赤沢山 2670m  西岳  2758m  赤岩岳  2769m  中天井岳  2890m

2006.08.26(土)   


  晴れ  単独  上高地→大天井ヒュッテ   行動時間:12H38M(上高地から)


・岩見平5:05→(16M)→@上高地バス停5:21→(6M)→A河童橋5:27→(35M)→B明神6:02→(42M)→C徳沢園6:44→(44

)→D横尾7:28→(38M)→E槍見河原8:06→(43M)→F槍沢ロッジ8:49〜55→(27M)→G槍沢テン場9:22→(24M)→H大曲

分岐9:46→(64M)→I水俣分岐10:50〜55→(66M)→J西岳ヒュッテ12:01→(53M)→K赤沢山12:54〜13:05→(43M)→J

西岳ヒュッテ13:48→(13M)→L西岳14:01〜28→(32M)→M赤岩岳15:00〜05→(52M)→Nビックリ平15:57→(35M)→O大

天井ヒュッテ16:32〜17:00→(32M)→・中天井岳17:32〜34→(25M)→O大天井ヒュッテ17:59


basutei.jpg  kaxtupa.jpg  myoujin.jpg  tokugoubunki.jpg 
@上高地バス停到着 A早朝の河童橋 B明神。散策する人がちらほら。  徳本分岐
tokuzawa.jpg  yokoo.jpg yari.jpg yarisawaroxtuji.jpg
C徳沢園  D横尾 E槍見河原から槍の穂先遠望(ズーム)  F槍沢ロッジ。なにかイベントの準備をしていた。 
yarisawa.jpg  oomagari.jpg  mizumata.jpg  mizumatayari.jpg 
G槍沢テン場  H大曲分岐 I水俣乗越。ここから湯俣温泉方面(天上沢)へも道が降りていた。 水俣付近から槍を見上げる。
nishitakehyuxtute.jpg akazawa.jpg  akazawakaranishi.jpg  tentobaheno.jpg 
Jヒュッテ西岳  K赤沢山  赤沢山から西岳方面  正面の山頂がヒュッテ西岳のテン場。この斜面を登って帰る。
nishitake.jpg nishitakekara.jpg  akaiwa.jpg bixtukuri.jpg 
L西岳 綺麗な標識があった。 L西岳から赤沢山方面  M赤岩岳 三角点  Nビックリ平 
binbou.jpg  raicyou.jpg  hyuxtute.jpg   
貧乏沢入り口 途中で登山道を雷鳥が歩いていた。ヒュッテまで5分ほどの場所。  大天井ヒュッテ到着。やや寒く、ほとんどの方が中に入っていた。   


 上高地からのメインルートを歩きたいとずっと思っていた。それがいつになるのか待ち遠しかった。そしてやっとその日が来た。


 家を1:20出発する。三才山トンネルを越えて松本に出て、158号線を沢渡へ向かう。途中7月の豪雨のせいか、道が一車線崩落していた。4:00沢渡岩見平駐車場に入る。そこには30台ほどの車が停まっていた。トイレを済ませ少し仮眠する。前回の事(タクシーの方が人数がまとまれば早い)があり、タクシーが来るのを気にしながらなので実際は寝ていなかった。今回の食料は沢山あり、バナナとパンでザックは膨らんでいた。4:30タクシーが来て様子を伺っていたので、急いで寄って行き集客を頼んだが、運転手はその負荷作業にはあまり乗り気で無いようであった。バスの停留所に行くと
45分にバスが来るという。それならとバスの往復のチケットを買った。1800円。しかし、バスは5:00になっても現れず、目の前を何台もタクシーが上がって行った。今回もまた失敗か〜と、恨めしそうに待つ。そして5:05バスが来て、それに乗り込み発車。乗客は少なく、かなりゆったりと乗る事が出来た。ハイシーズンなのに・・・。

 
 5:21上高地到着。霞沢の時以来だから1年以上ブランクがある。だが上高地は何も変わっていなかった。すぐ歩き出す。靴紐も縛らない状態で歩いていた。これは靴の中に小石が入り、あまり良い状態でないことが判明。装備服装は正しくしないとならないのであった。

 6:02明神館。ここで靴紐をしっかり縛る。こんな短い距離で既に太ももが痛くなった。林道歩きでよくある事なのだが、なぜか焦ってしまうのである。徳本峠への分岐6:08通過。この先は全て初めての景色である。左を見ると明神岳が朝日に輝いていた。歩きやすい道が永遠と続く。小さなアップダウンがあるが、ペースが落ちるほどの勾配は無い。

