梓山        1144m          
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2022.1.15(土)


  晴れ    単独    榛名湖から      行動時間:2H32M


@ゆうすげ温泉6:45→(14M)→A烏帽子ヶ岳分岐6:59→(16M)→B1246高点峰7:15→(41M)→C梓山7:56〜8:05 →(61M)→D烏帽子岳分岐帰り9:06→(11M)→Eゆうすげ温泉 9:17   
                                        


 
@榛名湖温泉ゆうすげから 烏帽子ヶ岳登山口 A烏帽子ヶ岳分岐 A分岐道標 梓山表記あり
       
トラバース路から尾根に乗った場所。尾根上は絶縁テープの乱れ打ち!! 大きな熊だなが見られる。落ちている枝葉も大量。 雪が無いと、笹尾根に細い道形が在るよう。 B1246高点峰
   
尾根から北北東に枝道が降りて行っていた。 手前峰から見る梓山 後半は赤ペンキが続く。 最後の急登。イノシシの土坑痕が夥しい。
       
大岩 大岩の上に石祠 尖岩峰 C梓山
       
C標識 C5円マーキング C一帯にある明朝体標 Cシナノゴールドと
       
C梓山から見る烏帽子ヶ岳側  C東峰の方が若干高いよう。 「貸」とある。尾根西側の道形の場所にこれが続く。 D分岐(下降点)帰り 
       
登山道を戻る。  登山口帰り Eゆうすげに戻る。   




 榛名山系は、地形図と山名事典掲載の山は登り終え、エアリアマップで拾える場所も終わっていた。もう目指す場所は無いのかと検索を入れると、好事家が登っている寂峰が存在した。その名は梓山。信州に似合う山名に思うが、梓川の存在が大きいだろう。それよりズバリは、川上村の梓山地区となろう。


 閲覧できる先人の記録は、ほぼ全てが南の榛名湖側からアプローチしている。登るって言うよりは下るアプローチ。天女山駐車場から天女山に行くような感じ。天邪鬼なので、北の旧東村側から狙おうかと地形図を見る。林道が奥まで伸びている奥田川沿いが狙い目と判断できた。集落のある平五良地区からの林道沿いは、針葉樹マークがびっしりと見えるので、関わる杣道が多いだろうことが予想できる。林道末端から952高点を経て梓山1144峰へと続く道形もあるだろう。


 より情報を集めようと衛星画像からストリートビューを使ってみると、実線路の入り口までは舗装林道が東西に通り、その実線路も舗装されているのが見える。あまり負荷なくアプローチ出来てしまうかもしれない。そんなことを思いながら計画していた。そこに野暮用が割り込んできた。土曜日は10時に家に戻らねばならなくなった。ギャンブルするより時間が読めるルートの方がリスクが少ない事となり、結局右へ倣えで「下って登る」形を選ぶこととなった。


 榛名神社側から榛名湖に上がる。この寒さに、今年は全面結氷しそうと思っていたが、湖面の半分は湖水がさざ波だっていた。そして思いのほか積雪量が少ない。水上方面の積雪量を見聞きしていると、この辺りも相応に積もっているだろうと思っていたが、湖の外周道路からの景色は、白一色でなく落ち葉の色が多く見られた。あまり降っていないか、もしくは溶けたと言う事だろう。駐車は榛名湖温泉の駐車場を利用させていただく。


 6:45夜が明けたのでスタートする。烏帽子ヶ岳の登山口には、相変わらず人形が沢山置かれている。これらが苦手なのであまり見ないように進んで行く。雪面に見えるトレースは一人分。既に往復しているので、時間的観点からも本日のものではなく前日のものだろう。前回ここを伝ったのは2000年の6月で、おおよそ22年ぶりに伝うが、月日は経てもあまり変化は無く懐かしい。


 烏帽子ヶ岳と鬢櫛山との分岐尾根に乗る。既にここに梓山を示す道標が立っている。がしかしこれが唯一で、この先に読める道標は皆無であった。薄い踏み跡を拾って進むが、シカ道などと混雑しているのか、複数道形がありどれが正解路か判らない。トラバースするように北東側に進み、烏帽子ヶ岳と1246高点を結ぶ尾根に乗り上げる。分岐を示したいためだろう、そこには複数のマーキングが見られた。以降しばらくは赤と黄色の絶縁テープが続く。


