屋敷山   1460m  
                                             
                                      

   2017.10.21(土)


  くもり    単独     屋敷コースより往復   行動時間:4H19M


@登山口5:59→(89M)→A1452.8三角点南7:28→(61M)→B屋敷山8:29〜37→(43M)→C1452.8南9:20→(58M)→D登山口10:18


   
@屋敷コースから入山 入山口からのいきなりの急登。水気が多く足場が緩い。 途中から鳥甲山 堰堤下を通過
       
ブナの気持ちいい登路 A1452.8三角点峰南の標柱。 最初のピークから ツタ類が多く進度がかなり落ちる。
     
二つ目のピークから 1430m付近から ツタを切った刃跡が残る。 途中でソールが剥がれた。
       
B屋敷山北側 B屋敷山南側。奇形の木が立つ。 BSK氏のいたずら書きが残る。 Bヤキソバパン
       
B往路は東側を通過したが、西側の方が進みやすい感じ。 ツタ類密生。 尾根の西寄りに昔の道形があるように見えた。 C登山道に戻る。
     
下山しながら苗場山 平成21年にできた雪崩防止堰堤。 D登山口に戻る。 D登山口の水場からは出ておらず、その南の岩の間から沁み出していた。
       
D駐車の様子。  




 超大型台風が接近している週末。その影響で関東では全域で雨予報。遊ぶには足踏みとなりそうだが、ここはより降らなそうな新潟でちゃちゃっと登ってくることにした。

 

 鳥甲山の北の屋敷山がポツンと落穂になっていた。昔は縦走路が在ったことも聞いているが、今は藪尾根となっている。あのKUMO氏にして、「ちょっと踏んで来よう思ったが、予想以上に大変で引き返してきた」と連絡を受けている場所でもあった(1回目の時)。確かに距離からすると、登山道から逸れるのは僅かであり、簡単に踏めそうにも見える場所である。簡単に踏めないのはツタ類が蔓延る為のようで、それがSK氏の報告から読める。刃物を持ち込んだ方が良さそうであり、ナガサを用意した。

 

 1:00雨の西上州を出発する。高速を湯沢で降り国道353号で津南に出る。国道405号は相変わらず各所で工事がされており狭い場所が続いていた。既に土曜日はスタートしており、ロードローラーを乗せている途中のキャリアカーの作業風景もあった。時計はまだ3時台であった。屋敷入口の分岐から屋敷地区へと進んでゆく。屋敷トンネルの南からは一度登っているが、トンネルの北側から登るのは今回が初めてであった。路肩余地はやや泥濘としており、より硬そうなトンネル寄りを選んで停める。夜明けまでしばし仮眠。

 

 夜が白みだし準備をせねばと思いつつ、もう少し明るくなってからとシートは起こさなかった。しかし時間が経過しても薄暗いままで、苗場側を見ると暑い雲が見え、今日はこんな空模様なんだと理解しすぐに準備に入る。いつもはしないベルトをしてナガサのケースを吊るせるようにしたものの、その主賓となるナガサを持つことなく準備を終えてしまった。

 

 登山口からの急登を登って行く。途中に流れがあり、ぬかるんでいるおまけ付きであった。その最初を登り切り、ナガサを持ってきていない事に気が付く。この急登をもう一度・・・は嫌で取りに戻らない判断をした。最初の堰堤を左に見て進むと、左から林道幅の道が合流する。堰堤の作業道で間違いないだろう。判読できない道標が転がっているが、登山道を示すものだったようだ。

 

 二つ目の堰堤からは平成21年度と読め、工事から8年ほどが経過したことが判った。その雪崩防止の堰堤下を通過し登りに入ると、ブナの美しい広葉樹林帯が待っていた。この後の紅葉も美しいであろうが、その前段階でも十分綺麗であった。外気温は13℃と温かく、防寒の長袖で入山していたが、腕まくりして登って行く。

 

 三角点の南の標柱の場所まで2.5時間。西に進んだり東に戻ったりしながら道の在り処や薄そうな場所を探ってはみたが、どこもそう大差なく適当に這い上がって行く。この最初は良かったが、最初のピークからすぐにツタ類が歓迎してくれていた。同時に刃物を持ってきていないことを後悔することになる。二つ目のピークまで進むのに嫌に時間がかかってしまった。途中でビクトリノックスの多機能ナイフを出して引っかかるツタを切ったりもした。踏める場所は踏み、潜れる場所は潜るようにしたのだが、どうしても絡まるものが出てきていた。

 

 苦労して進む中では、尾根の西側に棚地形がみられる場所が多く、それが往時の道形ではないのかと見ていた。あと、時折切られたツタも見られる。通過者の残り香とも言えるが、切るほどに強く蔓延って行くのではないだろうかと体感していた。1430mの鞍部付近で少し優しい表情を見せるが、その先で密なツタが現れる。なんとももどかしい進度となっていた。あと、ずっと左足が引っ掛かると思って見て見ると、ソールが剥がれソールと靴本体の間に笹が挟まりブレーキをかけているのが判った。こんなところでソールトラブルとは・・・。山頂まであと少しなので直さずに進む。

 

 屋敷山到着。山頂への最後は東側を巻き込むようにして登りあげた。シャクナゲと檜の植生の山頂で、奇形の檜にSK氏の赤い絶縁テープが見られた。登頂感の薄い場所ではあるが、これでこの主稜線の落穂が無くなったことは嬉しい。腰かけるのにちょうどいい倒木があり、座りながら剥がれたソールをテーピングで補修する。見ると右側の靴も同じように先端部が剥がれてきていた。ヤキソバパンを食べ遅い朝食としてから戻って行く。

 

 復路は尾根の西側を気にして伝ってみた。伝い辛い場所もあるので、尾根上に戻りやむなくツタの餌食になることも多かったが、往路より西側を伝う復路の方が負荷が少なかったようにも思えた。そして西側を伝えれば概ねツタが回避できるのであった。斜めになって歩き辛い場所もあるが、斜めとツタとを天秤にかければ、答えはすぐに出る。

 

 登山道に乗る前の最後のピークからは、一般登山者を驚かさないよう、ガサゴソと分ける音を極力抑えて静かに降りてゆく。と、気を使ったのだが、この日の入山者は他に居ないようであった。登山道に戻り滑る足許に注意しながら下って行く。今年の紅葉はどうなのだろうと、苗場山や鳥甲山の斜面を眺める。赤の発色が悪く、赤を通り越して茶色が多く見えるような気がしていた。

 

 ブナ林の場所は、登山道ではなく道形のないところを降りたくなるような快適そうな斜面であった。堰堤下を通過し最後の急斜面を降りてゆく。途中タイガーロープが流してある場所もあったが、ここもあってもいいように思うが、たぶん敷設するとドロドロになって維持管理が大変なのでないのだろうとも思えた。

 

 登山口に下山する。ドロドロになった足許を流れで洗ってから、次の西戸屋山へと向かってゆく。

 屋敷山に向かうのであれば、刃物があった方が楽。

 

 
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