長峰        2065.4m                  
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2022.7.30(土)


  晴れ    単独    いわな橋から     行動時間:3H5M


@いわな橋南余地5:42→(26M)→A1610m取付き6:08→(77M)→B長峰7:25〜32→(52M)→C1610m林道に戻る8:24→(23M)→Dいわな橋南8:47        
                                        


 
@いわな橋南の余地からスタート。 旧林道側の現在の終点地。車が進まないよう大岩が転がしてある。 西側の林道に出る。 旧林道を進んでいる釣り師を見下ろす。
       
枝林道のゲート A1610m付近から林道を離れて取付く。 林道幅が存在する。 荒れた沢
   
林道幅の終点地。 1720m付近で谷が分かれる。南側を選ぶ。 1740m付近。 マルバタケブキの群落
       
ガラ谷 2000m付近で東尾根に乗る。 尾根の南が明るく歩き易い。 林班の杭が見られたり・・・。
       
主尾根直下にリボン。 主尾根の乗り上げる。 B長峰到着。標識類、テープの類も皆無。 B状態の良い三等点
       
Bコロッケパンと 途中の展望地から 下降は尾根を伝わず斜面を下りだす。 下草がほとんどなく伝い易い
       
ガラ谷帰り 石英が得られる谷 林道幅の終点地に戻る。 林道幅の終点地から見る谷向こうの崩落地。
       
C枝林道に戻る。林道幅の入口はここだったよう。流れにより地形が変わってしまっている。 枝林道分岐帰り。 梓川で水浴び 日影で涼やかに歩ける林道。 
       
配水所の分岐。往路はここから西の林道を選ぶのが正解。川沿いの林道は旧道で廃道化。  分岐に立つ表示。西側はキノコ山のよう。  Dいわな橋南の余地に戻る。2台分。日影でいい。  達筆標識は無くなっていた。2001年登頂時の写真。 




 長峰の初登は2001年。シャクナゲに梃子ずった記憶が強いのだが、周囲の猛者各人はそれほど労せず登頂している。伝う尾根によってだいぶ様子が違うのだろうと思えた。

 
 奥秩父の地図を見るにあたり、国師岳にしようか長峰にしようかと天秤にかけていた。平日作戦で国師を先に踏んだので、長峰が残り実行に移す。ここはバリエーションの山で、シャクナゲの植生が強い場所。大型犬が分けて進めるか判らないが、上手く場所を選べば可能と踏んだ。21年前は東麓からの尾根歩きでアプローチした。今回は東から山頂へ直上する谷を伝う事とした。

 
 3時半家を出る。西上州は25で、走って風を入れている分には涼しいが、伴って湿気も入れることになり、フロントガラスを曇らせ何度もデフロスターをかけた。割り切ってエアコンをかけて走ればいいだけだったのだが・・・。いつも立ち寄る南牧村(みなみまきむら)のセブンにはヤキソバパンが無かった。今日は運がないか、と少しマイナス思考になる。

 
 川上村の町田市の施設は、山中でありながらたくさんの車が停まっており避暑をしている様子が伺えた。それら施設を左に見て進み、いわな橋の分岐を右に入る。前回はランクルでズンズンとダート林道を進んだ。今日も取り付き点まで進んでもよかったが、歩く距離があまりにも短くなるので、いわな橋から歩くことにした。分岐から林道を20mほど進むと、右側に2台分の余地がある。ここは日陰で夏にちょうどいいスペースであった。林道への白い注意看板がある場所である。

 
 5:42行動開始。歩き出すとボルボのステーションワゴンが追い越して行った。梓川沿いで至極涼やか、ほとんど日陰で進むことが出来る。途中、配水施設がある場所に分岐があり、地形図に無い道が西に派生している。この分岐には2台停まっていた。地形図通りに川沿いを進むとすぐ、大岩が道中央に転がり、その先から道形はあやふやになった。そこに親子の二人が先行していた。先ほどのボルボの運転手であった。何も背負っておらず、何も持っていない。町田市の施設に泊まっての朝の散歩だろうか。途中で川の方へと折れて行った。道形がやっと判るような中を進んで行く。ただ、伝うにも負荷ばかり。枝分かれした道が右上に見えており、途中でルートを鞍替えする。

 
 西側の林道を進むと、旧道を伝う若者三人が下に見えた。岩屋林道を登るハイカーかとも思ったが、手にはロッドを持っていた。こちらの姿を仰ぎ見て挨拶をしてくれる。こちらから先に挨拶をとも思ったが、上から見下ろす位置であり非礼とも感じ相手の動きを待った。若者は林道の存在を気づいたようで、乗り上げてきた。

 
 梓2号橋手前で、西側の実線路に入って行く。鋭角に北西に入ってから南に進んで行く道で、2001年時は分岐点にチェーンゲートが在り、ここに車を停め出発した。この分岐点から200mほど進んだ場所に、西側に荒れ沢が見える。今日はこの谷を詰める予定。見上げるとピークが見え、長峰を見ているような印象であるが、間違いなく見えているのは1810mの岩峰である。その尾根のある北側を伝って行く。

