バラノ段  1647.5m     ワサビ沢ノ頭   1611m     大笹ノ頭   1672m  

 奥大光山    1620m     大光山    1670m  

 2007.8.19(日)   


   曇り   同行者あり    安倍峠より大光山までをピストン      行動時間:5H27M


@豊岡梅ヶ島林道安倍峠付近6:53→(2M)→A安倍峠6:55〜57→(31M)→Bバラノ段7:28〜34→(28M)→C砥石のガレ8:02→(11M)→Dワサビ沢ノ頭8:13〜18→(18M)→E大笹ノ頭8:36〜42→(21M)→F奥大光山9:03→(23M)→G大光山9:26〜46→(25M)→F奥大光山10:11〜18→(23M)→E大笹ノ頭10:41→(29M)→Dワサビ沢ノ頭11:10→(31M)→Bバラノ段11:42〜50 →(25M)→A安倍峠12:15〜18→(2M)→@駐車スペース12:20


kojika.jpg  iriguchi.jpg  abetouge.jpg  baranodan.jpg 
林道上に小鹿が・・・。かわいそうだが助けてあげられず。 @安倍峠へ向かう入口。駐車スペースは2台のみ。 A安倍峠のバラノ段への登路。 Bバラノ段。
baranodan2.jpg  baranodansankaku.jpg  toishinogare.jpg  wasabizawa.jpg 
Bバラノ段の標識。 Bバラノ段三角点。立派な二等点。 C砥石のガレ通過。周辺にガレている箇所は無いような・・・。 ライオンズクラブの「ワサビ沢ノ頭」の標識。山名事典の山頂とは異なる。
wasabizawasaikou.jpg  taiboku.jpg  sankansugi.jpg  onekousa.jpg 
Dワサビ沢ノ頭。通過点のような場所。 直径1.2mほどの大木が道を塞ぐ。 見事なサンカンスギの大木も見られる。 大笹ノ頭を手前にして、西側(右)の尾根に乗る。踏み跡は3ルートほどあった。
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E大笹ノ頭 標識その1 E大笹ノ頭 標識その2 安倍の大滝への下降点。中央の表記はかなり薄らいでいる。 F奥大光山。
dango.jpg  oopixtukarisankaku.jpg  nishi.jpg  higashi.jpg 
G大光山。お団子型標識もある。 G大光山三角点。 G大光山最高点の西側。 G大光山最高点の東側(三角点峰側)。
jyuumaihenobunki.jpg  kuikonda.jpg  midareashi.jpg  sarunokoshikake.jpg 
十枚山への分岐。 G木に取り込まれているブリキ標識。 Gこの山最大級のいたずら書き。 登山道途中の大木にサルノコシカケのようなキノコがいっぱい。


「ダイヤモンド富士」と言うと1月頃の寒い時期のものと思っていた。それがこの時期も見えるのだそうだ。要するにチャンスは年2回やって来ると言う。そんな中で、8月19日は山伏と安倍峠が撮影適地らしい。あとは「逆さダイヤモンド富士」が撮影出来る田貫湖が当日人気のようであるが、暑い時期でもあり、少しでも標高のあるところと安倍峠に場所を決めた。


 次に山伏に行こうか大光山にしようかであるが、大光山の読みを知り、即座にこちらと決めた。大光山は「おおぴっかりやま」と読む。微笑ましいのを通り越して、この山に対して羨ましささえ感じるのであった。


3:00家を出る。野辺山を越えて須玉に下りて国道52号で身延山を目指す。最近は中部横断道路が出来たので、双葉ジャンクションから南下するルートもあるが、これは日中有効だが深夜や早朝帯は富士川街道(52号)で十分であった。大城入口交差点から県道808号線に入り、しばらくで豊岡梅ヶ島林道のゲートを越える。林道上はいつの雨のものなのか、土砂が路面に多い。四輪は良いが二輪にはやや酷に思えた。狭い道をゆっくりと登ってゆくと、途中に予期せぬ物体が見えた。一瞬死体かと思ったが、まだ息があった。それは小鹿だった。アルファルトの上には血痕があり、察するに崖から足を滑らせて転落したように見えた。山手側はコンクリートが吹き付けられた状態であった。可哀相でありどうにかしたいのだが、さりとて獣医を探したりその他諸々の事を考えると、この場でこのシカの対応をする事は出来なかった。自然界で起き得る事として、その場を通過した。


辺りは完全にガスに呑み込まれてしまっていた。展望の良さそうな所にカメラマンが待機しているのだが、レンズは富士山の方向には向いているものの、諦めムードが感じ取れた。好天予報であったが、現地はちと残念な結果となっていた。林道は特に表示の無いまま静岡側に入った。トイレのある広見で現在地を確認し、再び林道を戻って安倍峠へ行く歩道入り口に車を駐車する。ここは2台のみ駐車可能。もう少し登山道を示す表示があっても良いと思うのだが、付近にあるのは八鉱嶺や山伏の方ばかりであった。


