穴沢ノ頭 1983m   松峰  2080m   地蔵岳  2371m  丸山谷ノ頭 2460m

2006.9.16(土)  


 曇り  単独    登山道は各ピークを通らない     行動時間: 6H57M



往路
@林道分岐5:46→(1M)→A林道終点5:47→(85M)→B松峰小屋への標識7:12→(95M)→C丸山谷ノ頭8:47

復路
C丸山谷の頭9:10→(42M)→D地蔵峰9:52〜10:06→(33M)→E松峰小屋分岐(標識)10:39→(4M)→F松峰小屋1

0:43〜45→(48M)→G松峰11:33〜11:53→(34M)→H穴沢ノ頭12:27〜12:30→(22M)→A林道終点12:52→(

)→I林道分岐12:53

bunki.jpg rindousyuuten.jpg matuminekoyahe.jpg  tenbousyo.jpg
@登ってきたのは左から、撮影背中側に進むと下りだす。 A左の写真の右の道を行くと、このような広みがある。正面に茶色の標識が見える。 B松峰小屋への分岐標識。登路方向と下山方向で判るように各1個づつ取り付けてある。 途中の展望場的な場所。写真前方に進むと鋸岳が圧巻。トリカブトの花畑となっていた。コンクリートの標柱もある。
maruyamadani.jpg maruyamadanikumo.jpg maruyamajizou.jpg jizoutenbou.jpg
C丸山谷ノ頭山頂の様子。
展望は皆無。
Ckumo C丸山谷ノ頭から地蔵峰方面の斜面の様子。 丸山谷側から地蔵峰を望む。雲海の上に中アが浮かび上がる。
jizou.jpg  koyabunki.jpg  koya.jpg naibu.jpg 
D地蔵峰山頂。三角点は南側にある。ここにもkumoが鎮座している。 E松峰小屋分岐再び。  F松峰小屋。思わぬ場所に、思わぬ大きさの小屋であった。この時点で微かにドアが開いていた。 F恐る恐る開けてみる。中央に土間があり、火が炊けるようになっていた。
matsumine.jpg  anazawa.jpg bunkikaeri.jpg  koukousaru.jpg
G松峰山頂。上端にkumoがあり、手前の倒木には、鉄製の標識がある。展望は無い。 H穴沢の頭三角点。撮影背中側の方に高みがある。  I駐車風景。左右どちらに行っても下降が始まる。  おまけ:孝行猿の遺跡。
“オヤザルガ ウタレマシタ・・・”

 

 これで2週とも悪天になり北峰稜線の機会を逃がした。あそこは天気が頼りなのでしょうがないだろう。急遽企画した地蔵尾根に行く事になった。

 家を1:15出発。のろのろの車に阻まれ峠越えに時間が掛かる。杖突峠には、いつもは居るはずの走り屋は皆無。取締りが厳しくなったのか。高遠に下りて152号線に入る。ナビはあるものの肝心な登山口に至るルートが判らなかった。何度も路肩に停車して、手持ちの地図を眺める。仙丈へのメインルートに通じる道を左に見てさらに先へ行く。「孝行猿」の看板も左に見て「宇津木←」の看板のある所を左に進んだ。田城原へ通じる道に入るためにこの道を選んだ。途中まではしっかりとした舗装路が続き快調にハンドルを握るが、それもすぐに途絶えた。目の前に「通行止め」のバリケードがあった。それを移動する事も可能であったが、地図を見るとこの先の距離も長い。再度地図を眺め、ここからのアプローチを諦めた。

