テドウ山  441.2m      

 2008.4.28(月)   


   雨のち曇り     単独     ピナイサーラの滝からカンピレーの滝へ縦走      行動時間:5H37M


@上原(カンピラ荘)5:04→(20M)→A船浦の県道215号分岐5:24→(9M)→B琉球大学研究センター5:33→(9M )→C三角州分岐5:42→(17M)→Dポンプ小屋5:59→(7M)→Eマーレ川渡渉6:06→(8M)→F取水口との分岐6:14→(24M)→Gテドウ山とピナイサーラの滝の分岐6:38→(9M)→H滝下と滝上の分岐6:47→(2M)→Iピナイサーラの滝上6:49〜53→(2M)→J滝下と滝上の分岐再び6:55→(11M)→Kテドウ山とピナイサーラの滝分岐再び7:06→(79M)→Lテドウ山山頂8:25〜31→(40M)→M浦内川遊歩道に降り立つ9:11→(4M)→Nカンピレーの滝9:15〜26→(15M)→Oマリュドウの滝展望台9:41〜43→(17M)→P軍艦岩船着場10:00〜11→(30M)→Q浦内川バス停10:41


kanpirasou.jpg  kokudoubunki.jpg  ryukyuudaigaku.jpg  sankakusu.jpg 
@上原の宿を出る。 A県道215号と別れ「琉大熱研」の方に進む。 B琉球大学熱帯生物圏研究センター。 C三角洲状になっている分岐は左に進む。
da-to.jpg  ponpukoya.jpg  cyuui.jpg  ma-re.jpg 
舗装が切れダートになると下り勾配になる。ここから6分ほどでポンプ小屋に。 Dポンプ小屋。ここが見出せれば、あとは山道に入り道標が導く。 Dポンプ小屋の先に注意看板がある。しっかり守ろう。 Eマーレ川の渡渉点。靴はやや水没してしまう。
ma-re1.jpg  bunki.jpg  ro-pu.jpg  takiuetotedoubunki.jpg 
2回目の渡渉。ここはH鋼を使い対岸へ。斜めになっていて難しい。 F取水口との分岐。手前に国有林の標識も付いている。 山道になるとロープを流してある場所もあった。 Gテドウ山とピナイサーラの滝への分岐。
takishitakaranobunki.jpg  takinoue.jpg  pinaisa-ra.jpg  shitakaranomichi.jpg 
H滝上と滝下への分岐。浮きが付けられている。 Iピナイサーラの滝の上。下流から撮影。右側の岩場から渡渉してくる。 I滝上から滝つぼ。 J Hの分岐の滝下側への道の様子。
takigawanomichi.jpg  bunkihutatabi.jpg  mark.jpg  tozandou.jpg 
J Hの分岐の滝上側への道の様子。かなり急勾配。 K Gの分岐再び。この先の道はややグレードが上がる。 オレンジ色のペンキが続く。黄色い絶縁テープも多い。 明瞭な道幅があるところもある。
tozandou2.jpg  tozandou3.jpg  hata.jpg  hatanotokorokara.jpg 
何度もヌタ場的な場所を通過する。 注意箇所。進路が90度北に変わる所。右手に写真の木が見えるので、これを潜って進む。 山頂手前の場所にある旗。10畳ほど切り開きがされている。 旗の場所からの展望はいい。展望を求める休憩ならここでしたい。
ryuukyuuchiku.jpg  sancyouhyoushiki.jpg  sankakuten.jpg  sancyouzentai.jpg 
旗の場所から先に、リュウキュウチクの回廊が続く。 Lテドウ山山頂。2007年11月25日に付けられた新しい標識。 L三等三角点が山頂中央にある。 L山頂全体の様子。 
urauchigawahe.jpg  kakouro.jpg  hurikaeru.jpg  tigerro-pu.jpg 
L山頂から浦内川への下降点。 しばらくこのような道をアップダウンしながら行く。 途中からテドウ山を振り返る。 テドウ山の西南西380mにあるピークへの切り開きは、タイガーロープで塞がれている。
hashinowaki.jpg  hashitemaekara.jpg  kanpire-.jpg  maryudou.jpg 
M浦内川の遊歩道に降り立つ。 M降り立った場所を下流側から撮影。 Nカンピレーの滝。「神々の坐する場所」 Oマリュドウの滝展望台から。
sansakuro.jpg  gunnkanniwahukin.jpg  seisyu.jpg  iriguchi.jpg 
遊歩道は良く踏まれた歩きやすい道。  P軍艦岩の船着場到着。船が来るまでしばし待つ。  遊覧船に乗り浦内川を下ってゆく。  Q浦内川バス停付近(浦内橋側) 


