硫黄岳        2760m      大同心        2720m       台座ノ頭        2795m        
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2022.8.26(金)


  雨のち晴れ     単独     桜平から     行動時間:6H17M


@桜平上駐車場4:10→(24M)→A夏沢鉱泉4:34→(42M)→Bオーレン小屋5:16→(24M)→C夏沢峠5:40〜42→(55M)→D硫黄岳6:37〜42→(42M)→E奥の院峰北下降点7:24→(11M)→F大同心7:35〜45 →(12M)→G奥の院北下降点帰り7:57→(8M)→H台座ノ頭8:05〜07→(36M)→I硫黄岳帰り8:43 →(48M)→Jオーレン小屋帰り9:31→(31M)→K夏沢鉱泉帰り10:02〜05→(22M)→L桜平10:27                                   
                                        


 
@桜平上駐車場からスタート 桜平ゲート A夏沢鉱泉 Bオーレン小屋通過
       
補修完了していた。 フェンス素材は、相変わらず雨の日はツルツル。 C夏沢峠 C羽根は半分ほどが折れていた。自然エネルギーを得るにも大変。
   
D硫黄岳 D硫黄岳から南側。中央が赤岳。 D硫黄岳から北。 D硫黄岳の爆裂火口。
       
硫黄岳山荘は発電機の音がしていた。 主稜線から見る大同心。 台座ノ頭西側は、コマクサの植生保護のためにフェンス。 コマクサの大群落
       
富士と雲柱 E奥ノ院峰北の下降点 E下降点より大同心 手前鞍部
       
鞍部は花畑。コマクサも多い。 F大同心登頂。20年ぶり。 F大同心から東(主稜)側。 F大同心から北(硫黄岳)側。
       
F大同心から南。 F硫黄岳南麓に見える大穴。 Fヤキソバパンと F大同心陵側に下ろうとして注意された後。このまま下ると思っていたよう。
       
往路を戻り、主稜への登り返し。 G主稜線に戻る。 フェンス沿いに台座ノ頭に向かう。南側はハイマツで伝い辛いが、北側は無毛。東麓は鹿道が沢山見える。 H台座ノ頭
       
H境界標柱が抜けていた。 硫黄岳山荘帰り。 I硫黄岳帰り I西側に御料局の三角点があるが・・・。
       
I等級の書かれた御料局三角点はここでしか見たことが無い。  下降点分岐  下降点分岐から見る大同心。 峰の松目分岐 
       
Jオーレン小屋帰り  K夏沢鉱泉帰り  堰堤工事も終わり、橋も新設され通れるようになった。  夏沢で水浴び。 
       
桜平ゲート帰り  L桜平上駐車場のゲートに一番近いスペース。    小同心から奥の院峰(2002年)。経路の様子。大型犬には酷と判断。




 八ヶ岳の大同心に、初めて登ったのは2002年。聞こえは大同心陵を登ったようにも思えるが、岩ヤでなくても登頂できる主稜線からの下降で登頂した。同じようにして同日に小同心も踏んだのだが、大と小ではやや危険度が違い、小同心は大型犬が伝うには危険な印象であった。その前に小同心の下降点である奥の院峰前後は、岩稜帯に梯子場や鎖場が控えているので、下降点まで上がるまでにハードルがある。今回は大同心のみで計画する。そして人目につく場所であり、リスク軽減と土日は避けて平日の計画とした。

 
 1時に家を出る。佐久でヤキソバパンを仕入れてから、いつものように白樺湖経由で茅野に降りて行く。雨が上がらずワイパーは動いたまま。好天予報の日であるが、日の出あたりまでは降られる日でもあった。三井の森別荘地から林道に入って行く。桜平下駐車場には、前年度も見ている青いワゴンが置いてあった。中駐車場には車の影は無く左に見ながら上駐車場まで上がる。じつはこれまで、桜平は上駐車場にしか停めたことが無い。非力なので少しでも楽をしたいからであった。ゲートから一番近いスペースが空いており突っ込む。

 
 4:10雨具を着てスタートする。林道を2分ほど下りゲートを越えて行く。前年度工事をしていた渡渉点下は、強固な橋が仕上がっていた。ヘッドライトを頼りに急登林道を登って行く。今日はやや調子が出ない。腰から下が重い印象の日であった。夏沢鉱泉へはゲートから22分かかったので、いつもより2分余計。2分の差は私においてけっこう大きいのいで、調子が悪いのが経過時間で判る。


 鉱泉を過ぎ山道に入って行く。迷犬もここを歩くのは3度目で、場所に慣れた足取りのようにも見える。雨の後なので水量が多いようで流れの音がザワザワと大きい。沢沿いは、獣の音を拾いづらいので周囲に注意を払う。夜行の場合は尚更であった。5時が近くなり、夜明け時間であるが、天気が優れないので暗いままであった。


