三岩岳  2070m   大戸沢岳 2089m    

 2007.5.26(土)   


  晴れ   単独   小豆温泉入口から  残雪   行動時間:8H33M


@小豆温泉登山口5:05→(19M)→A渡渉点5:24→(59M)→B尾根分岐6:23→(73M)→C1816高点付近7:36→(5M)→D三岩避難小屋7:41〜43→(43M)→E三岩岳三角点峰8:26〜39→(6M)→F三岩岳最高峰8:45〜50→(80M)→G大戸沢岳10:10〜27→(83M)→E三岩岳三角点11:50→(25M)→H1816高点12:15→(25M)→I分岐12:40→(42M)→J899.3三角点峰13:22→(9M)→K登山口13:31→(7M)→L駐車場13:38


azuki.jpg  tozanguchi.jpg  suno.jpg  kaidan.jpg 
駐車場から登山口側。 @山手を斜めに上がって行く。 スノーシェッドの上を歩く。 鉄の階段。
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A渡渉点。かなりの流れである。バシャバシャと対岸へ。 B分岐点 Bステンレスの地図。 途中から1816ピークを見上げる。
noboxtutekita.jpg  1816karakita.jpg  1816karaminami.jpg  hinangoya.jpg 
途中から登って来た斜面を見下ろす。 C1816ピークから北側。 C1816ピークから南側。 D三岩避難小屋。雨戸がパタパタと風に揺れていた。
koyanaibu.jpg  nokori700.jpg  nishinimukau.jpg sankakuten.jpg
D小屋の内部。 三岩岳山頂まで700m。 三ッ岩付近から三角点峰を見る。 E三岩岳三角点峰。
hyoushiki.jpg  sankakutenhoukaraooto.jpg  mituiwa.jpg  mituiwakarasankaku.jpg 
E標識が落ちていた。 E三角点峰から遠く大戸沢岳を望む。 F三岩岳最高峰。 F最高峰から三角点峰を見る。
mituiwakaraooto.jpg  2057kara.jpg  1918hukin.jpg  ootosawa700.jpg 
F三岩から大戸沢岳。 2057高点から三岩岳方面 1918高点付近の斜面。 大戸沢岳手前700m
mousugusancyou.jpg  ootosawa.jpg  ootosawahiuchi.jpg  ootosawaryiousen.jpg 
もうすぐ山頂。 G大戸沢岳山頂。中央の朽ちた木にビニール袋が掛かっている。 G左側に薄っすらと燧ケ岳が見えている。 G大戸沢岳から三岩岳遠望。 
gezangawa.jpg  iwauchiwa.jpg  touboku.jpg  bunkikaeri.jpg 
H1816高点付近から下ってゆく尾根。グリセードで滑り降りる。  途中にあったイワウチワ。  倒木も多い。  I分岐帰り。このまま真っ直ぐ尾根を行く。 
buna.jpg  899.jpg  gezanguchi.jpg  cyuusya.jpg 
すばらしいブナ林。(細いのが林立する場所)  J899.3峰。  K下山口。国体コースの表示がある。少し不明瞭かも。  L駐車場到着。 

 

 352号線の新潟と福島県境がまだ冬季封鎖状態が続いている。例年だとゴールデンウィーク辺りを目処に通れるようになるのだが、今年は遅れているようだ。福島県に問い合わせると、雪より補修工事で遅れているとの事。それでも開門も近いことを告げられ、期待しながら待っていた。ただ、雪解けは待ってくれない。雪がないと踏めない山に対しては一日でも早くと願うばかりであった。そんな中、出された封鎖解除日は5月30日であった。来週になれば通れるのだが、気分はもう待てない。少し大回りになるが、田子倉湖を経由し現地に向かうことにした。

 

家を1:00出発。関越道で小出まで行き、国道252をひた走る。ルート取りに関しては栃木周りで行く方法もあったのだが、高速により時間短縮を考慮した。田子倉湖周辺を走っている時、そのクネクネ度合いにルート選定ミスかなとも思った。270キロほど走って、小豆温泉入り口にある駐車場に入れる4:50。夜明けを見ながら走っていたのだが、今日は3時台後半くらいからライト無しで歩ける明るさであった。すでに5時。かなり出発が遅れてしまっている感じがした。

 

 5:00登山口から歩き出す。スノーシェッドの屋根の上を歩く登山道なのだが、これは初体験である。下に車が通ると轟音が響き、違和感があるルートであった。途中に鉄の階段が設置してあり、そこを上がると登山道の切り開きが続く。沢の横を歩くものの、少し高度差がある。前夜の雨のせいか、もしくは雪解けのせいだろか、流れの量が多い感じがする。渡渉ポイントでは、通常は濡れずに渡れるようだが、今日は凄い事になっている。ストックを入れると、流れはコンクリートの橋の上100mm以上はある。靴を脱いで渡たるか、履いたまま渡るかであるが、スタートから嫌な選択であった。そして一か八かで履いたまま渡った。最近は、スパッツを靴の甲まであるものを使用しているので、上手く保護してくれるのではないだろうかと考えた。ジャブ、ジャブ、ジャブと3歩沈没し対岸に渡った。結果は如何に。浸水なしであった。しかしここで気分を良くしたのもつかの間、登山道上の倒木に乗ったら、それが動き、2mほど滑落。臀部を悲しいほど濡らしてしまった。一難去ってまた一難であった。

