砂鉢山 1431.6 m 新倉山 1252.1 m
2013.11.30(土)
晴れ 単独 尾倉沢古道より山入地区に抜け周回 行動時間:5H59M
@駐車余地6:47→(5M)→A釜岩林道分岐6:52→(5M)→B一の川駐車場6:57→(52M)→C地蔵峠7:49→(29M)→D砂鉢山8:18〜25→(13M)→E地蔵峠再び8:38→(83M)→F1285高点10:01→(28M)→G新倉山10:29〜42→(9M)→H鞍部から下降開始10:51→(37M)→I林道終点11:28→(8M)→Jお不動さん11:36〜38→(24M)→KR406に出る12:02→(44M)→L駐車余地に戻る12:46
@尾倉沢を林道が跨ぐ場所に駐車しスタート。 | A釜岩林道分岐。この先の林道路肩が落ちており危険を感じて手前に駐車をした。 | A分岐の道標。 | モルゲンロート。降雪により路肩が不安に思えた場所。 |
使われ無くなった水かん施設。 | B一の川駐車場 | Bしっかりとその場所を示している。 | 尾倉沢古道入口。林道からの分岐点。 |
屏風岩 | 一杯水 | 掘割の岩 | 五ッ岩 |
C地蔵峠 | C各方面への道標が立つ。 | C峠の石仏 | 登路途中から下界側。雲海が広がる。 |
途中から戸隠連山 | 直下の急登。帰りはここをグリセードー。 | D砂鉢山山頂。針葉樹の山頂だが、すこぶる展望のよさ。 | D信州百名山の標柱。 |
D飯綱山側 | D北アルプスも見事 | D二等点 | D砂鉢山から見る新倉山(中央左) |
E地蔵峠再び | 地蔵峠から南進する場所がややこしい。痩せ尾根になり冬季は場合によってアイゼンが必携。 | 痩せ尾根に3重になったタイガーロープが流されていたり。 | 冬季間違いやすい場所。南進が西進に変わる場所。 |
雪が無ければ道が見えるだろうが、積雪期は流されたタイガーロープも埋もれてしまっている。 | 左の絵の先、トラバースを2回ほどした先で、ルートをミスってしまい、南の峰に乗り上げてしまった。西に進む尾根に戻った場所。 | 進路が南南西に変わる場所。左から登ってきて、右側に降りて行く。撮影側(背中側)は1248高点側。 | 途中から笹斜面に変わる。新倉山と道標があったにしては不明瞭。 |
1285高点北側の急登にはタイガーロープが流されている。これが無かったら、かなり手こずった場所。腕力で登る。 | F1285高点。 | 1285高点南の突起峰。 | 低いササの快適斜面を降りて行く。 |
新倉山直下。 | G新倉山。山頂標識は無い静かな山頂。 | G三角点は等級が判らないほどに割られていた。 | G新倉山から見る砂鉢山。 |
H新倉山北側の鞍部から谷に降りて行く。 | 谷の最初の方は快適だが、途中から急峻になる。一部ルート取りによってはザイルが欲しい。流れが出るとナメ沢となる。 | 左俣と右俣の出合いの場所で、下流左岸に道形を見る。 | 道形に乗った場所から、降りてきた左俣側を見る。左俣側にリボンが点在している。 |
I林道終点に辿り着く。途中道形が在ったものの、途中で不明瞭になって沢の中を歩いて辿り着く。 | Jお不動さんの在る場所。ここで年に一度お祭りがあるよう。昔は周囲に民家が在ったのか、今はこの社のみ。 | J30体ほどの石仏が並ぶ。全てにいい表情をしている。 | 林道を降りて行くと、採石場の敷地内のような場所に出る。会社の私有地のように感じるが、昔からの道であり、通過する重機は、気を使って速度を緩める。 |
K国道406号に出て、東進。 | 追通バス停から西組の集落の方へ入って行く。 | 岩窟観音堂の方へ道を選ぶ。 | 砂鉢山登山口の標柱がある場所。ここに停めようと思ったが、工事中なのと、駐車余地はほとんど無い。 |