 6:41徳沢ロッジの前を通る。これは道の間違えで、本来は分岐を左に進まねばならなかった。でもロッジの前を通ったおかげで優雅に朝食をとる風景が見られた。上高地=避暑地=優雅なのであった。かなり速いペースでここまで来ている。この林道歩き如何で今日の行動が決まると言っても良いので、気合は入っていた。

 6:44徳沢園前通過。色とりどりのテントが草原に設営されていた。だんだんと山屋の領域に入っていく感じがする。
ここも素通りし休憩なしで歩き続ける。しかしここから後にコバンザメのようなハイカーが付いた。抜かすでもなく離れるでもなく、心理的に疲れる距離間で後に居た。気持ちスピードを上げるとなんとそれに付いて来ていた。何が目的だったのか?徳沢と横尾の間は、これまでよりはアップダウンが大きい感じがあり、道も濡れた所も多かった。ジャリジャリと音を立てながら闊歩してゆく。そして7:28横尾に到着。立派なトイレと立派な宿舎がそこにあった。ここで始めて休憩。テント泊のパーティーも居て賑やかに談笑している者、食事を作っている者、様々であった。ロッジの前にはビールが冷えているらしく、購買意欲をそそる。


 7:33歩き出す。すぐに蝶ヶ岳の分岐であった。この先から少しだけ山道のような感じがするようになってくる。とは言っても槍沢を左にして、その横の砂地をザクザクと歩いて行くのであった。崩落が進んだ地形には環境庁の注意看板も見られた。8:06槍見河原到着。見事にピンポイントで槍の穂先が見えるのである。カメラが良ければいいのだが・・・ズームにして何とかバシャ。一の俣谷の橋を通過し、二ノ俣の橋も通過8:22。昔は吊橋になっていたようだが、今はH鋼で頑丈な作りになっていた。ただ、見ると組み付けがゆがんでいるのであった。余計なお世話だがそれが気がかりである。ここまで来ると完全に山道のような様子になる。気持ちの良い日差し、谷間の新緑、全てに満足できた。行き交う人も多い、さすがメインルート。少しだけギヤを入れ替えて勾配に対応する。8:49槍沢ロッジ到着。3人の外国人が休憩しており、その横に腰を下ろした。ロッジでは「ネパール祭り」と称して料理などを出しているようであった。とても綺麗な小屋であった。ここで水を補給し、この先の歩きに備える。


 勾配が出てきて、山モードに入る。外国人のパーティーが数名下って行った。石を敷き詰めたような登山道を行くと、再び砂地の登山道に戻り、9:22槍沢のテント場に到着。ここから見上げる槍沢のカールは綺麗であった。小さな滝、雪渓、水の音、五感に反応した。ここのテント場には石積みの小屋があり、かなり大きな構造物となっていた。水も出ているのだが、触ってみると温かった。ここも素通り。途中で道が崩れており、川岸に迂回路が作られていた。少し行くと右側の谷から流れが出ていて、ここから水を引いているようであった。飲めるのであろうが飲用にしていいのかどうかが判らなかった。相変わらず下山者が多く、谷間にハイカーの声が木魂していて、その声は途切れることが無かった。


 大曲の分岐9:46。さてここから急登が始まる。登山道を少し歩くと、水俣の沢の中に入る。どこを歩いていいか適当に石を這い上がる。そして再び左に登山道を辿る。ここは沢に入って道が見えなくなったら左を気にしているのがいいかもしれない。それでも沢が二分し右を辿る所もある。現地で踏み跡を選ぶのが吉である。キイチゴが生っていて、いくつか口に放り込む。酸っぱくで体に活力が沸いてきた。九十九折を我慢しながら這い上がる。テンポ良くピッチ歩行で歩けるほどの勾配である。上を気にしながらいつになったら空が開けるのかと・・・。そして人の声がしてきた。10:50水俣乗越到着。5分休憩。ここから天上沢の方へも道が降りていた。先に綺麗な谷が続いている。


 ここからは痩せ尾根のアップダウンがある。崩落が進み、補助用のロープの支柱も危うい箇所もある。焦らずゆっくり進む、はしごの箇所、チェーンの箇所、疲れた足にはちょうど良くスローペースで慎重に通過してゆく。ただ踏ん張りがきかず、バランスが悪くなっていた。自分でもこのあたりに気が付いていればいいのだが、気がつかないで事故に遭うと大変である。急峻を登りあげ、ヒュッテかと思ったらまだ先があり、もうひと登りしてようやく西岳ヒュッテに到着した12:01。

