雨坊主 1295m    

 2007.6.3(日)   


  晴れ   同行者あり   はまゆう山荘側より      行動時間:3H25M


@三洋の森入口7:00→(71M)→A角落山からの稜線分岐8:11→(16M)→B雨坊主8:27〜55→(18M)→C稜線分岐9:13→(4M)→D1220展望台9:17〜18→(3M)→E稜線分岐9:21→(24M)→Fしおじの森分岐9:45→(39M)→G林道に降立つ10:24→(1M)→H三洋の森入口10:25


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@三洋の森入口 @入口にはこのような地図看板がある。 適時にこのような標柱が建っている。 熊の糞があった。
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1116高点の西の尾根に乗った所。見るも無残に齧られている。 一級の登山道が続く。 小さな滝。この日は流れが少ないが、雨の後などは見栄えがするだろう。落差7mほど。 A角落山から雨坊主への稜線(展望台への分岐)に乗る。
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A角落山側の様子。かなり歩きやすい。 ヤマツツジが緑に映える。 山頂直下。 小さな岩屋がある。地面には獣の足跡が・・・。
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B雨坊主山頂。祠がある(右手前)。 B前橋ハイキングクラブの標識。 B三角点を落ち葉から掘り出す。 B三角点側の標識。
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D展望台(1220高点)ここにも祠があった。
D展望台から見る雨坊主。円錐形が格好良い! D展望台からはまゆう山荘を望む(中央) D展望台にかかる前橋営林署の看板。
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E三度分岐に Fしおじの森への分岐箇所。ごつごつとした岩の回廊。 ギンリョウソウが咲き出していた。 G下山口にあった炭焼き釜。
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G降立った場所から山側を見上げる。 H三洋の森の入口の駐車スペース。 おまけ:わらび平のアツモリソウ アツモリソウ白花

 

 「あまんぼうず」、こんな耳心地の良い山はなかなか無いだろう。「ん」が入る事で、親しみやすさが倍増した感じである。たまたま地図を眺めていてこの山を発見したのだが、どう登ろうかと尾根筋を見ながら模索していた。ところがネット上で検索をかけると、新ハイの野口冬人さんが既に登っており、詳細は判らぬが“ハイキングコースがある”と記述していた。山名を「雨坊主山」(かながきやま)と表記しており、こちらの読み方もなかなか面白い。どこから入るのかは判らないのだが、ハイキングコースとなると北にある元横須賀市の持ち物だった「はまゆう山荘」と結びつける事が出来る。旧倉渕村として、観光の為に三沢の方から道を開いたとも考えられるが、後者より前者のほうが理解しやすい。そんな憶測を立てながら現地に出向く事にした。ちなみに「はまゆう山荘」の現在は、合併により高崎市の持ち物である。

 

 旧道は、倉渕ダムの建設予定地になるために、二度上峠に続く道は綺麗な広い道路に付け替えられていた。ここを訪れるのはいつ以来になるか、付近の様子の変化に驚くばかりであった。検討をつけていた「はまゆう山荘」の前のダートを行く。ここは角落山の登山口に向かう道である。よく踏まれた道で、路肩には停車している車も多い。多くは釣り人の物のようであった。途中「三洋の森」と書かれた看板があり、そこの地図を見ると「雨坊主山」への登路が書かれていた。これで間違いない。駐車スペースは入口付近に4台〜5台。準備をしていると、付近からガサガサと音がした。見ると100キロ以上はあるイノシシが川原を歩いている。ぐるぐると同じ場所をうろついているのだが、全ては臭覚に依存して動いているのであろう。一瞬、熊に見えたので怯んだが、イノシシであることが判り、微笑ましく観察をしていた。ただ、イノシシも侮れないので重々注意しながらの事である。

 

 7:00歩き出す。とてもよく管理された道で、左右に木の名前の説明板が付いている。なだらか過ぎるくらいに緩やかに道が切られている。林業作業の道なのか、角落山への登路としてあった道なのか。途中に熊の糞を見る。イノシシが居るくらいであるから熊が居てもおかしくないのだが、居ないに越した事は無い。自分の為にと言うよりは、熊を驚かさない為に鈴を鳴らしながら歩いて行く。整備がされている証拠として、道標も多い。「針葉樹の森」「広葉樹の森」などの文字が見える。ただ、その登山道に付けられた道標が悉く齧られている。熊はよほどこの標識が嫌いなのか、好きなのか・・・。