L駐車余地のある尾倉沢の脇に戻る。 |
前夜は降雪、決行日の予報は晴れ、少し無理をすれば素晴らしい景色にも出会える。何度か迷い躊躇したが、意を決して予定通り戸隠へ向かうことにした。じつはまだスタッドレスを履いていない。躊躇の一番の原因はここであった。
長野ICを降りて、国道406号に乗ってゆく。進むごとに雪の量は増えて行き、周囲も白い景色に変わる。上州側で遊んでいればよかったか・・・物悲しい景色に判断が正しかったのかと自問自答する。そこに塩カルの散布車がすれ違ってゆく。橋の上はやはり冷されているのだろう、周囲より雪がしっかりと積っている。追通のバス停に到着した頃は、辺り一面真っ白な景色となっていた。
バス停から登り勾配を1.2Kmほど進む。村落内の道でちらほらと明かりが見える。既に3時くらい、山村の朝は早い。岩窟観音の標柱が見えたら左の道を選ぶ。ここが田頭バス停の場所。さらに奥にも村落があり、静かに通過して行く。道は狭くすれ違いは困難な道幅。シナシナと進むと、右からの広い道に合流する。と同時に、一本左に舗装林道が上がっている。変則四差路で、現在は工事中の場所であった。良く見ると、この場所に砂鉢山の大々的な案内図と標柱が立っていた。マグライトを照射して内容を確認して駐車余地を探す。しかし前後しても、ここでいいと思える場所が無かった。広範に工事がされている事から、邪魔になってはと考えると、「無い」のであった。
しょうがないので上に続く林道に入って行く。降雪量は2〜3センチほど、別段登ってゆけるが、これが凍結したら大変な事になる。それを頭に入れて進んでみる。誰も入っていない様子が無垢の雪が示していた。途中釜岩林道への分岐点があり、そこにも砂鉢山の道標が見えた。示されるとおり左の林道を選ぶも、やや狭くなり路肩が落ちているところが見えた。ここでリスクを抱えて進むより戻った方が無難。長く楽しむにはこの判断が重要。バックして戻り先ほどの釜岩林道の分岐点で一度車を降りる。自分のタイヤの踏んだ圧雪を確認する。既に凍り付いていた。ソロリソロリと降りて先ほどの登山口道標のある場所まで降りる。しかししかし、どう探しても駐車余地が無い。再び林道を登り、林道と尾倉沢が交差するその場所に2台分ほどの余地がありそこに停めた。
夜明けを待つように仮眠をしたのだが、新車にして初めての車中泊。その寝台が寝心地よく、私にしたことが寝過ごしてしまい、時計を見たら既に6:30を回っていた。急いで準備をして外に出る。ここでの外気温は1℃を示していた。最近忘れ物が多いのだが、今日はストックを忘れてしまった。バランス重視でゆっくり行こう。歩き出すが、怖いほどにタイヤで踏んだ雪の上は凍っており、登山より帰りの事が気になっての出発となった。
釜岩林道の分岐の先は、歩いてみると2箇所ほど崩落した場所が在り、小型車ならいいが大型車の場合は進まないほうがいいかもしれない。先の方にモルゲンロートが見える。降雪の後の素晴らしい出迎え。予定通りであり、好天を知らせるサインでもあった。少し進むと、使っていない水かん施設があった。この先2分ほどで、公的な駐車場となる「一の川駐車場」に辿り着く。停めて7〜8台ほどの余地があった。一の川を跨ぐようにさらに先に進んで行く。林道幅の九十九折を行くと、尾倉沢古道の道標があり、そこから山道が分岐していた。
