大鈴山    1386m            


                                            
  
                                        

   2017.8.5(土)


    くもりのち晴れ    単独    殿灰沢林道より    行動時間:4H44M


@ゲート5:10→(82M)→A造林小屋6:32→(3M)→B赤沢峠への入山口6:35→(52M)→C赤沢峠7:27〜30→(14M)→D1400高点7:44→(51M)→E大鈴山8:35〜45→(14M)→F1300m鞍部(下降点)8:59→(27M)→G林道に降り立つ9:26→(48M)→Hゲートに戻る10:14


   
@鹿の湯温泉の先のゲート @殿灰沢林道 途中の地図はとても分かり易い。 途中から主稜線。どこが見えているのかは判らない。
       
黒色の強いカモシカが居た。 最奥の温泉マークの上あたりの林道の擁壁。ここだけ異常に思えて地図を見たら、下に源泉地があるよう。(帰りに撮影) 林業の盛んな場所で防火帯もあちこちに見える。 ニツケ沢の作業道入口
     
復路に降りてきた「小川」(沢の名称) この林班の表示がある。入山する場合はここからがいい。状況を知らずに横目に通過。 沢沿いなので蚋が多く扇子が大活躍。今回から化学繊維の濡れても大丈夫な扇子にした。 A造林小屋
       
A小屋内部。入口は南京錠がされているが、サッシのカギはされていないのが見えた。 B赤沢峠への入山口 B時期的にモシャモシャしている。 木の階段などもあるが、朽ちている。
       
最初、沢側にフェンスが見える。 1170m付近。明瞭な道形の場所もあるが、7割方はモシャモシャしている。 途中の扉のあった場所。 1200m。道形を失い適当に登っている。
     
1230m。作業用の薄い杣道が多いので、どこが正解なのかが判らない。 1230mから振り返る。 1310mの稜線下にもフェンスがある。最初は南に進んだが、全く扉が出てこなかった。西に進んで扉を発見。 見つけた扉の場所。フェンスは乗り越えられない。
     
B赤沢峠到着。最初に倒れたこれが見えた。 B昔の道標が落ちていた。 B北側には立ったものもある。 Bリボンが二本。
     
峠より南側の様子。最初は笹が膝丈。 1330m付近。歩き易い。 これは熊の糞に菌糸が付いたもの。 C1400高点。ペットボトルが落ちていた。
     
1400高点南東側。ここも伝い易い。 伐採痕が出てくる。昔のもの。 1370倒れた伐採痕。 1370m峰東のもの
       
1300mの鞍部でリボンが出てきた。 斜面の倒木にワイヤーが残る。 1360m峰でリボンは停まっていた。 D大鈴山。陽射しの入らない展望のないピーク。
       
DSK氏の絶縁テープが残る。 Dヤキソバパンここに 大鈴山の北側には一部道形が残る。下から撮影。 E1300m鞍部帰り
       
E1300m鞍部から北東の谷(小川)を見下ろす。 1250m付近。倒木は多いが快適。 1220m付近に小川の湧出地があった。 1100m付近。白ペンキが現れ続く。
       
沢の左岸側に立派な道形が現れる。 F林道に出る。往路の林班の表示の場所。 河内晩柑を食べながら戻ってゆく。 Gゲートに戻る。余地は4台分ほどか。





 お盆に予定を抱え、あまりボツボツとか、切り傷とか、腫れとかを作れない中で、登山道を無理なく歩こうと言う基本コンセプトを持ち、ただしちょっとは藪を漕ごうと思い場所を物色する。

 
 前週に鹿の湯温泉の存在を知ってしまった。興味がわき、ここを利用しながら上記のコンセプトで探すと、ぴったりの大鈴山が見えてきた。SK氏は赤沢森林公園側からアプローチしているようであり、とならば反対側で記録を残したい。温泉と絡めちょうどいい場所が見つかったのだった。

 
 1:00家を出るが、深夜帯はずっと小雨であった。今日は楽々で濡れずにと思っていたが、濡れるのは避けられないと覚悟する。和田峠の旧道を越えて諏訪に降り、塩尻から木曽路に入って行く。高速を使えば40分ほどは早くに着くだろうが、狙う場所が狙う場所なので急ぐことはない。途中のセブンでヤキソバパンを仕入れ、大桑駅東の小路を右折してゆく。リズムが悪いのか、仕事のせいもあるが、やたらと眠く白山神社前で仮眠とした。

 
 明るくなってきたので車を進める。予定していた鹿の湯温泉を右に見て、その先のT字分岐は右へ。分岐の左(北)側へも道があり迷うところであったが、迷っていたら1台の四駆が右折して行ったので、後を追って進むとゲートの場所に到着した。四駆の人と話すと、釣に来たようで、私が分岐で迷っていたので、沢に入るのだと勘違いし、釣場がかぶると嫌なのでこちらに上がってきたとのことであった。山に入ることを告げると、四駆は下に降りて行った。

