ニ児山 2242m   小黒山  2421m     樺山  2281m  

入山 2186m   笹山 2140m      黒河山  2127m

2006.11.18(土)   


  晴れのち曇り   単独     行動時間:10H33M


往路 
@黒川牧場(池)5:48→(28M)→A黒河山6:17→(26M)→B笹山6:43→(54M)→C入山7:37→(75M)→D樺山8:52→(77M)→E小黒山10:09

復路
E小黒山10:25→(58M)→D樺山11:23〜26→(62M)→C入山12:28〜30→(50M)→B笹山13:20〜24→(30M)→A黒河山13:50〜53→(82M)→Fニ児山15:15

Fニ児山15:22→(52M)→8牧場到着16:14
  

bokujyou.jpg shiomi.jpg kurokawa.jpg  morugenroto.jpg
@黒河牧場最上部 尾根に乗り、開けた所から塩見岳を望む。 A黒河山。意外に標識が多い。 途中から中央アルプスのモルゲンロート。
sasayama.jpg sasayamakara.jpg iriyama.jpg iriyamagawakara.jpg
B笹山 笹山から入山を見る。笹原が美しい。笹に入っている筋は鹿道。 C入山。木の標識はここまで。ここから金属の標識がバトンタッチ。 入山側から樺山方面。
kabayama.jpg  koguro.jpg  kogurosancyou.jpg hutago.jpg 
D樺山。通過点のようなピーク。 E小黒山山頂。  E山頂部は鬱蒼としていて展望はない。 Fニ児山。こちらはかなり整備された山となっていた。 
bokujyoukarahutago.jpg  ike.jpg rindou.jpg   今回の林道利用に際し、特に許可を得たわけではありません。逆に、通行禁止を通ったつもりもないのです。現地の表示を見て自分の判断で通過(進入)しております。牧場まで入る事がモラルに反する場合は、ここにお詫びいたします。

 今回ここを見て入ろうと思う方が居るならば、全ては自己責任でお願いします。
牧場の途中からニ児山を振り返る。 牧場の池。後ろは黒河山側。  林道終点地。樹林の前の青い柵は鹿避け。   

 家を1:50出発。今回は珍しく白樺湖経由で茅野に出た。日頃走り慣れないせいか、時間がかかっているように感じるのであったが、実際は八ヶ岳南面ルートより20キロ短縮している事になる。でもこちらのルートは、白樺湖周辺の勾配や九十九折がきついようにも感じる。さて次回からどうしようか、悩むルート選択である。


 いつもの通り高遠から大鹿村に向かう。152号線の分杭峠を越えて儀内路地区から黒川林道に入る。林道と言っても綺麗に舗装された道がかなり奥まで続く、入り口に工事中につき通行止めの標識があったが、これは通年表示してある情報を得ていたので、無視して進入した。途中で北川牧場への林道を左に見てさらに進む。しばらくで舗装が途切れ、ダートを行く事になる。そして次のゲートが現れた。真っ直ぐ進むと公の林道を進む事になる。そしてここに書かれている牧場の注意書きをよく読み、自己判断で進入を決めた。左に鋭角に曲がりゲート内に入ると、ここから黒川牧場地内になる。最初はニ駆の一速で走れたが、途中から力が足りず四駆に入れる。道は4度ほど大きくターンして、最後は草地の中の轍を進む。すると牧場地内の進入可能最高地点に到達した。前進するに従い黒河山に近くなるが、二児山にも行かねばならないので、少し戻って池のあるところに停車した。すぐに装備をして5:48歩き出す。

 尾根方面に向けて一面の笹原になっている。その中を鹿の踏んだ後が無数に筋をなしている。笹の深さは膝くらい。歩き難くはないが、倒木が隠れていてつまづく事もある。有刺鉄線を跨ぎ、稜線までは15分ほどで達してしまった。そこにはピンクのリボンがあった。稜線には、マーキングが道を示していて、それを外さないように辿ってゆく。マーキングが無くても全く問題のない尾根である。

 6:17なんともあっけなく黒河山到着。三角点と賑やかしい標識が3つほどあった。塩見の方から朝日が上がり、中央アルプス方面はその朝日に浮かび上がる。木々の間から塩見岳を見ると、すくんとした円錐形状が見える。塩見はどこから見ても見栄えのする山である。先に進むと稜線に大岩が二つある開けたところがある。ここからの展望は素晴らしい。ガスが駒ヶ根の町を覆いつくし、深く低く垂れ込めている。そしてその雲海の上に中央アルプスの山波が見える。

 道は相変わらずマーキングが続く。倒木帯も出てくるが、やや右手に尾根を拾って行くのが良いようだ。途中、一升瓶が転がり笹山かと思われるところに出たが、ここはまだ手前で、この先5分ほどで笹山山頂に到達6:43。付近はその名が現すとおりに笹の植生ばかりで、風に靡き美しい。南アルプス深南部の丸盆山辺りと地形が被る感じがする。ここも鹿道を追ってゆく。その鹿道も、稜線を最短距離で結び、ピークを通らないでトラバース道を作っていたりする。人間も動物も楽はしたいのであろう。鳥倉山や入山が綺麗に見える。笹が終わると樹林帯の中に入り、入山直下になると少し岩場や藪を漕ぐ事となる。ここも踏み跡がかなり明瞭に出ているので、外さないように行けば問題はない。

