大力山 504m 黒禿の頭 770m 笠倉山 907.2m
駒の頭 680m
トヤの頭 671m
鳴倉山 579m
2014.6.28(土)
晴れ 単独 宝泉寺を基点に反時計回りで周回 行動時間:8H44M
@宝泉寺4:07→(7M)→Aお堂4:14→(37M)→B大力山4:51→(76M)→C黒禿の頭6:07〜09→(32M)→D笠倉山6:41〜46→(23M)→E黒禿の頭再び7:09→(57M)→F駒の頭8:06〜11→(80M)→Gトヤの頭9:31〜40→(26M)→H林道に降り立つ10:06→(44M)→I鳴倉山10:50〜11:15→(96M)→J宝泉寺12:51
@宝泉寺より入山 | Aお堂通過 | スカイラインが始まる。頂稜を伝い快適。展望抜群。 | 大力山の一般的な山頂。東屋あり。 |
東屋からの下界展望 | 山頂標識 | B大力山最高点 | 505.5三角点 |
雰囲気的には北アの高みに居るかのよう。 | 地形図に載らない三角点(四等)。 | C黒禿の頭到着 | C山頂標識 |
C黒禿の頭より伝って来た尾根筋を見下ろす。右が大力山。 | 林道に降り立つ | 14台駐車可能な駐車場 | 駐車場の北西に笠倉山への登山口が在る。 |
D笠倉山。大展望ピーク。 | D二等点 | D越後駒ケ岳側 | D駒の頭側を見下ろす。 |
駐車場に戻る | カーブする左側に急峻の登路が切られ、登ると黒禿の頭。 | E黒禿の頭再び | 先に進むとロープが流してある場所もある。通過して振り返る。 |
道形は途中からモシャモシャとなる。 | 651m高点の北側に大池川側への下降路が切られていた。 | 650m峰に地形図に載らない三角点が埋設して在る。ここまで道形はあり、以北は藪。 | 四等点。この点の為の作道? |
やや濃い藪の中を抜けると針葉樹帯に入り楽になる。付近にコシアブラの幼木が目立つ。 | F駒の頭到着 | F人工物はこれのみ | F駒の頭からトヤの頭。ここからが予想外にかかってしまった。 |
藪が緩むとカメラを構えるのだが、本当は厳しい側を撮る方が判りやすいのだろう。 | 毛虫の大量発生。悩ましい存在であった。 | Gトヤの頭東峰 | Gトヤの頭西峰 |
Gこちらにも杭が埋まる。 | G写真中央に薄っすらと道形がある。途中で判らなくなった。 | H藪を避けて林道に降りてしまった。 | H降り立った場所の僅か上に美味しい冷たい水が流れていた。 |
林道分岐点。右へ。 | 新しい切り開き。かなりの急峻で、伝って行くと鏡ヶ池に辿り着く。 | 鏡ヶ池 | 鏡ヶ池から鳴倉山への切り開き。 |
二つ目のロープ場を過ぎると山頂。 | I鳴倉山山頂。大展望ピーク。 | I三等点 | Iパラグライダーのフライト場から下界。 |
I最後のピークでお約束!! | I鳴倉山からみる大力山。 | 林道を降りて10分ほどでチェーンゲートあり。南京錠もされている。 | 分岐帰り |
山の神か鎮守様か・・・。 | 点在する池は錦鯉の養魚池。 | J宝泉寺に戻る。 |
夕方より小用があり戻らねばならない日となった。羽を広げて土日を自由に使える日が少なくなっているのだが、それでも外に出られる現状にヨシとせねばならない。用事が発生する前は、南魚沼市のデトノアイソメに入る予定をして居た。かなりゲジゲジマークがあり、舐めるように地形図を見ていた。そこに予定が入り、近くのエリアから遊べそうな場所を選んでみた。
時間的な制約があり、あまり負荷はかけられないが、前週に楽をしているので今週は頑張りたい気持ちがあった。上手い落としどころとして、薮を加味させた大池川を巻くようなコースを見出した。里山であり、この時期の遊び場としては少し低く、暑さが気になったが、曇天予報でもあり周囲は残雪も残る山々が多く丁度いいだろうと判断した。
1:15家を出る。関越道を飛ばし小出で降りて、目と鼻の先に登山口となる宝泉寺がある。その前にコンビニに寄らないと・・・。西にズレた場所のセブンに立ち寄ると、二人連れのハイカーらしき客が居た。そして陳列棚の沢山あるパンの中からヤキソバパンを手にした。間違いなく愛好者が増えている事実を見た(笑)。
宝泉寺への角には、大力山登山口と書かれた道標も立っており心強い。無人だろうお寺は静かで、何か神仏に見られているような感じがあり、暗い中だと居心地が悪かった。時計は3時、後の事もあり出立してしまおうかと思ったが、場所の雰囲気が私を車内に押しとどめていた。NHKの深夜便を聞きながらしばし仮眠。
