三ッ石山 2015.9m  

2007.01.13(土)   


  晴れのち曇り  単独  戸台大橋の先から雪     行動時間:7H44M


登り(南アルプス林道〜北東尾根)
@戸台大橋ゲート6:38→(52M)→A小梨平ゲート7:30→(64M)→B洞貝沢8:34→(30M)→C北東尾根取り付き9:04→(132M)→D三ッ石山山頂11:16

下り(西進)
D三ッ石山11:51→(17M)→E鞍部12:08→(34M)→F1808ピーク12:42→(52M)→G屋敷沢雨量計13:34→(13M)→H小梨平13:47→(15M)→登山道下降点14:02→(20M)→戸台大橋ゲート14:22



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@戸台大橋ゲート。 途中の崩落箇所。かなり大きい。  車道脇の廃屋。 林道途中から中アのモルゲンロート。
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B洞貝沢。この右側に法螺貝のような大岩がある。 取付き点に有るカーブミラーの所から見る鋸岳。 C取付き点 3つ目の岩。岩に沿うように左に巻く。
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D三ッ石山頂上。kumoが二つ縛られている。 D掘り出した三角点。  E三ッ石山から西に下った鞍部。 Eの付近から仙丈岳を望む。
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F1808ピークには無数のマーキングが付いている。種類も様々。 G屋敷沢雨量観測所。  H小梨平に降り立つ。  I巡視路への下降点。 
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林道から戸台大橋。  帰りはゲートが開いていた。     

 

 ここを狙うにあたって、二つのコースが選択出来る。一つは南アルプス林道を最大限利用した三ッ石山の北東尾根をアプローチに使う方法。それと一番スタンダードな、1372.8三角点と三ッ石山を結んだ尾根を通る方法。今の時期は、バスの往来が無いので気兼ねなく両方の選択が出来る。地図を眺めながら検討するが、まー現地で臨機応変に決めようと出向く事にした。


 1:15出発。睡眠時間は2時間ほど、その為か、もしくは途中で乳製品を飲んだせいか、1時間ほど走ったら睡魔が襲ってきた。ここ最近、眠くなる事は無かったのだが・・・。牛乳などは睡眠導入に効果があると聞く。その類の暖かいのを飲んだせいだったのかもしれない。情けない事に途中2度ほど仮眠をして、現地の戸台大橋の前に4:40到着。少し左の肺が痛いので単行本を読んで時間つぶしをしていた。空は快晴であるが、月齢が下弦であり月明かりはあまり頼りにならなかった。


 6:38夜明と同時にスタートとなった。戸台大橋のゲートは下に降りていて、左からすり抜け橋を渡る。渡った先で左に巡視路があり、行こうか迷ったが舗装林道を行く事にした。今日は新しい靴を履いているので、急登の前に調子を確かめたかったのであった。


カーブミラーに土地名が書いてあるのだが、「丸山」の先で斜面が崩落していて工事中であった。来期の山開きまでには直すのだろう。この次のターンをすると廃屋があった。廃屋はかなり崩壊し、ランプや釿などが露出していた。実は戸台から北沢峠に入ったことが無く、これらの全てが新鮮なのであった。


景観はさておき、雪の上に踏み跡があった。往路のものと復路のものが確認出来、ソールのパターンから一人の物と判る。この時期に入る人だからよほどの好事家だろう。北沢峠へ行くのなら戸台川に沿って行くだろうから、ここを歩いていると言うことは、もしかしたら・・・。小梨平のゲート付近まで行くと雪も多くなり、林道にツボ足の跡が続く。足先が開いておらず、綺麗なトレースであった。あたかもそれらは高飛び込みの着水と同じで、乱れがないのであった。これだけでよほどの岳人と判断できた。歩幅も500〜600mmで、脚力の有る人と判断できる。こうなると小梨平から尾根に取付くのは止めになった。トレースを利用させていただき、行ける所まで林道を使うことにした。見るとトレースの御仁はほとんど休憩していない。鹿もよほど気に入ったのだろう、トレースを使って歩いているのが微笑ましかった。