 入野谷まで戻り、「孝行猿」の看板から橋を渡り、舗装路をくねくねと進む。すると柏木の集落に出た。道なり進むと判らなくなってしまった。朝早いのにも関らず、真っ暗い中に住民が居たので、ルートを聞いてみた。“戻って集会場の脇を登って行け”との事であった。100mほど戻り、それらしい道を上がる。半鐘の銀色の鉄組みを左にパスする。暫らくでダート林道の始まりを示す場所に来た。ここは以前にインターネットで見たことのある場所で、ひとまず間違いでないことが判る。そのまま林道を行くが、泥濘箇所も多く、少し上に行くと道が掘れて神経を使う。トルクが足らず四駆Loに入れる。帰りが心配な登り箇所もあり、さらに、横傾斜がきついところも何箇所かあった。落石箇所も当然のようにある。神経をすり減らしてハンドルを握っていた。そして道が鋭角に一本入っているところがあった。カーナビを見ると松峰が先のほうにあり、道を進んだ方が良いように判断した。だが、これはどんどん下るばかり、おそらく田城原からの道なのだろう。狭い場所でUターンし、先ほどの場所まで戻り、車を止める。既に空は明るく、予定よりだいぶ遅れてしまった。足元が悪いことを考慮してスパッツを付けて出発する。5:46。


 道はすぐに行き止まりとなった。車は入ろうと思えば入れるところで、駐車スペースは
3台〜4台ほどあり、草つきの良い場所であった。目の前に標識もあり、ここが縦走路と林道がぶつかる所であった5:47。右に進み緩やかに歩いてゆく。かなり小刻みにマーキングが続く。確かに踏み跡はあるものの、一級の山である仙丈岳に行くには、やや品疎な道であった。スパッツは正解で、足元は草露でみるみる濡れた。左に巻くように進み、穴沢ノ頭の南をトラバースするように道が切られていた。このルートは、全てピークを巻いているのであった。地形図があるので地理の把握はできるのだが、GPSは有効な味方で、位置の把握には最高である。穴沢ノ頭を巻くと、今度は松峰を巻く。この辺りもこまめにマーキングが続く。赤いリボンを触ってみるとザラザラ感があり、まだ新しいリボンのようであった。

 しらびその樹林帯で薄暗く湿っぽい。歩きながら少し調子が良くないのが自分で判る。騙し騙し体を持ち上げる。松峰を巻くと、今度はリボンのマーキングでなく、足元や木々に赤ペンキの丸印があった。これも新しい物と古いものが入り混じっていた。迷うような所はないが、道がしっかり見えない場所もあり、歩かれていないことが判る。7:12やっと松峰小屋への分岐に来る。表記はここでは「松峯」となっていた。小屋は帰りに寄ることにして先に進む。少々の風があり、火照った体には気持ちがいい。外気温が
10度付近。もう秋なのである。


 地蔵岳の北側をトラバースして行く。東側の登り上げは
90度曲がるように登山道は左に曲がる。帰りは尾根をそのまま真っ直ぐ進むとする。尾根道は少し傾斜が増す。登り上げると、このルート唯一の展望ピークに出る8:19。鋸岳の鋸歯もしっかり見える。丸山への尾根も手に取るように判り、その向こうに塩見などの南アルプスの主峰が聳えていた。もう丸山谷ノ頭も近い。ここも登山道は北側をトラバースしていて、仙丈側に出てから戻るように適当に這い上がる。8:47丸山谷ノ頭に到着。展望はなく、南側が少し明るいのみ。尾根から丸山を狙おうかと考えたが、調子が悪いのと時間も気になり引き返すことにする。忘れてはいけないが、ここにはしっかりkumoが掛かっていた。9:10下山。

 尾根通しで下り、登山道にぶつかる。ここで面白いものを見つけた。なんと南側にもトラバース道があったのであった。もし、これで丸山へ繋がっていけるのなら、かなり有効である。なだらかな尾根でかなり魅力的である。獣道でない人間によるものと思えた。余力があれば行くのだがこの日は不調なのであった。展望ピークでは、再び写真を撮影し、一気に下る。
90度曲がる所で真っ直ぐ進む。ここの登りは優しい登りで薄っすらと踏み跡もあった。ピークは南の方にあり、T字形の山頂部を南に進む。9:31地蔵岳到着。ここにもkumoがあった。三角点に腰を下ろし、持ち上げたパンを二つ平らげる。今回は水を煮沸して冷やした物を持ってきた。なにか体に優しい感じがしたのは気のせいか。儀式をするも、つい長話になってしまい、下山開始10:06。

