赤倉山 1938m ナラズ山 2052m 龍ノ峰 2050m
2005.10.22
曇りのち雨 単独 赤湯温泉を基点に周回 行動時間 :14H
@ゲートのポールに道標が付いている。 | A四合目 棒沢 | B鷹ノ巣峠 | C赤湯手前のサゴイ沢の橋。 |
D山口館到通過。 | 1号橋。(真っ暗なので標識だけ撮影) | D赤倉分岐。左に進む。 | 1700m付近の紅葉。 |
E赤倉山山頂。 | E赤倉山三角点。 | ナラズ山方面の稜線。 | 良い道が開かれている。 |
中央に見えるは猿面山だろう。 | Fナラズ山山頂。専修大学の標識。 | F開けた展望の良いピークである。 | F達筆な標識。レタリング技量が高い。 |
途中から苗場山方面。だんだん平らな部分が多くなる。 | 途中の池塘。 | G龍ノ峰三角点。 | H龍ノ峰最高点から北側。 |
H龍ノ峰最高点から南側。 | 木道が建設中であった。 | 苗場山側からだとナラズ山方面は通行止めにしてあった。 | Iヒュッテ |
I苗場山山頂。 | Jしらびそ廊下への下降点から下を望む。 | しらびそ廊下の標識。 | Kフクベノ平 |
第一赤湯橋。 | 赤湯(昔の湯壷) | Lここも秘湯の宿である。 | Mゲート到着。暗くなってしまった。 |
12:45出発、17号を三国峠を越えて浅貝地区に入る。途中にある民宿の明るい駐車場で登山靴を履いた。一応夜露を気にして雨具も着込んだ。気温は10度、秋である。苗場プリンスの所には標識があるものの、かなり小さく目立たない。一度行き過ぎてナビで確認して戻ってきた。スキー場の脇を通り、林道を詰めて行く。舗装路はすぐに途絶え、轍の少ない走りやすいダートが続く。途中工事現場方面へ行く道と赤湯へ行く道と分かれる。この分岐には橋があり、対岸に渡ってからしばらくでゲートされた林道と左に下る林道がある。ここが登山口である。下に行くと既に5台ほど停まっていた。あまり広い場所でなく、回転場所を確保するように両脇に並ぶ。
靴は既に履いているのですぐにスタート3:12。ゲート脇には苗場山を示す道標が付いている。駐車場を下に臨むように道は続いていた。この道も車の通行には支障のない道である。もっとも赤湯の経営者が使っているではあろう。林道の行きついた先は、パジェロが停まっていた。これが経営者の車だろう。ここから本格的な登山道が始まる。最初は狭く、30mほど行くと再び広くなった。鉄橋を渡り対岸へ行く。この先高度を上げて行くのだが、温泉への道と高をくくっていたら大まちがい、しっかりした山道の登山道である。起伏もあり、頂上の鷹ノ巣峠まで行くのに予想以上に時間が掛かってしまった。峠からは一気に下らず、軽いアップダウンをしながらじわじわと下ってゆく。そして沢の音が大きくなると、道は九十九折になり急勾配となる。崩れた場所もあり慎重に足を運ぶ。降り立つとそこに鉄橋があり、渡りきるとサゴイ沢と書いてあった。どこに宿があるのかと思ったら、宿はさらに100mほど先にあった。手前には隠微な御神体も有り、宿のまん前を登山道は通過している。。
山口館から河原に下りて右岸を歩いて行く。白いペンキがルートを示していたのだが、充電不足によりヘッドライトが暗くなり、ルートが見い出し難い状況であった。再び鉄橋があり、赤湯1号橋と書いあった。山道を喘ぎながら登ってゆく。すると分岐が現れた。古い分岐標識で苗場山への案内は判るが、赤倉山への案内がない。とは言っても分岐の標柱に赤倉分岐とある。間違いなく赤倉山への分岐のようであった。