山道に入ると、木橋を交えた小さな景勝地を通過して行くルートとなる。小沢を跨ぐその木橋だが、雪が中途半端に乗っていると、やや怖い通過点でもあった。一杯水と言う給水点もあり、ここが最後の水場となる。クネクネと道形を追って行き、五ッ岩の場所を最後に、その先で地蔵峠となる。ここには道標が立ち、しっかりと各方面を示していた。少し手前には峠らしい朽ちた感じの石仏も見られた。鋭角に戻るように砂鉢山へと進んで行く。ここからが展望ルート。麓側を見てもいいし、北アルプスもいい。さらにはもう少し登り戸隠山が見え出すと圧巻。これらのおかげで、急登ではあるが気持ちよく登って行くことが出来る。スリップして2度ほど手をつくような場所であった。
砂鉢山山頂。信州百名山と書かれた標柱と、その横に二等点が雪を被っていた。針葉樹の山頂ではあるが、それが邪魔にならない展望があり360度見渡す事ができる。北に飯綱山があり麓の景色も綺麗だった。登頂した頃になると戸隠はガスに覆われだした。景色を楽しむにもタイミングと運。北ア方面は相変わらず雪を纏ってどうだとばかりに連なっていた。そして次に向かう新倉山を見る。少し同定しづらい並びにあるが、何となく場所は判った。記帳箱もあり、珍しく鉛筆を持った。見ると釜岩林道を使った周回が多い。そりゃそうだろう。新倉山が無かったら私でもそうする。山頂を楽しんだら往路を降りて行く。
雪は少ないが、いい感じでグリセードで降りて行けた。やはり雪があると楽しさが違う。地蔵峠まで下ると誰か上がってくるかと思ったが、居たのは鹿のみであった。峠を跨いで南に進んで行く。峠には新倉山を示す物もあり、それにより安心するのだが、実際の地形は危険度が増す。ここがルートでいいのか・・・そう感じた通過点で、痩せ尾根の急登箇所が連続していた。タイガーロープを流した場所も3箇所あり、滑る足許にそれらに掴まりながら通過していた。もう少し後なら、アイゼンが欲しい場所となろう。振り返ると、こんもりとした砂鉢山がある。円錐形の見ても楽しめる山でもあった。
進路前方にルートが無くなった。雪に消されているのかと、少し進んで探してみるも無い。不思議に思って周囲を見ると、手前西側にタイガーロープが僅かに顔を出していた。その先を見ると、何となく道形が判った。“ここか・・・”尾根からのトラバース道への下りがややこしいが、なんとか踏ん張ってタイガーロープを掴む。そしてトラバース。最初のトラバースを終え、二つ目のトラバースをこなすと、そこで小尾根に乗る。ここで判断を間違えた。よく地図を見なかったせいもあるが、向かう新倉山の方角ばかり気にして進路を選んでいた。南に新倉山があり、当然のように進路は南を選びたくなる。しかしここでは西を選ばねばならなかった。二つ目のトラバースをした先で南側の藪尾根を登ってピークに立つ。ここで周辺地形の全容が見えルートミスに気づいた。北に岩稜の小尾根を降りて、山腹をトラバースして、何とか西に進む正規ルートに乗る。読図をしない低レベルのルートミスであった。それでも、やや複雑な山稜であり注意は必要。
進んで行くと1248高点南の峰の所に道標が立ち、進路を90度南に変える。新雪の上に真新しい熊の足跡も見える。雪が無かったら存在を感じなかっただろう。これも雪の恩恵。少しづつ高度を下げているので、朝日の強さと相成って雪の量が少なくなってゆく。ササの中に道形が在ったこれまでだが、その筋さえも見えなくなる。それでも笹は低く、道形が無くとも別段問題になる場所でもなかった。1285高点の北斜面はかなりの急登で、しっかりとタイガーロープが流されており、ありがたく使わせてもらって登って行く。雪が乗り、これが無かったら辛い登りの場所でもあった。その1285高点に上がると、その先は低いササの場所が続き、不安個所は一切無くなる。南にある突起峰から鞍部へ下り、登り上げて行くと最終目的地に到着。