 8:34洞貝沢通過。ここは「ほら貝」のような岩が林道の山手側にある。そして東経138度10分の腺が林道と交わる付近から尾根に取付く9:04。トレースの主も尾根に取付いていた。雪が緩く踏ん張りが効かない。私なら少し緩斜面に逃げるような所も、果敢に直登したトレースが残る。こうなると全てがオンブに抱っこであった。このルートは大きな岩場が3箇所あり、1番目は左に巻く、2つ目は右、3つ目は左である。岩と岩の隙間が深い所もあり、踏み抜かぬよう注意しながら進む。途中で思ったのだが、一つ東の尾根の方がなだらかで歩きやすかったかもしれない。尾根上の手がかりになる木を見ると、掴みやすい所が剥げている所が有った。過去何人かがこの尾根を使っているのだろう。それこそもがきながらトレースを追う。マーキングの類は皆無。


11:16やっとの事で山頂到着。スタートからおおよそ5時間ほど経過してしまった。山頂部を見ると見慣れた布が二つあった。それはkumoであった。まだ新しい。と言う事は、このトレースはkumo氏のもので間違いないだろう。単独行と、ここまでのトレースを見れば「怪人」と言われる痕跡がありありと見える。今回は御仁にだいぶ助けられた形になった。おそらく何も無ければ、あと2時間近くは余計にかかっていただろう。「荒倉山」と書かれた標柱も立っていた。これは三角点名のようである。


この山頂には、その三角点があるはずで、推理力を働かせ探索に入る。昨今は少しスキルアップしたのか、ものの2分ほどで掘り当てた。頭部の周囲を赤く塗られた点が雪の中から顔を出した。木々の間から日差しが差し込むので、わずかな日向で休憩とする。食事はいつものようにお湯とパンである。手袋をしているのだが、5分もしないうちに感覚が無くなる。動かねば・・・。11:51西に尾根を下る。


今度はトレースはない。降り始めは至極急であった。雪が乗り足がかりが見出せず、木々に捕まりながら腕力で降りてゆく。ここさえ過ぎれば後はほぼ問題なし、かなりなだらかな尾根が続く。ただ降りる方向には要注意であった。ピンクのマーキングがぽつんぽつんと見えるのでそれを拾ってゆけばよい。1808高点では、北にピンク(薄い)のマーキングが降り、東に黄色いマーキングが下っていた。北(ピンク)の場合は水線に沿うように降りて林道に出るのだろう。今回は黄色を追う。下って行くと再びピンクのマーキングが現れる。1650付近からは、スキーで降りたいようなゲレンデであった。上手につなげて行けば、この辺りから林道まで滑り降りられるだろう。途中林業関係のピンクのマーキングがあり、広範囲に入り乱れる。


13:34屋敷雨量観測所。ここからの夏道は、西に少し下った所から北側の林道の方へ向かっていた。私は適当に斜面を下り、小梨平に降り立つ。ここはフェンスなどが残置してある場所である。もうここまでくれば降りたも同じ。「かやのくち」から林道を離れ登山道を下る事にした。だが、最初の分岐を左に行ってしまい、結局途中で道が無くなり、適当に斜面を下る。向かいの山から猟師の銃声が響く。駆除とは表向きで、当人らは猟を楽しんでいるようである。無線を傍受するとそれらが判った。「孝行猿」の本家も近いのに、平気で殺生しているあたりは・・・。


 14:17擁壁を慎重に下り、林道に降り立つ。戸台大橋を渡ると、朝は降りていたゲートが、この時は上がっていた。ゲート開放は工事車両の為であろう。14:22山行を終える。


帰りは仙流荘500円に浸かる。家には19:00到着。
chizu.jpg
 赤線:登路
 青線:下山路

          
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