飯盛山   1141             法師山   1129m                                                                                      
   2017.11.3(木)


  快晴    単独     五才川橋を基点にして時計回りに周回   行動時間:6H14M


@五才川橋北804高点(ゲート前)6:02→(25M)→A飯盛山南取付き6:27→(39M)→B飯盛山7:06〜13→(33M)→C飯盛山北の谷950m7:46→(73M)→D法師山南西尾根1170m峰北東8:59→(58M)→E法師山9:57〜10:20→(102M)→F法師沢出合750高点12:02→(15M)→G五才橋北12:17


   
@804高点よりの林道入口。2017年12月1日まで工事とのこと。 快適な林道が続く。途中の分岐は右。工事は左側の林道のようだった。見える林道左側には山道が存在していた。 遠見山は雪景色 東側から見上げる飯盛山
       
A飯盛山の南から取付く。 最初は流れのある谷を伝う。 途中で枯れるが、先でナメの小滝があり、その手前から谷を離れ斜面に取り付く。 1050m付近。下側は快適な藪漕ぎ。
     
1130m付近。灌木が密になってくる。 B飯盛山到着 B朽ちた倒木が最高所っぽい。 BSK氏の絶縁テープ
       
B飯盛山から鳥甲側 B飯盛山から法師山 Bウロがある大木が生える。 B飯盛山側から見る法師山の斜面
       
1100m付近はツタが蔓延る。ナガサを持ち込んだ。 北側の顕著な谷は970m以上はナメで伝えない。970m以下でやっと伝える。 谷に入って上流側を見る。見えるような流れのあるナメの急峻が続く谷。 C飯盛山からの谷を下りゴザイ沢よりの谷の出合
     
1020m付近で顕著な尾根に乗る。以下は広い斜面。 1050m付近はシャクナゲの薮。通過後に振り返る。 1060m付近は少し密度が弱まる。 D1170m峰北東で法師山よりの南西尾根に乗る。
     
北側の1170m峰 1160m付近はツタが密生。 虫ようがあったり・・・。 E法師山到着。大展望。
   
ESK氏の絶縁がこちらにも残る。 E三角点は頭だけが見えている。探し辛い。触診で三等と読めた。 E西ノ岩菅側 E高倉山
     
E高倉山と鳥甲牧場 Eヤキソバパン E法師山から見る飯盛山 E北に林道が見える(写真中央)。行動を終えてみて、やはり北から伝った方がいいと思う。
       
E北尾根へと下山開始。最初から濃い植生。 1180m付近。シャクナゲ密生。 1160mの屈曲点。まだまだシャクナゲ。 1140m付近。さらにシャクナゲ。
       
1120m付近。ずっとシャクナゲ(笑)。急な尾根で進路が判り辛い。 920m付近。広葉樹林になると幾分歩き易くなる。 F法師沢出合750高点の場所に降り立つ。法師沢左岸には道が存在した。 F降りてきた斜面
       
飯盛橋下には立派な無名滝が存在する。 804高点の場所に戻る。工事関係者の車両が見える。 G五才川橋北側に戻る。  





2017年最後の3連休。天気も申し分ないようであり遠出も計画できそう。しかし台風による倒木の処理を担っており2日目以降で予定が入っていた。単日快晴の中での藪漕ぎの場所として、栄村の飯盛山と法師山を抱き合わせで狙ってみることにした。

 

この山旅を終え家に戻ると、御不幸の連絡が入り土日は潰れてしまった。どちらにせよ3連休はこの1日しか遊べなかったのだった。遠くを予定しなくてよかったとも言える。2013年1月には深南部で同じパターンがあった。山遊びをしながら礼節を守り、非礼無礼に気を遣うのも大変なのであった。

 

飯盛山法師山ともに、全世界的にもSK氏の記録しか見えてこない。法師山の方はかなり苦労したようであり、負荷を軽減させようと地形図をよくよく見る。見ていると安曇野市の金比良山と本神山の位置取りと似ている印象を受け、安曇野での2座を狙った時を思い出した。法師山東尾根に対する回避ルートが見出せればいいが、ここは北側の林道利用しか見えてこない。しかし切り離して狙う場合はいいが、抱き合わせの周回とするには藪漕ぎ区間も長いことから全コースが長過ぎる。しょうがないSK氏の苦労したところをなぞってみようとなるのだった。

 

1:10家を出る。今回は飯山経由の信州周りで行く。信州中野インターで降りて117号で津南へ向かってゆく。飯山線と並走するよう進み、宮野原橋を渡った先で北野天満宮へと曲がって行く。しかし大誤算。崩落により通行止めになっていた。よく止まっている常習犯的ルートなので下調べせねばならなかったが、まさか秋の行楽シーズンに止まっているとは思わず調べなかった。あと7キロほどで現地到着とナビが表示していたので、少し仮眠をしようと気持ちが向いていた。通行止めにより、中津川沿いの405号へ回らねばならなく予定が狂ってしまう。でもそれしか打開策は無い。判っていれば越後周りで来たのに・・・。出鼻を挫かれるとはこのことだろう。でも踏まれて強くなるタイプ(笑)。