 
 1610m地点から林道を離れ伝いやすい場所を進んで行く。草付きの場所を50mほど登ると荒れた沢の中に入る。流れがありその右岸左岸と適当に登ると林道幅の場所に出る。直登的に登っていく道なので、クローラなどを使った植林用の道だった可能性がある。乗って進むと、対岸が大崩落した場所で行き止まりとなった。ここから流れのある中を登って行く。ちなみにと沢水を飲んでみたが、癖がなく冷たく美味しいものだった。

 
 ひたすら沢筋を詰めて行く。左岸側の方が歩き易そうに見えたが、ここは意固地に拘って登る。この谷は下草がほとんどなく、バリエーションとしては楽な経路であった。1720mで進む谷が二つに分かれる。右が細く左が太い。左を選び登って行く。もうこの頃になると顕著な尾根が左に見えてくる。通常なら尾根登りがいいだろう。けど今日は拘る。

 
 食べ物が無い為か、鹿の糞も少ない。居るにはいるが、頭数が少ないような印象だった。斥候を務める迷犬も、あまり匂いを嗅ぐことをしていなかった。下草の植生は無いわけではなく、途中にはマルバタケブキの大群落があった。今年は暑いからだろうか、終わり花と言えよう黄色い花は全体に対し1割ほどしか咲いていなかった。

 
 谷は1900mを前後してガレ状になり、角の立った石が谷を埋め尽くしていた。こんな場所は肉球を刺激するのか、迷犬は嫌がる。嫌なことをさせるのも酷なので、しばらく登ったら右岸側に逃げる。もう目と鼻の先に南の尾根が近づいており、2000m付近で尾根に乗ってしまった。尾根の上はやはりシャクナゲの植生があり、概ね南斜面が伝いやすかった。少し分けるような場所もあるが、苦にならない程度であった。

 
 尾根上には林班の杭が見られ、上部の主稜線直下にはピンクのリボンも巻かれていた。三角点ポイントに対し100mほど南に登り上げているはずである。北に進んで行く。尾根頂部が密の場所は、好事家か獣か尾根の西側に踏み跡が出来ていた。ここを伝うのに、南の雨降山と混同してしまっている部分もあるのだが、現地を伝っている中でも伝った昔の記憶がなかなか思い出せずにいた。

 
 長峰登頂。達筆標識は無くなっていた。新設の私設標識もなく、人工物は三角点のみだった。マーキングの類も無く。これはこれで自然な雰囲気が強く趣のあるピークであった。距離は短いながら、どうしても暑かったようで迷犬は腹ばいになりクールダウンしている。人間でも、同じように毛皮を纏っていたら同じようになるだろう。周囲展望は無い。帰路は山頂からの東北東の尾根を伝ってみようと降りだす。コンパスも当てずに適当に進みだしたことも原因だが、なぜか往路の尾根(南)を戻っていた。何かトリックに引っかかったような印象でドキッとした。尾根の右に降りて往路の谷に戻る頭でいたので、岩峰に乗り上げた場所から右に降りだす。すると、太陽が尾根の向こう側になり異変に気付いた。南北に連なる主尾根から西に降りていたのだった。判る場所まで戻り東に下る。一度間違えたら二度間違えないよう努力するタイプなので、この後の進路は大丈夫だった(笑)。

 
 往路に伝ったガラ場を下って行くと、マルバタケブキの群落が見え、広い谷であるが往路を辿っているのが確認できた。たまに齧られたものもあるが、これだけ残っているってことは、鹿にとってもこれらは美味しくないのだろう。ガラ谷の中では、拳大の石英が切り株の上に置かれていた場所があった。これを求めて入山した人の仕業なのか、ハイカーが拾ったけど重荷で置いたのか・・・。辺りを見るとそれこそ石英だらけであった。

 
 林道幅の終点地まで戻る。最後まで伝ってみようとしたが、大水のせいかかなり荒れておりあやふやになった。それでも下側で道形を見つけ入り口は何処だったのかと探って行くと、途中で南に振って進み、その先は荒れた沢に中となった。沢の脇辺りに林道幅の入り口があり、今は大きく崩壊しているようだった。”そう言えば21年前はここから入山したような・・・” やっと記憶が蘇ってきた。

 
 ダート林道に降り立ち、あとは林道歩き。枝林道の分岐からは梓川が近接するので、迷犬を川遊びさせてゆく。こちらの意図通りに彼はお腹を冷たい水に浸け気持ちよさそうにしていた。釣り師が居たら嫌がれるだろう行為であり、上流下流はよくよく確認した。まあもう、「朝まづめ」の釣れる時間を過ぎたので居ないだろうとは思っていた。

 
 配水(貯水?)施設のある分岐に戻る。岩屋林道に行く場合は、迷わず西の道を選ばねばならない場所だった。その分岐の西側に立て看板があり、「入札山につき立入厳禁」と読めた。ここも止め山のようで、何処までの範囲か判らぬが、もし長峰も含まれていて咎められた場合は「落札額の3倍」を払わねばならなかった。そんな記述になっていた。帰路でよかった。往路に読んでいたら、少し気を重く行動しただろう。往路に見た車は無くなっていた。

 
 駐車余地に戻る。小さな虫は寄ってきたが、沢があるにしては刺し虫がいないので着替えるのに助かった。気にしていた部分であった。着替え戻って行く。町田市の敷地では、犬を連れた家族連れの姿も見られた。犬連れでも泊まれるのか・・・調べると泊まれるようだった




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