 
 蚋が舞う中で準備をする。流れ沿いを進む場所が多く、今日は蚋は避けられないと覚悟する。そうは言いながら長袖は着たくなくザックに放り込み、露出した部分には虫よけを塗り込み、気分的には鉄壁の防御と、ゲートをスタートする。ゲートには南京錠がかかっていた。

 
 ゲートから2分ほど歩くと、この付近の沢名や林道の存在が良く判る地図が掲げられていた。歩き出して7分ほどで左折する。まっすぐ進む道の方は二ノ沢林道で、殿灰沢林道側へと橋を渡って進む。橋は無名橋であった。進んでゆくと、向かう先に主稜線が見えてきてかなりいい見栄えであった。どこが見えているのかが良く判らなかったのですが、整然と並ぶ針葉樹の幹が綺麗であった。

 
 進んでゆくとハッと思わせる黒い個体が横切った。正確には横切らずに途中で止まってこっちを向いていた。黒い。なんだか見えない。カメラを構え望遠にするとカモシカだと判った。少し足を進めると、谷側へ降りてゆき、またこちらを見返して立ち止まっていた。ここまで黒い個体も珍しかった。そろそろメガネが必要な目になりつつある。動物が判別できないのでは・・・。タヌキをクマと思うかもしれない。

 
 林道の途中に、谷側にコンクリートの擁壁が15mほど続く場所がある。高さ4尺ほどあり、不思議な作りであった。なにか下側を守っているようにも感じられ、地図を確認すると、下側に温泉マークがある場所であった。源泉地があるようだ。コンクリート構造の上には2か所に賽の河原のように石積みが作られていた。

 
 小川第二橋を渡り、次に小川第三橋を渡る。どの橋にも、橋の真ん中に林班界が付けられていた。この付近の林班の境は川としているようだった。この先、進路右側に階段が見え登路の入り口が見えてくる。ここにも概念図が掲示されており、二ツケ沢に沿う道のようであった。進路が南になり、ヘヤピンカーブを登って行くと、今度は進路左側にニツケ沢と同じような登路の入り口があった。入って行きたくなるような感じでそそられたが、予定している破線はこの先なので我慢する。蚋は相変わらずまとわりつき、手に持った扇子で風を送りながら追いやっていた。

 
 林道が破線路をまたぐすぐ手前に、造林小屋が見えてきた。入り口は施錠してあったが、窓のカギは開いているのが見えた。利用する人は居ないであろうが、もしもの時は・・・。この先のカーブの場所が破線路を林道が横切る場所で、本日の入山点となる。流れは太く、入り口で十分水を得られる場所であった。上でも得られるだろうと汲まずに行く。

 
 時期的に当然だが、野草が茂る中を分けて進むような道形であった。梯子が作られている場所や小さな橋の場所も見える。途中左岸に行くような踏み痕もあったが、右岸にも道が続くのでそのまま追って進む。その右岸側にはフェンスがされ、シカ避けの柵が続いているようであった。1170m付近にはとても歩き易い場所もあるのだが、他は概ねモシャモシャとしていた。そして進路を横切るようにもフェンスがされており、扉があったのだろう場所を潜るようにして進んでゆく。

 
 1185mくらいから道形を見失う。植林帯の中なので横移動する杣道もあるようで、どこが本来の峠道になるのか判らず、分けながら適当に進んでゆく。時に這い上がるような場所を進み、時間がかかった通過点もあった。沢沿いを来たのだから沢の中を進めば間違えないと思って寄って行くと、案の定そこに見えたりもしたが、見えて伝ってもまたすぐに見失ってしまった。途中、1220mの沢の分岐で、本来は右俣側へ進んだ方が正解だったが、破線が左俣側を巻いていたので、そのように想像しながら進んだのだが、この辺りは右往左往してしまう。

 
 左俣から右俣へとズレてゆくと、この辺りは棘があちこちにあり、引っかかれつつ分けねばならなかった。掌に穴をあけたのは2か所ほど、洗礼を食らいながらゆっくりと登って行く。やや荒れてきたので右岸側に上がって行くと、主稜線はすぐ目の前と言うところで、稜線に平行になるようにフェンスが張られて進めないようになっていた。どこかに扉があるだろうと楽に構えており、大鈴山側に南にズレて進むが、一向に抜けられそうな場所は無かった。フェンスの高さは2mほどあり、乗り越えられるものでもなかった。しょうがないので北側に進んでゆく。すると、薄い道形が現れた場所の所に扉があり、開閉端をバン線で縛ってあった。ここを抜け斜上してゆくように進むと、峠の場所に乗った。

