高薙山 2180.7m
2005.3.19
雪のち晴れ 単独 湯元から 行動時間 :9H2M
@ビジターセンター前。レンズカバーが開かず・・・。 | A国道120号。刈込池への入口。 | B小峠の道標 | B小峠付近 |
C刈込湖。 | D稜線に登りあげた辺りから高薙山側。 | 最低鞍部付近から。 | E2183高点 |
F高薙山。沢山の標識が付いている。 | Fこの明朝体のkumoは偽物である。裏には偽番号「NO1」とふられている。 | 稜線の様子。往路のトレールもすぐに雪に覆われてしまう。 | G2183高点帰り。2時間の間にトレールはまっさらに覆いつくされた。 |
途中から太郎山側。 | Hガスが晴れた刈込湖。 | I小峠。 | 蓼ノ湖の畔で幕営されている方が居た。 |
J国道帰り。スノーシューハイクがされたようで、トレースが残る。 | 湯畑 | Kビジターセンター前駐車場。場内は日中に除雪がされていた。 |
家を3:40出発。雪の降りしきる中、現地湯元には6:00到着。車を置けそうなアプローチの最短距離の場所を探してみたが無く、結局公共のビジターセンターの前の駐車場に突っ込む。ワカンかスノーシューか悩んだが、降雪後のふかふかの雪であり後者を選択してスタートする。
湯畑の脇を通り道標に従い九十九折を上ってゆく。誰も通らないのか、こんな所から既にラッセルであった。登りあげるとそこが国道120号。見覚えのある道標が目に入る。ここから道が良くわからない。地形図を見るとなんとなく鞍部を通って行けば良いのであるが、降りすぎて上がれない事もある。慎重に地形を見ながら足を進める。蓼ノ湖手前で少し迷ったが、右手(東)をトラバースするように進んだ。時折マーキングが目に入るので安心感はあった。しばらく進むとCと書かれた小峠であった。ここからなだらかに下ってゆく。夏道は右手斜面に向かっているようであるが、鞍部を行きトンビ沢を経由する。ここから90度右に曲がり、少しづつ高度を下げる。だんだんと視界が開けてくるとそこが切込湖であった。
さてここからどこを狙うかであった。どこでも歩けるのはかえって迷うものである。適当に斜面に取り付き谷を登る。地形図の等高線を見てもそうだがどんどん勾配がきつくなる。スノーシューではかなりきつい。尾根筋に逃げ、木に捕まりながらの登行であった。空が開け稜線が近くなるとかなりの急勾配であった。そんな中、一度踏み抜いてしまい身動きが取れず難儀する。稜線に乗ったところは2183高点から東の最低鞍部のやや東に位置した。ここから鞍部まで下り、再び登りあげる。かなりへばってきていて辛い。雪のせいである。雪がしまっていてさえいれば楽なのあるが、深雪が30センチは乗っている。歩きやすいところを選びながら上に上に。
2183峰到着。だらっとした場所で、これで視界が無かったら怖いところだったが、なんとか高薙山方面を見ることが出来た。雪庇が成長しつつある尾根をつぼ足で進む。樹林の中を行くのだが、雪があってこの程度、無かったらさぞ酷いものだろう。マーキングが見えるのだが、雪の上10センチほどの場所に付いていた。一つ目のピークを踏み少し下る。二つ目のピークを過ぎ、やっと目指す山が見えてきた。太ももくらいのラッセルが続く。やや密の樹林をかき分けあがるとやっとの事で山頂に到着。
赤薙山山頂には、達筆標識など各種標識が5つ付いていた。その中にkumoもあるのだが、レタリング調のkumoは見たことが無い。裏を見ると通し番号もふってあり、この辺もおかしいのでどうも偽物であるようだ。情けないがもうこの時点でヘロヘロであった。風を除けて休憩しながら儀式をする。寒くて指先がだんだんと凍傷傾向にあった。風は依然強く帰りが気になる。
下山。往路のトレールもかき消されている場所も多い。ほんの30分前のものである。これで視界が無かったらかなり精神的負担が大きかったろう。雪に阻まれなかなか足が前に出ない。2183峰で再び大休止。スノーシューではテールが下降時に邪魔をするので、ここでアイゼンに切り替える。この先の下りと勾配を計算に入れた判断である。潜るリスクもあるが、傾斜に対しての滑落防止のほうが大事であった。歩き出すとやはり潜る。少し切り替えたことに後悔したが、それでもスノーシューでは踵で下ることはできない。振り返ると晴れ渡った青い空があった。
稜線鞍部まで降りた。往路を辿るように再び登り返すのはもったいないのでここから下ることにした。急峻をアイゼン頼みで下って行く。途中から往路のトレースも左に見え一安心。あっという間に刈込湖畔に下りた。ここで再びスノーシューに切り替える。刈込湖には他のパーティーも入ってり、カラフルな防寒具が見え、湖面に賑やかな声が響いていた。彼らは私のトレールを使ったようで、しっかり太くなったトレールを小峠まで登り返す。蓼ノ湖まで戻ると、湖畔には8人用のオレンジのテントがあった。先ほど湖の畔で出会った人らのものらしいが、雪の上での一泊はさぞ楽しいものであろう。少しばかりか羨ましく思うのであった。
最後の国道までの登り上げ。これがなかなかきつい。ここを登ればと思うのだが、筋肉に乳酸が分解されずに溜まってきているようであり、なかなか足が前にでない。自分でも笑えるほどにトコトコと歩いている状況であった。国道から湯畑に降り、旅館街を抜けて行く。観光地に場違いな者が一人歩いて行くので、それなりの視線を感じる。実際はヘロヘロなのだが、最後の変な意地を見せスタスタと歩いてゆく。そしてビジターセンター前に到着する。完全燃焼の一日であった。