蝙蝠岳 2865m   四郎作ノ頭  2721m   徳右衛門岳  2599m 

2006.08.14(月)   


  晴れ  単独  雪投沢→ 椹島  行動時間:10H35M(バス含まず)


@雪投沢テン場2:05→(46M)→A稜線分岐2:51→(117M)→B蝙蝠岳4:48〜5:02→(28M)→C四郎作ノ頭5:30〜33→(69M)→D

徳右衛門岳6:42〜53→(6M)→E水場分岐6:59→(121M)→F中部電力管理棟9:00→(43M)→G蝙蝠尾根登山口9:43→(30M)→H

二軒小屋ロッジ10:13→(151M)→I椹島12:44〜13:00→(60M)→・畑薙駐車場14:00


yukinage.jpg  bunki.jpg  huji3.jpg  koumori4.jpg 
@こんな写真ですみません。雪投沢テン場から稜線へのハイマツ帯の道。 A北俣岳直下分岐 蝙蝠岳手前から富士山遠望。  B蝙蝠岳山頂。
arakawa5.jpg  shirousaku.jpg shiroushiomi.jpg tokuemon8.jpg
蝙蝠岳付近から荒川方面  C四郎作ノ頭から荒川方面。 四郎作ノ頭から蝙蝠(手前)と塩見(奥)  D徳右衛門岳 
tento.jpg  mizu10.jpg  denryoku11.jpg  kuchi12.jpg 
徳右衛門岳のテン場。すれ違った方のテントだろう。 E水場への分岐 F中部電力管理棟。なかなか急な階段がある。 G蝙蝠尾根登山口
tonneru.jpg turibashi13.jpg  niken14.jpg  sawara15.jpg 
ショートカットのトンネルが不通に・・・。道標に従い右へ。 つり橋。上下左右、2.5次元くらいに揺れる。 H二軒小屋ロッジの駐車場側広見 I椹島レストハウス


 雪投沢で1:30起床。月明かりで明るく、ライト無しにでも行けそうであった。すぐさまテントをまとめザックに仕舞い込む。少し他のテントを距離を置いたのは、この朝のゴソゴソを想定したからであった。

 2:05スタート。静かにテント場を後にする。ほんの少しなのだが、仙塩尾根の下降点までの登り辛かった。ここはザレた道でズルズルと滑る。登山道に戻ってからも、腿上げがきつくスピードは出ない。ワンピッチで登ろうと決め休むことなく足を前に出した。2:51やっとやっと稜線の分岐に着いた。2920ピークの方に行くと、鞍部でテン泊している方が居た。こちらのヘッドライトに反応して中でライトが動いた。“申し訳ない”。最初は幕営地をここでしようかとも思って居たのだが水場の関係から雪投沢としたのであった。

 ここから岩場の危険地帯が続く、雨に濡れているために慎重に足場を選ぶ。2920ピークを通過し少し道が安定した辺りで雪投沢を見るとヘッドライトが上がって来ていた。誰だろう、二つのライトがチラチラと見えた。二つと言うと前日のテン場の様子から、誰だか限定されるが前日に聞いた予定だと6時出発だった筈である。少し気にしながら先を進む。時折こちらがライトを向けると向こうも向けてきていた。もしや樹林帯でない方に幕営した人も居たのかも。

 やや広いザレ地の通過もあれば、狭い濡れたナナカマドのうるさいところもある。ガスって居ない事が幸いして快調に歩く事が出来た。目の前に羽根を広げたような山稜が見えるのだが、なかなか着かしてもらえなかった。いくつ小ピークを越えたのか、最後は岩ガレの道を踏みながら上がってゆくと、とうとう蝙蝠岳の山頂に到着4:48。感無量。素晴らしい景色と重みのある山頂部であった。なんとも言えない渋い山頂で、気持ち良さも倍増であった。振り向くと見事な円錐形の塩見があった。素晴らしいの一言である。荒川も目の前にあるが、西小石の尾根が手前にあり、ドテッとした感じに見えた。少し長めに休憩をして5:02下り出す。すると下の方から鈴の音が聞こえてきた。こんなところに鈴虫か?と思わせるような音で、その主は、若い女学生の二人のパーティーであった。すかさず“よくもこの尾根を登って来ましたね”とヨイショする。少し言葉を交わし行き交った。彼女らは、ここのすぐ下の方で幕営したようであった。四郎作ノ頭はすぐだった5:30。ケルンが祠のように立っており、そのバックに荒川が居た。ここでも少し長い休憩を取る。それほどに良い景色なのであった。