道は予想外に刈払いがしてある。手をかけるほど利用者は居るのだろうか。管理者の努力に甘んじてどんどん登ってゆく。足元はネマガリの切り口が出ているのと、刈払った笹が滑り慎重に足を運ぶ。トラバース状の道も多く、右側に足が流れないように注意して歩く。1600m付近になり、目の前に草刈機が無造作に置いてあった。その先を見ると、笹が繁茂していた。ここまで楽をさせてもらった事を感謝し、笹に突入する。道形があるのでそれを辿れば良いだけであるが、尾根道なら良いがトラバースが多く、笹も雪に押され谷方面に流れている。とても滑りやすかった。狭い尾根に乗ると紅葉を楽しむ余裕も出てきた。視界左の山はガレていて紅葉とコントラストが綺麗であった。痩せ尾根を通過し、さあここから藪漕ぎが始まる。地図を見ると頂上はもうすぐで、見え隠れしているのだが、やはり頂上が見えてからが長い。道があると言ってもそこにはびこるネマガリの太い事。こんなに太いのは初めてであった。両手で分けながら少しずつ高度を上げる。時計を見るとかなり赤湯から経過している。気ばかり焦るが、なかなか距離を稼げていなかった。
そして視界が開けた。稜線から下に20mほどは刈払いがしてあった。稜線に上がり左に進むと赤倉山三角点がある7:51。ここは何も標識がなく、少し先に行った樹林の中に標識が付いていた。その下に作業用具がブルーシートに包まれているようであった。ここまででもう5時間ほど費やしている。先の予定もあるので少し急ぐ。それでも道が有る無しでは大違いで、きれいに刈られた道は、歩きやすくペースも上がる。緩やかに下り1つ目のコブから一気に鞍部まで降りる。さほど高度は下げないが、5時間歩いた後の登り上げは辛い。二つ目のピークを越し、さらに先に本峰がある。この間のアップダウンは軽く、足も滑らかに前に出る。ナラズ山に到着すると、専修大学の標識と、先ほどの赤倉にあった標識と同じ書式のものがここにもあった。風が冷たく、時折雨も当たる。水を飲み呼吸を整える。佐武流山は残念ながらガスの中であった。儀式もして9:07踵を返す。
一応この時点で予定を確認する。赤倉山の先に1787標高点がある。龍ノ峰へは150mほど下って260mほど登り上げが待っている。時間的にどうであろうか。でも、現在と同じような登山道であれば可能かもしれない。一応こんな判断をし足を進めた。赤倉山再び。いなり寿司をほうばり、再び地図を眺める。ネマガリがあるので、登ってきた尾根を下るのは嫌な感じもする。楽をするにも先に進まねばならない。気合を入れ直し苗場山方面へ下って行く。左手の藪の中になぜかダンダラ棒が付けられていた。どんどん高度を下げる。向かう方向に対して斜め左に進むので、何か遠ざかって行くような気さえもした。やや急な道が永遠と続き、いつしか1787ポイントも通過し、さらにまだ下った。オヤッと思ったのだが、要するに良く地図を見ていなかったのである。実際の最低鞍部はさらに標高が低く、1787高点は途中の通過点でしか過ぎないのであった。
そして登り返す。最初だけ急なのかと地図を読み取っていたが、上のほうまでしっかり急であった。上に上がってしまえば、なだらかな道となる。振り返ると今ほど登ってきた2座が聳えていた。視界の無い笹薮の中の登山道を行く。本日お披露目のナビを出し、ナビゲートさせる。目の前のこんもりしたところが目指す龍ノ峰らしい。残り400m。斜面を登り、ナビの指す方向より登山道は左に行っている。でも到達距離は減っているので、まず間違いないのだろう。途中の道端に三角点があった。こんな所にと思うような場所であった。視界に池塘が入るようになった。ナビを見ると、登山道を伝って行くと最高点から少し離れてゆくようになり、右手の藪の中に突入した。行った先は、藪が晴れ草付きの平原の端であった。丁度12:00、ナビでプロットした龍ノ峰到着。
儀式の相手無線局が見つからず無駄な時間が経過する。赤湯への下降点へ直接行こうとしたが、最初は何とか進めたのだが、途中笹薮に阻まれる。しかたなく登山道に戻りマッドな登山道を行く。しばらく行くと途中から木道が敷かれ、分岐には通行止めの表示があった。どうも付近は工事中で、進入禁止のようであった。でもこれは苗場側からであって、赤倉側はそれらの表示は一つも無かった。歩きやすい木道を行くとハイカーの声も聞こえ賑やかになってきた。やや寒いが、いたるところに人影がある。ここまで来たのだからと苗場山の山頂を踏む12:56。祓川の道へ行きそうになり、結局戻るように赤湯への木道に乗る。この時点で13:00、夕暮れまでの残り時間も短く、足早に進む。でも木道はそれに応えてくれるのであった。