 

405号を前倉地区で離れ林道に入る。そして五宝木トンネルに潜って五宝木地区へと降りてゆく。平太郎地区を過ぎ、五才川を渡った先に林道入り口があるのだが、こちらも予想外で、工事中の為に進入禁止となっていた。工事期間はもうすぐ終わり、12月1日までと書かれていた。これらにより、林道入り口周辺に停めておけなくなってしまった。既にユンボが置かれ、作業が現在進行形な様子が伺えた。ましてや今日は祭日であり、間違いなく作業がされるだろう。あちこち行ったり来たりしながら、最終的には五才川橋の北側に路上駐車した。先に法師山とも考えていたが、工事前に林道を通過してしまいたいので、飯盛山からの時計回りの周回に切り替えた。夜明けまで仮眠をする。

 

6:02行動開始。ゲートはしっかり閉まっていたが、山手側にすり抜けられるスペースがあった。工事車両の轍を追いながら進むと、ふと見ると林道左側にハッキリとした山道が沿っているのが見えた。林道ができる以前の作業道なのかもしれない。あとは林道と五才川との間にもう一本廃道が在った。それの延長線なのかもしれない。

 

最初の分岐は飯盛山側の林道には塞ぐようにオレンジ色のテープが張られていた。この事から、作業しているのは左(南)側へ分岐している先と解釈出来た。テープ側へと進んでゆくと、向かう先に遠見山が見えだし、既に雪化粧していた。奥志賀の紅葉シーズンは終わりもう冬の様相であった。分岐から10分ほどで正面に飯盛山が見えてくる。当初は北側の谷経由で沢登りを予定していたのだが、踏み入れ易そうな場所がなく、ましてや林道から下って行かねばならなく、そのまま林道を伝って南側に出た。そして南側の谷を登ることにした。

 

南の谷には入りやすく、流れの両岸は比較的歩き易い。西へ向かう谷から北西に分かれる谷へと入って行く。いったん枯れたかと思ったが、詰めてゆくとナメの場所となり再び流れが現れる。その手前から東側の斜面に取付いた。最初は笹の弱い植生だが、1100mを超える辺りから灌木が密生しだす。上部に行くに従い密になるので“あまりいいコース取りではなかった”と思いながら漕いでゆく。沢を詰めて東へ突き上げたほうがよかったか・・・とも思った。現地の歓迎を受け、既に頬に2か所の流血をしていた。あまりいいコース取りではないと思ったのはこれもある。

 

飯盛山到着。山頂には目立つ大木が6本ほど林立していた。シャクナゲか蔓延り移動しづらい場所であったが、どこかに赤い絶縁テープがあるはずであり探し回る。見つけたのは北東側の高みだった。すぐに目に入らなかったのには、テープを巻いた枝が既に折れてしまっており寝ていたので見えてこなかったからだった。木々の間から次に向かう法師山が見える。その南面は歩き易そうな斜面にも見えるが、現地に行かないと答えは判らない。その前に一度下って次に登り返さねばならない負荷がある。伝ってきた植生を思うと、楽はさせてもらえないと覚悟はできていた。山頂の南西には洞のある古木があり、その前が一畳ほど植生がない場所で休憩するにちょうど良かった。

 

飯盛山からの北側はシャクナゲの密藪で、そこを抜けると今度はツタが待っていた。今日はナガサを持ってきているので、阻むそれらに刃物を当てる。狙うは北に落ち込む谷なのだが、見下ろすと黒く光っている。流れがありナメになっているのだった。谷の東側を着かず離れずで降りてゆく。かなり急峻であり、滑りだせば谷に一直線の場所であった。ナガサをいつまでも持っていられず、鞘に仕舞い込み木々をしっかり掴みながら高度を下げて行った。

 

滝でもあれば沢ルートは伝えないので、聞こえてくる流れの音に注意しながら沢の右岸側を降りてゆく。結局沢に入れたのは970mの場所で、それ以上の場所では沢靴でも厳しい傾斜とナメ状態に見えた。970m以降では伝いやすい勾配で推移し、やがて出合の場所が現れた。当初は東側からここに来る予定であったが、今のいま登ろうとした沢の様子を目の当たりにしてきて、往路に使わなくてよかったと思えた。

 

流れを一つ跨ぎ、中洲的な地形を経てその先にも流れがあり跨いで進む。950mの等高線からの尾根は広くしばらく尾根の形をしていない。分けて漕いで這い上がって行くと、1020m付近でやっと尾根らしくなる。そして1040m付近で一部シャクナゲの植生が待っていた。これが続くのかと危惧したが、少しの我慢で通過し終わった。高度を上げるに従い植生が幾分か弱まっているようにも感じられた。最初は教科書通りに南の1170m峰に突き上げようと思っていたが、この事によりピークを端折りトラバースするように北へ向かってゆく。

