雨池山  1940m      大唐松山  2554.8m (2561m)       

 
 2005.7.03   


    くもり時々晴れ   単独    中房温泉から   行動時間:12H35M   


@奈良田バス停大駐車場2:51→(15M)→A奈良田発電所前3:06→(4M)→B山ノ神3:10→(28M)→・導水管上部3:38→(7M)→C鉄塔3:45→(166M)→D雨池山6:31〜43→(98M)→E2320高点8:21→(79M)→F大唐松山三角点9:40〜58→(65M)→G2320高点帰り11:03→(32M)→H滝ノ沢頭山側調査11:35→(24M)→G2320高点三度11:59→(66M)→D雨池山帰り13:05→(90M)→C鉄塔帰り14:35→(22M)→I山ノ神帰り14:57→(29M)→Jバス停大駐車場 15:26


basutei.jpg  tuukoudome.jpg  tozanguchi.jpg  ge-to.jpg 
@町民広場の大駐車場 @3日前なら発電所まで入れたようである。 A奈良田第一発電所前。大門沢入口。 「すぐにゲートがあり、山手側を注意していると、山ノ神がある。
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B「西山線」と書かれた標柱と山ノ神。付近を良く見ると山腹に道がある。 闇夜に目立つ、手摺配管(足場用のドブ付けパイプ)。これに伝って上に行く。 導水管の上部の橋。 C途中の鉄塔の下を行く。山側にはリボンがあった。
amaikeyama.jpg  amaikeyamasancyou.jpg  zanchiwaiya.jpg  humiato.jpg 
D雨池山三角点。最高点はもう少し先。 D雨池山最高点。白い紐が絡まったまま落ちていた。 稜線途中に残置ワイヤーがある。木々の様子から林業作業が良くされていたようである。 気持ちの良い草地の場所もある。その中に踏み跡。
kumanotumeato.jpg  2320.jpg  depokan.jpg midashihyou.jpg
熊の爪跡が痛々しい。 E2320高点。人工的な朽ちた標柱が残る。 途中に残る1斗缶。山屋か、はたまた作業者か。 時折見出標も付いている。
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F大唐松山。I氏の標識が眩しい。 F大唐松山三角点。 F三角点峰全景。 虫よう(コブ)が目立つ大木が途中にある。
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G2320高点帰り。 H滝ノ沢頭山へ向けて歩くが、時間が気になり、この辺りで引き返す。 鉄塔の上部の尾根には、CPが立ち並び、その先にアンテナ設備があった。 一升瓶が散乱していた。全て立ててみると、面白いオブジェに見えてきた。
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導水管を上から撮影。 I山ノ神帰り。沢山のお酒がお供えしてある。 J駐車場到着 J運賃と時刻表。 



 いつもながら急に決めたような山行であった。綿密に地図を見るわけでもなく、ふらっと出かけてしまった。家を0時発、野辺山を越えて52号線に入り、飯富交差点を右折して早川町に入った。早川町内の車道脇には、南アルプス林道の通行止め情報がいくつも置かれていた。何年ぶりの奈良田だろうか、見覚えのある景色がそこにあった。丸山林道の分岐にはガードマンが居て、その先の侵入を止めていた。7月1日から通行止めで、現在は少し戻った河川敷に駐車をせねばならない。ここからバスに乗り換えて広河原に行くのが順当手段である。3日早かったら第一発電所まで入れたようだが、1.3キロほどのアルバイトであり丁度いいウオームアップとなるだろう。


 駐車場には20台ほどの車が止まっていた。先に入った車は、すぐにライトを消して眠りに入ったようである。しかしこちらはすぐに装備をしだした。2:51行動開始。警備員の横を通り抜けてライトを頼りに歩き出す。橋を渡り右岸に行く、発電所の宿舎のような施設を右に見て、その先に奈良田第一発電所があった。以前訪れてからもう何年経つだろうか。農鳥岳に行くように歩き出すと50mほどで簡単なゲートがある。そこの右側を気にしていると山ノ神がある。山ノ神にはたくさんのお酒がお供えしてある。そこが巡視路の基点である。白い標柱も立ててあり、微かにある踏み跡を辿って行く。信玄堤かと思うほどの堰堤を越えて九十九折を行くと目の前に足場用のパイプで組んだ手すりが上に繋がっている。後にも先にもこんなに丁寧な巡視路は始めてである。手すりを頼りに上がって行くと、導水管の上を渡る。しばらく右側を登ってゆくと「18←→13〜17」と書かれた標柱があった。どちらか判らず左に進む。すると導水管の上部に出た。でもこちらでいいのか判らず、再度先ほどの分岐まで戻った。しかしよくよく考えてもう一度同じ場所を辿る。導水管の上部では大量の水流の音がしていた。ここから一気に水を落とすのだろう。この脇を上に行くと鉄塔に出る。一応ここまでは順調である。

