何箇所かあり危険度は高い。ちらほらと雪が見え出して来ると、前方をハイマツが塞いだ。そこで雪渓のある稜線東側を辿った。キックステップをしながら這い上がる。背中にはアイゼンがあるのだが、少々の辛抱と着けずに上がった。何度か道が現れるのだが、すぐに雪に覆われてしまっていた。上部に行くと雪も消え、視界の先に麦草岳の三角点峰が見えた。ハイマツの中の道を進んで行く。風が強く体感温度も低い。
9:31麦草岳三角点峰。二つの立派な方向標識があり、各々彫りこみが見事であった。さてまだ先に行かねばならない。一度ハイマツの中に沈み再び登りあげる。登山道があるのだが残雪に繋がって行こうとしたら登山道に戻るのにもたつく。2733m峰到着9:39小さな石が積み重ねられた山頂で、古い空き缶がいくつも転がっていた。ここまで4時間半もかかってしまった。コースタイム通りといえばそうなのだが、自分の中では30分余計だった。丁度山頂の北側にくぼみがありそこで休憩とした。ここは全方向からの風を遮っていた。トランシーバーで声を出すと名古屋の大御所K氏が声をかけてくれた。視界が無く展望写真は無し。
7合目の避難小屋を目指す。最初は尾根道で楽々と思っていたが、予定通り雪が現れた。見え隠れする道を拾いながら急斜面を下ってゆく。途中に駒岩らしいところから左に巻いて尾根を辿る。空の開けていた場所から樹林帯に入ると道を間違えたのではないかと不安になる。なかなか目標物が現れず、マーキングなども皆無であった。半信半疑で下ってゆくと目の前に小屋が見えた。不安は一気に解消した。小屋の外観は普通なのだが、中を覗くとすばらしい。小さいながらもストーブのある土間と、寝室が分かれている。山屋の知恵やノウハウが考慮された小屋のようである。雰囲気は良く一度は泊まってみたい小屋の一つとなった。まだ新しい台帳もあり、そこには数人分の書き込みがあった。
小屋から6合目へのトラバース道は、最初から大崩落場所があり先が思いやられる。水場と思しき場所には雪が詰まっていた。道はほぼ水平に付けられているものの、谷がいくつもあり、ことごとく雪に埋まっている。それらのトラバースは慎重に通過した。合計6箇所くらいはあった感じがする。雪の被害を受けやすいルートであり、全体的に崩壊が進みメンテが大変そうな登山道に思えた。
11:21空が開けたと思ったら6合目の分岐であった。この先はどんどん下るだけである。急ぐ事も無くのんびりと下ってゆく。鈴の音がこだましている感じで、時折差す日の光がまばゆい。そして赤林山下のコルに付いた12:02。まだお昼であり時間は十分。安心して赤林山への藪尾根を歩いてゆく。藪といっても道が無いだけで、とても歩きやすい山肌である。それでも途中途中に踏み後らしい道形が見えた。さらには熊の糞も目に付く。時折赤テープのマーキングが見えた。これはかなりの距離間隔で付けているのでよほどの慣れた人のようである。
12:33赤林山三角点発見。三角点測量用の白い台もあり、時期には作業員が登るのであろう。そう考えると、道の有無もなんとなく判る気がする。下山は北側に下ろうかと思ったが、歩きやすかった来た尾根を下る。わりと尖った尾根なので間違うことなくコルに降り立つ。あとはトラバース道を辿り5合目、4合目と経て3合目分岐に降り立つ。木曽見台への100mほどのなだらかな道を辿ると山頂はワラビ畑であった。ホウチャクソウとワラビがびっしりと生えていた。誰も取りに来ないのか・・・。山頂標識も面白い形のものが設置してあった。展望が良ければ言う事はないが、台風の最中の天気でこのくらいなら御の字である。儀式をして下山。
負担の無いなだらかな道を惰性で降りてゆく。結局今日は誰にも行き会わない静かな山旅であった。登山道に残る雪の状態から適期でないのは十分判る。静かなのは当然か。そしてキビオ峠まで降りると、駐車場に1台車が止まっていた。こんなところにと思うが、一応ここも観光名所である。天気さえ良ければ展望が良いらしい。14:54下山完了。
帰りは塩尻から新和田トンネルを経由して254方面に出た。これを使えば家から3時間圏内である。次にも繋がる道路を開拓できた。家には18時到着。