高標山  1747.3m      

 
 2008.8.3(日)   


   晴れ    同行者あり     カヤの平側雑魚川林道ゲートから        行動時間:2H25M


@雑魚川林道ゲート8:41→(※13M)→@ゲートから再スタート8:54→(7M)→A登山口9:01→(34M)→B高標林道分岐9:35→(20M )→C高標山9:55〜10:08→(43M)→D登山口帰り10:51〜56→(10M)→Eゲート11:06

※忘れ物をして一度戻る


annaisyomae.jpg  zakogawarindoudeai.jpg  ge-tomae.jpg  geto.jpg 
カヤの平総合案内所前駐車場から進路方向。牧草地にキャンパーの姿が見られる。 案内所の方から来て、舗装路が左カーブするが、ここを右のダート(雑魚川)林道に入る。 @ゲート前の駐車スペース。 @ゲート。「登山口まで800m」の表示あり。
tozanguchi.jpg  tozandou1.jpg  tozandou2.jpg  tsua-douhyou.jpg 
A登山口。雑魚川林道は状態の良いまま先に続く。 なだらかな登山道。 木々が日差しを遮り、涼しい中を歩いてゆく。 途中にあったツアーコースの古い道標。「発哺」の文字と「スキー必携 大学目薬」とある。
hyoushiki.jpg  sancyou.jpg  hyoucyu.jpg  sankakuten.jpg 
高標林道からの道との合流点付近の道標。 C高標山。登路(東)側から。 C山頂の標柱。「標高」と書かれているような錯覚をする。 C北側にある三等三角点。通常は南に刻みが向いているが、ここは東にある。
takaihuji.jpg  yakibitai.jpg  hokora.jpg  torikabuto.jpg 
C山頂から高社山。 C山頂から焼額山側。 C山頂の祠。西を向いている。 山頂の東側の展望ピークから鳥甲とその奥に苗場山。
tozanguchikaeri.jpg  153.jpg  utsubogusa.jpg  ge-tokaeri.jpg 
D登山口帰り。 登山口の西側の分岐ポイント。153林班歩道入り口。 林道脇のウツボグサ Eゲートに戻る。


 

 2006年冬季、北志賀高原の竜王山や五輪山を狙った時に、この山に冬のツアーコースがあることを知った。なだらかな斜面が南側に広がり、行くならスキーを履いて積雪期にと思っていた。しかし夏場の避暑地としてのカヤの平に出向いたことが無く、スキーを楽しむのは後回しとして、今回は涼を求めに無積雪期に出向いてみることにした。

 

 上信越道を信州中野まで乗り、292号から403号と伝い上木島地区糠塚から清水平林道に入る。林道の九十九折を登って行くと、XCスキーの無積雪期練習用の装具(名前を知らない)を着けた方が多々見られた。最初のうちは、学生の練習風景かと思ってみていたが、進めど進めど途切れることは無く、何か様子が違うことが判った。道路脇を見ると、簡易的な新しい道標があり、それを覗き込むと全体像が見えてきた。ブリジストンが協賛したXCの大会をやっているのであった。前後にローラーが付いており、踵はテレマークのように開放され、登っている様子はクロスカントリースキーそのものであった。ただウロコやシールがあるわけではないので、推力には腕力に依存している部分が大きいように見られた。腕力増強もこの競技には大事であり、XCスキーをされる方には理に適った無積雪期の練習道具になるだろう。話が逸れたが、林道をどんどん高度を上げてゆくと、次第にブナの大木が目に入るようになり、そのブナ林の南側には今日の目的地の高標山(たかっぴょうやま)が見え出す。糠塚の分岐からちょうど12キロ、カヤの平の総合案内所前に到着する。

 カヤの平は意外や訪れる人が多く、牧草地の中にはオートキャンパーが15組ほど、さらにキャンプ場にはボーイスカウトの大集団が居た。この案内所前から南に直線道路を280mほど進むと、道は自然と左カーブになり、その先の奥志賀公園栄線へと続いていた。このカーブの所から右(西)側にダート林道が入っており、これが雑魚川林道となる。周辺に道標が無いので、ここでの右折は気にしていないと行き過ぎてしまうであろう。右折すると70mほどでゲートされており、その前に10台ほど停められる駐車余地がある。すぐに準備をするのだが、放牧場に隣接しているために大きなアブが沢山飛んでいた。

 

