日の出平  1786m        
   

 2008.9.29(月)   


   曇り   同行者あり    那須ロープウェイ利用   行動時間:3H27M


@那須ロープウェイ山麓駅7:49〜8:30→(5M)→Aロープウェイ山頂駅8:35〜38→(3M)→B分岐8:41→(19M )→C牛ヶ首9:00→(15M)→D日の出平9:15〜20→(12M)→E牛ヶ首9:32〜39→(21M)→F分岐10:00→(28M)→G茶臼岳10:28〜30→(26M)→Hロープウェイ山頂駅帰り10:56〜11:12→(4M)→・山麓駅11:16


 
sanrokueki.jpg  tozandou.jpg  bunki.jpg  ushigakubicyausu.jpg 
@那須ロープウェイ山麓駅。始業前。 A山頂駅から歩き出す。 B茶臼岳と牛ヶ首との分岐。 C牛ヶ首
ushigakubihinode.jpg  onekara.jpg  hinodetaira.jpg  hinodebunki.jpg 
C牛ヶ首から見る日の出平側。 尾根上は少し色づき出している。 D日の出平。展望は無い。 D日の出平。沼原池側。
tenboubakara.jpg  hinodedairawo.jpg  ushigakubikara.jpg  hunki.jpg 
D展望場から見る茶臼岳。 E牛ヶ首から日の出平と南月山。やっとガスが晴れた。 Eガスが晴れ荒々しい茶臼岳の姿が見える。天気の関係でセピア色。 E牛ヶ首の南側の噴気口。
bunki2.jpg  torii.jpg  hokora.jpg  sancyoukarahinode.jpg 
F分岐。平日ではあるが登行者は多い。 G茶臼岳の鳥居。 G山頂部の祠。 G茶臼岳から日の出平。
gakudou.jpg  sancyoueki.jpg     
学童が沢山登ってくる。 Hロープウェイ山頂駅に戻る。



珍しく那須方面に出向くことにした。体調不良のための湯治目的が主なのだが、隙あらば登ろうと、ちゃんと地図は眺めて出向いている。当初は日曜日のうちに那須岳を散策をと思っていたが、現地入りが遅れてしまい翌日決行となった。しかしこの日の予報は雨。早朝から中腹は完全にガスに覆われていた。どこまで天気が持ってくれるか判らぬが、せっかく那須まで出向いたので行けるところまでとロープウェイの山麓駅を目指す。


山麓駅に到着するが、まだ正面入口にはタイガーロープは掛ったままで中の駐車場に入ることはできなかった。時間潰しにその先にある峰の茶屋の駐車場まで上がると、そこには20台ほどの車が停まっていた。これから歩きだそうとしているパーティーの姿もあったが、残っている車のほとんどは三斗小屋の利用者の物だったことだろう。いつもの体調ならここからすぐに歩き出すのだが、今日は無理。ロープウェイ山麓駅まで再び下ってゆく。


 時計は7:30。山麓駅前には駐車場整理のおじさんが3名配置され、駐車場所を指示された。始発の時間を聞くと「8時でしょう」と返事があった。気さくなおじさんで、土日の大混雑の話をしてくれた。8:00にして既に駐車待ちの状態になるらしい。紅葉が全ての人を引き付けるのだろうが、この時期の土日にはここに来るべきではないと悟った。準備をしていざ山麓駅に入ると、なんてことは無い始発は8:30であった。土日と平日とでは始発時間に1時間のずれがあるようであった。駅内で40分ほど足踏みをして、やっとゴンドラに乗り込み山頂駅に向う。ガスに覆われ展望は無い。しかし中間部を過ぎると、一気にガスが晴れた。それと同時に乗り合わせた乗客から「わぁー!」と言う歓声が上がる。少し色づいてきた山肌が目に入るのだが、もう10日〜15日ほどで見ごろになるだろう。


 山頂駅に降り立つと、外気温は12度。雨具を着込みすぐに歩き出す。冷たい空気は肺への負担が大きいので、今日も口を結び鼻呼吸に徹する。月曜日であるが他のハイカーも多く、15名ほどが散策路を同じくしてスタートして行った。最初の茶臼岳と牛ヶ首への分岐からは、牛ヶ首の方へ向う。よく踏まれたトラバースコースで、左(南西)前方にはガスに覆われた目指す尾根が見えている。その奥に顕著な南月山があるのだが、目的地の日の出平はどこなのか同定が出来なかった。斜面には噴気の上がっている所もあり、硫黄の匂いを体に浴びながら足を進めてゆく。すると牛ヶ首で2名のハイカーが休んでいた。始発の乗客ではないことは確かであり、沼原池からの入山者か、はたまた三斗小屋からの下山者か。ベンチに腰掛け紫煙を燻らせていた。平日ならではの、のんびりした時間が流れていた。