 尾根上に、やけに枯葉の付いた木が落ちている場所が現れる。そこに立つナラの木の上には熊棚が作られていた。尾根上は笹の植生があるが、食べられたためか膝丈も無いほどで歩き易い。その前に、ツボ足を強いられるとカンジキまで持ってきているのだが、全く無用なほどに積雪量が少なかった。100mmほどしか積雪していなかった。この状態は11月とか5月の感じだった。


 1246高点を経て、1230mからは北に進まねばならないところを、尾根続きの北東側に進んでしまう。こちらにもマーキングが続いていたために追ってしまったのだった。今日はほぼ真北に進む進路のはずが東寄りに進みだしたので間違えに気づいた。山腹をトラバースして北への尾根に乗る。ここは地形図に読める勾配より現地はきつい勾配に思えた。


 尾根の西側には林道幅の筋が見える。帰りはこれを伝ってみた。北進してゆく中で、マーキングが途中から色を変えた。これまでの赤と黄から青にスイッチしていた。絶縁テープの千切り方や貼り方は同じなので同一人物なのだろう。けっこうにベタ打ち的に付けられていた。好意で残していると思いたいが、回収が鉄則である。尾根の両側には檜の植樹帯があり、途中には、北東に降りて行く枝道もあり、おそらくは地形図の実線路とどこかで繋がっているのだろう。


 1150m峰に立つと、眼前に梓山の高みが見えてくる。その高みには二つの瘤が見え、地形図と照らし合わせるのに判り易い。北に下って行くと、赤ペンキでのマーキングが目立つようになる。これはどうも林班の印のようであった。ルートミスはあったものの、ここまで歩き辛い場所は無かった。しかし最後の最後で、登り辛いイノシシの土坑だらけの急登が待っていた。グリップしづらいので踏ん張りつつ登るので各所の筋肉を使う。迷犬は獣の臭いが多いのだろう、地面に鼻を押し付けつつ歩いていた。ここの通過は急登を登らずに東側の尾根に横ズレし、そのあと西進するようにすれば楽だった。登った後に地形を見て判った事だった。


 尾根上に高さ3mほどの大岩があり、上には石祠が乗っていた。何となく西の烏帽子岩を彷彿させる。この先にも尖岩峰があり、展望のない尾根歩きの中では目を楽しませてくれていた。周囲は雑木が混ざる植林帯で、あまり管理がされていないようだった。冬季にしても檜の常緑で周囲展望はほとんどない。


 梓山は西と東に高みがあり、地形図の高点をとっている方を山頂にしているようで、山名標識は西峰の方に在った。ただし東峰の方が高いように思えた。久しぶりに見る5円マーキングがあり、それも2枚縛られていた。5円玉の製造年は平成5年とあったので、それ以降の登頂者となる。あとは榛名一帯の藪山峰で見られる明朝体の標識も見られた。時間の制約があるので、山頂を具に確認したら踵を返す。


 自分のトレースを拾いながら戻るので不安要素は無い。下ってきたので、帰りは当然登りが多くなる。1246高点の北からは、尾根の西側の道形を伝ってみる。薄い道形には「貸」と書かれた杭が打たれ、それが適当間隔で続いていた。貸している地主が居て、借りている利用者が居るようだった。道形は1246高点峰の北西尾根側に進み有耶無耶になった。まだ南側を進んでいるようでもあり、そこから東に九十九折があるようだったので、それらしい場所をくねくねと登って行くと、赤い杭が埋まっており道形の場所を伝ったんだと確認できた。


 1246高点の南に「さるかけ橋」が在るはずだが、積雪のせいだろう白と黒の世界の中に景勝岩らしきものが見えてこなかった。ここで恥ずかしい話が一つある。西側は緩斜面でこんな場所にはないだろうと思い込んでいた。東側は岩混じりの荒々しさがあり、てっきり東側にある物と思い東側ばかり注視していた。どうも西側斜面にあったようだった。


 烏帽子ヶ岳側に登り返して行くのだが、トラバース道への分岐点を見過ごしたようで、烏帽子の急峻地形が近くなって気づいた。適当に西にトラバースして行き、鳥居より大分上で登山道に乗った。この高さまで登ったのなら烏帽子にも・・・としたいが、時間の制約があるので下山を急ぐ。ポンチョのようなものを纏ったソロの男性がすれ違う。烏帽子側には、先の単独行者の他に2名のトレースが向かっていた。


 下降点から降りて行く。風が少なく快晴な日、冬季の登山日和な日であったが、ここの登山道は静かであった。登山口に降り立ち沼尾川を跨いで進むと、板橋区の敷地内では一人の男性が広い駐車場をスコップで除雪していた。

 ゆうすげに戻る。

 


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