 

 歩き出しから30分ほどで稜線に乗る。ここからがトラバース道を交えた尾根通しの道で、1116高点を経てアップダウンを繰り返しながら進んでゆく。ここも一級を超えた特級の道であった。右側に角落山が木々の間から見える。だんだんと目の前に、その角落山と雨坊主を結ぶ稜線が近くなってくる。稜線手前の最低鞍部に来ると、そこには小さな小さな滝がある。ただ一旦雨でもあれば、大きな滝に変わるだろう。落差は7m〜8mはある。そこを右に見ながら行くのだが、滝の上流は水場として使えるほどに流れがあった。

 

角落山からの稜線に乗る。角落山側は特に道は切られていないが、膝下の笹があるくらいで歩き易く見えた。ここには分岐標識があり、稜線伝いに上がった1220高点を展望台と名付けてあるようであった。展望台は帰りに上がるとして雨坊主へ急ぐ。1220高点の南を巻くように道は切られ、この付近も相変わらず明瞭な道が続く。新緑の中にヤマツツジのオレンジ色の花も目立つ。「みずならの森」と名づけられたこの一帯は非常に気持ちがいい。途中、そのみずならの倒木からは立派なシイタケが生えていた。そして直下から最後の登り、この辺りで少し急峻になり、小さな岩屋などがある場所を通過する。岩屋の中の地面を見ると獣が入った痕があった。獣も雨宿りしたのであろうか。

 

8:27山頂到着。西側に最高点があり、その場所に祠があった。ここには真新しい前橋ハイキングクラブの標識が掛かっていた。三角点はここから20mほど東にあり、ほとんど落ち葉に埋もれていた。掘り出すと二等点であり、点の字が旧字体の立派な標柱であった。東西に長細い山頂で、居心地はいい。テントも張るにもいい地形で、大勢のパーティー山行にも適当な場所に思えた。ただ展望がいまひとつ。というのは浅間隠山がガスに隠れて見えていない。角落山方面も木々が邪魔をして全くだめ。落葉樹がほとんどなので、秋から冬にかけては展望が良いのであろう。地形図を見ると破線が北東側に上がってきている。となると北東からの登路もあるだろうと足を進めると、やはりこちらにもマーキングが降りていっていた。さらに東側の尾根も同じように踏み跡が降りていた。当初この東側の尾根を辿ろうと思っていたのであるが、なだらかそうではあるが、今回歩いたこの道には勝てないだろう。のんびりとパンを食べながら儀式をする。風も無く穏やかな天気であった。

 

さて下山。往路で見過ごしていたのだが、みずならの森で北東に行く道が降りて行っていた。この山にはいくつもの道があるようであるが、それほどに地元では親しまれている山と言えよう。分岐からは展望台に上がってみる。するとこちらにも小さな祠が安置されていた。北側の展望があるのみで、他の方角は木が邪魔をしてしまっていた。見下ろすと、はまゆう山荘が見える。浅間隠山は相変わらずガスの中であった。

 途中で「しおじの森」の方へ足を向けるが、この分岐辺りは、岩の渓谷のような場所で、薄気味悪いような、獣が急に出てきそうな場所でもあった。1116高点を過ぎ、「広葉樹の森」経由で降りる事にした。こちらは斜度がきつい中に付けられた道で、高度がなかなか落ちない長い九十九折の道であった。そして林道に降立った場所は、炭焼き釜がある場所で、登山口より100mほど東の場所であった。往路はこちらから登っても良いようだが、森の散策なら良いが、雨坊主山を目的とした場合は、「三洋の森」の表示箇所からが妥当だろうと思う。

 

帰りは、はまゆう山荘で入浴。ビジターの受け入れは11時かららしいが、30分のフライングにも寛容な扱いを受け入浴が出来た。風呂上りに「わらび平」まで上がりアツモリソウを鑑賞。白花のアツモリソウを見たのはここがはじめてであった。脇にはコマクサも植えられていた。ここは標高1130mほどである。この高度でコマクサの植生があると、なんとも不思議な感じであった。

 補足:「三洋の森」のネーミングが不思議でならなかったのだが、三洋電機が保全管理をしている森で、名前は会社名に起因しているのであった。

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