 小屋番は、赤沢山方面に足を向けている私に何かを察知したようで、こちらもそれが判り一言二言話してそそくさとテント場のほうへ進む。なにか後から視線を感じたが、問答無用で進んでいった。テント場で腰を下ろし大休止。この先の行動予定と、目の前のルート確認であった。さて突入。テント場の先に行く道形があるのだが、そこは行かずに右にある大きな花崗岩の右を巻いて行くと踏み跡が降りている。始めは左に進むが、すぐに真っ直ぐに下がって行く。降りて行くと赤い大岩が松の木に絡まっている。本来は岩に木が絡まっているのが普通だが、ここでは逆だった。ここの通過は下でなく上である。上から右にずれて、木に捕まりながら降りて行く。ここを下に回ってしまい難儀した。あとは特に問題になる所は無い。最低鞍部まで降りたら、その先は道があるようなもので、尾根ずたいに上がってゆく。最後はハイマツの間を進んで行き、赤沢山到着12:54。周囲の景色も良好で気持ちが良い。三角点に「山ねずみ」が括り付けてあった。

 13:05戻る。来た道を戻ればいいだけなので、登りはかなり楽に感じ、テント場に戻る13:43。少しヒュッテを気にしながら歩いてゆくが、もう登って来てしまったから文句を言われてもいいやと思っていた。13:48西岳ヒュッテを通過、登山道を大天井方面に進み、すぐにある分岐から登りあげる。トコトコ登ってゆくと見たことのある男性が居た。

 14:01西岳山頂到着。ここにも最近良く見かける綺麗な標識があった。男性に話しかける。“Nさんの知人の方では・・・”と言うと、御仁は“私がNです”と答えた。いやーびっくり、いつか会うと思っていたがこんなところで会うとは・・・。赤沢山にこれから行くと言うので、今の今なので詳しくルート解説がしてあげられた。初めてではあるが波長が合い、話が尽きる事が無かった。Nさんが西岳ヒュッテに居るならここで停滞しようかと思ったくらいで、別れ際に“赤岩岳に行って此の先の行動は判断します”と分かれた。思わぬ出会いであった。極めて紳士的な方であった。14:28長い休憩のあと西岳を尾根ずたいに進んでいった。ここは尾根道は歩き辛く、登山道を辿るのが正解である。尾根は崩壊が進み、危ない所が多かった。

 赤岩岳15:00。ここにも「山ねずみ」がかかっていた。適当にザレた斜面を降り登山道に戻る。なだらかな登山道を行き15:57ビックリ平に着いた。ここから鋭角に右に戻るように道があり、トラバース道となる。勾配の少ない歩きやすい道である。16:03貧乏沢の下り口通過。ここから猛者たちは北鎌尾根を狙うために天上沢方面へ降りるのであった。登山道を歩いてゆくと、目の前に雷鳥が現れた。こんなところになぜと思うような所であった。逃げる事も無く1mくらいの距離でこちらを気にしながらヨチヨチと歩いていた。すっかり羽根は夏毛に生え変わっていた。数枚写真に収めて先に進む。人の声がしてきてヒュッテの近いことが判る。本来なら疲れているのだが、地形的に歩きやすく、すっきりした気持ちで大天井ヒュッテに到着した16:32。小屋の前で夕涼みをするハイカーが数人、小屋の中では疲れて寝ているハイカーも。静かな山小屋であった。

 長い休憩をして、17:00空荷で中天井岳を目指す。中天井の直下を通ったのはいつだったろうなどと懐かしい記憶を思い出しながら登山道を行く。こちらも一級の道なので問題はない。既に夕闇も近く、歩いている人は居なかった。ルートを外れて少しざれた斜面を登りあげ17:32中天井岳山頂。登山道からこれだけ近いのだが、どれだけの人がここを踏む事かなどと、暗くなると少ししんみりと考えてしまうのであった。そして戻る。

 大天井ヒュッテに戻り、
夕食は天気もいいので外のベンチで作った。食べていると一人のハイカーが横にやってきて話しながら食べる事が出来た。山で他人と談笑しながら食べるなんていつ以来だろう、久しぶりに楽しい山を満喫。少し日が暮れると談話室に移り、宮城の女性と山梨の男女と談笑しながら20時まで過ごした。全て山の話で、甲府のエルクの話なども出てきていた。そして20時に就寝。

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