鷲倉山    1531m        高山    1805.1m                  


                                            
  
                                        

   2017.9.9(土)


    晴れ    単独    幕川温泉よりCCWで周回    行動時間:4H36M


@幕川温泉遊歩道駐車場5:09→(22M)→A幕滝5:31〜33→(4M)→Bつばくろ橋分岐5:37→(54M)→C麦平分岐点6:31→(3M)→D取付き点6:34→(14M)→E鷲倉山6:48〜50→(8M)→F登山道に戻る6:58→(1M)→G麦平分岐再び6:59→(64M)→H高山8:03〜18→(28M)→I鳥子平8:46→(3M)→J鳥子平バス停8:49→(52M)→K幕川温泉9:41


   
@幕川温泉手前の遊歩道入り口駐車場より。 水戸屋さんと吉倉屋さんの間を進む。 途中のルートを閉じるタイガーロープは外してあったが、滝へのルートは危険が伴う。 てんぷう橋を最初に渡り
       
次は第一木橋 この道標の場所は分岐点で、下流側へも道形が見える。地形図の破線路のよう。 右岸へ渡る 途中が凹んだ橋。濡れていてこんな場所でも気を遣う。
     
つばくろ橋。この手前に分岐がある。 麦平への道標。 最初の小滝。ここから危険度が増す。 エキスパンドメタルの貼ってある先がツルツルもいいところ。登りはいいとして帰りが・・・。左に見える岩壁を掴まないと足許が滑って大変だった。
       
A幕滝。周囲の岩壁はオーバーハングしており、自然に包み込まれるような場所。 落石の為だろう、ここも滑り筋力を使う。 Bつばくろ橋下の分岐から麦平へ。この先は植生の案内はあるが、道標は一切ない。 スギヒラタケは昔なら採ったのだが、東北での事故以来は見るだけ。
       
麦平へと入って行く。 リンドウが見事。咲いているのはこれのみであった。 麦平から高山 麦平から高山山頂アップ。
     
C麦平の分岐点。最初は土湯側へと進む。 D鷲倉山へと取付いた場所。シラビソが並ぶ場所を選んだ。 笹藪の中に2カ所でこのマーキングが見られた。 E鷲倉山山頂。2m以上の密生した笹藪。
     
E南に出ると鬼面山側が良く見える。 E北西側。地形の最高所は南の崖地の上。 2.5mほどある場所もあり、この辺りは足で潰しながら降りてゆく。 Fマーキングのある場所で登山道に乗った。
     
G麦平の分岐再び。次は高山へ 有名な赤いソリの場所。 進路を塞ぐ場所は高巻きの道がある。 登山道の様子。今年は刈り払いをしていないようで、モシャモシャした印象。
     
H高山到着 H三角点側に藪を漕いでいたら、突如道形が現れた。なんだ在ったのか・・・。 H三角点の場所は北側を伐採してあり展望がある。 H三等点
       
H一切経(右)と前大巓(左) H北東 H東 H南
       
H安達太良山噴火とエリアメールが入り驚く。 Hヤキソバパンと安達太良側 H北側の鉄塔の先に下降路がある。目立たないし道標もない。 I鳥子平
       
J鳥子平バス停 新奥の細道への下降点 カーブの場所で車道に出る。 再び山道へと降りる。
       
道形ははっきりしているが、こちらの刈り払いも麦平側と同時期なのだろう、向こう側と同じ状態であった。 最後の橋を渡って・・・。 往路に幕滝へと曲がって行った分岐に戻る。ここに鳥子平へと書かれた道標は無い。往路に使う場合は知っていないと判らない。 K駐車スペースに戻る。




 磐梯吾妻スカイライン沿いの高山。登ろうと思えばサッとスカイライン側から登れる場所であるが、麦平の南にある鷲倉山の存在を知ってからは、もう幕川温泉からの入山と決めていた。ずっと気になっていて行こう行こうと思っていたが、やや先送りとなりこのたびやっと出向く。

 

 エアリアにも地形図にも登山道が示されているので、全体としてはあまり気にしないでいたのだが、西の中吾妻山と継森を歩いた時には、この山域の本性を知ったために、短距離の鷲倉山も相応に覚悟する。後半に鷲倉山を持ってきた方がいいようにも思えたが、前半にスカイラインを歩くのは嫌であった。歩く横をビュンビュンとマイカーやバイクが楽々登って行くのを見なければならない。下りで使いたいので、幕川温泉を基点にして反時計回りで歩くことにした。

 

