清水岳 2245m    

 2007.7.28(土)   


  晴れ(時々小雨)    単独    有明荘から      行動時間:6H54M


@有明荘裏登山口4:41→(62M)→A標高1800m付近5:43→(66M)→B稜線に出る6:49→(28M)→C2166高点7:17→(33M)→D清水岳7:50〜8:12→(35M)→E2166高点帰り8:47→(52M)→F2283高点9:39→(23M)→Gコル(登山道に乗る)10:02→(75M)→H三段の滝分岐11:17→(3M)→I三段の滝11:20〜23→(5M)→Jたる沢の滝11:28〜29→(6M)→K有明荘駐車場11:35


tozanguchi.jpg  tozanndouwohanareru.jpg  iwa.jpg  ooiwa.jpg 
@国民宿舎有明荘裏登山口 A標高1800m付近から登山道を離れる 最初の岩は左に。 次に屏風の様な岩が立ちはだかる。ここは右手に少し進み左側を注意していると左上にバンドが上がっている。
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バンドに伝って来るとここに出る。ここを這い上がる。MLQが登行時に避けた場所かも。 左の写真の中央部の穴に中にヒカリゴケがあった。(写真中央) こんな所にロープが流してあった。(木と木の間) 砂礫の場所があった。
tsubakuro.jpg  daitengawa.jpg  syamen.jpg  ryousen.jpg 
砂礫の場所から燕岳。 砂礫の場所から大天井岳方面 歩きやすい斜面。 B稜線に乗る。有明山側
ryiousen2.jpg  sasa.jpg  ryousennkarachitou.jpg 2166iwaya.jpg
稜線の様子。 ササの植生がやや濃い場所もある。(目線で撮影) 稜線から下を見ると池塘があった。 C2166高点にある岩屋。内部は広い。付近にはこのような岩屋が多い。
250.jpg  syakunage.jpg  shimizuminamikara.jpg  shimizukarahigashigaki.jpg 
山頂250m手前の様子。
シャクナゲの終わり花。 D清水岳山頂部。(南から撮影) D清水岳から東餓鬼岳遠望。
ribon.jpg  kitagawa.jpg  minamigawa.jpg  2283enbou.jpg 
D最高点にリボンを残してきた。 D山頂から東餓鬼岳側。 D山頂から有明山側。 帰路途中から2283高点遠望。
onekaeri.jpg  onekaeri2.jpg  barao.jpg  ishinichinza.jpg
稜線の様子。 非常に歩きやすい場所もある。 途中から清水岳を振り返る。 E2166高点付近。石の上に生えている。
chitou.jpg  gekai.jpg  2283iwaya.jpg  gozentachibana.jpg 
稜線から下り、池塘を確認。しっかり水を蓄えている。ただ綺麗ではない。  途中から松川村側を望む。  F2283高点の岩屋。  ゴゼンタチバナが沢山咲いていた。 
tozanndounideru.jpg  cyairohyoushiki.jpg  takihenobunki.jpg  sandannotaki.jpg 
Gコルに到着し、ここから登山道を下る。  往路はこの上部付近から登山道を外れる。  H三段の滝への分岐。  I三段の滝。なかなか良い滝であった。 
tarusawa.jpg  tarusawairiguchi.jpg  mansya.jpg  cyuusyajyou.jpg 
Jたる沢の滝。この滝もすばらしい。  たる沢の滝・三段の滝入口(有明山登山口)  駐車スペースは満杯。  K有明荘第3駐車場に到着。 


 北アルプスには清水岳が2座あるのだが、一つは白馬岳の西にある1座、今回の清水岳は燕岳の東にあり、有明山の尾根伝いにある1座である。2年前の2005年の7月に、東餓鬼岳から狙おうと20分ほど降りたのだが、濃いハイマツに嫌気が差し諦めたのであった。下山路、燕山荘の方に会い、ルートの様子を聞くと、“もう少しがんばって降りたら楽になったのに・・・”と言うことであった。この日はこの後に豪雨になり、中止した事は悔いがなかったが、結果として嫌な所に1座を残すことになってしまった。落穂拾いではないが、いつまでも残しておくわけには行かず計画してみた。


 ここは既に
MLQが早くに踏んでいてレポートを残している。おおよそ燕山荘の方の言った事は間違いないようである。この日は19時から高崎市で会合の予定が入っており、18時までには家に戻らねばならない。少々時間的な制約を持ちつつ出かけることになった。


