庚申山  1892m     

2007.3.4(日)   


  曇り時々晴れ  単独   残雪(かなり緩い)   行動時間:9H02M     鋸山〜六林班峠周回計画を途中敗退




@かじか荘上ゲート4:08→(52M)→A一の鳥居5:00→(124M)→B庚申山荘7:04〜18→(121M)→C庚申山9:19〜10:08→(47M)→D庚申山荘10:55〜11:24→(55M)→E一の鳥居12:19→(51M)→Fゲート13:10



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@ゲートから出発  A一の鳥居(林道終点) B庚申山荘 途中の氷柱。右側の一番長いもので4尺ほど。太さは直径100mmくらい。
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一の門 お山めぐりコース分岐。崩落箇所は直されているが、危険度は相変わらずのようで、注意書きがある。 C庚申山の山部さんの標識。昔のものなのだろう。現行品よりかなり小さい。  C歯槽膿漏状の三角点 
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C山頂から背伸びをして群馬栃木県境を望む  山頂部の下降点辺りにあったマーキングとコールサイン。 途中岩峰の上から庚申渓谷側 途中の岩峰から県境側 
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鎖のサポートの多い、一番の急所の雪の様子。 D庚申山荘裏側から  D山荘内の猿田彦神社 旧猿田彦神社の所の嶺峯山荘(奥の黒い建物)。かなり綺麗であった。
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庚申七滝の一の滝付近。  E一の鳥居帰り。 Fゲート帰り。  おまけ:途中に落ちていたスコップ。オールステンレスの高級なタイプであり、こんなところで何に使ったのか。 


 久しぶりに日光エリアに行く事にした。昨今は道の空いている長野方面に出向く事が多く、このエリアはかなりご無沙汰になっていた。金曜日に風邪をひいたようで土曜日も辛かった。日頃は自然治癒に任せるのだが、体が重くロキソニンとクラリスを飲んで体調不良のまま出向く事になった。


 家を1:50出発。122号線を経由して旧足尾町の銀山平を目指す。車の外気温計は12℃を示している。さらにはラジオから今日は20℃になるそうな。雪の様子が判らないが、有るのは間違いない。それがどの辺からどのくらいあるかで負荷が決まってくる。今日は酷いつぼ足になりそうな雰囲気であった。


 かじか荘から少し進むとゲートがあり、その手前の路肩に車を入れた3:35。下山時に確認したら、さらにかじか荘寄りの所に広い駐車スペースがあった。到着時は暗くてそれが見出せなかったのであった。北側斜面にある導配水管施設からボコボコとポンプでの水の揚水の音が聞こえていた。ザックに40Mのザイルを詰め、カンジキ、12本爪、ピッケル(重量型)を装備した。計画は鋸山を経由する周回で、これらは鋸山周辺の危険地帯に備えたものであった。


 4:08林道を歩き出す。前回ここを歩いたのは2000年である。年月は早いもので7年ぶりである。舗装路が終わりダートを行くと、懐かしい「天狗の投げ石」がある。ここは右側の山手に大きな石が堆積しているのだが、谷側には無いのである。昔の林道が無かった当時はどうなっていたのだろうか、ここで石がスパッと止まっているとは考えずらく・・・。この先では護岸工事をしていた。通常なら冬季には工事は休むと思われるのだが、林道の轍の新しさを見ると、今でも作業をされているようである。暖冬の恩恵か。この先から林道に雪が見えてくる。ただこれは西側のみ。


 5:00一の鳥居通過。流れの音を聞きながら登山道(散策道が適当か)を行く。道脇を良く見ると石柱に何合目と書いたものが見える。前回は気が付かなかった物であった。暗い中をヘッドライトを頼りに行くので、照らされて視界に入るものは克明に頭に入るのであった。「庚申山荘まで1.2キロ」の標識を過ぎ、その先から雪で登山道が判らなくなり、適当に斜面を行く。つぼ足が辛くカンジキを履くのだが、今日の雪はカンジキの効果があまり無いような雪であった。温度計を見るとプラス5度。雪が固まりようが無いのであった。谷の右岸を行くように詰め、庚申山荘手前にある大岩を通過した。ここは、前回は登山道から見上げた岩であったのだ。基部には割れた一升瓶やビール瓶があった。小屋から近いとはいえ、ゴミを捨てなくとも・・・。


 7:04庚申山荘到着。一の鳥居から2時間要してしまっていた。この時点で、鋸山方面に行くのは無理と判断できた。ただ、ルートを逸れたのが原因であるとも考えられるので、推奨コースタイムに対して倍かかっている部分を検証したく、この先の庚申山まで行ってみることにした。小屋の階段に腰を下ろしてヤキソバパンをかじる。左には小屋のトイレがあり、陶器の便器が“良く”見える。便器を見ながら食事をしたのは、生まれてこの方初めてだったかもしれない。見ずに居ようと思うほどに見てしまう。なんとも言えない朝食であった。


