大久保山        1108.1m                                                                                                                                                                                                
  2022.1.22(土)


  晴れ    単独     旧曽原鉱泉より     行動時間:1H58M


@曽原鉱泉西堰堤余地6:54→(6M)→A取付き尾根末端6:58→(21M)→Bカタクリ植生地7:19→(19M)→C主尾根に乗る7:38→(7M)→D大久保山7:45〜8:00→(33M)→E1018高点峰8:33→(19M)→F曽原鉱泉ゲート8:52
                   


 
@曽原鉱泉西の、堰堤上に停めてスタート。 ゲート ゲート脇の入山禁止標識と、カタクリ群生地への案内標識。 林道を右に進んだ。群生地へは直進。この場所に道標は無かった。
       
取付いた尾根。 A尾根末端には、獣道か一筋の道が在る。尾根上には道なし。イバラが続く。 A尾根末端から見るダム工事現場側。 尾根を進むと林道が横切っていた。ルートをミスしたことに気付く。
   
再びカタクリの道標(ルート修正)。東へ進む破線路を伝う。 しばらくは林道幅。 林道幅終点から沢の中に入る。かなり荒れている。 最初の木橋
       
荒れる前は伝い易い道だったよう。 途中の鹿よけフェンス。出入口あり。 Bカタクリの群生地。さらに破線路を伝う。薄い道形あり。 途中のフェンス。こちらは出入口なし。シカによって破れていた。
       
破線路の終点付近。道形はほとんど判らない。 谷が袋になり、前面全体が斜面となる。真正面を這い上がる。 C尾根に乗る。 1080m付近に、リボンと缶とペットボトルがマーキングされていた。マーキングは東の尾根へと降りて行っていたので、実線路と繋げてあるよう。
       
道形が判るようになり、山頂直下の直線路。 D大久保山登頂 D無傷の三等点 D石祠がある。
       
D木花開耶姫命と言うらしい Dヤキソバパンと D南西側の展望。広角に北アルプスが眺められる。  D甲信国境の山並みも見事。
       
D木の社で石祠が守られていたのか、木材が置かれている。 D燃えカスと網も見られた。  西尾根の岩場上。この先が唯一の危険個所。北側にも降りてみたが危険を伴う。下降する場合はザイルがあった方が安全。 岩場を南側で深く巻く。
       
核心部の露岩。西から見上げている。登り利用は左のチムニー状の中を這い上がれる。 尾根の北側にトメ山のテープが流してある。 大きな切り通し。道形は無し。 連続して切り通し。道形は無し。
       
1018高点が近づくと露岩が出だす。 E1018高点峰。  Eプラスチックの丸状の杭が見られる。  E1018高点峰から見る大久保山。 
       
E今日は王林 1018高点峰の南斜面。(振り返り撮影)破線路のある場所だが、ほとんど判らない。  尾根が明瞭になるとこの通り快適。  950mで、西側の破線路への道が分岐していた。
       
Fゲート帰り。工事が始まったようで開門していた。  F4月2日まで工事中。西側の、堰堤上も林道になっているので、駐車場所には注意が必要。    




 佐久市の飛び地であるが、旧佐久町の羽黒山と言った方が場所が特定しやすいだろう。小海線に羽黒下駅もあり、その近くに羽黒山があることが判る。そこに行きたく計画したが、あまりにも楽な場所なので近隣に登れる場所は無いかと探していた。そんな中、二つの記事を見つけた。そこには登山推奨地として佐久穂商工会のサイトに載っていた場所とあり、その名を「大久保山」と言うそうだ。その場所を地形図で見ると、確かに破線路が描かれ周回コースも選べるようになっている。サイトからは、山頂からの展望がいいとあった。悩むことなく決行とした。ただし、現在は佐久穂商工会のサイト内に紹介欄は無くなって見ることはできない。。


 コースは旧曽原鉱泉からとした。以前利用したことがある鉱泉施設であるが、残念ながらもう廃業してしまっているようだった。一筆書きで羽黒山と抱き合わせにしようとも思ったが、一帯がトメ山のようであり、季節こそ外れているがリスクを減らすため破線路のみで行動することとした。


