赤倉山  1938m     ナラズ山    2052m     龍ノ峰    2050m      
      
    2005.10.22  


   曇りのち雨       単独     赤湯温泉を基点に周回     行動時間 :14H


 ・ゲート下駐車場3:12→(2M )→@ゲート3:14→(23M)→A四合目3:37→(35M)→B鷹ノ巣峠4:12→(45M)→C赤湯山口館4:57→(25M)→D赤倉分岐5:22→(149M)→E赤倉山7:51→(63M)→Fナラズ山8:54〜9:07→(53M)→E赤倉山再び10:00〜08→(42M)→G龍ノ峰三角点11:50→(11M)→H龍ノ峰最高点12:01〜15→(40M)→I苗場山12:55→(17M)→Jしらびそ廊下下降点13:12→(75M)→Kフクベノ平14:27→(50M)→D赤倉分岐15:17→(12M)→L山口館帰り15:29→(53M)→B鷹ノ巣峠16:22→(49M)→Mゲート17:11→(1M)→・駐車場17:12
   

ge-to.jpg 4goume.jpg takanosu.jpg  akayutemae.jpg 
@ゲートのポールに道標が付いている。 A四合目 棒沢 B鷹ノ巣峠 C赤湯手前のサゴイ沢の橋。
yamaguchikan.jpg  1goubashi.jpg  akakurabunki.jpg  1700.jpg
D山口館到通過。 1号橋。(真っ暗なので標識だけ撮影) D赤倉分岐。左に進む。 1700m付近の紅葉。
akakurahyoushiki.jpg  akakurasankaku.jpg  ryousennnomichi.jpg   ryousennnomichi2.jpg
E赤倉山山頂。 E赤倉山三角点。 ナラズ山方面の稜線。 良い道が開かれている。
sarutura.jpg  narazuyama.jpg  narazunaeba.jpg  narazuyama2.jpg 
中央に見えるは猿面山だろう。 Fナラズ山山頂。専修大学の標識。 F開けた展望の良いピークである。 F達筆な標識。レタリング技量が高い。
tocyuukara.jpg  chitou.jpg  tatunominesankaku.jpg  tatunominekita.jpg 
途中から苗場山方面。だんだん平らな部分が多くなる。 途中の池塘。 G龍ノ峰三角点。  H龍ノ峰最高点から北側。 
tatunomineminami.jpg  kensetucyuu.jpg  tuukoudome.jpg  yuxtute.jpg 
H龍ノ峰最高点から南側。 木道が建設中であった。 苗場山側からだとナラズ山方面は通行止めにしてあった。 Iヒュッテ
naeba.jpg  kakoutenkara.jpg  shirabisorouka.jpg  fukubedaira.jpg 
I苗場山山頂。 Jしらびそ廊下への下降点から下を望む。  しらびそ廊下の標識。 Kフクベノ平
daiichiakayu.jpg  akayu.jpg  yamaguchikankaeri.jpg  ge-tokaeri.jpg 
第一赤湯橋。  赤湯(昔の湯壷)  Lここも秘湯の宿である。  Mゲート到着。暗くなってしまった。 


  

 12:45出発、17号を三国峠を越えて浅貝地区に入る。途中にある民宿の明るい駐車場で登山靴を履いた。一応夜露を気にして雨具も着込んだ。気温は10度、秋である。苗場プリンスの所には標識があるものの、かなり小さく目立たない。一度行き過ぎてナビで確認して戻ってきた。スキー場の脇を通り、林道を詰めて行く。舗装路はすぐに途絶え、轍の少ない走りやすいダートが続く。途中工事現場方面へ行く道と赤湯へ行く道と分かれる。この分岐には橋があり、対岸に渡ってからしばらくでゲートされた林道と左に下る林道がある。ここが登山口である。下に行くと既に5台ほど停まっていた。あまり広い場所でなく、回転場所を確保するように両脇に並ぶ。

 靴は既に履いているのですぐにスタート3:12。ゲート脇には苗場山を示す道標が付いている。駐車場を下に臨むように道は続いていた。この道も車の通行には支障のない道である。もっとも赤湯の経営者が使っているではあろう。林道の行きついた先は、パジェロが停まっていた。これが経営者の車だろう。ここから本格的な登山道が始まる。最初は狭く、30mほど行くと再び広くなった。鉄橋を渡り対岸へ行く。この先高度を上げて行くのだが、温泉への道と高をくくっていたら大まちがい、しっかりした山道の登山道である。起伏もあり、頂上の鷹ノ巣峠まで行くのに予想以上に時間が掛かってしまった。峠からは一気に下らず、軽いアップダウンをしながらじわじわと下ってゆく。そして沢の音が大きくなると、道は九十九折になり急勾配となる。崩れた場所もあり慎重に足を運ぶ。降り立つとそこに鉄橋があり、渡りきるとサゴイ沢と書いてあった。どこに宿があるのかと思ったら、宿はさらに100mほど先にあった。手前には隠微な御神体も有り、宿のまん前を登山道は通過している。。