 7:37入山到着。山頂は小さく、三角点があり、その横に郡界の標柱が横になっていた。尾根は東に進みそして南東に下っていた。2165ピーク付近から稜線上が荒れっぽくなってきた。忠実に辿るのか、はたまた左右に振って逃げるのか。それでも稜線上に踏み跡があるので、一応は辿るようにして行く。幼木を掻き分け進む。背中に枯葉が入り、チクチクと痛い。一箇所だけ岩のところで飛び降りる所がある。左右は密生した植生で逃げようがなかったのである。ここを過ぎてもまだ少し密生した植生が続く。ルートは少し不鮮明になりマーキングも間隔が広くなる。この付近は要マーキングであった。最後は這いずるようにして8:52樺山到着。少し息を整えるかのように休憩をする。残すは小黒山のみ。ここまでで約3時間。まー予定通りである。

 樺山からの稜線は、これまでよりは歩きやすい。鹿の道と言うより人間様の作った道のようである。ここだけに残っている訳ではないのだろうから、これまでの稜線も、植生が原因だったり、風雪により道が消えていっているのであろうと考える。さて、歩きやすい道をどんどん進む。稜線のやや東をしばらく歩くところも出てくる。そしてだんだん上に上がるとシダ(枯れれて特定不明)の枯れたところが登山道になっている。倒木も多く、上手にルートを取らないと無駄な体力を使いそうな場所でもあった。でも道があるから辿ればいいのである。10:09小黒山到着。360度樹林の中で、辛うじて木々の間からは塩見も見える。標識は「K」を模った「夏合宿」と書かれたものであった。これらは、入山からづっと続いていた。腰を下ろししばし休憩。風もそよそよと、なんとも気持ちの良い日であろうか。天候に助けられてこの山域に入らせてもらえている。自然に感謝である。

 
 10:25下山。厄介なのは樺山から先の尾根である。でも小黒山からの下降も間違わないように行かないと右の方へ逸れてしまいようでもあった。やや左寄りに行くのがいいのかもしれない。マーキングを拾いながら樺山を目指す。遠望が利くので木々の間から目指す山を確認できるのが一番ありがたい事であった。11:23樺山到着。

 さてこの先が、一番の難所と位置づけたところ。ガレた所は西側に巻いてみた。そしてその先の一番嫌な部分は、東側を無理やりトラバースした。しかし時間的な観点から、稜線を辿った方が早いような感じであった。トラバースも容易ではないのであった。尾根に戻りホッとする。そして記憶も新しいルートを辿り、駆け上がると12:28入山であった。既に昼をまわってしまっており、この調子で二児山まで届くのか、いつもなら諦めてるところだが、今回は6座を踏む価値と、なかなか来れない所である様な気がして、血気盛んに歩いていた。水を補給し、食料も平らげた。ここまで来れば、後は問題が無くなった。迷うようなところもないし、牧場へ降りる下降点までは自信があった。


 入山では、恵那山の富士見台に居るWBW女史の声が聞こえた。久しぶりの交信となった。笹原に出ると風がモロに吹き付けるためか、少し肌寒く感じる。でも気持ちよい景色に、全てが満足であった。鹿の踏み後を追い、ひたすら歩く。最低鞍部からは適当に笹を泳ぐ、2077ピークに上がると、この先から意外とピンクのマーキングの多いことに気が付く。多すぎるほどに多い。マーキングには番号が振られていた。13:20笹山到着。再び保水。だいぶ喉が渇くようになってきた。ゼリーを凍らせたものを飲んだのだが、美味しい分、喉の渇きが出る。今後の検討課題である。

 笹山から黒河山は本当に短かった。13:50黒河山到着であるから20分で着いてしまった。地図を眺め、この先の地形を見る。だが考えるより行くしかない。少し植生が濃くなりマーキングがありがたい。下降点までもが長く10分くらいを想定していたが、20分くらいかかったような気もする。この先もきめ細かいマーキングに助けられる。多すぎるような感じもするが、安心して歩けるのはいい。左に牧場があるから、帰りの下降点の適地見出そうと地図を眺めながら行く。ルートは少し急峻になり、岩部があったりもする。2190ピーク手前の2150ピークに着くのでさえもイライラするように長く感じた。牧場からこちらを先に歩けば、おそらくはそんなことは思わないのだろう。2190ピークまで来ると、目指す山が目の前に見える。少し下って、最後は栂の幼木の中を行く。道は完全に明瞭になり、切り開きがされている。狭い道だがあるだけでありがたい。無ければ辛い藪漕ぎとなったであろう。

 
 15:15二児山到着。先のかじられたプラスチックの杭に山名が書かれていた。それから黒河山にあったのと同じ黄色い長野県の標識と、これまでのピークには無いオレンジ地の古い標識もあった。腰を下ろし、最後の大休止。双子峰のもう一方も西側に見える。最後の儀式を済ませ15:22下る。下りの最初が不明瞭で、双子峰のほうへ行く道と間違えてしまいそうになった。ピンクのマーキングを拾いながら、いい調子で高度を下げた。途中から右側に牧場が見え出し、マーキングもその方へ進んでいた。歩いて行くと一気に視界が開けた16:08。笹腹の中を最後の歩行。ここでも無数に付けられた鹿道を適当に辿る。夕映えの牧場は絵になる様である。16:15車に到着。

 おおよそ予定通りに山行を終えた。着替えをしダート林道を下って行く。工事現場より上の方にタクシーで紅葉写真を撮りに来ている人が居た。工事現場は工事をしにきていた痕跡が見られた。と言う事は林道入り口の表示は見せ掛けではないのであった。少々反省しつつ、下山が遅くなって良かったと・・・。152号線に出て、快調に飛ばす。やはりこの狭い道は軽四がいい。行き交う車は意外にも多い。途中、分杭峠で不思議な雲を見たので写真に収めた。帰りは
20号経由で家路についた。家には20:20着。時間的には八ヶ岳をはさんだルート選択はどちらも同じようであった。

chizu.jpg                                    戻る