霧ノ塔 2000m 日蔭山 1860m 小松山 1800m 黒倉山 1777.5m
大日蔭山 2010m
2007.5.27(日)
晴れ 単独 小松原湿原より 残雪 行動時間:8H33M
@ゲート先2キロ地点4:05→(75M)→A湿原入口5:20→(46M)→B中屋敷6:06→(47M)→C上屋敷6:53→(13M)→D小松原小屋7:06〜08→(48M)→E小松山7:56〜59→(16M)→F日蔭山8:15→(61M)→G霧ノ塔9:16〜19→(7M)→H大日蔭山9:26〜40→(4M)→G霧ノ塔9:44〜51→(45M)→F日蔭山10:36〜40→(10M)→I小松山10:50〜55→(19M)→J黒倉山11:14〜30→(19M)→K小松原小屋西側湿地11:49→(10M)→L上屋敷11:59→(60M)→M中屋敷12:19→(34M)→N林道に出る12:53→(68M)→Oゲート先2キロ14:01
@ゲート先2キロ地点から | @林道を覆う雪の押し出し。 | A湿地入口のトイレ。 | A小松原湿原入口。 |
途中のブナ林。 | B中屋敷分岐。右は金城山へ。 | C上屋敷の池塘。鏡のようであった。 | D小松原小屋 |
D小屋の内部 | 小松山へのなだらかな斜面。 | E小松山山頂部。 | E小松山から日蔭山側。 |
E小松山から湿地側。 | 途中から鳥兜山。 | F日蔭山山頂。 | F主三角点。 |
F日蔭山から霧の塔。 | F日蔭山から苗場山方面。 | 1850高点から霧ノ塔。 | 1850高点から日蔭山。 |
霧ノ塔直下 | 霧ノ塔三角点付近から最高点側。 | G霧ノ塔から大日蔭山。 | H大日蔭山。 |
H大日蔭山から神楽峰方面。 | H大日蔭山から高石尾根(雁ヶ峰)側。 | H和田小屋が見える(中央)。 | 大日蔭側から霧ノ塔。 |
G霧ノ塔から日蔭山。 | 1850高点南側の雪稜。雪を伝って登って行く。 | 1850高点から霧ノ塔を振り返る。この絵こそ「霧ノ塔」 | 日蔭山側から小松山(右)と黒倉山(左) |
I小松山から西側。 | 小松山と黒倉山の暗部から。 | 黒倉山直下。 | J黒倉山山頂。 |
J黒倉山から小松山(左)日蔭山(中央)大日蔭山(右) | J黒倉山から猿面峰。中央に霞んでいる。 | J黒倉山から湿地側。 | K小松原小屋西側の湿地に戻る。黒倉山を見上げる。 |
L上屋敷。水面に3山が浮かび上がっている。 | 中屋敷に向けて。この手前の階段が見出せず、往路は難儀した。(上から撮影) | M中屋敷分岐帰り。 | 木道脇にはショウジョウバカマが咲き誇る。 |
車滝への分岐。 | N湿原入口まで戻る。 | 倒木が林道を塞ぐ。この他にも大きな崩落箇所が2箇所あった。 | O車に到着。 |
前日の夕方、グリーンピア津南からの林道を詰め走ってきた。道中に苗場山や小松原湿原を示す道標は一つもない。なぜなのだろうか。そんな事を思いながらダートを行くと、事前に調べたゲートポイントは、なんと開門したままであった。ほとんどの記述を読むとここのゲートは閉まっている。しかし目の前は開いている。どう考えれば良いのか・・・。一応行ってみようと入って行くと、2キロほどして雪の押し出しがあり通行不能になった。ちょうどその場所に上州ナンバーのワゴン車があり、その持ち主らは山菜を沢山抱えて降りて来た所であった。話を聞くと、御仁らはゲートを開けて入って来たらしい。しかし、中に入ったら閉めたとの事。他の人が入り、開けたままにしたのだろうと言うことであった。しかしそこに居た二人は顔を見合わせて何か意思の疎通をしているように見えた。入ったはいいが締め出しを食らったらたまらないので一度ゲートを出た。そして下の集落へ水を酌みに降り、再びゲート前に戻ると、まだゲートが開いていた。再び入って行くと、押し出しまでに車の姿は無い。まー明日も山菜取りが入るだろうと、押し出し近くの余地に車を停めた。テレビを点けると、どのチャンネルも良く入る。近くに中継アンテナがあるのだろう。作文をしようとパソコンを持ち込んだが、500mlのビールを2本空けたら、そのまま意識は無くなっていった・・・。