 23:38家を出る。すぐに高速に飛び乗って、北関東道と東北道とを繋いで二本松で降りる。岳温泉側から土湯峠に進み、そこから幕川温泉へとクネクネと進んでゆくと、温泉手前に遊歩道の案内看板があり、そこに10台ほど停められるスペースがあり突っ込む。時計は3時を少し回ったほど、外気温は14℃とこの場所らしい気温であった。星が綺麗な夜で、こんな時にミサイルを撃たないで欲しいと願うのだった。ブランケットをつっ被ってしばし仮眠。

 

 4:50準備を開始する。夜露や朝露で濡れるだろうから雨具を着込んだ。そして5:09スタートする。吉倉屋さんと水戸屋さんの間に散策路が存在する。半分は吉倉屋さんの土地とも思え、通過するのにちょっと気を使う。途中途中に「幕滝」と書かれた道標があり導いている。しかし鳥子平への道標がなく、帰路はどこから到着するのだろうと思ってしまう。分岐点の標柱の根元にタイガーロープが纏められており、そこに通行止めの表示が見えた。散策路が閉じていたこともあるようだ。

 

 最初にてんぷうばしを渡って行く。強度は大丈夫なのかと少し不安になるような作りであった。次が第一木橋。靴底を擦らすと案の定よく滑る。気をつけねばならない。渡り切った左岸側で丁字路的になっており、左が幕滝への道、右に見える踏み痕が麦平への道と判断した。滝を端折ってもいいのだが、有名な滝であり見ておきたい。幕滝側へと登って行く。右岸へと木橋で進んでゆく。雪の影響か凹んでいる橋もある。

 

 つばくろ橋と書かれた木橋の所まで進むと、そこに「麦平」と書かれた道標が立ち、踏み痕が斜面に続いていた。これなら先ほどの分岐まで戻らずに済むので滝見に進んだ事に対しラッキーと思えた。正面に小滝が見えてきたら、そこに倒木を一本使った、それこそ丸木橋がある。滑らないよう足の運びに注意する。こんなところを一般の人(子供なども)は歩けるのか・・・ちと疑問も出てくる。その先には段差のあるエキスパンドメタルの通路へとなり、その途切れた先からが濡れてツルツルの木橋が続く。既に帰りの通過はどうしようと考えるほど。ザイルがあったらザイルを流して戻りたいように思えていた。進む先に幕滝が見えてくる。観瀑台への最後も濡れていてややこしかった。

 

 幕滝。滝の大きさはそう大きくはないが、周辺のハングした岩壁があることで、この場所が周囲から押しつぶされそうな雰囲気がある場所であった。空が狭いとも言えるし、自然に覆われているとも言えた。訪れるのなら、晴れた木道や木橋が渇いている時間帯がいいようであった。さて戻る。靴のエッジをひっかけるようにして横歩きで戻って行く。そして一番濡れた場所は、右壁にホールドを探し指を入れながらゆっくりと足を降ろして行く。登山靴を履いていてもこんな様子であり、とてもスリリングな遊歩道なのだった。

 

 つばくろ橋を渡ったら、その下の分岐から麦平側へと進んでゆく。道形はしっかりしており、途中途中には樹木の解説看板が多く見られた。どこかで右からの道が合流するはずと思って気にしていたが、それらしい場所に気が付かないまま進み、南進していた道から北進する道となっていた。スカイラインからだろう、エキゾーストノイズが頻繁に聞こえてきていた。早朝の走り屋って事だろう。露で胸から下は濡れ雨具は正解であった。濡れるほどに左右からの野草が出ているルートであった。今年の刈り払いはされていないようであった。

 

 分岐から50分ほどで麦平の一角に入って行く。ここでは濃い紫のリンドウの群落があり楽しませてもらう。湿地に入ると広く開け、高みに反射板が見えるのだがそれが高山であった。麦平に到達したはいいが、ここでの道形がよく判らなくなってしまった。何度も湿地の水を跨ぐようにして進み、適当に北東側へと進んでゆく。途中から、東側の笹薮の際に踏み痕が見えてきて、繋がって行くと分岐に到達した。ここにも道標はない。

 

 鷲倉山側を見つつ土湯に向かう登山道を伝う。こちらもモシャモシャしている。笹薮の斜面でどこも同じであり、なるべく大木のある場所をとシラビソの並んでいる場所をめがけて取付く。数本は繋がるがすぐに密藪に塞がれる。明るい側へと東に西に振りながら植生の薄い場所を選んで進む。途中マーキングも見え好事家の通過した後が見えた。マーキングがあるからと言ってそこが歩き易いとはならずに遅々とした進度であった。笹に目を突かれたり、腕を突かれたり、しなる笹でなく古木なのだろう折れやすい笹が多かった。

 