 山口館から河原に下りて右岸を歩いて行く。白いペンキがルートを示していたのだが、充電不足によりヘッドライトが暗くなり、ルートが見い出し難い状況であった。再び鉄橋があり、赤湯1号橋と書いあった。山道を喘ぎながら登ってゆく。すると分岐が現れた。古い分岐標識で苗場山への案内は判るが、赤倉山への案内がない。とは言っても分岐の標柱に赤倉分岐とある。間違いなく赤倉山への分岐のようであった。

 道は予想外に刈払いがしてある。手をかけるほど利用者は居るのだろうか。管理者の努力に甘んじてどんどん登ってゆく。足元はネマガリの切り口が出ているのと、刈払った笹が滑り慎重に足を運ぶ。トラバース状の道も多く、右側に足が流れないように注意して歩く。1600m付近になり、目の前に草刈機が無造作に置いてあった。その先を見ると、笹が繁茂していた。ここまで楽をさせてもらった事を感謝し、笹に突入する。道形があるのでそれを辿れば良いだけであるが、尾根道なら良いがトラバースが多く、笹も雪に押され谷方面に流れている。とても滑りやすかった。狭い尾根に乗ると紅葉を楽しむ余裕も出てきた。視界左の山はガレていて紅葉とコントラストが綺麗であった。痩せ尾根を通過し、さあここから藪漕ぎが始まる。地図を見ると頂上はもうすぐで、見え隠れしているのだが、やはり頂上が見えてからが長い。道があると言ってもそこにはびこるネマガリの太い事。こんなに太いのは初めてであった。両手で分けながら少しずつ高度を上げる。時計を見るとかなり赤湯から経過している。気ばかり焦るが、なかなか距離を稼げていなかった。

 そして視界が開けた。稜線から下に20mほどは刈払いがしてあった。稜線に上がり左に進むと赤倉山三角点がある7:51。ここは何も標識がなく、少し先に行った樹林の中に標識が付いていた。その下に作業用具がブルーシートに包まれているようであった。ここまででもう5時間ほど費やしている。先の予定もあるので少し急ぐ。それでも道が有る無しでは大違いで、きれいに刈られた道は、歩きやすくペースも上がる。緩やかに下り1つ目のコブから一気に鞍部まで降りる。さほど高度は下げないが、5時間歩いた後の登り上げは辛い。二つ目のピークを越し、さらに先に本峰がある。この間のアップダウンは軽く、足も滑らかに前に出る。ナラズ山に到着すると、専修大学の標識と、先ほどの赤倉にあった標識と同じ書式のものがここにもあった。風が冷たく、時折雨も当たる。水を飲み呼吸を整える。佐武流山は残念ながらガスの中であった。儀式もして9:07踵を返す。

 一応この時点で予定を確認する。赤倉山の先に1787標高点がある。龍ノ峰へは150mほど下って260
mほど登り上げが待っている。時間的にどうであろうか。でも、現在と同じような登山道であれば可能かもしれない。一応こんな判断をし足を進めた。赤倉山再び。いなり寿司をほうばり、再び地図を眺める。ネマガリがあるので、登ってきた尾根を下るのは嫌な感じもする。楽をするにも先に進まねばならない。気合を入れ直し苗場山方面へ下って行く。左手の藪の中になぜかダンダラ棒が付けられていた。どんどん高度を下げる。向かう方向に対して斜め左に進むので、何か遠ざかって行くような気さえもした。やや急な道が永遠と続き、いつしか1787ポイントも通過し、さらにまだ下った。オヤッと思ったのだが、要するに良く地図を見ていなかったのである。実際の最低鞍部はさらに標高が低く、1787高点は途中の通過点でしか過ぎないのであった。

 そして登り返す。最初だけ急なのかと地図を読み取っていたが、上のほうまでしっかり急であった。上に上がってしまえば、なだらかな道となる。振り返ると今ほど登ってきた2座が聳えていた。視界の無い笹薮の中の登山道を行く。本日お披露目のナビを出し、ナビゲートさせる。目の前のこんもりしたところが目指す龍ノ峰らしい。残り400m。斜面を登り、ナビの指す方向より登山道は左に行っている。でも到達距離は減っているので、まず間違いないのだろう。途中の道端に三角点があった。こんな所にと思うような場所であった。視界に池塘が入るようになった。ナビを見ると、登山道を伝って行くと最高点から少し離れてゆくようになり、右手の藪の中に突入した。行った先は、藪が晴れ草付きの平原の端であった。丁度12:00、ナビでプロットした龍ノ峰到着。