 ゲートの脇を通り、のんびりと進んで行く。今ではあまり見かけない大きなカーブミラーが右にあり、緩やかに左カーブしてゆくと、ウツボグサの紫色が目に入る。ヤグルマソウも大輪の葉を広げており、これが群生しており見栄えがする。さらに進み少し水気を帯びた場所になるとウワバミソウも多く、少し拝借して口に含みつつ足を進めてゆく。二つ目のカーブミラーを過ぎ、そろそろ登山口という所で、車のボンネットの上に置いたGPSを思い出し、再び取りに戻る。登山道がある場所であり、GPSの所持の目的は軌跡データの用途なのだが、流石に車のボンネットに置いたままピストンしてくる勇気は無く、やむなく戻ったのであった。駐車場まで戻ると、案内所の方から100名近い散策者がこちらに向って来ていた。あと1分もしないうちにここに来る。盗られてしまうという前提で考えてはいけないのだが、間一髪であった。再出発して林道途中の登山口に辿り着く。

 

 山道に入るが、殆ど腿上げが無いほどに道の状態がいい。登山口に近い場所の木には、名板が取り付けられ、解説文が添えられていた。カラマツの大木の中を過ぎると、広葉樹の樹林の中となる。日差しはとても強いのだが、ここは全て木々が遮ってくれ涼しい中を歩いて行ける。そして登山口から30分ほどの場所(登山道の西側)で、ブナの大木を見上げると、地上から3mほどの場所にスキーツアーの古い道標が打ち付けられていた。そこには「発哺へ」の文字があり、間違いなくツアーコースがここにあることを確認出来た。ただ見つけた道標はこれのみであり、さらには道標が指す矢印の方向は発哺と違う方向を指していた。登山道に沿うようにはコースは無いのかもしれない。

 

ツアー道標の場所から1分ほど進むと高標林道からの道との合流点となっており、周辺はやや湿った草地となっていた。道は相変わらず状態が良いのだが、やや周囲の草木が覆う場所が多く、腰をかがめながら歩いてゆく場所も多い。そして空が開け、「山頂か」と思って登り上げたところは、山頂手前のピークで、展望だけなら山頂よりここのほうがいい。と言うのは山頂からは苗場や鳥甲方面が見えず、ここからはそれを満たしているのであった。展望において何を良いとするのかは個々の判断になってしまうが、私は周辺の高山が見える場所ほど好い場所と思えてしまう。ここから60mほどで大きな祠のある山頂に到達する。

 

山頂には東から西に登り上げる形なのだが、登り上げた延長線上に高井富士があり、山腹のスキー場開発が痛々しい感じで目に入ってきた。その奥には戸隠連山や後立山連峰があるのだが、雲の間から微かに見える程度であった。焼額山側に目を移すが、近くであるものの夏らしいオブラートで包んだような景色がそこにあった。一通り遠望が終わり、今度は祠に目を向ける。鍵が閉まっており、恐る恐る開けて中を覗くと、達磨と土人形のようなものが安置されていた。この祠は西を向いて設置してあるので、西側の木島平の村民が建てた物で間違いないだろう。今は達磨や人形なのだが、当初はどんな神様を祭ったのであろうか。三角点は祠の北側にあり、三等と刻まれた面は珍しく東を向いたものであった。

 

ゲートの場所で見た大集団がこの山に登ってくると思うと、どうしようか迷ってしまった。ここに100名は溜まれないし、途中ですれ違うのも・・・。でも案じても仕方が無く、下山をしだす。すると一人女性が上がってきた。内心“来たか”と思い構えつつ下っていくが、その後が続かない。どんどん下ってゆくが、登山口までの間に、先ほどの女性一人とすれ違っただけであった。どうも大パーティーは別の場所への散策だったようで、余計な気遣いだったようであった。登山口からは少し西側に雑魚川林道を伝ってみる。すぐに分岐になり、ここで道が3つに分かれる。1つはそのまま雑魚川林道。2つ目は「153林班歩道」と言うのが草むらの中に続き、以前はこの草むらに小屋があったようでそこに燃えカスが残っていた。そして最後の一本は北西側に進み、これらの全ては地形図に表記されている通りの様であった。ここまで確認したところで踵を返しゲートに向う。

 

登山口のすぐ先で単独の男性がすれ違いルート情報を尋ねられる。判る範囲で伝えるのだが、男性にしてみると私が登山口を降りてきたのではなく、雑魚川林道の方から来たのを見ており、それが解せないらしく何か疑っている風であった。“登山口に下りてから、偵察してきただけですよ”と告げると、安心したようであった。そんなに慎重になる山ではないとは思うが・・・。ゲートに着くと停まっているのは我が車だけで、他に入山された方2名は案内所の駐車スペースに停めたようであった。

 

今回のルートは、脚力のある方ならマウンテンバイクに乗っての登頂も可能であると感じた。それほどに道の状態が良かった。キャンプ場利用者には、適当な散策コースであると思う。本来なら抱き合わせで1675.8三角点峰(八剣山)も登るのが順当なのであろうが、今日は同行者が居り、この1座でカヤの平を後にした。

chizu1.jpg

chizu2.jpg

 
                                           戻る