薙山 1640m 五里山 1673.2m
2007.7.14(土)
雨 単独 北から南へ縦走 行動時間:3H14M
@林道入口7:55→(9M)→A林道を離れる8:04→(14M)→B谷の道標8:18→(22M)→Cコル8:40→(5M)→D薙山8:45〜50→(20M)→E1730m峰北西尾根に乗る9:10→(2M)→F岩峰(現地表記:五里山)9:12→(7M)→G五里山のコル9:19→(13M)→H五里山(現地表記:向山)9:32〜41→(9M)→I奇岩分岐9:50→(26M)→J1520m峰10:16〜19→(20M)→K送電線鉄塔10:39→(12M)→L車道に下りる10:51→(18M)→M車に戻る11:09
@車道脇、林道入口のCPに標識が掛かっている。 | @金山山荘に向かって右側に入る。 | A堰堤を左に見て、その先で林道と川が接する場所がある。 | A左の絵のすぐ先に道標が掛かっている。ここから林道を離れる。 |
1番目の堰堤。堰堤は二つ越える。 | 谷の様子。登山道らしき道が見当たらない。 | B谷の中の登山道標識。ここから登山道は西に向かうが、今回は南東に進む。 | 下から来て最初の枝谷。ここは向かって左の谷に入る。 |
二つ目の枝谷は右に入った。 | 三つ目の枝谷も右に。 | C薙山のコル。 | Cコルから1730m峰側の尾根。 |
D薙山山頂。2本のシラカンバが目立つ。 | E1730m峰の北西尾根。かなり歩きやすい尾根。 | F岩峰。この先に空に突き上げたような自然石がある。 | F岩に登って五里山(現地表記:向山)を見る。 |
岩峰からは右(北)がわを巻いて下る。もしかしたら南側にもルートがあったかも。 | 岩峰の下。左の方から降りてきた。 | G五里山のコル。北側から撮影しているので、三角点峰を向山と示している。 | 五里山への斜面。 |
斜面を上から撮影。かなりザレた地形であった。 | H五里山山頂。向山の標識がある。 | H五里山三角点。 | H山頂部のやせ尾根。アカマツが沢山生える。 |
I分岐箇所の奇岩。撮影側の反対側から見ると鉄砲隙間のようなスリットがある。本来はこの岩の手前から南に下れると良い | J1520m峰。ここも居心地のいい場所である。 | K途中の送電線鉄塔。おそらくこの左側へ巡視路が降りている。尾根は真っ直ぐ方向。 | 途中の作業場。 |
カモシカが不思議そうに見ていた。距離15m。 | L車道に出る。 | L出た真前には422番の電柱が立っていた。 | M林道入口まで戻る。路肩に駐車してある。 |
これから後半戦に入る。こちらはほとんど準備が無いので地図だけが頼りである。時間は十分あるので急ぐことも無いが、だんだんと雨粒が重くなってきた。止めるなら今のうちだが、歩きたい気持ちのが上回っていた。
7:55スタート。林道沿いの木には名札が掛かり、人の気配のする林道である。左側に堰堤が見え、その先で川の流れと林道が接する所がある。この場所の10mほど先から林道を逸れ山道に入る。ここにも道標はある。さて入ったはいいが、道形がほとんど判らない。適当に谷の中を行き、最初の堰堤は右岸側を巻き、その次の堰堤も右岸を巻いた。どこかで登山道があるのかと見回すが、それらしき跡がない。ただ、とても歩き易い谷で、どこを歩いてもいいような場所である。それが故に踏み跡が付かないのかも。そのまましばらく行くと道標が南西側に登路を導いていた。五里山だけなら登山道を伝うのだが、薙山も狙っているのでそのまま谷を詰める事になる。この先に大きな枝谷があり、向かって左の谷に入る。次の枝谷は向かって右。ここは少しナメ沢のような谷で足元には要注意。そしてさらに先の枝谷は右に入った。特に危ないような場所は無いのだが、ザレタ場所が多いので、それだけが負担であった。
8:40薙山のコルに着く。なかなか気持ちの良い場所で、北にも南にも明瞭な尾根が続く。薙山を目指し北に足を向ける。下草の無い歩きやすい尾根で、労せず山頂に着いた。山頂には2本の太いシラカンバが生えている。展望は無いものと思ったが、北側の展望はある。標識も何も無く、黄色の絶縁テープを縛っておいた。コルまで戻るがこの先の進路が難しい。尾根伝いに南の峰に登り上げ、西に進むのが一番判りやすいが、無駄な登下行のような気もしてトラバースして行くことにした。がしかし、コルと同じ高度のままズレようとすると、現地には大きな谷が間に入っていた。やむなく尾根を少し登りあげ、適当なところからトラバースを始める。斜面には鹿道があり、上手く伝って行ける。1730mピークから北西に下りる尾根に乗り、しばしで岩峰になった。ちょうど石碑のような岩形状で、人工物かと思って上がってみると、それらは自然石であった。目の前には五里山が手に取るように見える。この岩峰からは西側には直接降りられず、少し戻って北側を巻くように降りて行った。下りだからいいものの、ここを登る場合は厄介かもしれない。