 
 テドウ山。西表島としては古見岳が最高峰であり名が知れているが、この山も玄人好みの山として位置づけられているようである。とはいえ、地元の学童が毎年上がっているようで、ルートファインディングさえしっかりすればそう問題になる山ではないようだ。ただあまり楽に構えて入山すると迷う方も居るようである。現に4年前に入山した登山家は入山したまま今に至っているようである。ご家族の心中察するところである。この件以降、単独での入山の許可が出なくなったようだ。出なくなったようだと書きながら、この後の作文を続けるのは不届きなのだが、少々目を瞑って欲しい。

 西表に到着し現地で登路の情報を集めようとしたのだが、この事を知り、全て自分の判断と計画で動く事にした。そうしないと私から聞かれた地元の方にも何かあった場合に迷惑がかかると考えたからだった。宿に到着し、女将に山情報を聞こうとしたら、何か奥歯に物がはさまったような言い回しなのでおかしいと思ったのだが、遭難(すみません4年も経過しているので)の件が皆頭にあるようだ。小さな島であり、知らないで通せない事柄だろう。こちらもそんな事は露知らず出来ているので、不可抗力なのだが、女将の表情を思い出すと、悪い事を聞いてしまったと反省したりする。
 

 カンピラ荘を5時に出る。深夜までユンタクを楽しんでいる方が居られ、静かになったのが午前の2時半であった。まー宿は運不運があるからしょうがないだろう。ただ宿の規定は消灯が23時である。他の客の事を考慮して欲しいものである。おかげで完全に寝不足である。平生の勤務なら寝不足でいいが、遊びは真剣にしないとならないので寝不足は辛い。


 さて上原から船浦方面に歩いて行く。天気は悪く、小雨が落ちていた。途中で自販機に110円を入れてジュースを買おうと思ったが、お金は入ったがそれ以降の操作を受け付けなくなってしまった。前途多難。船浦に入り、アスファルトが赤く塗られている場所から琉球大学の施設方面に直進する。いくつかのダイビング宿を左右に見ながら行くと、やがて寂れたエリアに入る。しばらく行くと一際目立つ琉球大学熱帯研究所が左右にある。この先で三角州のある分岐があり、そこを左に進む。このまま道なりに行くと、左に大学の畑らしいものが暗闇に見えていた。道は途中でダートになり、ダートになり数十メートルで駐車場的広見があった。ここから緩やかに下って行く。途中左へ行く分岐があるのだが、入ってみると民家だった。こんな場所にも住んでいる人が居た。右へ降りて行く道を伝うと、薄い空色に塗られた納屋らしき建物があった。これが通称「ポンプ小屋」と言われている小屋である。とりあえず
、第一に目指すポンプ小屋に辿り着けたので一安心であった。

 小屋の脇から奥に道が続き、そこを伝って行く。草が茂り途中で雨露避けと蛇避けのスパッツを着ける。臆病なので後者の意味合いが強い。マーレ川の渡渉点は、最初に現れる流れはやや水深があり、ハイカットの登山靴でも水没してしまうほどであった。二つ目は橋が壊れていて、H鋼が斜めになっている所をバランスをとりながら歩いて行く。ここから数分進んだ所にテドウ山への道標がある分岐になる。ここからテドウ山は左だが、右の道を行ってみると、30mほど先は水を湛えた取水場になっていた。

 先ほどの分岐まで戻り道を辿る。特に間違えるような場所は無く、頻繁に赤いリボンも下がっていた。しっかりとした道幅があり、踏み跡も濃い。蛇を気にして長袖を着ているのだが、サウナのようであった。いつになったら滝下への分岐が現れるのかと待っていたが、次に現れた分岐はテドウ山と滝上への分岐で、どうもこのルートは滝下を経由する道ではないようだ。先に滝上に向かう(当初は滝下へも行く予定であった)。少し下りこみ小さな渡渉もある。沢の音がだんだん大きくなり滝上が近づいているのが判る。

 次にウキがぶら下がった分岐があり、左から上がってきている道が滝下から登ってくる道らしかった。T字路になっており、右の方へ下って行くのだがかなり急勾配になる。目の前に流れが見えるとそこがピナイサーラの滝の上となる。しかし滝上に出るには、上手く右岸に移らない。ここも状況によっては靴の水没を覚悟せねばならない。場所が場所だけに足を滑らせて、滝つぼへドボンと言う事も無きにしも非ずである。あまり下流に行かず、上流で右岸に移ろう。
滝上からは弧を描くように滝が降りていた。滝壷を覗き込むと二人のキャンパーが朝の食事をしている所であった。声を掛けようと思ったが、上からでは失礼なので止めておいた。海側の眺望もすばらしく、感無量であった。

