小日影山 2505.3m      除山    2050m

 2007.7.21(土)   


   雨   同行者あり   広河原コース、ゲートの先のトンネル付近から取付き      行動時間:10H07M


@林道ゲート5:43→(21M)→A尾根取り付き点6:04→(7M)→B尾根に乗る6:11→(141M)→C2128高点8:32〜43→(103M)→D小日影山10:26〜46→(96M)→E2128高点再び12:22〜27→(31M)→F除山最高点12:58〜13:11→(129M)→G Bの帰り15:20→(8M)→H林道に降り立つ 15:28→(22M)→Iゲート15:50


ge-to.jpg  annaizu.jpg  koya.jpg  tonneru.jpg 
@ゲート前には駐車スペースがタイガーロープで割り振られている。 @ゲート前の立派な案内図 林道途中にあった小屋。 小さなトンネル。中はヘッドライトがないと厳しい。
tonneruwaki.jpg  torituki.jpg  ma-kingu.jpg  penki.jpg 
トンネル脇にアルミの梯子が掛かっている。ここから上がっても良い。 Aトンネルから少し戻ったカーブの所に上に向かう道がある。
(ゲート側を見ている)
B尾根に乗った所には、赤いリボンが3本掛かっている。 尾根上の大岩にはペンキで文字が・・・。
hidari.jpg  ginryousou.jpg  2128.jpg  2128nishi.jpg 
大岩は左を巻く。 ギンリョウソウが実を付けている。 B2128高点。一部明るい場所がある。 B2128高点の西側。好対照に暗い。
2128higashi.jpg  waiya.jpg  taiboku.jpg humiato.jpg
B2128高点の東側。 途中にワイヤーロープが残置してあった。(手ブレ) 尾根上にかなり目立つ大木がある。この付近が藪漕ぎ区間。 このような道形がある。
200.jpg  sankaku.jpg  kohikage.jpg  humiato2.jpg 
小日影山200m手前の様子。
D小日影山三角点。開けた場所の隅のほうにある。 D三角点の上には赤布が2本下がっている。 尾根の帰り。
te-pu.jpg  2128hutatabi.jpg  nozokiyamasyamen.jpg  mlq.jpg 
絶縁テープと道形。藪漕ぎ手前。 E2128高点再び。 除山の斜面の様子。倒木が始まる手前。 F除山。MLQの山名表示。絶縁テープの水滴が見えるだろうか。
nozokiyamasenkei.jpg  one.jpg  migihe.jpg  syamenrindou.jpg
F除山最高点から三角点峰側を見ている。ガスで見えない。 2128高点の南西尾根の様子。 G Bの箇所を上から見ている。3本のリボンと地面に1本。 林道への斜面。緩やかそうに見えるが、なかなか・・・。
rindou.jpg  taki.jpg  ge-tokaeri.jpg   
H林道に降り立つ。  途中にあった見栄えのする滝。  Iゲート到着。   

 

 日本を代表するパノラマ写真家F氏から声が掛かった。氏とは2006年の夏に仙塩尾根で行き会ってからちょうど1年が経過する。同行取材?を求められ、快く承諾した。ただ私の力量は他人をガイドするほどの立場ではない。あくまでも並列の立場での同行である。


 現地を見ると荒川荘側の尾根と、小渋の湯跡地からの尾根が選択出来る。荒川荘側の詳細は
MLQが記録しているので、情報を増すためにも小渋温泉側の尾根を辿ることとした。


 午前0:50上州の某主要駅でパノラマ写真家を拾い、現地に向ける。八ヶ岳南面は視界が20m〜30mで、ほとんどノロノロ運転であった。杖立峠を越えて高遠に下りて国道152号で大鹿村に入る。前回に下見をしてあるので、県道253号線様子は弁えていた。荒川荘の前を通り、T字路を右折しダート林道に入る。谷側が崩落している所や、山側からの岩の崩落もちらほらと見られ、安心して走れる林道ではなかった。水溜りも多々あり、車を泥だらけにしてゲート前に到着。ゲートは、林道側と小渋川に降りて行く道側とに二つあり、下の方には何か施設が見えたのだが、それが小渋温泉跡地だったのかもしれない。雨は小雨だが、下草に備えて雨具を履いた。いなり寿司を3つ立て続けにほうばり、準備完了。