薄明るくなり、4:07登山口より歩き出す。独特の石塔が等間隔に置かれている。よく管理された幅の広い参道で快適の極み。緩やかさに後押しされ少し歩調をハイペースにあげてゆく。空には星が瞬いている。曇りでなく晴れか・・・ちと計算が狂うかも・・・。7分ほどでお堂の場所に出る。城址のような雰囲気がある場所であった。
お堂の先は、いやはや素晴らしいスカイラインが稜線に通っている。里山標高でありなはら、けっこう高度感がある眺め、先の方には駒ヶ岳や八海山の山塊が白く見えている。こんなにいい場所だったとは・・・。この時点で、明るくなって歩き出して良かったと思えた。途中分岐があり、そこに「水道山登山口」と書かれた標柱が倒れていた。そして既に気づいているが、毛虫があちこちに見える。ここでも大量発生のよう。
目の前に東屋が現れる。そこには「大力山山頂」と記され地形図の標高までも書かれていた。えっ、まだここは肩の場所では・・・。理由はすぐに判る。展望が素晴らしい場所としてここを山頂としたようだ。「本当」を伏せて展望を優先させた結果のよう。先を急ぎ本来の標高点の場所を踏む。冬期に刺したであろうマーキングがひっそりと立っているだけの場所であった。
大力山から南に行くと、板木城址への道を背中にするように東に屈曲してゆく。そして505.3三角点ポイントを通過し、相も変わらずのスカイラインを伝って進む。展望が良いことは喜ばしいのだが、その好天のおかげで暑かった。風もない日であり、ここでの幸いはブユが居ないこと。暑くてブユが居たらダブルパンチでもあったが、ブユが多かったのは最後の最後、干溝地区の錦鯉の池付近であった。
680m峰。仙能沢の源頭付近のピークになるが、ここには地形図に載らない三角点が埋まっていた。こまめに測量がされる地域となろうか。少し違和感があるのは、名前のふられたピークにあまり埋まっていないこと。正確な距離感で置かれているとも言えよう。真新しい真鍮製の四等点を跨いでゆく。
黒禿の頭到着。黒いのか禿げているのかどちらかにして欲しいのだが、名前の面白さとは別に、展望の良いピークであった。先ほど通過してきた大力山が下の方に見え良い景色。北側にも道が降りていて、期待していいようだ。その先に笠倉山への往復。東側への切り開きを進んで行き、舗装林道が下に見えたら土留めフェンスのされた急下降を経て林道に降り立つ。
林道をしばらく進むと、右に「緑樹の道」と掘られた石碑が見える。その道向かいに14台停められる舗装駐車場がある。笠倉山へは、その北西の場所に登山口が在る。マーキングがしてあるだけで道標は無し。僅かに登ると稜線に乗り、やや狭い登山道を伝って進む。ここではマムシを2匹見る。生息域のよう。手前に偽ピークのような高みがありダマされる。本峰はその先に見えてくる。もう僅か。
笠倉山到着。360度開けた展望ピーク。心地いい、けど今日は暑い。スタートから2.5時間ほど経過している。残りの距離を地図で見ながら、この先に現れてくる薮に期待と不安をつのらせる。ここまではかなり楽に来てしまっている。これでゆくと予定遂行が楽に思えるが、こんな時に限って・・・が慣例。来た道を戻ってゆく。
林道に降りるも、人気の無い場所と言うことか、林道が不通なのか辺りは静まりかえっていた。再び黒禿の頭に登りあげ、そこからの北進する切り開きを降りてゆく。ロープが流してあったり、最初こそ管理された様子があるが、次第に野草に埋もれてゆく。マイナーな場所だからか、それにしては黒禿の頭までの様子と差がありすぎる。不思議に思いつつ分けてゆく。
651高点を過ぎて次の鞍部で、西側に下降路が見えた。大池川からのルートがあるようだ。そこからの登りを進むと、650m峰のピークに四等三角点が埋設されていた。そしてここで切り開きは終わっていた。さあここから本番とも言える。しかし、あちこちに見える毛虫に嫌悪感と、見過ぎたための親近感を抱く。分けてゆく。
鞍部まで降りると、針葉樹に変わり少し歩き易くなる。この辺りはコシアブラガ目立っていた。登りになり、山頂が近くなるとやや密生した状況になる。楽をしてここまで来た分、かなりの負担に思えていた。痒いと思って首筋に手を当てると、モケモケとしたものが・・・。そんな事の繰り返しだった。でも嫌なら戻るしかなく、戻る不甲斐なさより痒さは伴ってもチャレンジを選ぶ。
