畑久保 1960m  湯沼 1840m  下見宿 1670m

2007.01.02(火)   


  曇り   単独   山頂部に積雪20センチほど   行動時間:5H12M



@スタート6:16→(30M)→A有刺鉄線の尾根6:46→(23M)→B有刺鉄線終わる7:09→(45M)→C畑久保山頂7:54

C畑久保8:09→(20M) →D最低鞍部8:29→(17M)→E湯沼8:46

E湯沼9:00→(7M)→F1794ピークの下降9:07→(35M)→G1666ピーク9:42→(11M)→H下見宿の岩場9:53→(8M)→I下見宿10:01

I下見宿10:15→(28M)→林道に出る10:43→(15M)→湯沼からの尾根乗越10:58→(14M)→K林道に出る11:12→(16M)→到着11:28   



rinndoubunki.jpg cyusya.jpg  yushi1.jpg kega.jpg 
林道の分岐がこの看板の先にある。左に行くと湯沼の北側に行くと思われる。(帰りに撮影) @駐車場所。車の後ろに鹿避けの電線が張られている。進路は右側。(帰りに撮影)  Aこのような有刺鉄線が延々続く。  痛っ!! 負傷。 気をつけましょう。
yushi2.jpg hatakubo.jpg saiteianbu.jpg yunoma.jpg
B有刺鉄線が終わる。  C畑久保山頂 川上の村が下に見える。 D最低鞍部から畑久保を振り返る。  E湯沼山頂。木々の間から畑久保が良く見える。 
kabe.jpg mark.jpg mark2.jpg shitamikabe.jpg
Fルートは左の急斜面。ここもかなり神経を使う。  G1666ピーク ここからマーキングが出てきた。  おそらく林業作業用と思われるマーキング。 H下見宿直下の岩場。左側の黒い岩の方に手がかりがあり這い上がれる。
shitami.jpg rindou.jpg  yunomakarashitami.jpg  shitamikarahatakubo.jpg 
I下見宿山頂のケルン。 K湯沼からの尾根を乗越したあとの林道。しばらくこれを下った。だだ下りすぎると駐車場所より下に行ってしまう。  湯沼から下見宿を望む。  下見宿から畑久保と湯沼を望む。 


 川上村の登り残しも片手内になってきた。その中で藪山であろうココが一番気になっていた。ただ、下見宿を上の2座と繋げようか、切り離そうかと迷った。と言うのは地形図を見て判るように付近はゲジゲジマークが多いのと等高線も狭い。何はともあれ、暮れからのアルコール分を飛ばそうと血気盛んに出向いてきた。コースは、東斜面は長峰と雨降山で懲りたので、このエリアでは登りやすいとされる西側からアプローチする事にした。

 家を2時に出発するが、流石に正月でトラックは皆無。通常は1時間掛かる峠越えは45分で通過。川上村に入り小板橋(小川口停留所)の所から山手に入る。今回は狭い林道を考慮して軽四駆に乗ってきた。林道に入るといきなりアイスバーンで、タイヤが空転した。トラクションを効かせようとソロリソロリとアクセルを踏む。1257標高点の南に作業場があり、そこの横を曲がりたかったのだが、勢い余って通過してしまいブレーキをかけるや、自由落下が始まった。なすすべなくハンドルを握ったまま固まる。ちょうどアイスバーンの切れ間で何とか停止し、のっけから冷や冷やさせてくれる。作業場脇を行くとT字路になり、そこを右に行く、暫らく行くと分岐があり、そこにはキノコ採取に関しての注意書きがあった。ここの分かれ道を左に見送り、さらに真っ直ぐ行くと鹿避けの柵が続く林道と左に入る道があった。ここは適当に左にハンドルを切った。このあたりも雪が多く、この時期の通過可能車両は四駆の軽限定かもしれない。畑の脇を進むと再び鹿避けの柵が左に現れた。林道はまだ先に進むが、ここらで潮時と車を余地に停車させた。4:00。さて歩こうかと思いきや、ヘッドランプを忘れてきた。正月早々気が緩んでいたようである。しょうがないので不貞寝を決め込んだ。夜明まであと150分ほどある。その間不貞寝するのも大変なのであった。

