不動岳 2875m 雪山岳 2880m 水分岳 2890m
2006.4.29(土)
晴れ 単独 スキー 行動時間:6H18M
@三本滝駐車場から乗鞍温泉高原スキー場のゲレンデを望む。写真の左側を直登した。 | 途中から剣ヶ峰を望む。 | 途中から摩利支天岳 | 雪煙をあげる朝日岳 |
右(北)を見ると穂高の山々が。 | 大雪渓中央部。 | A肩の小屋。屋根の高さに雪が積もっている。 | A肩の小屋の少し西から白山遠望。 |
朝日岳の脇をかすめる。 | 鞍部から剣ヶ峰を望む。 | B水分(みくまり)岳山頂から雪山岳 | B水分岳から剣ヶ峰と大日岳 |
途中、風紋と雪煙と白山。 | 雪山岳直下。かなり柔らかい雪。 | C雪山岳の岩部越しに御嶽山。 | C雪山岳から北側穂高(水分岳)方面 |
C雪山岳から薬師岳と屏風岳 | C雪山岳から千町尾根。 | D肩の小屋再び。小屋の左(西)をかすめて斜面に取付く。 | E不動岳から立山連山。(のびて寝転んで撮影) |
帰り、摩利支天(コロナ)を振り返る。 | 中央部の黒い点がスキーヤー(4人)。 | 滑走途中から穂高。 |
前日に急に予定を決めた。観光課に問い合わせをしたら、三本滝まで除雪されているらしい。チャンス到来、これなら行ける。
起きたのは3時、やばい予定より2時間の遅れである。急いで準備をして3:20出発。車を新調したので、快適さは十分。いつものとおり三才山トンネルを経て、有料道路を無料(夜間無料)で通り、158号経由で乗鞍高原に入る。三本滝の駐車場には既に6台ほど停まっており、準備をしている者、中で寝ている者などが見えた。すぐに準備をして6:22歩き出す。取り付きをどこにしたらいいのか迷ったが、誰かに聞くのも癪なので、スキー場をそのまま這い上がった。一旦車道に出るとリフトの頂上駅も左にあった。そこからカーブを一つ経て、左側に取り付きポイントがあり、踏み跡が繋がっていた。軽く20mほどを登ると広い雪原が現れた。もうこの辺りから行く手の山頂部が見る事が出来る。天候も優れていて視界もいい。暑いくらいの陽気にどんどん足を進める。緩斜面をガツガツ進む。右側からコースと思われる道と合流。道標もある。そのままスキートレールを辿る。「2」と書かれた丸い看板も目に付く。
少し狭いコースになり、その先で一箇所急なところがある。数回切り替えしながら這い上がる。後を振り向くと、後発のパーティーの姿が見える。どんどん迫ってくる感じなのだが、こちらは急登、向こうは緩斜面のせいだからだろう。再び広い斜面に出ると足元はアイスバーンになっており、リトラクタブル式のクトーが物を言った。やはり装備は装備。適材適所である。
位ヶ原に到着8:30。右手に穂高連峰がすばらしい。前方の摩利支天や蚕天岳なども圧巻である。ダケカンバの木に道標が縛られているのだが、判読不能。雪面からカーブミラーが顔を出している。この下に道があることが伺える。雪の上に一人のトレースがあるが、今日のものなのか判らない。かなり硬いバーンを気をつけながら這い上がる。すばらしい白と青の世界である。真っ白な斜面を自由に歩いてゆく。
9:20肩の小屋到着。小屋は雪面と屋根が面一になっていた。積雪量は何メートルなのか。さてここからどう行動するか考えねばならない。風が強く、正面西側から吹き上げてくる、雪煙も時折舞っている。先ほどまで熱かったのだが、ここは真冬であった。防寒具を着込み、先ほどまで開放していたスパッツもきちんと締め込む。地図を見ると破線が権現池まで繋がっている。夏道があるようだが雪が無い時は進入禁止。でも今なら大丈夫。夏道に少し沿うようにルートを選び進んでゆく。雪庇があり、やや朝日岳に寄りつつ水分岳を目指す。しかしスキーを履いての登行はここまでが限界。雪が硬くて至極危険であった。すぐに12本爪アイゼンに切り替えるも、ザックに括り付けたスキー板が風を受けて体が振られる。自ずとゆっくりと足を運ぶ。しかし途中で何かおかしい事に気がつく。標高が高過ぎるのであった。どうも下ばかり見て朝日岳に寄り過ぎていた。下に一つこんもりしたピークが見える。ナビで確認。そこだ。踵を返すように下ってゆく。少し雪が柔らかく、ズボズボと潜る。左に大きな権現池があるのだが、今は一面の雪。その先に聳えるように剣ヶ峰がある。