 5:43ゲートから歩き出す。ゲート前には立派な大鹿村の案内地図が出来ていた。そこには大聖寺平へ続く大河原ルートの注意書きも添えられていた。右に小渋川の大きな流れの音を聞きながら足を進める。小滝のような流れが左の斜面にいくつか見える。歩き出してすぐに谷側にコンクリートの小屋があり、ここには電気も通されていた。開け広げの小屋なのだが、以前は何に使われていたのだろうか。この先で山側はコンクリートが吹き付けられたよう壁になっている。ここを過ぎると暗いトンネルが口を空けていた。閉所感があり、一人で入るには勇気のいるトンネルであった。トンネルの手前には滝があり、その西側にはアルミの梯子が掛かっていた6:00。
上を見るとなんとなくバンドが見え、歩ける幅になっている。上がろうかと足をかけたが、かなり濡れていて数歩だけなのだが危険に思えた。F氏もいるのでギャンブルは止め、安全策を選ぶ事にした。おそらくこの梯子はよう壁工事用の物と思われる。よう壁の上を見るとかなり重たいワイヤーやネットが見られる。こんな取り付き梯子では、それらの工事には無理であり、他に道があることが考えられる。林道を少し戻ると、コンクリートの吹き付けが始まる所に、丸太で階段が切られていた。これなら先ほどよりは安心して登れるので、ここから取り付く事とした6:04。


 最初から至極急な斜面であり、片足を置けるほどの道幅のみで、さらには足を置くとすぐに流れてしまうような柔らかさであった。それでも工事用に使ったのか、無数に踏み跡があり、適当に辿って上に行く。尾根に乗るとそこには3本の赤いリボンが垂れ、地面にもリボンが縛られていた。辺りは針葉樹と広葉樹が入り混じった植生で、尾根上には下草は無い。尾根は広く防火帯ほどではないが、気持ち良ささえも感じる。適当な間隔で地面上に石柱が立っている。なかにはペンキを吹き付けられた木も見られ、人の気配がする尾根であった。踏み跡も「ある」と言うほどではないが「ない」と表記するのも不自然で、「微かにある」と言ったらいいか。途中に直径4mほどの岩があり、そこには付近の見出し標に書かれている名前が赤スプレーで書かれており、年号と通し番号も読み取れた。


 尾根は地形図通りの急登で、なかなか休ませてもらえない。F氏もぴったりと付いて来ている。当初は足が揃うか心配であったが、呼吸の様子から問題ないことが伺える。心配とは裏腹に少々呷られぎみであった。しばらくして先の尖った大岩があるのだが、ここは左を巻く。右にも踏み跡があるが、左の方がはるかに楽であった。足元を見るとギンリョウソウが実を付けていた。まるで目玉親父のようにコロコロとしていて、見ていて飽きない。この先も急登は続くのだが、急な分だけ標高を上げるのも早い。途中に2重山稜のような場所になり、振り返りながら帰路時に迷わないように確認する。
足元が草つきになると2128高点も近い。少し開けた場所もあるのだが、今日は全くのガスであり展望はなし。東側に主稜線があるので必然的に東側を見てしまうのだが、尾根東側にはテントを張るにもちょうど良い様な明るい広い平坦地もあった。


 2128高点8:32。山頂部は針葉樹のシラビソに覆われ薄暗い場所であった。一部明るい草地もあるのだが、そこは5畳ほどの広さしかなかった。もしテントを張るならここか、少し下った先ほどの平坦地であろう。ここまでで歩き出しからほぼ3時間。予定よりは少し早いくらいの到着であった。10分ほどの水休憩をして呼吸を整え東側の尾根に進む。