 

 雪が1200m付近から現れ、沢になっている部分にはたくさん堆積していた。木道が傾いた場所は滑りやすく、慎重に足を進める。谷あいからは遠くの頂が見えるのだが、三岩が見えているのかどうか。そして尾根道に出ると、そこには水が出たときは尾根道(旧道)を使えとの表示があった。残雪期も同じように尾根道が正解だろう。標高1400mを過ぎるとほぼ完全に雪が繋がるようになり、登山道を気にせず歩いてゆく。天気は晴れてはいるものの、靄がかかったスッキリしない状態であった。付近の山を見るもぼんやりしていていまひとつ。まあこんな日もあって自然の遊びである。

 

 1816m標高点で三岩岳と窓明山を結ぶ稜線に乗ったことになるのだが、なにせだだっ広い。風も強くなり、フリースを一枚重ね着した。コメツガの中を縫うように行くと、自然に同化した避難小屋を発見。風に雨戸がバタバタと音をたてていた。入り口が半開き状態であり、何か獣でも居るのではないかと、恐る恐る覗き込む。この入り口も風の影響で開いてしまっているようであった。もっとも入り口が西を向いている。なぜに風上を入り口にしたのか・・・。何か理由があるのだろう。

 

 3時間経過、残り700m。三岩の謂れとなっている黒いドームのような岩峰が見える。当初はそこが山頂かと思っていたが、上の方に行ってみると、登っている方向とは90度角度を変え、西の方に最高点はあった。その左側を見ると、遠くに目指す大戸沢岳が見える。予定はしているものの、その遠さに怯んでしまいそうであった。

 

 8:26三岩岳三角点峰に到着。ここでワンピッチ、朝食とする。食材はいつものヤキソバパンである。ここは植生が西側にあり、風を遮りちょうど良い休憩場所であった。風さえなければ、日はあるのでぽかぽかと暖かい。さて休憩も終わり最高点に向けて歩き出す。藪の中に踏み分けたような道もあったが、南側にずれて雪を伝ってゆく。指呼の距離でもあるので、あっという間に三岩岳最高点に到着。トランシーバーでまず儀式。そして地図を眺め、目の前の長い稜線を見て、何か帰れるような口実は探せないか考える。でも目の前にある稜線の美しさに引き込まれ、結局歩き出していた。

 

 だらっと下り2050mピークに立つ。大戸沢岳までに大きなピークが3つある。ホップ・ステップ・ジャンプなら、やっとホップしただけであった。次の2057ピークで三岩岳から30分。稜線は数度踏み抜いたが、さほど歩き辛くない。景色がそうさせているのか、気分良く歩けている。雪庇の大きなものがあるのだが、その大きさ故にどっしりと構えているようで恐怖感は無い。1918鞍部からは最後の登り。ここから東側はスキーで滑りたくなるような斜面であった。付近はツアースキーのコースでもあり、ここを見て滑られた方も多いのだろう。大戸沢岳の東の肩に乗るのだが、南はすばらしく開けている。緩斜面が広がり、私のような下手糞スキーヤーでも楽しめる場所に見えた。本当はもう少し早くにスキーを履いて来るわけだったのだが、なにせ352号の長期封鎖が痛かった。

 

 10:10大戸沢岳山頂。なんとも閉鎖感のある山頂部で、周囲を樹木に塞がれている。立ち木にビニール袋が電線で縛られてあり、これのみが山頂を示していた。視界が無いので、少し南にずれて展望を楽しむ。ここから会津駒ヶ岳側に行き、下に降りてからバスで戻る方法もある。地図を見ながら下山路を模索するのだが、地図を上大戸沢以北しか用意して来なかったので、その範囲内に限られる。見ると雪が無くなると思われる1300m付近を見るとどこも等高線が細かい。結局往路を辿る事にした。

 

 帰りはやや足が重くなったものの、ほぼ往路と同じような時間で三岩岳まで届いた。さてここからであるが、トレースが無ければ小屋の位置などは全く判らないほどに樹木がある。知っている人なら良いのだろうが、知らないで会津駒側から訪れた人は、残雪期に探すのには難儀すると思われた。さらに1816m高点付近から東に進路を向けるのだが、ここもガスれば厄介な場所であろう。悪天時はマーカー必携かもしれない。あとは重力に任せて足を出してゆく。斜面がグリセードにちょうど良く、快適に滑り降りる。

 

 分岐からは往路を通らずに尾根を行くことにした。やや急峻の道ではあるが、ブナの植生が見事で目を楽しませてくれる。ただ、木に傷つけられた無数の名前の彫りこみは、大変情けなく思った。付けた本人は二度と見ないのであろうから・・・。899.3峰には三角点があるはずなのだが、探しても見当たらなかった。その代わりに無線中継施設が建てられていた。この施設建設時に掘り出されてしまったのか。探し方が悪かったのか。ここから10分ほどで、国体コースと書かれた標識のある登山口に到着した。車道をスノーシェッドのほうへ潜り込み、駐車場に戻る。

 

 着替えをして車を走らせると、下山を待っていたかのように雨が降り出してきた。今日は天が味方についてくれたようである。南会津町の木賊の湯に入り、疲れを癒す。そして明日の行動地の苗場方面に向かうのであった。

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