 尾根道はそれなりにマーキングが付いていた。10:39松峯小屋への分岐。100mと書いてあり、“少し遠いかな”なんて思いながら下ってゆく。開けた所から一端樹林を越える。そして少し明るくなった先に黒い建物があった。しっかりした大きな建物で、なぜにここにあるのかが判らなかった。建築資材にしても運びずらいだろうし、コースからも少し離れている。水場の関係だけなのだろうか。10:43到着。入り口のドアが開いていたので恐る恐る開けてみる。獣が出てこないか心配なのであった。空けた瞬間まだ目が慣れておらず中が見えない。暫らくして全容が見えた。土間があり火を使った跡もあった。利用者は居るのだろうか。
2分ほどで来た道を引き返す。稜線の道に合流12:08。

 この登山道を歩きながら思ったのは、微妙に方向が変わることである。一定方向をずっと向いているのなら、把握しやすい方角も、この登山道は巻き道が多いので方向が変わる。これにより、位置の感覚がおかしくなった。良い勉強である。松峰へは、鞍部にビニール袋が縛り付けてあり、ここから尾根伝いに進む。しかし獣道がトラバースしていて、その方が歩きやすいので、階段状にそれらを利用しながら歩いていった。少し歩いては上の道へ移るというように・・・。

 11:33松峰到着。ここのkumoの左肩には、MLQの落書きがあったので下に続けた。尾根通しで下るが、今ひとつ明瞭ではない、適当に草の中に突っ込む。登りに利用しないで良かったと思うほどの感じであった。これは、先に東側を歩いているからそう思ったに過ぎない。倒木や野草のはびこる中を下り、12:08登山道に乗る。そして最後の穴沢ノ頭への斜面に取り付く。一つ目のピークはトラバースでパスして、鞍部を狙い登り上げる。最高点と思われる場所は、藪状になり、そこから左の方へ尾根が続いていた。方向感覚がおかしくなり、藪ピークの先に登山道があるように思えていた。尾根を東に進み、穴沢ノ頭に到着12:29。三角点の横に棒が立ててあった。儀式を済ませここを下るが、降りついた先は、登山道上に鉄製の白いアングルが打ち込まれて居るところで、登山道が少しアップダウンする場所でもあった。ここまでくればもう降りたも同じ、なだらかな道を長いコンパスで進んで行く。そして12:52登山口となった林道終点到着。そして12:53車を置いた分岐に着く。


 帰りは慎重に悪路を走る。あまりにも酷く、車を降りてコース取りを考えたところもあった。横転しそうな場所も、なんとか通過。「孝行猿」へ行こうと分岐から300mほど走り、路肩に駐車(特に駐車スペースが無い)し遺跡といわれる場所を見学。現地には碑があり、説明文も添えられていた。フムフムと理解し戻る。ここに至る林道でさえもかなり荒れている。一般見学者が車で入ってくるのかどうか。

 集落まで来れば一安心、152号に出て少し南に走り、入野谷の温泉に入る。500円。鉱泉と人工的に作った湯があった。土曜日だと言うのに空いていて、いい感じであった。高遠から杖突峠へ向かう途中に、気になっていた蕎麦屋があった。国道をはずれ、村落の奥の方にその店があった。民家を改造して作ったようで、土間のひび割れが特に印象的であった。中は薄暗く電気も点いていなかった。当然のように客は居なく閑散としていた。1000円のざるそばを頼む。出てきたのは甘い汁、かき揚げ、けんちん汁、漬物。郷土料理なのか、こんなに甘い汁の蕎麦は初めてで、私の口には・・・。帰路、数度仮眠を取り、家には19:00頃到着した。

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