 稜線上には2箇所で錆びたワイヤーロープが残置してあった。こんなところでも林業作業がされていたのだろうか。2128高点から1
00mほど進むと稜線には岩やシャクナゲがお出ましになった。だが、葉をかき分けると、尾根上には道形があるのが判る。ほとんどは木に覆われてしまっているので一見判らないが、腰をかがめ視線を低くするとしっかりと続いていた。既に濡れ鼠だったのだが、さすがに露払い量も多くなり我慢の限界が来て雨具の上着を着込む。途中にシラビソの大木がスクンと立っており印象的な場所であった。この先から急峻を踏み跡を拾いながら行くのだが、無数に入り乱れて正解が判らない。適当に上を目指して這い上がる。この辺りも足より腕で上がるような場所であった。時折絶縁テープがあるのだが、付近全体の残置状況からMLQが残したもののように思えた。


 小日影山200m手前にしてトップをF氏と入れ替わる。山頂を一番に踏ませてやりたいとの思いと、一番の部分は既にこの辺りでへばっていたのであった。地形的にやや広い斜面になり、よくよく付近の様子を把握しながら足を進めてゆく。その中にはかなり明瞭な踏み跡も見える。


 小日影山到着10:26。やはりここでも視界は無い。道形はうっすらと大日影山側に続いていた。この調子で崖の辺りまで踏まれているのであろう。三角点の上には二本の赤いリボンが結ばれていた。腰を下ろし小休止。F氏はすかざすパノラマ写真を撮り始めた。じっとしていると寒くてしょうがなく。20分ほどの滞在で小日影山を後にした。


 下りは明瞭に道形が見える。しかしそれに安堵してか、2度ほどルートを外してしまい微修正。付近には鹿も多いようで、踏み跡は多々あるのであった。再び少々の藪漕ぎを経て2128高点に着いた12:22。
次に除山を目指す。除山側には、小日影山への稜線にあったような道形がづっと付いていた。最低鞍部からの登りには軽い倒木帯もあるが、南側を辿ればそれらを見ながら通過が出来る。特に問題になる場所は無いが、やや広い地形で目に入る景色がどこも同じなので、悪天の場合は注意したい場所である。


 除山12:58。MLQの絶縁テープのみが山頂を示していた。いたずら書きを追記したが、湿気が多く微かに書けたくらいであった。さて下山路をここで選択せねばならない。除山三角点経由で西側に下りたいが、MLQは危険箇所があると記述している。往路に把握していれば巻く方向も見出せるが、いきなり上から直面した場合、身動きが取れなくなったら精神的な負担も出てくる。一か八かと言う選択肢は今日は無い。全てに安全策が優先され、往路の尾根を下る事とした。


 2128高点に向かい最低鞍部からは少し這い上がると、地形が緩やかになるので鹿道に倣って南にトラバースをした。小さな尾根が途中に二つ入っては居たが、難無く往路の尾根に乗った。あとは登り返しは皆無で下るのみ。しかしながら急峻であり、なかなか気の抜けない尾根であった。案の定数度足をとられ転倒した。ここでの下山はストックがあるとかなり楽であろう。


 赤いリボンが3本見えたらよう壁の上であり、本日のフィナーレの下りとなる。最大限に足元に注意をしながら西側に降りて行く。これまでの尾根上は急とは言え、身に危険を及ぼすような場所ではないが、ここの斜面で滑ったら林道まで落ちてしまいそうであった。非常にゆっくりと足を運び、緩い地面を確かめるように足を出してゆく。そして林道に降り立つ15:28。ゲートへ向け歩き出すと、1分も経たないくらいの所に、斜面にもう一つ踏み跡が上がっていた。たしか3本リボンがあるポイントの北側に、林道側に下りている踏み跡があったのだが、もしかするとそれと合流するのかもしれない。


 二人の濡れ鼠は「満足」というお土産を抱えて林道を闊歩して行く。途中の小滝で汚れ物を洗って15:50ゲートに到着した。着替えを半ばにして、すぐに車に乗り込み赤石荘に直行。冷えて疲れた体には、赤石荘の湯壷は極楽極楽・・・。帰路は高遠城に寄って散策。さらには高遠蕎麦を嗜み、最後にパノラマ登山家を茅野駅に送り届け家路に・・・。

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