 さて次はテドウ山を目指す。先ほどの標識のある分岐まで戻り、ここからはこれまでとは違う山道となる。登山道と踏み跡の中間くらいの道であった。そんな中、オレンジ色の蛍光色のペンキがルートを示しているのだが、その数の多いこと。かなり淫らに付いていた。でもこのくらいあっても良いのか。5mおきに蜘蛛の巣に引っかかるような状態で、棒で払いながら歩いて行く。最近の入山者は居ないと言うことなのか。視界がほとんど無いので、だんだん気持ちが萎えてくる。上にあがってからのアップダウンがかなりあり、いつになったら山頂なのかといらいらするコース取りになっていた。山頂ももう少しとなり、途中で90度ルートが曲がる場所があるのだが、ここはかなり不明瞭で落ち着いてルートファインディングしたい。山頂側に道が無くなり、右手に谷形状が降りていて、そこにやや太い倒木が斜めになっている。ここを潜るように進むと道が現れる。あとはほとんどマーキングが導いてくれる。

 リュウキュウチクが現れだし、周囲が切り開かれた所がある。そこには黄色い旗があり何か書かれていたが、この山でここが一番展望が良いようである。10畳ほど刈り払われ展望所となっていた。この先、竹の中を潜るように進み、三角点の待つ山頂に到達した。
北側のみ展望があるが、他の方向は樹木に遮られている。大きな立派な標識もあり、これは2007年の暮れの設置でまだ新しいものであった。パン一個ほうばり、すぐに下山になる。やや後ろめたい登山なので足早に行程を進めた。

 山頂に出た反対側に道があるのだが、特に道標は無い。最初はしっかり高度を落とすが、次のピークまでしばしアップダウンが続く。テドウ山の西南西380m付近に位置するピークなのだが、山頂に向けて登山道から枝道があるのだが、ここにはそこに封をするようにタイガーロープが張ってあった。ここから一気に高度を落としてゆく。ピナイサーラの滝からテドウ山への登りに比べると、かなり間隔を開けてマーキングは付いている。やや不安になる場所もあったが、ゆっくり見定めながら下れば間違うことは無い。中間部から下はなだらかな傾斜で、一気にスピードを上げる。降り立った所は、右側に小さなコンクリート橋がある場所で良い目印となる。下山口の橋の反対側には直立した岩もある。


 遊歩道は良く踏まれていた。ここまで来ればもう問題なし。後は遊覧船に乗るだけなのだが、雨であり利用者が居なく航行していない不安もあった。その場合は再びここまでの道を戻らねばならないのだが、今回はそれを踏まえた中での早出であり、そこまでも想定して予定を立てていた。しかし遊歩道に降り立った今は、安堵感が強く登山者から観光客に替わりつつあった。下山路とは反対側のカンピレーの滝へ寄り道をして行く。道があると楽なものであっという間であった。カンピレーの滝にはまだだれも居らず、一人占め。汚れた服を着替え、汗がおさまったところで下流に向け出発とした。マリュドゥの滝へ降りる所は、事故が多いらしく立ち入り禁止にしていた。残念ではあるが展望台からのみ現在は滝を楽しめる。その展望台から見るマリュドゥの滝は、流石にすばらしい。見ごたえ十分であった。


 下って行くと遊覧船の乗客とすれ違う。「一番便ですか」と聞くと「ハイ」と返事があった。これで間違いなく運航が確約出来、かなり気が楽になった。この御仁は補虫網を持っているのだが、ここは虫を獲っていいのだそうだ。少しテドウ山の情報を流し、背を向ける。続々とすれ違う人も増え、東屋とトイレがある場所になると団体客が一気に増えた。軍艦岩の船着場まで到着したが、ちょうど船は無く。待っていると満席の客を乗せた船がやってきた。流石にゴールデンウィークである。乗せてもらうには船でお金を払うのではなくて、船着場まで戻ってから払うシステムであった。マングローブを見ながらのんびり川下り。カヌーを楽しんでいる方も多々見られた。船頭に先ほどの捕虫網の話をしたら、「違反だよ」などと言っていたが、真相は如何に。

 下流の船着場に着き、1500円を払い浦内川バス停に向かう。ここでの料金は片道でも往復でも1500円である。下山時間は予定通りであったが、船の時間が読みきれず、予定より早く下山となった。レンタカー会社を予約していたのだが、無理を言って1時間早く迎えに来てもらう。レンタカーで宿まで戻ると、女将が安堵した表情で出迎えてくれた。そこで全ての内情を話していただいた。私のように稀に登りに来る方は居る様である。単独の場合はガイドを雇うか、連れを探すかして欲しいとのことであった。

 登山を終え考察となるが、さてこの山、本土で言うなら里山の部類であり一番迷いやすい標高とも言えよう。ピナイサーラの滝と切り離すと、山の中はマーキングが多々あり、ルートでない方向に続いている場合もあった。ここらへんを見定める必要はある。間違えて伝う人も居るであろうから、一度マーキングの整理も必要かも。あと今度竹富町(西表島は竹富町)に赴任した観光課の上役は、山登りをされる方とレンタカー会社の方に聞いた。この機会に整備するかも・・・。

 今回は滝と抱き合わせの楽しいコース取りが出来た。自然を十二分に堪能し、西表島をだいぶ深いところまで知り得たような気がする。

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