10:10水分岳山頂。山と言うには微妙なピークであった。少し腰を下ろして休憩する。権現池の向こうには円錐形の剣ヶ峰が聳える。湖面の雪が時折渦を巻いて剣ヶ峰側の稜線に吹き上がっていた。10:18雪山岳に向けて出発。少し下りひと登り。この間はかなり近い。しかし風のいたずらか柔らかい雪が多く堆積していた。ズボズボとつぼ足で進んでゆく。
10:33雪山岳山頂。二つの大きな岩があった。その火山岩は帽子の様に雪を被っていた。その向こうに御岳が見える。白山も向こうは晴れている様で、光り輝いて見えていた。悴んだ手でトランシバーを握り儀式をして10:42戻る。帰りは、水分岳の西側を巻き、夏道の上を辿るように進んだ。しかし、水分岳の北側は、雪が雪崩れる感じもあり、ヒヤヒヤしながら足を出した。
11:04肩の小屋帰り。既に8名ほどがここに登り上げて来ていた。スキーヤーは風を避けるように小屋の影で休憩をしていた。一人、剣ヶ峰方面に登ってゆく方も見られる。あまり余裕も無いので、スキーをデポして不動岳を目指す。既に一度登っているのだが、儀式をしていないために再登せねばならないのであった。コロナ観測所へは登らずに西側をトラバースするように行く。だがしかし風が強い。高度差を嫌い楽をしようと思ったのだが、高度差以上に風に疲れる。これならば東を周れば良かったかも。ジャケットに風が入らないよう下を向いて突き進む。体感温度はマイナス20度くらいだったろうか、天気はいいのだが、自然に弄ばれているような感じもした。
11:46不動岳到着。前回はここから真っ直ぐ北の畳平へ下ったのであった。積雪がまばらで監視員に怒られやしないかと冷や冷やしながら足早に歩いたのが思い出される。ここまで来ると、時間の経過と共に体力も衰え、耐風姿勢は腹ばいであった。早く東側に逃げないと・・・。儀式をして急いで戻る。スキーを持ち上げればここから東に滑れたが、雪の硬さやスキーレベル、そしてこの日の風を加味するとデポは正解であった。真正面から風を受けながら往路を辿る。
肩の小屋に戻るとスキーは雪に埋もれていた。掘り起こしてシールを外し、さて滑走。先ほどのパーティーはまだ小屋の脇に居てエントリーしていないようであった。どうも自分が一番最初のようで、皆に見られている気がして恥かしい限りであった。続々と登ってくる人の姿もある。右(南)のバーンに入るとクラストしていてコントロールが利かずバランスを崩す。ドタッ。転んだのはこれ一回だけだった。登行者を横目に高度を落として行く。広さと展望とが相成って気持がいい。願わくばもう少し雪が溶けるといいのだろうが、それも待てない。位ヶ原から下は少しコース内が狭くなるので、細かいターンをしながら行く、相変わらず登行者が多い。縫うように滑り降りる。一部の急勾配のところは、ずり落ちるように高度を下げる。ここまで来れば後はもうすぐ。一気に滑り降りる。トレースは左に多く繋がっていたが、林道をそのまま辿ったトレースなのだろう。こちらは往路を忠実に辿り下って行った。最後のリフトのところでは若いスノーボーダーが遊んでいた。見るからに座っている時間が長い。雪上日向ぼっこ集団とでも言うべきか。中に外国人の親子も滑っていた。こちらは気勢を上げながら滑り降りていた。国民性が良く判る。元気な日本人代表として?疲れた足に活を入れて一気に下る。
12:40下山完了。駐車場はほぼ満車であった。滑走時、行き逢った人の数は50人を超えていたと思う。この集客力は、さすが乗鞍大雪渓と言えるだろう。