6:53歩き出す。2分ほどで安倍峠に到着。ここは4方向からの道が合流している。道標があるものの、どの方向に行けはどこに行き着くと言うような表示が乏しい。地図を見ながら東側へ行く道に入る。最初はなだらかだが、高度を上げるに従い急峻になってくる。適時ロープの補助も有り、よく管理された登山道であることが判る。あまり歩かれていない道だろうから、足元が濡れるような道を予想していたのだが、なんのなんの一級の道である。


7:28バラノ段到着。ここは5人ほどが集うと山頂はいっぱいになってしまうような狭い場所であった。本来ならこの辺りから富士が見えると言う事はないのだが、完全にガスで展望が利かない。トランシーバーを握ると福島県田村郡の田村富士移動の方と繋がる。直線距離でどのくらいあるだろうか。このくらいの距離感があると嬉しいものがある。さてワサビ沢ノ頭へ向ける。


この先は、かなり急峻が続く。そのためにロープ設置箇所も多い。この大光山までの間で一番きつい部分がここだろう。各山頂の標高はほぼ同じなれど、途中にはそれなりのアップダウンがある。その中でここの負荷が高い。ブナやサンカンスギの大木が目立つようになる。あとはカエデ科の植物を筆頭に広葉樹が多い。となるとここの適期は秋なのかもしれない。既に色づき出したナナカマドやカエデがちらほらと見られた。ワサビ沢ノ頭が近くなると手前にライオンズクラブの山頂標識があるのだが、山名事典による山頂はさらに先10分ほど進んだ所であった。どちらも通過点のような場所であるが、山名事典の山頂は暗く寂しい場所であった。


今日は2週ぶりに口呼吸登山が出来ている。気胸も無事膨らんだ様子で痛みは無く思い切り深呼吸が出来る。これが何よりの幸せである。この先からさらにサンカンスギの大木が目立つようになる。少し登山道から逸れた場所にある大木には、踏み跡が続いている。人間の好意による道なのか、はたまた獣か。この辺りから道の様子が少し変わってきている。先ほどまでも十分良い道なのだが、この辺りからさらに良い道となる。周囲の風景がそう思わせるのかもしれないが・・・。なだらかな気持ち良い道が続く。大笹ノ頭を前に稜線が東西にずれている所がある。地形図だと県境を忠実に辿る道になっているが、現地では少し東側(山梨側)を辿る道になっていた。ほんの10mほどだが荒れた感じの所を這い上がり、しばしで大笹ノ頭に到着。趣のある古い標識が二つかかっていた。スタートから1.5時間ほど歩いたわけであるが、エアリアマップの推奨コースタイムとほぼ一緒。8掛けくらいで歩けるかと思っていたのだが、そう甘くはなかった。


奥大光山を前にして、西側に広い道が下りている下降点があるのだが、ここの道標はほとんど判読不能であった。この道は百名瀑の安倍の大滝からの道のようである。一人であるならばこれを使い周回したのだが、同行者は片道2時間を限界としているので・・・。奥大光山も通過点のような場所であった。ここも展望は無い。


そして大光山に到着。木を輪切りにしたお団子形状の標識がある。ここは三角点峰なのだが、山名事典は西に上がったピークを大光山としている。当然のように行ってみるが、晴れていれば展望が良い場所である事が判る。北側の樹林が薄く、八鉱嶺側が開けているのであった。ただ今日はガスであり、本当に残念な天気であった。三角点峰に戻り山頂部にある各種標識を観察する。南側に木に食い込んだ青いトタン製の標識があった。上下中央部が切り欠きがされ、良く見るM大の標識に見えたが、真偽のほどは判らない。それから面白かったのが、黄色い標識の裏に「乱足」と書いてあった。「みだれあし」と読むのだろうが、なんとも凄いペンネームである。まさか「よっちゃん食品工業」の方ではないかと思ってしまった。ここは半分が山梨県である。「みだれ足」を作るよっちゃん食品工業も山梨の本社があるはずである。ブユが多く立ち止まっているのが辛くなり、早々に戻る。同じ道を辿るのは芸が無いのだが、大滝まで降りて舗装路を歩き上げるのも辛い。まーここは県境稜線の往復とした。


バラノ段まで戻ると一人の写真家が上がって来た。この御仁もダイヤモンド富士愛好家らしい。御仁の持つ地形図を見させてもらったが、富士を中心に2度くらいづつに放射線状に線が引かれ、日ごとに変わるダイヤモンド富士の見られる範囲が記されていた。凄い趣味の人が居るものである。でもここまでやってこそ趣味と言えるだろう。


同行者の膝痛が酷く、少々足踏みしながら下って行く。安倍峠を経て駐車スペースには12:20到着。往路復路共に片道2時間ほどを思い描いていたのだが、コースタイムそのままの時間が掛かってしまった。この後は梅ヶ島温泉に下って虹乃湯に沈没となった。

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8月19日〜20日頃のダイヤモンド富士の見える角度。
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