中山
890m
2022.11.26(土)
小雨時々曇り 単独 台ケ原駐車場より 行動時間:2H35M
@台ケ原駐車場6:14→(43M)→A中山峠6:57→(25M)→B中山展望台(最高点)7:22〜29→(5M)→C中山三角点峰7:34〜44→(35M)→D曲足林道登山口8:19→(30M)→E台ケ原駐車場8:49
@台ケ原駐車場から。併設の公民館側にトイレあり。 | 20号を跨いで尾白川橋を渡る。 | 猿の大群が居り、路上におしっこや糞が・・・。 | 最初の分岐。 |
馬頭観音の小さな石碑。 | 山腹の別荘地はけっこう住まいしているお宅が多い。 | 別荘地の奥に、煌々と灯るランプが見えていた。 | A中山峠。 |
A峠の道標 | いきなりの急登。ロープが流してある。自然とロープを掴んでしまっていた。 | 特異な斜めに打たれたステップ。 | 急登が終わりたおやかに |
ナラの木に大きな(直径350mmほど)虫ようが見られる。 | 870mの肩から北東尾根にリボンが降りていた。バリエーションコースがあるよう。 | 最高所一帯は伐採がされ、展望ピークが造られた。 | B展望櫓に登って行く。 |
B南側。甲斐駒がドシンとあるはずだが・・・。 | Bなんとか雪を纏った姿が見えた。 | B登ってきた西側の様子。 | B北側には八ヶ岳が見えるはずだが、この景色。 |
B東の甲府側。 | B南東側には鳳凰三山があるが・・・見えない。 | B展望櫓の様子 | B近くの日向山も見えない。 |
B小屋内部。とても綺麗に管理されていた。 | B地形図読みだと890mだが、2mほど低く書かれている。 | B東の三角点峰へ向かう。 | 三角点峰手前の分岐道標。 |
C中山三角点峰。 | C無傷の綺麗な二等点。 | C標識 | Cヤキソバパンと |
C東から見ている。起伏の多い特異な地形。 | C西から | この標識は、上の分岐点にあった方がいいような。 | 739高点で屈曲。 |
巡視路と合流 | 巡視路に乗ると快適路。 | 鉄塔から東へ下る道は、赤土路で滑り易かった。 | 木橋を渡った右岸で林道終点。 |
D曲足林道登山口 | D登山口標識 | 林道途中に四等点を案内していた。 | 四辺をしっかり守られた綺麗な四等点。 |
ここで一周。往路、この一帯に猿が居た。 | 20号を渡ると台ケ原中バス停がある。 | E台ケ原駐車場に戻る。利用している車は我が車のみだった。 |
北杜市の中山。旧の武川村と白州町との町村界の山。場所的には「南アルプスの前衛峰」と言いたいところだが、大武川と尾白川の中洲的な位置にあり独立した高みを形成している。何をどう間違えたのか、ずっと既登の山と思っていた。登ってないくせに・・・。そのことに一昨年くらいに気が付き、なんでそう思っていたのか自分でも不思議でいた。甘利山の東の、旭山と混同していたような気もする。
中山は、西の中山峠から登れば山頂まではわずかな距離。山頂で無線をしていた頃であれば、間違いなくこの経路で登っただろう。ただし今は、山全体を楽しもうと周回コースを好んで選んでいる。スタート地点は台ケ原駐車場とし、反時計回りでの周回コースで楽しむ事とした。
いつもの腰痛であれば、山行を複数回すれば治っていたこれまで。最初に左が痛くなり、次が右、これで終わりかと思ったら再び左が痛み出した。発症から20日ほど経つが未だ癒えてこない。もう若くないってことで、いろいろが治り辛くなってきていると思うことにした。こんな状態なら、中山峠からのピストンが妥当かもしれない。しかしそれでは満足できない。治らないのには訳があるよう(笑)。
3時に家を出る。野辺山でも8℃あり暖かい日であった。141号から長坂経由で白州へと降りて行く。セブンを求め20号を走っていると白州総合支所に駐車場と出ており、広く都合がいいので最初はここに停めた。その後、キジを撃ちたくなりトイレを求め台ケ原駐車場へと移動する。現地に行ってもトイレらしい建物が見えず、出物腫れ物に対しちょっと困ったのだが、東のフェンスを見るとトイレを示す表示があった。隣接している集会場の土地にトイレ舎があった。夜間でも自動点灯してくれた。夜明けを待つ。
6:14行動開始。台ケ原地区に宿場町があったことを歩いて初めて知った。20号に出て東に進み、台ケ原中バス停前から20号を跨ぐ。そして中山を仰ぎ見ながら尾白川橋を渡って行く。道なりに進むと、民家を左に見下ろすように登るようになる。とここで、視界の中に獣が動き構える。イノシシのように見えたそれはサルで、目が慣れ毛色を認識すると周囲に居るモノが次々と見えだした。猿の軍団に既に囲まれていた。舗装路面には彼らの糞と小水が彼方此方にあり異臭を放っていた。迷犬は視覚と臭覚から、かなりソワソワしだし猿に興味津々だった。曲足林道分岐の先では、左の斜面から大警戒音を放ちこちらを威嚇している個体も居た。ここまで猿が降りてきているのでは近隣住民は大変だろうと思えた。嫌なことに雨が降り出してきた。