 7:18歩き出す。小屋へ取水している水場から登山道に乗る。緩い雪で終始つぼ足である。時折地面が出るが、そこは岩が出ている部分で、気温が上がり岩が温められて露出しているのであった。これらの通過はカンジキの刃が悲鳴を上げていた。アルミワカンの結合に使うところのブラインドリベットは、おそらく岩場での強度は考えてはいないのだろう、順番にはじけ飛んでいった。

 途中にある氷柱は見事であった。岩のくぼんだ所に分散してあるのだが、左上がまだあり、右上にあったと思われる物が崩落し、直径150mmほどの氷柱が地面に散乱していた。最後に目の前の氷柱群は綺麗に立ち並んでおり、青白い神秘的な色合いをしていた。足を進めると「初ノ門」の所にステンレス製のスコップが落ちていた。何に使うのか。付近のコウシン草の盗掘ではないのかと勘ぐってしまったのは考えがマイナス思考なのか。でもプラス方向に考えようが無いのである。6月の花期に場所を覚え、人が少ないこの時期に狙うのでは・・・。考え過ぎか。実際にコウシン草が多いのはツリガネ岩とかツル岩の方である。向こうに落ちていたなら推察は正しいかも。しかしこちら側もゼロではない。この先の急峻も足場を気にしながら上がって行く。雪が載り夏道が全く判らない場所もある。鹿の足跡を追いながら、適当に谷を選び雪につながりながら上がって行く。そして急峻が終わりなだらかになると頂上も近い。


 9:19山頂到着。ここでも小屋から2時間。やはり雪による時間超過であるのだと判断できる。もう一つは重荷のせいか。ここは展望が無く残念だが、背伸びをすると県境の稜線が見える。この先に進まない事を決めると楽なもので、トランシーバーを持ち、のんびりと儀式を楽しむ。下界は既に20度に達しているようで、一方こちらは6度くらい。雲が多く青空は時折現れる程度であった。展望所へ行こうかと思ったが、次回また来るのだからと、ここを最終地点とした。


 10:08下山。往路には気が付かなかったのだが山頂から東に70mほどの所にコールサインの入ったマーキングテープが縛られていた。何故にこの場所にサインをして縛ったのだろう。山頂からかなり離れている部分であり、通過点としてのマーキングテープであると判断したが、もしや山頂としてのテープだったのか。下りは細心の注意を払いながら行く。チェーンのある場所はしっかり握りながら下ってゆく。小屋が下に目視確認できたら登山道を逸れ一直線に雪の上を行く。どこでも自由に歩けるのは積雪期の特権である。


 10:55庚申山荘到着。朝と同じように階段に座って休憩とした。すると下から声が上がってきた。声が聞こえる割になかなか姿が見えない。やはりつぼ足で悪戦苦闘しているようであった。3人パーティーで、1人は小屋に来たが、他2名は氷柱を見に上がって行った。話を聞くと、目的は庚申山ではなく、ここ庚申山荘らしかった。小屋に来た一人が“ここは冬季も開くんですよ”と徐に小屋の引き戸を引いた。確かに開いた。なんだ・・・。締まっているものと思い、入ろうともしなかったのであった。中に入ると猿田彦神社があり、御仁は慣れたように解説してくれた。


 11:24下る。下りは真面目に登山道の道形を追う事にした。先ほどのパーティーのがんばったトレースが残って居る。かなり踏み抜いた跡も残る。登山道を歩いてみると、もしかしたら往路に登山道をしっかり歩いていたらもっと早くに・・・などと思ってしまったのだが、まー今日は1座踏めたから良しとしよう。一の鳥居の前で庚申七滝の方へ足を進める。この七滝は、大きな落差のある滝でなく、細かい滝が7つあるというものであった。林道を下る。


 途中に1人とすれ違ったが、背負っているザックと服装から登山者と言うより滝愛好者のように見えた。終始、庚申渓谷の水の音を聞きながら下って行く。そして13:10下山完了。

 当初は、風呂にかじか荘を選んでいたのだが、庚申山荘で紹介されたサンレイク草木の風呂に向かう。
しかしこの風呂は、温泉と表記してあるにしては不自然な部分が多かった。温泉の許可がされているのなら堂々と成分分析結果を出せばいいのにと思うのに、それらが無かった。


 家には16:30に到着。不甲斐無い結果だったが、まーこれも自然との遊びなのでしょうがない。次は雪の消えた時期に行くとしよう。


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