 儀式の相手無線局が見つからず無駄な時間が経過する。赤湯への下降点へ直接行こうとしたが、最初は何とか進めたのだが、途中笹薮に阻まれる。しかたなく登山道に戻りマッドな登山道を行く。しばらく行くと途中から木道が敷かれ、分岐には通行止めの表示があった。どうも付近は工事中で、進入禁止のようであった。でもこれは苗場側からであって、赤倉側はそれらの表示は一つも無かった。歩きやすい木道を行くとハイカーの声も聞こえ賑やかになってきた。やや寒いが、いたるところに人影がある。ここまで来たのだからと苗場山の山頂を踏む12:56。祓川の道へ行きそうになり、結局戻るように赤湯への木道に乗る。この時点で13:00、夕暮れまでの残り時間も短く、足早に進む。でも木道はそれに応えてくれるのであった。

 13:12苗場の平原の突端の赤湯への下降点に到着。下を見ると切り立っていて、そこにぽつぽつと尾根上の山がガスに浮かぶ。さて下る。鎖が施してあるところもあり、急勾配のほどが判る。一気に50mほど下ると尾根道になる。途中3人のパーティーを追い越す。道は歩きやすい一級の道が続く。途中途中に「急坂危険」などと書かれてあったが、さほど急を感じなかった。ただただ長い。やっとの事でフクベノ平14:27。ここからはさらに歩きやすい。水のストックも空寸前で、この下にある水場を期待して足を速めた。沢の音がだんだんしだし、登山道が沢を跨ぐところで水を得た。流れに口を付けて吸う。上手い。もうこうなると水分不足気味と喉の渇きとで、常に飲まないと収まりがつかなくなってきていた。すると左斜面で何か動いた。黒い。まさしく熊である。小熊であるが、当然付近には親熊が居るだろう。すかさず鈴を出して、熊にも注意してもらう。

 下まで降りると標高は1100m台であった。ここから鉄橋を渡り、再び60mほどの登り上げ。道標には15分と書いてあったが、10分で上がる。まだまだ根性はあるようである。登りあげると、そこが赤倉分岐であった。一気に下り1号橋を渡る。右岸には無数の足跡があった。最低でも10人ほどが歩いているようであった。山口館の前の川に、赤い湯溜まりがあったので手を浸けてみた。温度は温いが、ここも湯が出ているようであった。ここは大水で数度被害に遭っているので、その時の物だろう。先の露天風呂の方へ行くと、向かいから女性がタオル1枚でやってきた。通常の場所では考えられないが、ここが山奥だから本人も出来る芸当なのだろう。私も入浴の予定をしていたのだが、湯壷に残る女性の友人(女性)の視線に怯んでしまい、すごすごと露天風呂を後にした。

 サゴイ沢の橋のところへ行くと4人の若い女性が来た。今日は女性ばかりなのか、橋を渡ると今度は男女7人ほどのパーティー。見るからに若い。ワンゲルか、大きなザックも背負っている者も居た。この時間から苗場に上がる事はないだろう。赤湯停滞で明日上がるのか。その瞬間、一人の女性が谷側に向けて転んだ。顔面を強打したように見え、見ているこちらにもかなりの衝撃が感じられた。可哀想だが、こちらが騒いでも仕方ないので、処置はパーティーに任せて見ているしかなかった。ここから急峻を登るのだが、合計20人ほどにすれ違った。今日の山口館は大賑わいである。雨が強くなり雨具着る。ザックカバーを出そうとしたら、無いのである。先週干したままである事を思い出した。やむなく傘で対応。足元が滑りやすく、慎重に行く。だんだん疲れがピークに近づき、スピードが出ない。それはそれでいいのだが、踏ん張りが効かなくなるのが、要注意である。

 やっとの事で鷹ノ巣峠16:22。もう暗くなるのも時間の問題である。鉄橋まではこんなに長かったかと思うほどかかった。林道終点には、パジェロのほかにインプレッサもあった。経営者家族のものだろう。もう暗い。普通ならヘッドライトが欲しいが、ゴールはもうすぐ、我慢して歩く。右側の谷を気にしながら行くのだが、なかなか車が見えず、見えるのは水の流ればかり。焦ると長いもので、往路に見た、いくつかの標識を確認するように歩き進む。そしてやっと右下に車が見えてきた。ゲートを経て17:12車に到着。14時間丁度で周回終了。雨は幾分弱まったが、まだ降っていた。急いで雨具を脱ぎ、車を走らせる。途中で寝たい気持ちもあったが、堪えてハンドルを握る。家に着いたのは20:00であった。

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