 さてここまでは人工物があるので、道は当然あって然りである。先へ向けて取付きを探すのだが、八方塞のようにも見える。よく見ると右側の木に白いマーキングが付いていた。これだ。ここから進入すると、踏み跡に従いマーキングが上に伸びていた。あまりいい道とは言えない道形を辿って行く。なにやら電線がワイヤーに助けられて上部へ延びていた。その線がやけに太いので気にしながら登ってゆく。その電線の為の電柱がいくつもあった。
そして途中に百葉箱のような箱があり、それが横転していた。電線はさらに先に延びる。途中に一升瓶が散乱したような場所もあり、その先で電線の意味が解けた。アンテナがあり、今まで見てきた線は同軸線なのであった。それらを右に見ながらどんどん進む。次第に笹の中を通過するようになる。しかし笹は枯れていて見通しは良い。これが生き生きしていたら大変な藪漕ぎになるだろう。笹の花が咲き、ほとんどの笹は枯れていた。でも枯れているのはいいが、鋭利になっていて丁度顔の辺りに先が来るのである。めがね必携の場所でもあった。マーキングを追いながら、踏み跡を追いながら高度を上げて行く。なかなか雨池山に到達しない。一度休憩を入れて奮起する。この日の天候は西日本で大雨の予報で、あまり期待はしていなかった。でも晴れていて、なおかつ涼しい。山登りには適当な天気であった。展望が利かないのが残念だが、木々の間から辛うじて左側の稜線が見える。


 6:31雨池山到着。簡単にも三角点が顔を出しているだけであった。最高峰側に行き少し休憩。ここから先は先ほどよりかなりマーキングが少なくなった。帰りに危ないとさえ感じるほどに少なかった。それでも踏み跡は続いているのであるからそれに従えばいいのだが、心細いものであった。雨池からは少し下る。笹原に残留ワイヤーが点在していた。昔は林業作業がされていたようである。鹿の道なのか作業道なのか、入り乱れているような感じもあった。右に稜線を見ながら少し低い場所を通って行った。この辺りから熊の爪痕が目立つようになる。鹿とも思ったが、爪の跡を確認出来たので熊でいいのだろう。周辺に糞がないのがなんとも決めがたい部分であった。

 2320高点到着8:21。ここには木の標柱があり、かなり朽ちているが何か書いてあったものと思われた。ここから先はほとんどマーキングはなかった。尾根伝いに行くのだが、少しづつややこしいルートにもなってきた。岩場が出てきたり、右に巻くところ左に巻くところもある。とても急な場所もあった。それらを最後の試練と登りあげると2554.8mの三角点峰であった9:40。付けたばかりのI氏らパーティーの標識があった。腰を下ろし休む。この時気がつかなかったのだが、最高峰の山頂はこの先であった。地図を良く見ればよかったのだが、ここで歩く事を止めてしまった。

 9:58下山。慎重に来た尾根を戻る。よく見ると木にナタが入れてある。かなり生々しいので、最近入った方がマーキングとして付けた様であった。往路では気がつかなかったので、付けた方は下り用として付けたのだろう。下りは以外にも早く、2346ピークを経て2320高点に1時間ほどで到着。ここから滝ノ沢頭山への尾根があり、時間と距離とを見ながらいろいろ悩み、それでも少し調査してみる事にした。なだらかな樹林帯を下ってゆく。左側は少し開け、右側は鬱蒼としている。歩きやすいところを選びながら進んでゆく。途中右(北)寄りに行くと歩きやすい。少しガスが出てきたので迷いが出てきた。それでも高度計を見ながら下ってゆく。地図を見ると、ちょっと難しい尾根となるのでGPSを出して現在地確認。しばらくして緯度経度が出てマップポインターで地形図上に載せてみる。すると考えられない所に居る。どうもカシミールでの緯度経度線入力を日本測地系で引いてしまっているようである。ナビの方の測地系を操作すれば良いだけなのだが、無理をするなとの知らせのような気がして、この時点で戻る事を決めた11:34。残念だが滝ノ沢頭山は残ってしまった。歩き易いところを選び、やや左(北)にトラバースするように歩いてゆく。途中で往路のルートに乗るかと思ったのだが、結局よく判らず2320の分岐ピークに登りあげた11:59。

 ナタの跡に乗りどんどん高度を下げる。広尾根はとても迷いやすく、各種マーキングを追いながら進んだ。雨池山に着き、腰を下ろして水を含む。今回は季節と距離を見越して2リットルを持ち上げたが、消費はさほど無く1リットルほどでも良いようであった。ここからは、痩せた笹尾根を手で払いながら下って行く。長いコースに膝も太腿も笑ってくる。踏ん張りが利かずスリップも多い。こんな時に事故がある。自分に言い聞かせて闊歩する。

 アンテナ施設通過14:15。百葉箱のような中にはアンプが入っていた。このアンテナは、おそらくは発電所用のアンテナだろう。登りは暗い中だったので嫌な道だと思ったが、昼間だとまた少し感覚が違う。鉄塔に着けば、後はもう迷う事は無い。巡視路に従い高度を下げ、最後は山の神に挨拶をして第一発電所前に到着。ここのバスの時刻表を見るが、かなりまばらである。ゲートされた現在もここまでバスが入るのかは不明。発電所の駐車場で雨具を脱ぎ着替えをする。舗装路を行くと、しばらくして後ろから車が来た。発電所のトンネルから先はゲートされていて入れないはず。どういうことなのか。ここでも地元の特権があるのかもしれない。

 15:26駐車場に到着。駐車している車は8台ほどしかなかった。ハイシーズンであるのにこれらを見ると奈良田からの入山者が少ない事が判る。
帰りは丸山林道を通る。昔よりは舗装箇所が多いが、それでも国道まで出るのに1時間かかった。一見ショートカットをしているようでもあるが、これなら身延を周ったのと変わりがない。特に渋滞はなく19:00家に戻った。

 ここは、眼鏡と手袋は必携である。目を突きやすい笹があるのと、木に捕まる部分が多い。

(ナビで軌跡データを取っていません。時折動かした時のポイントを結んだだけのものであり、大まかなルート図です)

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