鬼面山 1889.3m
2008.6.8(日)
くもり 同行者あり 地蔵峠より 行動時間:3H15M
@地蔵峠8:13→(16M)→A作業小屋8:29〜31→(29M)→B1585高点9:00〜04→(54M )→C鬼面山9:58〜10:15→(39M)→D1585高点帰り10:54→(34M)→E地蔵峠11:28
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峠の南側の駐車余地。ガードレールにマジックで「登山者駐車場」と書かれている。 | @地蔵峠。登山口。ガードレールの脇から塩の道が降りている。 | 地蔵峠のお地蔵様。 | A作業小屋。 |
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A小屋内部。ストーブと薪が揃う。 | B1585高点。「貴ノ峰」と書かれた標識がある。 | B1585高点から見る歩いて行く尾根。 | 途中のブナ林。 |
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山頂直下。 | C鬼面山山頂の櫓。手前に登頂記帳用のポスト。 | C綺麗な標識。 | C一等三角点。 |
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C山頂から南側。氏乗山側。 | C山頂から西側。中央アルプス。 | C山頂から東(南アルプス)側。 | C山頂から北側。 |
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C櫓の上から山頂部。 | C櫓の丸太の配置。けっこうに広いスリットが入っている。 | D1585高点帰り。 | 1585高点の東側の斜面。 |
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E地蔵峠帰り。 | E地蔵峠から見る駐車スペース。 |
前々週は北アルプス、前週は中央アルプス、と来れば今回は南アルプスとなる。本当は雪を踏みたいところであるが、土曜日まで現場仕事をし続け疲れ果ててしまった。高山(こうざん)はお預けとしてのんびりとピクニック山行と決め込んだ。本当は高山(たかやま:2292.6m)を小渋川から狙ってやろうと意気込んでいたのだが、楽しみは後回しとして・・・。
4:00雨の中の出発となる。野辺山では豪雨となり、助手席の同行者は既に観光モードに頭を切り替えていたようでもあった。今回も八ヶ岳高原ラインには沢山のシカが現れていた。杖突峠を越えて高遠から国道152号を南下してゆく。長い間、崩落の為の迂回路が作られていた場所は、山側の壁は綺麗に修復され、元の通りに通過できるようになっていた。何回通過してもこの152号は長いのだが、出発から4時間経過し、8:00ジャストに地蔵峠に到着した。
天気は曇り。軽く日差しもあり、先ほどの雨を経てくると晴れに思えるほどであった。峠の南側40mほどの場所に2台の駐車スペースがあり、そこのガードレールには「鬼面山 登山者駐車場」と書かれていた。既に1台の駿河ナンバーの乗用車が停まり、持ち主は山中に入っているようであった。長い峠道に同行者は酔ってしまったようで、ゆっくりと準備をし、ゆっくりとした足取りでスタートとなる。
地蔵峠の標識の所から入ると、優しい表情をしたお地蔵さんが出迎えてくれる。これぞ地蔵峠のお地蔵さんで、石工の腕の良さとハートの良さが伺えた。峠からの尾根道とは別に、谷へ下って行く「塩の道」も、しっかりとした道形で降りていた。ルートは超一級の道で、アップダウンを繰り返しながら高度を上げてゆく。
峠から15分ほど経過すると目の前に作業小屋が現れた。中を覗くと視覚より先にプーンとしたすっぱい匂いが鼻についた。どうも断熱のために周囲に貼ってある布団類が悪さをしているように思えた。内部は土や埃でやや汚れているが、ストーブもあり暖が取れる。入口左側には、真新しい「境界見出標」が沢山置かれていた。小屋の先で西側に進む杣道もあるが、ヒノキの植林用の道であろう。周囲のフィトンチッドを浴びながらゆっくりと進んで行く。
1585高点を手前にして、ややガレた場所の通過がある。石が脆く、誤って落としたら十数秒間その石の音が谷に響いていた。前方を見ると6名のパーティーが先行しており、ゆっくりと危険箇所を通過していた。そして錆びた古いワイヤーが見え出すと、ほどなくして1585高点に到着する。この高点の山頂部には信州山学クラブによる「貴ノ峰」と言う標識が付けられていた。西側の展望があり、同定が難しいが鬼面山も見えている。この高点を前後して周囲ではオレンジ色のツツジのつぼみが開花し出していた。南アルプスの主稜線側も見えているのだが、残念ながらガスの中であった。
相変わらずの軽いアップダウンが続く。ここまでは針葉樹が多かったが、この先から広葉樹が多くなる。新緑もいいが紅葉も素晴らしいであろうと思えた。ブナ林を抜けると単独行者が降りてきた。ここで判らなくなった。置いてあった車は1台、山中にはこの単独行者と先ほどのパーティー。車の数が足らないのであった。ルート上には、境界の石柱と見出標が目に付く。道の良さからか、道標が皆無であり、その代わりにこれらの標柱が導いてくれる。それからこのルートには水場が無いのだが、適当に谷を覗き込むと水の流れが見出せる場所もあり、よほどの時は得ることも可能のようであった。
シラビソの樹林を潜ってゆくと、空が開けた先に大きな櫓が見えた。鬼面山山頂到着。一人ならMLQが辿ったように氏乗山へ足を伸ばすところであるが、今日はそれは出来ない。一等三角点の大きな石柱が出迎える。しかしここでも一角が割られており、脇に立つ「三角点を大事にしましょう」の文字が寂しく見えた。櫓に上がり周囲の山々を目で散歩をする。展望は東側をやや樹木が邪魔をしているが、ほぼ360度のパノラマ。西には雲海から顔を出す中央アルプスの峰々。そしてその前に広がる広大な伊那谷。“絶景かな”と言葉にしたいほどの眺望のいい場所であった。ただ、足許の丸太のスリット幅が大きく、展望に負けじと下の地表面も良く見える。居心地が・・・。トランシーバーを握ると志賀高原の横手山山頂に居る方と会話が出来た。持ち上げたおにぎりをほうばり、伊那の眺望も味わいながら山頂を満喫。17分ほどの滞在で下山となる。
下りは針葉樹の匂いを嗅ぎ、広葉樹の新緑を楽しみながらゆっくりと下って行く。なかなか先ほどのパーティーが現れないので不思議に思っていたが、どうも1585高点で大休止したらしく、30分ほど下った所ですれ違った。老齢な方が多かったが、賑やかな話し声や笑い声から楽しさが伝わってきていた。統率が取れた立派なパーティーで、往路復路ともに私の姿が見えた瞬間に“道譲ります”と号令がかかり、サッと道を開けていただいた。
最後はお地蔵さんに無事下山の挨拶をし、峠に戻る。駐車スペースを見ると駿河ナンバーの車は無く、単独行の方の物のようであった。とすると山中に居るパーティーはタクシーで入ったのか。峠付近の2箇所の駐車スペースには車は無く、アプローチの悪さからまずピストンは考えられない。縦走して豊丘村側へ下るのであろう。そう思うと、益々あのパーティーが楽しそうに見え、素晴らしいパーティーに思えるのであった。