 1:00家を出る。久しぶりに三才山トンネルを越える。松本に入ってから最初のコンビニに入ると、三才山トンネルの割引チケットを売っていた。以前は、電話予約をして購入する手段と、現地でしか買えなかったものだが、これなら便利である。とりあえず2回分の4枚を購入した。チケットはいいが、午前3時の時間には調理パンがほとんど無かった。野辺山付近ならこの時間豊富なのに・・・。有明駅前を通り槍ヶ岳矢村線に入り中房川に沿って遡上して行く。今回で4度目か5度目の訪問になるだろうか。国民宿舎有明荘の裏の駐車場に入ろうとしたのだが、ロープでゲートされていた。となると温泉橋の所の駐車場に入れねばならないのか。行ってみるとさすがにハイシーズンで見事に埋まっていた。左岸にある駐車場も所狭しと車が置かれ、停める気にならない。再び戻って国民宿舎の下の路肩スペースを見出すが、なんとも後ろめたい。こんな場合はどうすればいいのか。なぜに有明荘はゲートしてしまったのか。せっかく山に登りに来たのに、登る以前の障害に悩んでしまった。オーバーフローしたマイカーはどうすれば・・・。悩むと奇策が浮かぶもので、悪知恵も出てくる。後から謝る事にして、有明荘のゲートを外して進入してしまった。駐車場は石灰でラインが引かれ、バスなどの大型車用と乗用車用とが区分けされていた。既にそこには7台の車があり並べるように駐車。暗いうちから歩くつもりだったのだが、なんとも出鼻をくじかれた感じで、夜明けを待った。


 4:41有明荘裏手の登山口から歩き出す。三段の滝の分岐までは綺麗に刈り払いがされて歩き易い道になっていた。その先から急登が始まるのだが、以前と比べロープを流してあるところが増えたような気がした。登山道を快調に足を進めてゆく。1800m付近から登山道は尾根を跨ぎ東側に進むようになる。こうなると進むべき方向とは反対であり、なんとも気分的に良くない。登山道を歩いた方が早いか、最短距離を行った方が早いかの選択であるが、斜面もさほど酷い植生は無く登山道を離れることにした。


ササがあるものの膝くらいの高さでさほど負担にはならない。歩きやすいところを適当に上がって行く。すると正面に屏風のような大岩群が立ちはだかった。東側を通ればいいのか西を通ればいいのかルートが見出せず、とりあえず西側を巻いてみると、植生の密生した谷形状になり動き辛くなった。次に東側を巻くが、岩を避けて登って行くと最後は動けなくなる。どうしようか悩んでいると、屏風を形成している中間部くらいに左上に向かっているバンドがあった。そこを上がると今度は岩と岩の隙間にルートを見出してそこを這い上がることにした。3mほどを腕力で上がるのだが、ふとそこで北側の岩穴を覗くとヒカリゴケが生えていた。危険地帯に咲く花のように思えた。この先も適当に這い上がる。すると思いもよらぬ所に5mほどのロープが流してあった。このロープの箇所も安全ではないのだが、他にもっときつい場所があるのに、なぜにここだけに有るのが不思議でならなかった。高度をどんどん上げてゆくと、2166高点手前の鞍部より高く登り上げていることに気付き、あまり登って尾根に出ても再び下るだけなので、適当な所から北に向けてトラバースを開始した。特に障害になる場所は無いが、小さい尾根や谷をいくつか越えて行く。


6:49稜線に乗る。鞍部よりはやや2283高点側に出た。展望は無いが、明るく気持ちの良い尾根であった。この付近のササはひざ上くらいで、5分ほど進んだ辺りから尾根上は少々掻き分け進む植生になる。ここは南側に逃げた方が良かったのかもしれないが、忠実に尾根を選んで歩いてみた。ふと左下(西)をみると黒々と水を蓄えた池塘が見えた。こんな樹林の中に・・・。ヌタ場にはなっておらず、遠めには綺麗な水場に見えた。ほどなくして2166高点を通過になる。ここは大岩が点在し、それらが重なり空洞が出来て、見方によっては岩屋が沢山ある場所であった。一箇所洞窟のようになっていて、入ってしまえば3畳ほどの広さのある場所も発見した。水場もあり岩穴もあり、ビバークするにも適当な尾根であった。さてこの尾根だが、うっすらと踏み跡が続いている。冬季利用される尾根とも聞いているのでその為だろうか。道があるのと同等のスピードで歩けてしまっている。ただただ展望がいまひとつ。全て樹林帯歩きで、日の当たる場所は一箇所も無いのであった。ここら辺の理由で公式な道が開かれないのか。清水岳の円錐形の山容が木々の間から見える。歩き出しから4時間くらいを覚悟していたが、3時間で射程圏内に入った。最後の登り返しも全く負担にならないほどに歩き易い。山頂直下50m手前くらいから尾根上は植生が濃くなりシャクナゲやササを分けねばならないが、ここまでくればほとんど負担にならない程度である。