 5時半に家を出る。佐久に入ると外気温はマイナス15まで下がっていた。読める数字の視覚的寒さからコーヒーが欲しくなりセブンに立ち寄る。臼田を経由して小海線沿いを進み羽黒下駅前を通過する。栄橋の交差点を通過し少し進むと十国峠を示す道標が現れる。左折してゆくと、その先の道標から曽原地区を案内しだす。左折して行く。


 曽原鉱泉に着くと、確かに廃業したようで灯りは無かった。その代わりに上流側で強い明かりが灯っていた。ゲートの所にはダム工事中とある。となると工事関係車両がゲート前の余地を使う可能性もあり停めない方がいいと判断できた。曽原鉱泉の敷地内にはプレハブが建てられ作業事務所が出来ていた。駐車スペースも工事車両に割り当てられているように見えた。駐車場所がなく困った。それが為に諦めるわけにはいかず周囲を探す。西の堰堤上が停められるよう。堰堤上は林道の通路であるから、そこを確保するように停めた。


 6:54行動開始。ゲートの脇にある「入山禁止」看板が気にかかる。ここに至る経路の枝道にもほとんど立てられていた。カタクリの景勝地があることから、その案内標識もある。禁止と案内とで、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなそんな場所であった。二つある看板には、地権者と借用者と、あと自治体とがあまりいい関係ではないのだろう事が判る。


 地形図からは、車道の終わりから50mほど進んだ場所に尾根に登る破線路入り口があり、ゲートを過ぎてしばらく進んで行った。ここで既に間違っていた。ゲートの所の尾根が、その破線路の尾根で、すぐに取りつくべきだった。尾根を探して林道を進むと右に林道が分岐し、その先に明瞭な尾根が見えた。”これか”と思い進むと、その尾根の末端に小さな道形があった。これだこれだと全く疑っていなかった。尾根に乗ると道形は全く見えない。棘が多く引っ掻かれながら進んで行く。ダムの工事現場が右側に見える。工事は補修と書いてあったが、新設しているように見えていた。


 進む先で林道が横切った。何か違う場所を歩いていることが判り、まずコンパスを出す。北東に向かっていた。北に向かうはずである。顕著な尾根はゲートの所と、今伝っているところしかない。最初の場所に登るのだったんだとここで気付いた。でももう戻るのが面倒なので、尾根上ではなく谷に描かれている破線路を伝う事に変更した。尾根の西側に林道が在り、進んで行くとカタクリの案内道標が現れた。ゲートからの林道を途中で右に折れたが、まっすぐ進めばここに至ったようだった。その最初の分岐には道標が無かった。


 林道幅は途中で終点となり、木橋で渡りそこより上流は歩道となっていた。沢の中には流れもある。沢の中は、ここも19号台風の影響だろう酷く荒れていた。少し進むと往時が判る道形も残っている。途中で右岸から左岸へと跨ぐとすぐに、鹿よけのフェンスがあり、開閉して抜けて行く。地形図の破線路を伝った先にカタクリの群生地は存在した。ただし経路が荒れていることを思うと、群生地も以前のままではないような気がした。雪が乗っているので正確に把握したわけでは無いが・・・。標高は950m付近。ここから北東側に進む谷に入って行く。


 少し道形らしき場所はあるが、再びフェンスが現れた先からは有耶無耶になった。このフェンスは開閉扉は無く、既に網のフェンスは破られており、そこを利用して抜けて行く。破ったのはシカの仕業だろう。明るい谷ではあるが、杣道も山道もあるようには見えず。在ったけど荒れてしまっていた。破線路の終点地もその気配はゼロ。やがて進む先が全閉されたように後ろ側以外は斜面となった。追い込み猟をするのに最高の場所に見えた。何処も登り難そうであるが、登らないと登頂は無いので伝いやすい場所を選びながら上がって行く。雪とは別に柔らかい斜面の場所だった。