降り切ったコルには道標があり、今ほど通過してきた岩峰側を指して「五里山」としていた。そしてこれから向かう峰を「向山」と案内している。岩峰には標識が無かったので、もしや1730m高点を五里山としているのかも。この辺りは地形図と合わないのだが、これを踏まえると道標の設置は行政ではないことが判る。道標の設置はありがたいことであると思う。だた、迷わないようにはして欲しいと願う。西に進み斜面を駆け上がる。と言っても非常にザレた道で歩き辛い。左右に振ってみたがどこも同じであった。どこかに道があるのだろうか。どうも今日の後半戦は全てに道を外している。そしてやっとの事で五里山(向山)山頂に這い上がる9:32。南北に細長い山頂で、アカマツが多い。金山山荘の主人曰く、時期になると香しい高級菌類が出るらしい。目の前の状況はまさにそれらを裏付けるような植生であった。小さな声で言いたいが、この山の適期は秋だろう。展望は無い山頂で、北に進むと木々の間から辛うじて先ほどの岩峰が見える。三角点の横には「向山」の標識が掛かる。
さて後は下山路である。北に戻るか南西の尾根を行くかなのだが、ここまで来たからせっかくなので南西に下ることにした。下って行くと途中で尾根が分かれる所があるのだが、そこに大きな岩がある。この岩が不思議な岩で、中央に穴が開いていて、まるで城にある鉄砲隙間のような形をしているのであった。ここから西には進まず南の尾根を行く。少し行くと尾根上に刃物を入れた痕があり人の気配が感じられた。踏み跡が幾分か濃くなり、そこを辿ってゆく。1520m峰は巻き道と山頂へ続く道とがある。こちらの山頂もアカマツが生え、閉所感がなく気持ちの良い場所であった。実はこの時、ここを「天狗ノ鼓」だと思い違いをしていた。同じ標高であり、事前準備が無い中でもあり思い込みをしていた。と言うのも以前に金山山荘の主人と話しをした時に、この山頂を御仁が"天狗の・・・”と口にしたのであった。帰ってから確認するのだが、天狗ノ鼓は、この場所から南の1520m高点であった。勇み足であったのだが、このピークに「天狗の鼓」と書いた絶縁テープを巻いてしまった。どなたか通過時に外して頂けたらと強く願う。
下って行くと林動作業の切開きがあり、大木に荷降ろしの基点が作られていた。そこを下ると送電線の鉄塔が建っていた。この鉄塔への巡視路もあるはずである。尾根伝いはそれらしい切開きが無かったので、鉄塔から南に道が切られていたと考えられる。この推察を踏まえると、こちらから登る場合は金山沢と枇杷窪沢の間に入る林道からアプローチするのが良いだろう。私は尾根上の踏み跡がどこまで続くのか確認したく、そのまま尾根を辿って行った。途中ルート上にカモシカが現れ不思議そうにこちらを見ていた。カモシカは近視なのでじっと見ていると聞く。そして右下に林道が見えるようになると、そちらに吸い寄せられるように踏み跡も降りて行っていた。降りた先は1mほどの高さのよう壁がある場所で、目の前の電柱には422番と振られていた。今歩いて来た自分でさえ、車道からは踏み跡が判らないような状態であった。まー三叉路辺りからも道があるのかもしれない。直ぐに尾根が始まっている場所なので、「迷わず行けよ 行けばわかるさ」 by 一休 としておくことにする。
雨の流れる林道を登って行く。こんな日なので通る車もなく、のんびりと足を上げてゆく。こんなことも無ければここを登ることも無いだろう。後にも先にもここを歩くのは最初で最後かも。
11:09車に到着。全身ずぶ濡れであり、急いで黒森鉱泉に車を走らせる。がしかし本日休業。しょうがなく近くのみずがきランドに行くが、ここも休業。結局高根町まで出て、たかねの湯に沈没となった。受付の女性は、ずぶ濡れの私を見て不思議そうな顔で見ていた。山が近ければ理解も出来るであろうが、街中では不審者に見えるかも・・・。背中に視線を感じながら、いそいそと浴場に向かったのであった。
家には16:30到着。