 牛ヶ首からは南に進路をとり、ここからは朝露で濡れた登山道となった。緩やかな尾根道をゆっくりと足を進めて行く。途中に2箇所ほど泥濘地形があり、朝露の事もありスパッツを着けた方が無難なルートのようであった。そして日の出平手前でルート東側に少し開けた場所がある。そこは良く踏まれた場所であるのだが、日の出平に到着してそこの意味が判った。日の出平の山頂は低木ではあるが樹木に覆われ展望のない場所であった。そして今ほどのこの場所が展望のある場所となり、日の出平としての展望場のような場所であった。


 山頂は大きな標識が掲げられ、南月山と沼原池側との分岐点となっていた。あまり居心地が良くなく、先ほどの展望場まで戻り茶臼岳側の展望を楽しむ。大半はガスに覆われているのだが、雨予報の中でのこの展望なら良しとせねばならない。短時間ではあるが目的達成。往路を戻る。


 牛ヶ首から山頂駅側にトラバースして行くと、前の方から蟻の様な100名以上の学童らしき一行がこちらに向かって来ていた。おそらくは秋の登山遠足なのだろう。流石に大所帯、ここは後ろを向いて逃げてしまおうかと思ったが、逃げても若い彼らに追いつかれるのは関の山であり、渋々足を進めてゆく。するとこの一行は先生の指導がしっかりしており、きちんと挨拶が出来ていた。児童らに挨拶を強要するのでなく、先生自ら挨拶をすると、それを見聞きしている児童は自然と挨拶をしていた。これが学ぶ(まねぶ)と言う事だろう。先ほどまでの自分の後ろ向きな思考を恥ずかしく思いつつ、清々しい気持ちで挨拶を繰り返しながらすれ違ってゆく。


 茶臼岳への分岐からは、珍しく再登となるが茶臼岳へ足を向ける。黄色ペンキを追いながらゴルゴツしたルートに足を上げてゆく。前方を80代と思われるおばあちゃん方の6名のパーティーが元気に会話をしながら歩いて行く。進度こそ遅いが、中の一人は歌をうたいながら歩いていた。凄いパワーである。皆、腰が曲がり蟹股なのだが、大岩を臆する事無くすたすたと越えてゆく。見るからに元気なお年寄りである。亀の甲より年の功と言った所か。山頂手前には噴気の上がる所が多く、かじかんだ手を当てると暖かく気持ちよかった。鳥居を潜り、その先の祠にお参りをする。先ほど居た日の出平を見ると、ガスの中からやっとやっと姿を現していた。今ほどのおばあちゃん方も到着し、大休止となるのかと思ったら、お参りをしたらすぐに下山して行った。これも恐るべし。


 下山しながら再びおばあちゃんを追い越して行くのだが、「ウサギとカメ、乗るロープウェイは一緒だよ」と言う。「そうですね」と返して先を行く。すると先ほどとは別の学童の集団が上がってきた。この集団は70名ほどであったが、全く挨拶が出来なかった。要するに先生がしないのであった。先ほどの集団とこの集団を見てしまうと、教育とは先生(人)によるウエイトが大きいのだな〜なんて思ってしまったのだった。


 ロープウェイの山麓駅に到着し、甘酒を飲みながら出発時刻を待っていた。すると先ほどのおばあちゃん達が降りてきた。いやはや健脚。時間こそ違うが乗り物として一緒だよと言ったのだと思ったが、まさか同じ発車時間を言っていたとはこの時まで思わなかった。早い理由はただひとつ、歩きは遅いが休まないのである。駅舎に到着しても疲れた風でなく、そそくさとゴンドラに乗り込んで行った。微笑ましくそれを見ている私が居たのであった。


 山麓駅に到着し、駐車場整理のおじさんに挨拶をして那須を後にする。車に乗って15分ほどしたら雨粒が落ちてきていた。

chizu1.jpg

chizu2.jpg

                                           戻る