 尾根に乗る。北にも南にも高みがあり、目指すは北の方。登って行くと、1080m付近にピンクのマーキングが見られた。缶も枝に被せられ、さらにはペットボトルまでひっかけられていた。ここまでのマーキングをするという事は、東の尾根を使っていることが判り、赤谷地区よりの実線路と繋げているだろうことが想像できた。ここからは山頂まで直線的な道形があった。斜上したいような勾配だが這い上がって行く。


 大久保山登頂。山名標識は無いが、代わりと言うかアカマツの大木が標識代わりに出迎えてくれる。その根元付近に石祠があり東を向いていた。と言う事は、先ほどの経路と併せて考えると、赤谷地区の方が崇めているピークと理解できる。石祠の中には女性と判る石像が見え、これは木花開耶姫命と先人の記録に書かれていた。展望は南西側と南にあり、北アルプスの連なりが望め、甲信国境の起伏が楽しめた。確かに展望ピークで、登ってのこの展望は嬉しい。三角点は南側の松の幼木の下に在った。石仏のような肌となった良い風合いの三等点だった。


 山頂で不思議なのは、パンチングメタルの網が置いてあることと、その横には燃え跡があった。何か行事がされる場所のよう。しかしながら正月飾りのようなものは無かったので、行事の風習は途絶えてしまっているようにも思えた。北尾根にトメ山の仕切り紐が降りていたので、少し降りて行ってみる。けっこう急こう配の中に青い紐が続くが、千切れ千切れになっているところが多かった。山頂に戻る。


 西進開始。尾根の北側に青い紐が続く。少し下ると、とてもいい展望地があった。大展望と言っていいだろう。その下側に核心部の露岩がある。尾根通しは人間なら通過できるが、犬は無理だった。人間でもザイルを出したいようなリスクの場所で、回避策として北斜面を降りてみた。ここもなんとか人間なら降りられる。細いバンドがありくねくねと伝えそうだが、少し降りたものの迷犬が俺は無理と鳴き声をあげた。登り返し、次は南側へと降りてみる。こちらは岩肌の中に地面が選べ、何とか降りて行けた。こちらも本当に安全通過であれば、ザイルを流して降りたいような場所であった。深く露岩の南を巻いて尾根に戻る。降りられなかった露岩の基部まで東進し見上げる。登る場合は、チムニー状になった場所が一番優しいように見えた。以西は快適尾根で、相変わらず青いロープが繋がっていた。


 途中、1040m付近だったと思うが、ロープが北に折れ進んでいた。尾根上に目障りな人工物が無くなり自然に戻る。緩斜面の尾根で快適に進んでいると、突如と切り通しが現れる。当然のように北と南に道形を探すが、それらしい跡は全く見られなかった。すぐ先にももう一つあり、状況は同じであった。北の斜面を見下ろすと、直下まで林道が上がってきていた。1000m峰を経て、1018高点峰への登りに入ると、露岩が増えだす。その途中には古いクマの糞も落ちていた。


 1018高点峰到着。グレーのプラスチックの杭が立っていた。木々の間から、先ほど居た大久保山を何とか眺める事も出来た。南に下って行くのだが、破線路が降りている場所ではあるが、南側斜面は尾根形状がハッキリ判るまでは道形は見られない。尾根がハッキリすると、その上にか細い薄い筋が走っていた。950m付近で右に分かれる道も在り、一本西の破線路と繋がっているようだった。尾根末端が近くなると棘が多くなり道形は判らなくなった。


 林道に降り立つと、スタート時に閉まっていたゲートは開け放たれていた。工事中は開けたままにしておくようであった。まかり間違って開いている時に車で入ってしまうと出られない事にもなる。閉まっている時は南京錠で施錠してあった。プレハブ事務所の中には人気は無し。堰堤上に戻ると、そこを通過している軽トラだろうトレースが雪の上に残っていた。脇に寄せておいてよかった。

 自治体で紹介していた場所ではあるが、無名ピークと言っていいだろう。でも山頂の展望はよく登って良かった。先人の二人も同じことをレポートしている。人知れずいい山がまだまだある。




 
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