新倉山の山頂には、見出標が見えるのみで、山名板のようなものは無かった。三角点もあるのだが、残念ながら等級が読み取れないほどに割られていた。いやな趣味を持つ人が居る。北側を見ると、砂鉢山の姿も木々の間から見える。すぐ下に麓の集落が見え、強く里山を感じる場所でもあった。白湯を飲みながら地図を眺め下山路を探る。田頭地区に近づくには、1133.9三角点峰の北側に出ないとならないように見えた。しかし地形が複雑すぎてすっきりと歩けない。とすると、R406に出てしまったほうが楽か・・・。東に林道があるようなので、そこの乗るように谷を降りて行くことにした。
少し北に戻り最低鞍部から斜面を降りて行く。緩斜面の場所は良かったが、少し勾配が出てくると、やや危険箇所が出てくる。ここは谷歩きより尾根歩きの方が良さそう。ザイルが欲しいような5mほどコップ状に切れ落ちた場所も出てきたが、ここでは雪の利を借りて滑り下る。ここを合図にするように歩き辛くなる。細い谷の中に入り、流れのある底はナメ状で伝うにはいやらしく、左岸側斜面をトラバースするように降りて行っていた。この先には右俣左俣の出合があるはずで、早くそこに出ないかと気になっていた。いつかいつかと思って降りて行くと、それらしき場所になり、出合いの場所にはピンクのリボンも点在していた。薄い道形が在り、降りてきた右俣から左俣の方へ進んで行くと、その左岸側に明瞭な道形が見えた。しめたと思って伝うも、伝えたのは15mほどで、その先は流れにより有耶無耶になっていた。沢の中を適当に降りて行くと、その先の視界が白く広がった。林道終点地が現れたのだった。
林道に乗ったら快適も快適。ほとんど車が入っていないようで、轍が無かった。それにしては道が綺麗で、大水が出ない地盤の強い場所とも思えた。先の方に社が見えてきた。見るからにお不動さんの様相であり、その周囲に沢山の石仏が立っていた。その一つ一つがとてもいい表情をしており、しばし足を止めて見入ってしまうほど。本尊に挨拶をして林道を降りて行く。里に降りて来ているからか、周囲から大きな音がしだす。地図を見ると採石場が在るのが判る。この音か・・・。林道はその採石場の中に入り込んでゆく。「宮下」と言う建設業社の敷地と林道が混雑している感じで、歩いているこちらが私有地に入っているかのようでとても居心地が悪かった。ただし、重機をオペレートする人は、私を見て極度のスピードダウンをしてくれた。モラルはあるようだ。従業員の女の子がカンカン場を竹箒で掃除している姿もあった。笑顔を投げつつ通過して行く。ここには3軒ほど民家がある。そこに居たおじいさんに先ほどのお不動さんの話をしてみる。年に一度お祭りもある、地域にとっては大事な場所のようであった。確かに綺麗に管理されていた。
国道406号に出ると、幾分か交通量のあるなかを歩かねばならない。場所が場所だけに路側帯が無いので、それ相応の覚悟を持って歩いてゆく。到着時に見た追通のバス停が見えてきて、反芻するように村落内の道を辿って駐車場所へ向かう。あちこちで女性の方が野沢菜を洗っている姿があった。坂のある集落で、路肩で強い流れがあり、これが融雪に使われたりするのだろう。そして各家に引水してあり、その場所で野沢菜を洗っていた。みな田舎らしい優しい感じで挨拶をしてくれる。心ある暮らしをするならば、こういう場所に住むのがいいだろう。岩窟観音の分岐を左に進み、本道のまま枝道を見送り伝って行くと、15分ほどで砂鉢山登山口に到着。ここまでは雪融けした舗装路を歩いてきたが、この先の日の当たらない林道は、雪解けは無く踏みしめながら上がって行く。誰も入ってないようで、新たな轍も足跡もついていなかった。
駐車余地に到着し、本日の楽しい山旅も終了。危険箇所もあり、迷ったりもし、存分に楽しませてもらった。展望もいい場所であり、降雪の後という条件を満喫した感じ。