駒の頭は人工物のない山頂だった。と言っても皆無ではなく、足元に境界標識だろう杭が打たれていた。さあ次はトヤの頭。近くに見えており、すぐに着くように見える。標高も大したことは無いし・・・。楽に思って居た。しかし、進めども進めども、なかなかトヤの頭が近くなってこない。密生した最初を過ぎると、少し植生が弱くなりブナを主体にした通過点もある。雰囲気はいいが、ここでも毛虫の数は減らなかった。だんだん気分的に萎えてきた。トヤの頭にあがったら、北東の涸沢山に行く予定であったが、もうその1座を端折っても惜しくない心境になりつつあった。
やや強い植生を漕いでトヤの頭に登りあげる。東西に相似峰のようになっており、こちらから見ると西側の峰の方が高いように見えていた。薮の中に薄い踏み跡がある。間違いなく人によるもの。それに伝って西峰に到着。このピークにもこれまでに見た杭が打たれていた。標識類は無し。ここまで来れば道が在るのではと思って来たが、ハッキリとした物は見当たらなかった。北西に尾根伝いで行けば鳴倉山であり、その鳴倉山の東面には道が切られているのはクッキリと肉眼で判る。そこまで行けば・・・。しかしこれまでの毛虫の歓迎に我が態勢も「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」とはならなくなっていた。尾根を進んでいたが、途中で林道に降りてしまおうと、西進に切り替えた。明瞭な谷がいくつもあり、どれも歩き易い小谷だった。それでも林道に降りる最後は切り立っておりススキなどを掴みながら降りていった。そして降り立つ。降り立ったすぐ南側には美味しい水の流れがあり涼を得る。これで、あの、モケモケとした個体からは開放される・・・。
林道を北にゆくと、途中で踏み跡が北に降りていた。たぶん、おそらく鳴倉山へ向かう林道へのショートカット道と見えたが、ギャンブルせず素直に林道を進んで行く。途中で舗装路になると、右側に枝分かれする道が見えてくる。その枝道に入って行く。全て地形図通り。流れの脇を通過したりし、しばらく進むと右側に切り開いた場所が出てくる。マーキングがされているだけなのだが、トヤの頭から見た道だろうと思えた。急峻を登って稜線まで行くと、そこには鏡ヶ池と書かれた水を湛えた自然地形が在った。あまり綺麗な水ではなく、言葉を選ばなければ水たまりのような感じ。それでも鏡ヶ池のネーミング。ここから西側に上がって行く。ロープを流してある場所が2箇所あり、二つ目を登り切ると鳴倉山の山頂だった。
鳴倉山登頂。大休止とした。衣服を脱ぎ、ザックの細部までチェックをする。それにしてもあちこちが痒い。かなり「毛」に触れてしまっていると思えた。自然で遊ぶリスク。全ては自然界は悪くなく、自分で撒いた種でもある。このピークも素晴らしい展望ピークだった。南を見ると最初に登頂した大力山の展望所がよく見える。その先に最高点があり、やはり奥の方が高いのがハッキリと判る。時計は11時に近い。涸沢山に行っていたらどうだったろうか。まあ止めて正解だったろう。それにしても暑い。夏の日差しがこの山頂だけ特に暑くしているようにさえ思えた。
大休止も大休止、25分も休憩してからフライト場から下る林道に足を乗せて行く。これを降りてゆくと、途中にチェーンゲートがあった。車で入れるのはそこまでで、その場所から山頂までは10分と言ったところか。テクテクと下って行く。曲がってきた分岐点まで戻るとその先は舗装路。なかなか横移動の長い林道で高度を下げていかない。途中には路肩が崩落している場所も在り、大雨でも続けば不通になるであろう様子もあった。
林道が大池川に沿うようになると、ため池群の中を進む。これも地形図にハッキリと見えているが、なんだろうと思ったら錦鯉を飼う為の池のようであった。こんな形態を見るのは初めてで、新潟らしい風景とも見えた。その途中に山の神らしい社が見える。無事に戻れたことを感謝し頭を下げる。集落の中に入ったら、南へ南へと進路を向けて角を曲がって行く。暑い日差しの中だが、集落の水路の中には強い流れがあり、視覚上は涼やかであった。そうこうしていると、見慣れたお寺が見えてきた。手前には蓮池があり、そこにはミズスマシなど水生昆虫を見る事が出来た。黄色いトンボの産卵風景もあり、のどかな・・・と言う言葉が嵌まる。
宝泉寺に到着。時間に制約され、毛虫に包囲され、なにか精神的に疲れた山行となった。