 
 赤沢峠には古い矢印が読める道標が落ちていた。森林公園側の道形も東側同様に薄くハッキリとは判らなかった。ここまで約2時間。野草が枯れた頃合いなら、もう少し時短できるであろうが、今日は精いっぱいだった。傷だらけでズボンはびしょ濡れ、楽に登るはずが既に予定と違っていた。ここまでは道形を伝い無傷の予定のはずだったのに・・・。あとは破線も何もない尾根を伝ってゆく。

 
 峠からの最初は、膝丈くらいの笹で1350mの肩付近までは至極快適で、こんな場所が続くのならすぐに到達してしまうと思えたが、次第に尾根上に笹が繁茂しだす。1400高点は胸丈ほどとなり、そんな笹の中に酵素入りの飲料のペットボトルが落ちていた。この高みを越えての東側は、下草のない場所が現れる。そしてこの辺りから昔の伐採痕が見えだし、昔の作業と判断できるのは、高い位置で倒木している様子があり、オブジェのような切り株が残っているからであった。漕ぎつつ、それらの切り株の造形美を楽しみながら進む。

 
 1300mの鞍部に到達。するとそこには北東にある小川(沢名称)から黄色いリボンが上がってきていた。下降点の目印なのか、ここには2本結ばれていた。伝い易そうでここを下りの選択肢としようと考えた。登ってゆくと切り株にワイヤーが巻かれたものも見られる。そして1300m鞍部から東へ登った最初の高みが1360m峰で、黄色いリボンはこのピークで止まっていた。ここを大鈴山と間違えたのか、とも思えたが本当は判らない。リボンの無くなった笹原を分けて進む。大鈴山直下の北斜面には短距離だが笹の中に道形が見えた。

 
 大鈴山で待っていたのは、SK氏の絶縁テープであった。人工物はこれのみで、残雪を利用して登ったにしては低い場所に巻かれていた。木漏れ日は入るものの全く展望のない山頂であった。他に人工物は無いかと這うように探すも見つからなかった。ヤキソバパンを出して記念撮影。さて下山。もう一度地形図を眺め良さそうな等高線の場所を探すが、1300m鞍部からが最良に思えた。

 
 山頂から戻るのだが、1360m峰で屈曲するのを見誤りそうになった。そのまま北に進んでも小川に降りられるのでいいのですが、とりあえず1300m経由で降りたかった。そしてその場所まで降り立ち沢筋を見下ろす。至極なだらか。ただし倒木がゴロゴロしているのが見える。伐木しても品質がいいので腐らないから残っているのだろうとも思えた。下って行き、時に倒木の上を筏乗りのように伝いながら越えてゆく。黄色のリボンは適時付けられ右岸側を導いていた。

 
 小川の流れの源頭である湧水地は1220m付近であった。かなり大量に出ており、ここで十分汲める水量があった。冷たい水で汗した顔をぬぐってから降りてゆく。途中で右岸は大量の倒木となって、切り倒したからだろう付近は明るい場所となっていた。この辺りは左岸側に逃げて進んでゆく。1100m付近でふと沢の中の木を見ると、白ペンキがマーキングされ続いていた。それを拾うように進んでゆくと、今度は左岸側に明瞭な道が現れた。作業道であろうが、杣道であろうけど登山道のように快適であった。進む先に林道が見え、見覚えのある入口が目の前となる。

 
 殿灰沢林道に降り立つ。間違いなくこの小川を登って小川を下った方が大鈴山を登るには適当。赤沢峠を見たいと言うマニア以外は、こちらを使った方が速いし楽である。小川の流れで汗を流してから、河内晩柑を齧りながら林道を戻ってゆく。この林道はあまり使われないのか、獣の匂いが強く、沢山生息している様子が鼻腔に感じられた。コンクリートの特異な擁壁の場所は谷を見下ろしたが、温泉(源泉)の様子は判らなかった。

 
 ゲートに到着。虻や蚋を避けながら着替え、急いで鹿の湯温泉はかもしか荘に行くが、なんと日帰りは受け付けていなかった。そうだったのか・・・てっきり・・・。思い込みはいけないようだった。ただしここには、上流から源泉を引いているとあり、やはり温泉マークの場所は源泉地として生きていることが表示から判った。

 
 振り返る。赤沢峠経由のルートは藪山ルート(夏は特に)、小川を利用すると漕ぐ距離は300mとなり格段に一般登山に近くなる。少しでも楽に登りたい場合は小川を使わない手はないだろう。赤沢峠経由より1時間ほど短縮できてしまうかもしれない。









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