13:12苗場の平原の突端の赤湯への下降点に到着。下を見ると切り立っていて、そこにぽつぽつと尾根上の山がガスに浮かぶ。さて下る。鎖が施してあるところもあり、急勾配のほどが判る。一気に50mほど下ると尾根道になる。途中3人のパーティーを追い越す。道は歩きやすい一級の道が続く。途中途中に「急坂危険」などと書かれてあったが、さほど急を感じなかった。ただただ長い。やっとの事でフクベノ平14:27。ここからはさらに歩きやすい。水のストックも空寸前で、この下にある水場を期待して足を速めた。沢の音がだんだんしだし、登山道が沢を跨ぐところで水を得た。流れに口を付けて吸う。上手い。もうこうなると水分不足気味と喉の渇きとで、常に飲まないと収まりがつかなくなってきていた。すると左斜面で何か動いた。黒い。まさしく熊である。小熊であるが、当然付近には親熊が居るだろう。すかさず鈴を出して、熊にも注意してもらう。
下まで降りると標高は1100m台であった。ここから鉄橋を渡り、再び60mほどの登り上げ。道標には15分と書いてあったが、10分で上がる。まだまだ根性はあるようである。登りあげると、そこが赤倉分岐であった。一気に下り1号橋を渡る。右岸には無数の足跡があった。最低でも10人ほどが歩いているようであった。山口館の前の川に、赤い湯溜まりがあったので手を浸けてみた。温度は温いが、ここも湯が出ているようであった。ここは大水で数度被害に遭っているので、その時の物だろう。先の露天風呂の方へ行くと、向かいから女性がタオル1枚でやってきた。通常の場所では考えられないが、ここが山奥だから本人も出来る芸当なのだろう。私も入浴の予定をしていたのだが、湯壷に残る女性の友人(女性)の視線に怯んでしまい、すごすごと露天風呂を後にした。
サゴイ沢の橋のところへ行くと4人の若い女性が来た。今日は女性ばかりなのか、橋を渡ると今度は男女7人ほどのパーティー。見るからに若い。ワンゲルか、大きなザックも背負っている者も居た。この時間から苗場に上がる事はないだろう。赤湯停滞で明日上がるのか。その瞬間、一人の女性が谷側に向けて転んだ。顔面を強打したように見え、見ているこちらにもかなりの衝撃が感じられた。可哀想だが、こちらが騒いでも仕方ないので、処置はパーティーに任せて見ているしかなかった。ここから急峻を登るのだが、合計20人ほどにすれ違った。今日の山口館は大賑わいである。雨が強くなり雨具着る。ザックカバーを出そうとしたら、無いのである。先週干したままである事を思い出した。やむなく傘で対応。足元が滑りやすく、慎重に行く。だんだん疲れがピークに近づき、スピードが出ない。それはそれでいいのだが、踏ん張りが効かなくなるのが、要注意である。
やっとの事で鷹ノ巣峠16:22。もう暗くなるのも時間の問題である。鉄橋まではこんなに長かったかと思うほどかかった。林道終点には、パジェロのほかにインプレッサもあった。経営者家族のものだろう。もう暗い。普通ならヘッドライトが欲しいが、ゴールはもうすぐ、我慢して歩く。右側の谷を気にしながら行くのだが、なかなか車が見えず、見えるのは水の流ればかり。焦ると長いもので、往路に見た、いくつかの標識を確認するように歩き進む。そしてやっと右下に車が見えてきた。ゲートを経て17:12車に到着。14時間丁度で周回終了。雨は幾分弱まったが、まだ降っていた。急いで雨具を脱ぎ、車を走らせる。途中で寝たい気持ちもあったが、堪えてハンドルを握る。家に着いたのは20:00であった。
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