3:00起床、空を見ると星が瞬き好天が期待できた。前日の疲労を引きずりながら歩き出す4:05。雪の押し出しの場所は道路の幅に対して3/4ほどを埋め尽くしている。その脇を果敢にも通り抜けている車もあった。軽四であることは間違いないのだが、路肩側も倒木があり、無傷での通過は無い筈である。ここを無事通過したとしても、この後、落石や倒木が計7箇所ほどあり、入った事を後悔させるような状況であった。ウグイスが囀る中を重い足取りで登ってゆく。道路脇の山菜を見るのだが、コシアブラやニワトコなどがちらほらと見られた。倒木や落石が無ければ、本当に良い林道である。もしそれらが無い中を歩いていたら、煮えきれないかもしれない。
5:19湿地への入山口に到着。トイレもあるのだが入れないようにコンパネで塞いであった。すぐに右手の木道を歩いてゆく。元々のっぺらとした木道だったのだろうが、近年そこに横板を打ち付けてグリップを良くしている。かなり手間のかかる仕事であるが、延々と続いていた。雪がところどころお目見えして、木道を覆っている。1339ポイントの車滝への道を右に見て左へ進む。この辺りは湿地帯で広い場所である。しばらく木道を辿ると、ブナの中を歩く登山道の様相となる。細かく階段が刻まれた道ではあるが、雪が覆い、そこを踏み抜くような状態で、やや辛い登りであった。途中の水場への分岐箇所は、本道は直角に右に曲がっており、朽ちた道標が立っていた。
中屋敷6:06。帰りに余力があれば、ここから金城山を狙いたいが、ここから山頂が見えないのが何よりも心を動かさない部分である。この場所と金城山の山頂とは、この場所が160mほど高いのであった。木道に雪が無ければ、これほどに歩き易い道は無い。ただそれが一旦雪に覆われると、その反動で、とても苦痛に思える。最初から木道など無いものと思って歩いてゆくのと、あるものと思って歩いているのでは、木道に期待するウェイトが違っているのだろう。上屋敷を手前にして完全にルートロストしてしまった。少し登り上げるがそれらしい道は無く、ぐるぐると20分ほど無駄な軌跡を残してしまった。あえてナビは見なかったのだが、五感を養うには、たまにはこんな事を自分に貸せないと・・・。ぐるっと回って、再び一度歩いた木道に戻り、もう一度その木道が向いている方向を行くと、斜面に階段を発見。方向が少し右に変わり判りずらい場所であった(津南町と十日町市の境界線辺り)。
階段を駆け上がると再び道が続き、ほどなくして上屋敷エリアに到着。ここの池塘はすばらしい。水面が鏡のように空を映し出している。目の焦点を変え、水底を見ると、思いのほか深いのである。1mもあるのではと思うようなところもあった。目指す高みが目の前にある。だが遥か遠い。行き着けるのだろうか・・・。池塘付近はしっかり雪解けしているのだが、そこを過ぎると標高が上がるに従い雪の量も多くなる。ピンクのマーキングが雪面上の踝の辺りにあるのだが、夏道としてのマーキングのようである。そして木道が無くなり適当に歩いてゆく。すると水の音が聞こえてきて、目の前に三角の小屋が見えた。7:06小松原避難小屋到着。中に入ると雨戸が締め切られ、内部に明かりは入らず真っ暗だった。冬の間の利用者は居たのだろうか、辺りは広く木道が見えない中でここを探すのは難しいように思えた。
