男山 1851.4m
2022.10.15(土)
晴れ 単独 御所平より 行動時間:3H25M
@4号カーブ4:54→(2M)→A登山口4:56→(24M)→B峠5:20→(46M)→C林道終点6:06→(36M)→D男山6:42〜55→(24M)→E林道終点帰り7:19 →(39M)→F峠帰り7:58→(21M)→G4号カーブ8:19
@4号カーブに停めスタート。 | A登山口は村営住宅前。村営住宅には広い駐車場があるが・・・。 | B峠通過 | 最初の鉄塔。男山を見る展望場。 |
林道は終始状態がよく荒れた場所は無い。 | 二つ目の鉄塔前の広み。ここまで一般車は入れる。 | 本道から逸れる場所。 | C林道終点。経路に頭大の落石あり。 |
C林道終点から残り1km。 | 手挽坂の急登。 | 場所が違えればロープが垂らされているような場所。滑り易い岩場。 | 主稜線の下降点 |
ロープ場の下側 | C御陵山 | D男山。大展望ピーク。 | D三等点 |
D何十年立っているのだろう。長命な標識。 | D南側の一歩引いた位置に赤標識。 | D南相木ダム遠望 | D赤岳山頂 |
D東側。天狗山と奥秩父の主峰群(ガスの中)。 | D南側。南アルプスはガスの中。 | D西側。八ヶ岳もガスの中。 | D北側。浅間山系はガスの中。 |
D御座山も頂部をガスに隠し・・・。 | D富士山もこの通り。 | Dキシャヤスデが大量に発生していた。 | Dヤキソバパンと |
下降点帰り。 | E林道終点帰り。 | 二つ目の鉄塔の近くにこのように書かれている。ここまで公式に一般車は入れる。 | 最初の鉄塔から男山を見返す。 |
F峠帰り | 登山口帰り。 | 村営住宅前のこの路肩余地も停められる。ただ分岐の場所なので・・・。 | G4号カーブに戻る。名古屋からのクライマーが到着したところだった。 |
前週は馬越峠から御陵山に行った。今度は反対側の天狗山と男山なのだが、車で高度を稼いで峠からでは女々しく、男らしく御所平から登ってみたいと思っていた。その方が犬にも安全に思えた。問題は駐車なのだが、登山口周辺に公的な場所は無い。ダイレクト尾根(南西稜)が人気となり、クライマーに使われる余地を知り、もしそこがいっぱいなら信濃川上駅前に停めることにした。
2:43家を出る。何と西上州は17℃もあった。今日は初めて海ノ口から広瀬地区を経由してゆく。国道141号を走っていてはまず見る事のない村落は、けっこう住まいするお宅があり賑やかであった。川上村と佐久側を結ぶ旧道の雰囲気が強い。大蔵峠を越えて川上村に降りて行くと、目指していた余地に先客は居なかった。すぐ先に登山口があり、道向かいの建物はなんなのか気になっていた。雰囲気からは村営住宅のようだった。余地に戻る。余地には「63 第4号カーブ」と書かれていた。
4:54出発。登山口は軽量の門扉で、ゴムバンドの先にカラビナがひっかけられ、それで固定する仕様になっていた。やや狭い林道をヘッドライトを頼りに登って行く。入り口辺りは草が繁茂し、この先もこの状態なのかと思ったが、最初だけでその先は歩き易かった。上側斜面から猫のようなギャーと言う鳴き声がしていた。鹿ではないのは間違いなく、やや緊張する。
登山口から15分程で峠地形を通過する。月曜日に通過した星尾峠の様子によく似ていた。切通になり峠らしい峠であった。外気温は10℃。川上村のこの時期にしては暖かい。10℃と確認した場合、自然とそのあとは”don’t make it
bad”としばらくは鼻歌が続く。峠の先は下りで、暗い中だと向かう男山に対し離れて行ってしまうような感覚であった。5時25分ごろに夜が明け、明るくなると周囲の広葉樹の色合いが心地よく快適な林道歩きであった。