 地形図の示す標高点辺りと思っていたが、さらに南側に高みがあり、山としての最高所は南側の急斜面に接した場所であった。ここは切れ落ちているので南側の展望がいい。最高所には枯れたシラビソの古木があり、山頂の目印になるものであった。人工物は皆無。何か縛ってあってもほんの30センチ動いただけで見えなくなるような場所であり見えてこなかった。本来はここでヤキソバパンの登場となるが、あまりに密生し過ぎてザックを降ろすのも憚れ、すぐさま下山となる。帰りは往路よりやや西側を降りてみる。往路と違い下りになるので、笹を分けずに踏み潰すようにして進路を広げ進むことができた。登山道に戻った場所にはピンクのマーキングが見られた。どこから入っても同じような植生だろうと思えた。

 

 麦平の分岐に戻り高山を目指して行く。赤い橇が結わえられたのを左に見て、道形をさらに伝って進む。天気が良くなり日当りのいいルートで背中側がジリジリと暑い。空の高さは秋だが、気候は夏であった。登山道はもう少し歩き易いのかと思ったが、植生が左右から撫でてきて先が見えない場所もある。倒木の場所などは高巻きの道もできていた。途中、剪定ばさみがデポしてある場所も見え、通過する人が刈り払いもできる。ここまでだったら、鎌を持ち込んだのだが、知らなかったのだから用意はない。それでも上に行けば歩き易くなると予想したものの、逆で上に行くほどにしっかりと濡らされた。

 

 高山登頂。大きな反射板が目の前となった。すぐに三角点探しに入るのだが、北側は藪で一度突っ込み、躊躇して戻り、やっぱりここしかないと藪に再度突入した。本当に三角点に進む人がいないのかと、藪の様子を不思議に思っていると、途中から踏み痕が現れ三角点まで導いてくれた。やっぱり無いはずはない。三等点が眠り、北側は刈り払われ展望が得られた。圧迫感のある笹に囲まれた場所ですぐに踵を返し反射板へと戻って行く。三角点への分岐は、下降点の場所にあった。当然ここにも道標はなく、下降点として鳥子平の表示もなかった。

 

 いきなりエリアメールがけたたましく鳴った。最初はまた北朝鮮が撃ってきたのかと判断したが、画面を見ると安達太良山が噴火したと書かれていた。嘘だろうとよく見ると避難訓練であった。現地の人は事前に知らされていたのだろうけど、ビジターには当然のこと驚いてしまった。訓練とはいえ噴火の表示に、一切経側の噴気の上がる辺りに目を向ける。あの御岳の噴火の時もここに居て、一切経の噴気もかなり上がっていた。この日はそれほどではなかった。というか見えてこなかったほど。周囲展望を楽しみ、ヤキソバパンを齧ったら鳥子平へと下山してゆく。

 

 勾配は緩やかだが、掘れた水路のようになっている場所が多く、赤土であり滑る場所が多かった。その為であろう掘れた周囲が踏まれ登山道が広がっているようにも見える。蓬莱山のどてっとした山容が近くなってきてスカイラインからの音も大きくなってくる。登山は好きだが野草に触れられるのが嫌いという人がいるが、そんな人はここには入山できないルートであった。鳥子平側のルートもである。

 

 湿原の木道に乗る。ここでも道標は目立ちにくい。自然を大事にしており、景観を重要視しているって事だろうとも思えた。バス停の場所で車道に出る。そして10分ほど下って行くと、新奥の細道と書いた分岐道標が立ち、下降路が分かれている。沢沿いの道形を降りてゆく。既に乾いた膝下を野草が再び濡らすような場所であった。双竜の辻のヘヤピンカーブで再び車道に出て、わずか先でもう一度山道に入る。相ノ峰がまだ踏んでいないのであれば、踏んでから幕川温泉に戻るルートとするが、既登の為にそのまま幕川温泉に降りてゆく。麓に行くほどに道が良くなったりするものだが、ここはそう変化はなかった。

 

 荒川の支流を木橋で渡ると広い歩道となり、往路に幕滝へと分岐した場所に戻る。ここはタイガーロープが置かれている分岐であった。吉倉屋さんの脇を通ると、窓の全てが開け放たれているのが見える。自然のクーラーで電気でのクーラー要らずの場所のよう。水戸屋さんも動き出したようで、同じように開けられたドアや窓が見えていた。駐車場に到着する。

 

 振り返る。鷲倉山はスキーをするなら東の女沼側から登ると良さそうな等高線である。スキーをせずとも残雪期の山として東からが心地いいだろう。無積雪期の山頂は背丈の高い笹が鬱蒼と茂り、かなり圧迫感がある。登頂しての達成感はないわけではないが、休憩するようなスペースがほとんどない。着いてもすぐに踵を返すような場所。登山道が近接しているのに道を切らないのはなんでだろうとも思うが、鷲倉山より湿地の麦平が休憩適地であるからであろう。南に鷲倉温泉があり、少し離れたこんな場所に鷲倉山があるのも面白い。











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