 オーレン小屋の暖色の灯りにホッとする。館内に動く人影もあり、5時を回り小屋も動き出す時間のようだった。静かに足早に建物前を通過してゆく。峠までのルートは補修が進み前年度より歩き易くなっていた。ただしこの日も雨、フェンス素材を使った土留は、非常によく滑った。流れが抜けやすく仕様としてはいいのだろう。しかしこれだけ滑り易いとスリップしての転倒も多いだろう。上に行くに従い風が強くなってきていた。前年度が思い起こされる


 夏沢峠到着。温度計を見ると9と読めた。そこに5mほど吹いていた。体感温度は4ほどとなる。それでも周囲のガスは取れはじめ、雨は上がったようだった。南進に入る。風は南西から吹き、進むのに対し向かい風であった。フードをはぎ取られるので肩を窄ませ歩くのだが、顔を上げろとばかりに吹き、何度か立ち止まるほど強い時もあった。そんな中でも4つ足の動物はすいすいと進んで行く。2足歩行の方はザックカバーをはぎ取られ、このくらいでもあたふたしているザマだった。この日はケルンが有視界で見え、それらを拾うように進んで行く。


 硫黄岳登頂。寒く手が悴みだしたので手袋をする。Tシャツの上にベストを着て、その上に防寒具として雨具を着ているのだが、ザックからフリースを出そうかと迷うほどでもあった。風と寒さはこんな風だが、ガスが取れ周囲景色がいい。好天に向いているのが、青くなりつつある空の色からも判る。この風はいつまで続くのか・・・少しづつ休止間隔は増えてはいた。迷犬の服がびしょ濡れとなりここで着替える。本人に必要になるのかどうかと思う作業なのだが、服を着ていないと熊に間違えられたりするので、人間都合で着せねばならなかった。


 硫黄岳から横岳側に進むのは、2004年以来で久しぶり。動く石畳状のルートにゆっくりと足を降ろして行く。ソロの男性がすれ違う。雨具などは着ておらず長時間歩いている様子はない。硫黄岳山荘発のハイカーのようだった。その硫黄岳山荘は、休業しているのかと思ったが、発電機の音がしており営業しているのが判った。テーブル席の場所では準備をしている3名のパーティーも見える。登山道の左右にはコマクサがたくさん見える。こんな場所は犬連れが嫌われる場所だろうから、足早に通過してゆく。


 台座ノ頭への登りも足場が悪く動くものが多い。肩まで上がると、目の前に目指す大同心が見える。ここからの登山道にはフェンスが張り巡らされて景色が悪い。コマクサの植生保護の為なのだが、自然の中においての人工物が淫らだった。これらのために西側山腹を利用して台座ノ頭にアプローチすることは出来なくなっていた。以前に一度踏んではいるが、地形図にも山名事典にも掲載されていない場所であり、登頂をカウントしていなかった。今日はしっかり踏む予定で、往路にしようか復路にしようか迷ったが、フェンスを見て復路にしようと決めた。横岳側へと進んで行く。


 奥ノ院峰を見つつ進む。赤茶けた地面から、白い砂礫地面に変り、再び赤茶けた地面になる場所がある。この白くなった場所が大同心への下降点。流れやすい足許で降りだしが少し注意が必要。岩ヤの踏み跡がうっすらと続くので迷う部分は無い。鞍部に向け下って行く。鞍部は花畑で、ここにもコマクサがたくさん見られた。登り返しはハイマツの中の道で、一応刈り払ってあるので進めるが、以前は松ヤニが付いて嫌な通過点ではあった。刃物を入れてから年月が経過しヤニも付かなくなっていた。ハイマツに埋もれるようにして迷犬が抜けて行く。この辺り、ホシガラスの食い散らかしが非常に多かった。


 大同心登頂。広く居心地のいい山頂部であるが、東以外は全て切れ落ちており見下ろすと足が竦む。展望台的場所で、各方面の絵面がいい。20年前を思い出すのだが、硫黄岳南面に大きな岩穴が見える。前回もあの穴に興味を抱いたのだった。南東側を見上げると、奥ノ院峰がある。そこから小同心までを目でトレースするのだが、大同心とは条件が違うのが良く判る。踏み跡はあるが、行けるのはいざという時に抱いたり背負ったりできる中型犬までだろう。まあそこまでして連れて行く意味があるかどうかだが、それを言うとここも同じ。飼い主の満足でしかない。まああとは、岩ヤの遊び場であり踏み入れていけない場所ではないので、国定公園のコース外となる場所だが、心的負荷は少なかった。それでも平日を選んだのだが・・・。


