大笹沢山 2040m    奥峰  1711m  
   
2007.1.27(土)   


  雪(一時晴れ)   単独  スキー  行動時間:7H40M(往路リフト利用)


往路
@リフト8:30→(37M)→Aリフト山頂駅9:07→(14M)→B奥峰9:21〜23→(127M)→C2002m峰11:30〜33→(65M)→D大笹沢山12:38

復路
D大笹沢山12:56→(52M)→C2002m峰13:48〜52→(94M)→E奥峰分岐15:26〜36→(10M)→Fスキー場上部15:46→(24M)→・駐車場16:10
  

rihuto.jpg  sancyoueki.jpg  jyounai.jpg  okumine.jpg 
@さつきクワッドリフト改札 A国際第3リフト頂上駅 Aから進行方向。モヤっている辺りから左に入る。  B奥峰。リボンがある。この右に林班の赤い標識もあった。  
2002oosasa.jpg  2002.jpg  sancyou.jpg  oosasa.jpg 
C2002m三角点峰。背中側奥峰。雪原上の右から2本目の木にリボンがある。 C三角点を示す白い標柱。三角点の掘り出しは断念。 D大笹沢山山頂。  DMLQの山名表示。山名を表すのはこれのみ。
tocyuukara.jpg  ryousen1.jpg  huukei.jpg  ryousen2.jpg 
大笹山から下降しだしてすぐの場所から。スキー場が見える。  2002m峰下降中から。左の白い樹林の上に奥峰が見える。  このような気持ちの良い場所もある。雪が横殴り。  1848ピークから奥峰側の稜線。雪庇も出来ている。 
okuminebunki.jpg  ski.jpg  rifutmae.jpg   
E奥峰の分岐、中央の木に2本のテープが巻かれている。往路は、ここを右に行くと楽。  Fスキー場上部に出る。  さつきクワッド前のレストラン。出掛けに無料飲み物券を配っていた。   

積雪期のこの山は、アプローチに二つの選択が出来る。「きそふくしまスキー場」を使うか、「やぶはらスキー場」を使うかである。もっとも、使わずとも麓から登ればいいが、折角動いているのだから使わない手は無い。両者を比べると、「きそふくしまスキー場」の方が高度を稼げ、尚且つ近い。しかし、やぶはらスキー場だと奥峰がある。さあどうしようか迷っていた。一応両方から攻めあげられるように地図は準備したのだが、最後の最後まで優柔不断なままであった。

 

調べてみると、両方のスキー場とも8:30にリフトが動き出すので、あまり早くに行っても仕方がなく、いつもよりスロースタートとした。3:15出発。八ヶ岳付近から雪が強くなり、通常なら杖突峠と権兵衛トンネルの組み合わせで奈良井に出るのだが、安全策をとり、諏訪湖を経由し、塩尻周りで現地に向かう事にした。窓から見える周辺の山のほとんどが、雪とガスにかき消されていた。どちらから上がろうか・・・。走ってゆくと最初に薮原地区が目に入る。もの凄く単純なのだが、“近いほうでいいや”と、この時点で「やぶはらスキー場」に決定した。道標に従いながらスキー場を目指す。ここのスキー場は駐車形態が少し特殊で、狭い谷にスキー場が造られているせいで、一箇所に駐車スペースがとれずに、上流から下流へと5〜6箇所に分散していた。

 

7:10到着。まだ80分ある。リフト作業員の詰め所に出向き、リフトの運行情報を得る。気のいいおじさんが丁寧に乗り継ぎリフトを教えてくれた。3本乗り継げば良いと思っていたのだが、やぶはらは4本なのであった。リフトのチケット販売所から一番近い駐車場に入れ、しばし布団に潜り込む。寝てるような、寝てないような、微妙な時間が流れる。そしてチケット販売開始の放送がされ、急いで装備を固め、リフトに乗り込む。

 

リフトで上がってゆくと、リフトの柱を点検しているおじさんが見えた。先ほど丁寧に説明してくれたおじさんであった。向こうもこちらに気が付き“気をつけて行って来いよ”と言葉を戴く。ありがたきお言葉と最敬礼をして上空を通過していった。一本目を降り、2本目、3本目と乗り継ぎ、最後の4本目に行くと、ここだけ始業が9:00になっており、まだ5分前であった。上で付けるも、ここで付けるも一緒と、シールを貼った。何か視線を感じると思ったら、リフトのブース内から、12個の目がこちらを見ていた。

 