さてここからのルートは夏道は日蔭山へ続く尾根上にあるが、小松山に登り上げる尾根に取り付いた。こちらもとても歩き易い尾根で、邪魔をする木も特に無い。それでも上の方は少し急峻であるが、一度高みに上がってしまえば、そんな苦労も吹き飛んでしまう。小松山山頂7:56。稜線の南側に植生があり、北側の雪を伝って東進する。この辺りは非常に気持ち良いなだらかな起伏であった。1860mの日蔭山に着くと、朽ちた標柱と主三角点と書かれた標注があった。この標柱には他に文字の刻みが無く不思議な標柱に見えた。どこの三角点に対しての主三角点なのだろうか。目指す霧ノ塔は指呼の距離にあるものの、その間に大きな起伏が待っている。登りたい気持ちと行きたくない気持ちを半々に持ちながら、自然と足は前に出る。1850m峰から一気に下りこむ。残雪がナイフリッジ状に残る所を行かないと他に歩くところはない。周囲の笹を掴みながら慎重に足を出してゆく。最低鞍部まで来ると、今度は雪の無い泥濘の急登であった。もしここに雪があったなら、かなり難儀したと思う。泥濘くらいで助かったのであった。
9:18霧ノ塔到着。ダラっとした何もない山頂であった。私は地図を見ていなかった事もあるのだが、ここが三角点峰で、次にある高石尾根の合流点が霧ノ塔の最高点であると思っていた。当然そちらに向け歩き出す。歩いてゆくとそこには大日蔭山の標識があった9:26。 とっさに理解が出来ず。標識を見ると「霧ノ塔へ15分」と書いてある。苗場側の展望はやや霞んでいる。和田小屋で間違いないようだが、下の方にオレンジ色の屋根が見える。一応ここでも儀式をして先ほどの三角点峰の方へ戻る。ナビを見るとこちらをプロットしてあり、こちらが霧ノ塔で間違いないようである。雪が無ければ、大日蔭山が遠く感じ、地図を見て確認したのだろうが、雪があるとこの間は5分ほどで行き来が出来る。少しでも高い方(峰)を目指す因果な性格が出てしまった・・・・。
さて後は各ピークで儀式をしながら行けばよい。湿原から見ていた遠くの高みに居る訳なのだが、こちらからは湿原は見えず、それが故に遥か遠くに来てしまっているような感じもした。再び泥濘の斜面を下り、雪に伝わってゆく。鞍部からは硫黄川への道もあったようだが、完全に笹に掻き消されているようだ。藪好きにはたまらないルートかもしれない。1850ピークで湿原が見え。となると湿原から霧ノ塔だと見ていたのはこのピークだったのか。稜線を辿り、日蔭山を経て小松山に戻る10:50。残す1座の黒倉山が目の前にあるのだが、斜面に雪が繋がっていない。ルートを見定めて尾根の北側を行くように雪を拾ってゆく。こちらもそう大した事無く山頂に到着した11:14。
三角点があるはずで、雪の無い高みを、笹を分けながら探すが見つからず。目前の大量の雪の下になっているようであった。ここから霧ノ塔を見ると小松山、日蔭山、そして霧ノ塔(大日蔭山か)の三座が綺麗に並んでいた。南に目を移すと円錐形の猿面山がある。年頭にあそこを目指して、途中でもがいた斜面が見える。なぜがニタッと笑ってしまった。猿面山には再び挑まねばならない。また冬に行こうか・・・。このピークを最後に下って行く。北側斜面はおおよそ雪がしっかりあり、どこでも歩いてゆける。出た先は避難小屋の先の湿原であった。上屋代に戻り、池塘の水面を見ると、黒倉山、小松山そして日蔭山の三山が写っている。思わずカメラに収めて微笑む。これほどの自然からのプレゼントはないだろう。意気揚々と闊歩してゆく。
帰りは木道もかなり見えており、ほんの数時間でかなりの違いを見せ付けられる。1週も違えばもっと歩きやすくなるだろう。中屋敷では金城山に誘われる事なく、迷う事無く直進し、林道の湿原入り口に降り立った12:53。あとはもう林道歩きをのんびりとこなせば良いだけである。付近にガスがかかり、上の方も見えなくなった。前日も本日も、本当に天気に恵まれたようであった。そして車に到着。すると今日もまたポツリポツリと雨粒が当たり出した。今期は晴れ男かも・・・。ゲートは開いたままだったので、一応閉めるには閉めたが、私は工具など持たないので閂はせず林道を後にした。
帰路、清津峡温泉に沈没し、さっぱりとする。塩沢石打から高速に乗り、家には18:30到着。
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