 さて下る。尾根に対して東側に道が付けられている。樹林帯の中は風が無く、ムシムシとした熱気に早く雨具を脱ぎたかったが、まだこの辺りでも夜露はあり脱げなかった。行き交う人もちらほらと出てきた。途中にはテントを張っている人も居たので、先ほどの女性らもこの辺りに張ったのだろうと推察した。軽装で登って来る5人のパーティーもあり、よくも度胸があると思ったが、徳右衛門岳に着いて判った。山頂でテント泊をして、軽装で狙ったわけであった。徳右衛門岳6:42到着。儀式をすると中岳避難小屋付近のkumo氏と繋がる。話によると荒川の沢で救助要請が出た模様。山頂から300mほどの場所でクライマーが上にも下にも動けなくなった様子。すぐに小屋番のY氏がザイルをを持って救助に出向いたそうであった。なんか様子が目に浮かぶようである。だがしかし、沢登りが動けなくなるとは・・・。後日Y氏からの連絡では当人らはザイルも持っていなかったそうな。それこそトホホである。

 ここからは高度が急激に下がった。つま先に負担が大きく痛かった。二軒小屋からと思われる朝出発の登行者が定期的にすれ違って行った。途中にタイガーロープを施してあるところもあり、気の抜けない岩場もある。高度計を見るとまだ1600m台、地形図を見るとあと200mほど下らなければならない。まだまだである。でも、両側から沢の音がしてきており、ゴールが近い事を物語っている。

 9:00中部電力の管理施設に出た。ここは何の施設だか良く判らなかった。急な階段が付けられており、そこを下って行く。タイガーロープで登山道が導かれ、その少し先で再び急峻になる。ストックを出した方が良かったのかと思うほどであった。そして下に林道が見えてきた。最後の最後でコケる事もあるので意識してゆっくりと降りた。9:43登山口に降り立つ。この先、山道が無いか思うと本当に楽であった。喜び勇んで林道を行くと橋の所に登山者が座っていた。話を聞くと広河原に行ってきたらしい。そこがどこだか判らずに説明を受ける。林道を詰めて行った一番奥のようであった。川が増水していて対岸に渡れなかったようで、引き返して来たらしい。御仁は、静岡の自然指導員のようであった。この先の時間があるので早々に分かれた。

 通れると思っていたトンネルは封鎖されていて、代わりにつり橋を通るルートになっていた。少し大回りをして10:13二軒小屋ロッジに到着。5人ほどのハイカーが四駆に乗って下って行った。それを追うように歩き始める。疲労で踏ん張りが効かず、フラフラと歩いてゆく。地図を見てもなかなか長い、時間の経過が距離の経過であるので、時間ばかりを気にしていた。途中すれ違ったのは下から来る乗用車だけで、バスなどの往来は無かった。我慢の歩きが続く。風景を見る余裕は無く、下を向きながら日差しに耐えていた。そして目の前に滝見橋が現れた。ここは十枚小屋への登山口である。とうとう一周してきたのであった。少し登り勾配の林道を上がると、見覚えのある分岐があった。一昨昨日ここでバスを降りたのだった。そして道標に従い、山道を降りてゆくと椹島ロッジがそこにあった。既に50人ほどがバスを待っていた12:40。

 13:00にバスが出るらしく、急いで受付を済まし整理券を貰う。強い日差しが気持ちよく、登ってきた感慨にふける。バスは2台出るらしく1番目はギューギュー詰めで、2台目になったおかげでゆったりと乗ることができた。ただ運転手が乱暴でぴょんぴょんと跳ねた。14:00畑薙ダムの所の駐車場に着く。自家用車の中は異常に暑く、冷房が追いつかなかった。登山靴を脱いだだけでそのまま車を走らせ、一番近い赤石温泉「白樺荘」に入る。カランは少なく、皆が並んで洗っていた。湯はアルカリ泉質で、とろみがあるように感じた。さっと洗ったくらいでここを後にした。このまま静岡まで出るのだが、往路よりも近い感じがしたのは、訪問2度目で慣れたせいだろうか。

 16:00静岡通過、再び52号線に入り韮崎を目指す。山梨側から静岡に出る対向車は大渋滞であった。南アルプス市でラーメンを食べ、小海で仮眠も入れて、帰宅は22:12。やはりそれなりの時間は掛かった。それにしても満足のいく山歩きが出来た。まー天気が幸いしたのだろう。次回に続けたい。

 
chizu2.jpg  chizu1.jpg 
chizu4.jpg  chizu3.jpg


                                     戻る