樹林帯から脱けだした場所が、最初の鉄塔で男山の姿が凛々しい。鉄塔からはこれまでに対し直線的な道が続き、しばらくすると二つ目の鉄塔が現れる。その前が広みになっていた。わずか先に、この先「一般車通行禁止」の看板が出ていた。と言う事で、二つ目の鉄塔前まではマイカーで入ってもいいようであった。ほぼ林道の本道を伝って来たが、この先で本道から枝道に逸れるよう左折する。道標があるので間違わないが、無かったら直進してしまいそうであった。
進んで行くと、明瞭な踏み跡が左に分かれていた。間違いなく南西陵に向かうクライマーの道であろう。御所平からの今は、クライマーの入山者の方が多いのだろう。左から沢音がするので、どこかで沢を跨ぐのかと思っていた。細い流れの無い沢は跨いだが、本流は別と進んで行くも跨ぐことは無かった。先ほどのが本流だったのか・・・。進む先に草が繁茂しだすと、その中に頭大の落石が見られた。荒れた場所は無い林道で、この落石もジムニークラスなら避けて通過できる。九十九を切った先を進むと、目立つ倒木のある林道終点で、道標には山頂まで1kmと書かれていた。
さあここから手挽坂でメーンイベント。手を引いて登るほどの急坂と言う事だろう、小谷の中に直登的に道が切られており、場所ば違えばロープをずっと流しておくような斜度であった。中アの傘山などは、ここより緩斜面だがロープを設置してある。その斜度に進度がガクッと落ちるのだが、迷犬は変わらぬ進度で登って行く。二駆と四駆の差がこんな時に大きく影響するようだ。なんども立ち止まっては迷犬に足を揃えてもらう。連れ上がっているようで、連れて行ってもらっている現場。
主尾根の下降点まで上がると、22年前の記憶が蘇る。”そうそう、最後はこんな岩場だった・・・”と。ロープの垂れたそこは、濡れていてよく滑る。心の支えとして在ってありがたいロープであった。迷犬は、ここでも苦も無くすいすいと登って行く。まだ7時前、速い人なら峠から到着している時間。犬嫌いな人のいない事を祈りつつ大展望ピークに向かう。
男山登頂。誰も居らず独占だった。と思ったら、と思ったら、露岩にたくさんの蠢くものが居た。三角点にもお構いなしにくっ付いていた。ムカデなら大騒ぎするが、それはヤスデで、調べると「キシャヤスデ」と言う種類で白い個体であった。地面には居らずほとんどが岩の場所に居た。と言う事は南西陵にも居るのだろう。クライマーは大変だろう。さて気を取り直して大展望を楽しむ。各方面の高い峰々はガスの中で、今日のここの選択は大正解であった。エアリアからは、この山頂は御座山の展望場になっているが、近くの御座山もガスに中だった。それでも野辺山が見渡せ、ガスの下側の景色は秀逸で目の保養になった。22年前にも見ている標識と、もう一つ八ヶ岳一帯で見る赤標識が控えめに南側に付けられていた。
ヤキソバパンを分ちあったら、秋映で水分補給しながら降りて行く。岩場は滑りやすいのでゆっくり降りていたら、迷犬は天狗山に向かうと思っていたようで進みだした。呼び戻し手挽坂を降りて行く。トリカブトの藍色と、マムシグサの赤色がとても目立っていた。林道終点に降り立ったら、まただらだらと長い林道歩きの後半。誰かに行き会うかと構えていたが誰にも会わなかった。ただ、オフロードバイカーが入ったのか、一本の細い轍が新たに刻まれていた。
登山口に戻り北進してゆくと、余地にはもう一台停められていた。クライマーが入山したんだと思ったら、まだ車内におりエンジンがかかっていた。その名古屋ナンバーのハイエースのボディーからは、アウトドアを生業にしているのが読める。降りてきたので話を聞くと、確かに名古屋から来たとのことで、迷ったがヤスデの事を伝えてあげた。知らないより知っていた方がパニックにならないだろう。御仁は”ヒルよりまし”と言っていた。確かにそうだろう。でも多勢に無勢な現地にどう思うだろう。汽車をもスリップさせたヤスデが、クライマーのスリップ事故にならなければいいが・・・。