 ヤキソバパンを分け合い、次の行動と準備をしだすと、ここまで下ってきたので、さらに下ろうと踏み跡のある南側の大同心陵へと迷犬が降りだした。見ているこちらが怖くなり慌てて呼び戻す。そして再びハイマツに潜り戻って行く。途中の露岩の場所は、迷犬は往路は飛び降りられたものの復路は這い上がれず、南側のハイマツの中を這い上がって上に出る。あとは流れやすい足場に注意しながらゆっくりと足を上げて行く。


 主稜線に戻り北進してゆく。登山道は台座ノ頭南の高みから西に振っている。白い標柱が立ち、そこから尾根上にフェンスが続く。フェンスの際を北進してゆくのだが、最初は太いハイマツの植生で伝いづらい。先ほど硫黄岳山荘で準備をしていたパーティーが登り上げてきた。そして休憩しつつずっとこちらを目で追っていた。ハイマツが終わると赤ザレの地面で歩き易い。東側斜面には沢山のシカ道が見られた。フェンスを淫らと言ったが、フェンスをしないと食害に遭ってしまうのだろう事が見えた。白い標柱から3人はまだ見ていた(笑)。


 台座ノ頭登頂。下膨れした境界標柱が横になっていた。フェンスはここで屈曲し、西側の肩に向けて降りて行っていた。そのフェンスに沿って降りて行く。フェンスの北側もコマクサの植生が多く慎重に足の置き場を選んで進む。いつしか気づいた時は、風は収まっていた。雨上がりの好天で気持ちがいいのか、イワヒバリが次々と目の前に現れる。人間を見ても犬を見てもたいして逃げようとしない。ソロの女性がすれ違う。何か言われていたが聞き取れなかった。にこやかだったので苦情ではないと思うのだが・・・。


 硫黄岳山荘前を通過し登り上げて行く。もうこの頃になると夏の日差しになっていた。隠れるところはなく汗腺の無い迷犬は口を開けだしていた。硫黄岳山頂では、ソロの若者が楽しそうに自撮りをしていた。他の登頂者もあり邪魔をしないよう南西側へと進む。こちらには御料局三角点が埋まっているのだが、珍しいもので「三等」と刻まれている。等級が刻まれている御料局点は、過去を遡ってもここでしか見たことが無い。


 露岩の中を降りて行く。向かう先の砂地の分岐に休憩者が見える。まだ雨具のズボンを履いていたので暑くてしかたなかった。分岐で脱ごうとしばしの我慢であった。その分岐は大同心を見るのにいい展望台だった。休憩していたのは男性で、御仁に向け挨拶をするが無反応。こちらを見ているのに無言。多分犬嫌いな方だろう。雨具を脱がぬままオーレン小屋方面へと降りて行く。歯槽膿漏的になった階段路に足を降ろして行く。途中その角柱をベンチ的に利用し雨具を脱ぐ。


 樹林帯に入ると4名のパーティーが休憩しており、迷犬を歓迎してくれた。途中から進路は西側に振っているが、その場所北側にも緑のロープが続いているのが見えた。峰の松目への分岐点では、松目側からトレールランナーが高速で降りて行った。やや足元が湿ってきて夏沢が近くなると泥濘な場所も増える。テント場には7張が数えられた。


 オーレン小屋通過。往路同様に足早に通過してゆく。小屋前で6名が休憩しており、夏休みの最後をここで楽しむのか児童を連れた家族連れの姿もあった。金曜日であり、土日ほどにはハイカーが居ないにせよ、それでもここからはちらほらと現れる。概ねリタイヤしたような老齢な方が多いようだった。二人のボッカがすれ違う。ヘリではなく人力で上げているオーレン小屋なのだった。木橋の手前辺りで、ご夫妻らしきパーティーに迷犬は愛でてもらえた。好きな人は寄って来てくれるので判り易い。


 夏沢鉱泉で水休憩。入り口横のカランから出しっぱなしの水を飲んでみたが、判るほどに硫黄臭がしていて気になった。もしかしたら手洗い用で飲んじゃダメだったのか・・・特には書いては無かったが・・・。ここから先はすれ違い者が増えた。時間的な事もあるだろう。何も持たないような人もおり、ハイカーも居るが、温泉マニアも歩いていたようだった。修繕された橋の所で迷犬は水浴びをしてクールダウンする。足と腹を浸け至極気持ちよさそうにしていた。そして最後の登り上げ。


 桜平ゲートには、これからスタートする3パーティーが各々離れた場所で靴を縛っていた。駐車場ではなくここで縛るって何だろう。その様子を見つつ脇を抜けて林道を登って行く。上駐車場にはまだ余裕はある感じで、ゆったりと停まっていた。着替え車を走らせると、中駐車所には12台数えられた。平日はこんな利用者数。




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