進む先に「土の香菜園」と書かれた看板が見え、それらしい耕作地が右に広がっていた。ここを見て、先ほどの猿を思い出す。成り立つのだろうか、みな盗られてしまうのではないか・・・。この先5分ほどの場所に、トイレ付きの小屋が左に見える。周囲の斜面には、いくつもの拓いたような土地があり、別荘地として売りに出していた過去があるように見えた。それらを気にして歩いてゆくと、小さな馬頭観音の石碑が建っていた。昭和九年と読める。まだその時代には崇める風習が残っていたことになる。そしてここが昔から使われていた峠道だったことが判る。カーブの場所から実線路のショートカット道が選べるが、足場が悪そうなので、そのまま舗装路を進む。この辺りから別荘地としての建物が見えだす。かなり古いものもあり、過去の場所だと思って見ていた。がしかし、先に進むと煙が出ているお宅もあり、新築の建物も見え、マイカーがある様子からはけっこう住まいする人が居る別荘地であった。その敷地を左に見ながら登って行く。別荘地の中にきらきら光る場所があり気になった。進む先に「白州テラスキャンプ場」の看板が見え、先ほどの灯りに納得がいった。中山峠はこの別荘地のすぐ上に在った。
中山峠には車道に対してと山道に対しての大きな道標が立っていた。山道に足を進めて行くと、初めに気づくのが特異なステップで、一般的な並行ではなくジグザグに斜めに地面に打たれていた。この方が効率がいいのだろうか。土が流れていない様子からは、しっかり土留めになっているように見えた。それはいいとして、このルートは結構な急登だった。それが為にロープが長く流してあり、迷いもなく掴んでしまう。峠から山頂まではわずかな距離、汗などかかないだろうと思っていたが、辿ること数分でじっとりと背中が湿ってきていた。
820mからたおやかな尾根になる。そして870mの肩からの北東尾根には、まだ新しいピンクのリボンが降りて行っていた。もうすぐ最高所峰。こんな書き方をすると変だが、最高所峰に三角点を設置していないのと、地形図は三角点峰側に中山と書いてあるのでややこしい。なお、日本山名事典では最高所で中山としている。向かう先に櫓が見えだすと、一帯は伐採地となり造られた展望地と判る。中山としての最高点は三角点峰ではなく、この櫓のある高みとなる。
中山最高点到達。迷うことなく迷犬は櫓の階段に足をかける。階段が好きなのだった。展望場まで上がるが、生憎の展望で周囲の高峰は殆どがガスの中であった。それと判る雪を纏った甲斐駒の斜面だけが、ガスの隙間から見えていた。長居しても展望に変化はなさそうなのですぐに降りる。櫓下の小屋内はとても奇麗で、たくさんの掲示物があり、ここに関わった人や整備進捗が読めた。温度計が二つ置かれ、一つは10℃、一方は8℃を示していた。そして小屋内に置かれた山頂標識には888Mと中国人が喜びそうな標高が書かれていた。
依然雨は止まず小雨のまま推移していた。東進し5分ほどで三角点の埋まる高みに到達する。立派な解説板からは山城が在ったことが読める。周囲を細かな起伏で縁取られたような、東西に長い山頂で、とても特異な場所であった。感心したのは、二等点が無傷な事。登りやすい里山でありながら割られてないのは貴重で、このまま推移して欲しいと願う。いつものように迷犬とヤキソバパンを分ちあったら、曲足林道側へと降りて行く。この山頂西に道標があるが、そこには「曲足」の表示は無く、僅か北にもう一つ標識が在り、ここに読める。分岐の場所に在ったほうがいいだろう。
北東尾根に切られた道を降りて行く。旧道なのか、東側にも掘れた跡が見られる。739高点まで進んだら、進路が屈曲する。途中に木の道標が現れ枝道が現れる。ここで巡視路と合流したことになり、進む先に鉄塔が見えてくる。鉄塔からは東の谷側へと急下降。地面が粘土質なので雨で滑りやすかった。谷には木橋が架かり防腐剤にコールタールが塗ってあった。渡った先が林道終点で、林道幅を降りて行くと曲足林道に出合い、ここがこちらの登山口であった。中山峠同様に駐車場は無く、停める場合は路肩余地であった。
林道を西に進んで行く。通電しているのかいないのか、獣よけのワイヤーが現れ続く。小谷を跨いだ先左側に、三角点を示すプレートが見えてくる。最初、その場所は640mの高みに在るのかと見上げていたが、プレートをよく見ると「この上10m」とあり、林道のすぐ脇に在るのが判った。そうであればと拝んで行く。四辺を石で守られた、いい感じの四等点であった。西側では何人もの方が草刈りをしていた。道普請と言う事か、村の行事は多いことが見える。刈られた場所は一部、刈られてない場所はまだ広大に残っていた。左の上の方に東屋が見えた。その下山腹に「中山桜の丘公園」と看板が立っていた。斜度の強いアプローチ路が見えたが、他に本道があるのだろうと思ったら、それしかなかった。駐車場所もなく、利用者はジモティーでも居ないのではないだろうか。
中山峠への分岐に戻る。当然であるが猿の気配はもう無くなっていた。ただし路上のそれはそのまま残っていた。20号を跨ぎ、少しの距離だが宿場町内を通過してゆく。宿場の雰囲気を残した魅せる街づくりがされていた。古の石塔などは、上手にリメイクされ現在の景観に合してあった。誰かほかにも利用者が居ると思ったが、台ケ原駐車場は我が車があるのみだった。