4本目も乗り終え、さて歩き出そうと思ったら、パトロールの方が来られて、尋問タイムが始まった。話をしてゆくうちに、このパトロールの方は、北穂高小屋でしばらく働いていた事が判った。今でも山開きの日には、毎年涸沢に入っていると言っていた。天気が悪いので私を止めようとした様だが、少々の素性を話すと、今度はルートの注意点を教えてくれた。“稜線は右にいつも谷を見て歩くように、迷ったら東に下りて林道を歩くよう”と。このアドバイスは的確で、視界が無い中では良い判断材料になった。このスキー場は、登山者に対して暖かいようである。

 

 山頂駅から西に少し下り、スキーコースが右(北)に下がっている。ここから左(南)に行くと、なんとなく切り開きが続いている。ここは夏道があるはずだから、それのはずである。スキーで潜る量は150mmほど。少し下り気味に200mほど行くと、今度は少し急な尾根になる。ここを登りあげ、山頂部の平坦地を奥に行くと、そこが奥峰の山頂であった。なんとも素っ気無い山頂で、山頂を示すものとして、ピンクのリボンがかかっていた。大笹沢山へは、少し戻ってから北に斜面を下るのだが。良く見ると、木に2本のテープが巻かれていた場所がある。奥峰を踏まない人は、ここがトラバースの基点であるようであった。

 

 さてここからアップダウンが始まる。今日は、先週に引き続きカルフのメタを用意した。そしてバインディングはエボリューションライト。ここの地形は、これらのためにあるような地形で、頻繁に切り替えをしながら越えてゆく。1848ピークの南東にある峰の頂上直下だけ、カンジキが欲しかった。他は容易にスキーで歩ける。左(西)から雪が叩き付けられ、寒さも相成って、髪の毛から睫毛までバリバリに凍り視界を妨げた。視界は30m〜40m。尾根を拾って行くのに1箇所でミスをし、現地の様子にパトロールの方の言葉を噛みしめた。

 

2002mピークに登りあげると、細い木に布が付いていた。ここには三角点があるはずで、ここでも適当に掘ってみた。すると、三角点の白い標柱が出てきた。石はまだ下なのだろうが、そこまで掘る元気が無く、木の標柱までで探索は終了とした。ここに至るまでにもいくつか目にしたのだが、稜線には、赤い林班の標識が付いている。これを上手に拾って行ってもいいようである。ただ、かなりまばらにあるようなので使えるかどうか。さてあとわずか、ここまでにもいくつもアップダウンをこなして来たが、なにかテンポになっているようで、一つ一つ越えてゆく感じが悪くない。ただスキーを考えると・・・。

 

淡々と雪を踏みしめながら行くと、大木に赤い(既にオレンジ)絶縁テープが巻かれていた。そこにはMLQの大笹沢山山頂を示す文字を見る。2年の月日は、赤いテープを黄色のテープに変えつつあった。私もテープに落書きをさせてもらった。天の祝福か、ここに着いたと同時に、空も明るくなりだした。しばし大休止となる。

 

帰りは、少し視界が得られ、稜線から「やぶはらスキー場」も見えた。普通ならシールを外して滑り降りたいが、復路も登りが沢山あり、しばらく我慢であった。それでも2002mピークからはシールを外した。滑りのコントロールが格段に良くなる。だが、内臓シール部分があるので、普通の板のようなコントロールがし難い。板の硬さやエッジの問題もあるようである。「歩くスキー」と「滑るスキー」の分類だと、前者になるだろう。途中から左の谷に滑り下りてしまおうかとも思ったが、出掛けに気遣ってくれた方々の事もあるので、人情的にもスキー場内を通過せねばならないと判断し、尾根歩きを続ける。

 

奥峰の分岐箇所まで戻り、大休止。あとは下るのみ。ここで今日初めてスキー靴のバックルを締める。スキー場内を風のように下ったかどうかは・・・。リフト作業をしているおじさんも、こちらに気付き、雪焼けした顔でにこやかに頭を下げてくれた。何も言わずともこれだけで十分である。 そして16:06リフト麓駅に到着。何とか踏んで来れたが、確かスキー場の終了時間が17:30だから、リフトを利用したからと言ってさほど余裕があるコースではない。スキー場を下山に使わねば関係ないが・・・。

 16:30駐車場出発、雪が止んだので、権兵衛トンネル&杖突峠を通り、家には20:30到着。車の塩カルを洗い流し、ビールで祝杯となった。
chizu.jpg
:登り
:帰り
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