 

1170m峰の北で主尾根に乗りあげる。弱い笹の植生の場所で伝いやすい場所であった。そのまま北側の1170mに到達する。もう目の前に法師山が聳えている。しかしすんなりと楽はさせてもらえず、ここからの北進は進度が上がらなくなる。またまたツタの歓迎を受ける。押しつぶして踏み越えるのが一番楽で、それでも絡んでくるものには刃物を当てた。高度をあげるに従いやや密度の濃い状態になり、真新しいシカの糞などを見ながら進んでゆく。幸いなのは笹の丈が低い事、終始有視界で行動できていた。

 

法師山到着。最高所に赤い絶縁がすぐに見えた。しかし在るべき三角点が見えてこず、山頂一帯を探し回る。頂部に無いので、南側や西に戻って探したが出てこなかった。再度最高所を探ると、三角点の表面だけが顔を出していた。そこに野草が乗り見えてこなかったのだ。埋もれているので等級も目視できない。指先で触診すると三等と判読できた。展望ピークで各方面の山々がよく見える場所であった。ただし、先ほど居た飯盛山は、それと判っているから同定できるが、南の遠見山の山塊に抱き込まれるような場所にあり、判別しにくい位置取りだった。高倉山から鳥甲牧場付近の景色も、天空に浮かぶ広場のようであり、その後ろを陣取る苗場山の存在もあり見ごたえがあった。そこから尾根を追って、先日登頂した屋敷山も探しだす。

 

北側を見ると防火帯のように見える林道が見える。何かあるのか有色なものが林道上に見えていた。地図を見ながら法師沢に下ることも考えてみるが、一帯はナメ沢が多いと判ったので、その選択肢は無くなっていた。あとは下るだけなので負担は少ないと思っていたが、正念場はここからの東尾根通過であった。

 

法師山から下りだす。ちょっとの猶予なく密生藪で待ち構えていた。逃げる場所がなく尾根を進むしかない。時折西側に逃げられ、獣もそうしているのか踏み跡になっていた。1200m以降でシャクナゲが蔓延りだし、重い進路となった。鈍重とでも言おうか進度がほとんど上がらなかった。1160m付近から東へと屈曲してゆくのだが、濃い植生と急峻の為、敢て曲げて進むように意識していないと北へと導かれそうであった。1500mの所も気にしていないと北へと引き込まれそうであった。

 

終始足元が見えないような中を灌木に乗りながら踏みながら降りてゆく。バランスを保つのにも一苦労で停まる時間が増えてゆく。いつまでたってもシャクナゲが消えず、よくもこんな場所をSK氏は登ったと思えた。まあゆっくり見定めながら登る方が楽で、たぶん下りの方が苦痛の場所であろうとは思う。それにしても伝いにくいルートである。奥只見の本城山の東、1706高点峰からの北尾根がこんな勾配の場所ではあったが、ここまで植生は密ではなかった。林道までは平面距離は1Kmほど、その半分の500m程を伝うのに1時間も費やしていた。

 

シャクナゲ帯が終わったのが1000m付近だった。それ以降は広葉樹林帯だが、ここでも笹が多く見られた。もっともこの辺りは尾根上より北側の斜面の方が伝いやすそうで、笹の回避はいくらでもできたのだが、尾根がどこに導くのか知りたくて忠実に伝っていた。法師沢の沢音が強くなってきていた。上部は紅葉が終わっていたがこの辺りはまだ見られる彩があった。林道に降りる最後が3m程切り立っており、ずり落ちるようにして着地する。

 

法師沢の出合に降り立つ。法師沢には左岸側に道が切られていた。舗装林道を南へと戻って行く。赤釜の滝の南に飯盛橋があるが、ふとそこから橋の下を見下ろすと、立派な滝が見えた。車で林道を通過している中では見ることがないであろう滝。歩きでよかったと思えた。途中の沢で喉を潤しながら戻って行く。向かう先に工事車両が停まっているのが見えてくる。ちょうど昼時であり休憩時間になったようだ。作業休憩の邪魔をしないよう挨拶をしながら脇を通過してゆく。804高点からの林道ゲートは開門していた。作業時間は8時から17時となっていた。

 

五才川橋に戻る。疲労感十分で握力もかなり弱くなっていた。それほどに掴んで行動していたってことになる。低い里山だが、けっこうに楽しかった。シカの存在は鳴き声や糞から見えていたが、クマの爪痕などはほとんど目に入らなかった。工事が終われば、また静かな場所に戻るだろう。

 

振り返る。法師山はSK氏も言うように北の林道を使いアプローチするのが一番いいだろう。広くハッキリとした林道に見えていた。しかしそうすると1座で狙わねばならない。飯盛山と抱き合わせにする場合は、東尾根は必須となるか。法師沢沿いの道が少し使えるなら930mからの南尾根が使えそう。複雑地形の場所でもありいろんなコース取りができるであろう場所。

 







                            戻る