 6:15まだ暗いが、夜明を待てずに出発。畑久保から北西に延びる尾根を狙って歩き出した。雪の上を見ると偶蹄目でないような、肉球を持った大型動物のような足跡が続いていた。暗くて良く見えないことをいい事に「多分、熊のような鼬だ」と自分に言い聞かせた。緩い斜面が終わり、尾根に乗るとやや急勾配が続いた。そして枝尾根から主尾根に乗ると、そこには有刺鉄線の柵が尾根上を一直線に続いていた。暫らく尾根の北側を歩いていたが、見るからに南側の方が歩きやすそうで。有刺鉄線をくぐって反対側に出る。ここで一人金網デスマッチが開催された。まんまと網に引っかかって手の甲に傷を負ってしまった。血がなかなか止まらず、ぽたぽたとマーキングを続けながら歩いていた。この有刺鉄線は1600m付近で鋭角に曲がって西側に続いていた。暫らくは歩きやすかったが、次第に斜度を強め、途中からは両腕で這い上がる。この山は、下から見ると近く感じるのだが、こんな山に限って実際はしっかり距離があるように思う。

 7:54畑久保三角点到着。三角点意外に何もなかった。お湯を飲み小休止。展望は少しだけ川上村側が見通せる。ただしこれは今だからで、木々が芽吹く頃は展望はゼロだろう。儀式を済ませ、急斜面の下る。15度くらいの傾斜で、雪が乗った斜面は簡単には下ろしてくれず、木に捕まりながら恐々足を出していた。少し緩い斜面になった場所は、尾根上がアイスバーンになり、最低鞍部までで2回転んだ。

 8:29最低鞍部から畑久保を振り返る。円錐形の顕著なピークである。湯沼は、南峰は獣道が左を巻いていたので、それに従った。そして8:46湯沼到着。細長いピークで標識類は無く、最高点と思しき場所にテープを縛った。とりあえず、持ち上げたみかんを頬張った。この先どうするか考えねばならなかった。ここから西に派生する尾根を下れば駐車した場所へは最短で行ける。ただ、ここからだと下見宿までは下り勾配、このチャンスに踏んでしまった方が、労力の低減になる。しかし1794ピーク、その先の痩せ尾根、そして下見宿、なんとも手ごわそうであった。最終的には「行きたい」のであり、結局行く事にした。

 だらだらと東に下り1794ピークに着く。ここは北側の展望がいい。眺望を楽しんでいながら下る斜面を覗き込むと10度くらいだろうか、少し大げさか、それでも15度だ。ここに雪が付いている。助かったのは細かい木であるが植生があることであった。それらの木を頼りに下に下ってゆく。距離にして20mほどなのだが・・・。降り立ってしばらく進むと
岩交じりの尾根が続く。適当なバンドがあり東側に避けながら通過した。

 1666ピークにはピンクの紐が縛られていた。そこから等間隔で、小枝を斜めに切り、その切り口に番号を振った形状の杭が続いていた。マーキングは下見宿を前に右の方へ消えていった。9:53行くてを岩に阻まれた。登って山頂だと判っているのだが、簡単に登れそうな岩場でなかった。尾根から正面は、上がオーバーハングしている。地図をもう一度見るが、東側は駄目、西も駄目である。やはりここからかと思って少し西にずれてみた。すると手がかりになりそうな岩が目に入った。ルートを目で作って行くと何とかなりそうで、取付いてみた。左上に生える松の木を目指して、大またを開き、足を置き、腕力で体を持ち上げる。3mほどをクリアーすると、その先は難易度は落ち、岩の上をスルスルと登り、9:57下見宿登頂。山頂には胸くらいの岩に石を二つ乗せたケルンがあった。ちょうどいい石があったので、もう一つ乗せて3段にした。ここは北、西、南の展望がいい。腰を降ろし、儀式となった。

 さて次は帰りである。先ほどのところを降りるのが良いのか、他に選択肢があるのかである。危険は避けたいので360度探索してみた。やはり先ほどのところしかなさそうである。10:15下る。雪が付いているので慎重に足を出して岩場を下る。そして先ほどのところは、手がかりをしっかり定める。ぼろぼろと脆い岩も多く要注意であった。恐々降りたのだが、もしここを目指す人はザイルを持った方がいいように思った。南の峰まで戻り、そこから尾根伝いに下を目指した。この先のコースは、1493標高点の少し上を通り湯沼から北に派生している尾根を乗越して車に戻るというものであった。当初は北に下って車道に出てから回り込んで戻ろうかと思ったのだが、最短距離を行くことにした。1493付近で下から林道が上がってきていた。これを跨ぎ、尾根を乗越す10:58。そしてあとは下るのみ、下ってゆくと再び林道に出た。おそらくこれはキノコの標識の分岐から伸びてきているものと推察した。
車には11:28到着。多分1時間ほどのショートカットになっただろう。新年早々よい山歩きが出来た。

 家には14:30到着。

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                                 下見宿から男山方面を眺める
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