 7:50山頂到着。尾根が合わさる最高点には3尺ほどの朽ちた木が残っていた。ここまでに稜線上に一切の標識類(マーキング)は無い。これほどに無いのは珍しいが、本当に一つも無いのであった。北西を望むと東餓鬼岳が見え、2年前にもがいた斜面が遠望できる。ここから東餓鬼岳までのルートも興味があるが、この先来ることはあるだろうか。馬羅尾山側は樹林が邪魔をして全く見えない状態であった。トランシーバーを出して声を出すと麓の知人が応答してくれた。展望はいまひとつだが、そよそよと風が吹き、気持ちの良い日であった。


尾根を戻る。最初の下りはやや広く、少しマーキングをすればよかったと思われた。木々の間から2283高点の山容が良く見える。この尾根において2283高点は清水岳に次いで顕著な山であるように見えた。おそらく地元では何かしらの名前が付いているのであろう。2166高点を過ぎ、池塘ポイントでは、尾根を南に降りて池の縁に降り立ってみた。往路では綺麗に見えた水だが、実際に見てみると飲むには難しい水であった。どうしようもない時は濾して煮沸すれば使えるであろう。不思議とシカの足跡は無い。シカも飲まぬとなると、なんとも敬遠したくなるが、付近には他に良い水場があるのかもしれない。この先も忠実に尾根を辿る。迷うような場所も無く2283高点に登りあげた。この山頂部もまた岩が重なり合った山頂で、大きな岩屋があった。展望は全く無い。北西側はやや密生した植生があり、足元にはゴゼンタチバナが咲き誇っていた。


有明山側のコルを目指して降りてゆくのだが、東側斜面は大岩がゴロゴロしていて、それらを避けたり乗り上げたりしながら下って行く。途中から南へ下ってしまおうかという衝動に駆られたが、我慢して尾根を伝う。この間を体感すると、2283高点手前から往路の岩場を下りても似たようなもののように思えた。


10:02登山道に合流。あとは登山道を下るだけ。ここを下ったのは3年前である。当時と変わらぬ登山道の様子であり、鎖場やトラバースを繰り返しながら高度を下げて行く。往路に登山道を離れた箇所から、今回のルートの考察をするのだが、往路にここから登山道を離れたことは、かなり時間短縮に繋がったようであった。安全と言う面では登山道をコルまで上がってしまった方が良いのだが、2283高点の東側斜面もさほど歩きやすくは無いと思えた。


三段の滝の分岐からは滝の方へ下ってみた。途中中房への分岐を経て真っ直ぐ直進すると望瀑台のようなロープで囲った場所に登り上げる。ここから三段の滝が見えるのだが、なかなかのすばらしい眺めであった。三つ繋がっているので全体での落差があり、見応えがあるであった。先ほどの分岐まで戻り、中房へ向け降りて行く。すると再び下に滝があった。この滝の情報は無く、目の前のその滝の良さに再び感激。大きな幅で岩を舐めるように滝が降りてきている。この暑い時期には嬉しい清涼剤となった。そしてこの先で、温泉橋エリアの駐車スペースになる。ここには滝を示す道標はあるものの、有明山を示す文字が無い。地形図もエアリアもここから上がるルートを書いているようであるが、現地に表示が無いのはどうなのだろうか。舗装路をテクテクと下り有明荘の第3駐車場に向かう。駐車場の入り口は相変わらずゲートがされていた。もう登山者は停められず、有明荘利用者のみに限定された駐車場になってしまったと言うことか。駐車場に戻るとまだ空きスペースがあったが、それでも30台ほどは止まっていた11:35。急いで有明荘へ下り、登山者から温泉利用者になった。ここで従業員に駐車場のシステムを聞けばよかったが、現地ではそこまで頭が回らず・・・。

  

家には17:30到着。18:00高崎へ向け出発となった。

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