むじな沢ノ頭 1230m 頼朝岩山(浦ノ山)
1258.8m
2022.2.5(土)
くもりのち晴れ 単独 香坂ダムより 行動時間:4H13M
@香坂ダム北余地6:42→(12M)→A閼伽流山トンネル北(林道幅終点地)6:54→(30M)→B尾根に乗る(1070m)7:24→(38M)→C1158.3三角点峰8:02〜04→(25M)→Dむじな入ノ頭8:29→(29M)→E1258.8三角点峰(頼朝岩山)8:58〜9:11→(25M)→Fむじな入ノ頭帰り9:36 →(22M)→G1158.3峰帰り9:58 →(47M)→H閼伽流山トンネル北帰り10:45 →(10M)→I香坂ダム駐車余地10:55
@香坂ダムの堰堤北西に、舗装された路肩余地がある。ここに駐車。 | パッピードリンクのある分岐を北に入る。 | 上信越道を潜る。碓氷軽井沢16。潜った先からは急登。 | A閼伽流山トンネル北。トンネルは見えないが、銘板は見える。 |
A林道幅終点地からは北に折れる道形が判る。このまま真っすぐ登ってしまった方が楽かもしれない。 | 破線路のある場所だが、全く判らない。急峻地形。 | 谷の中に炭焼き窯。 | B1070m地点で尾根に乗る。 |
1100m峰南にある奇岩。 | 奇岩の北側に赤ペンキの矢印と、左下に黄ペンキで丸が描かれていた。 | 1100m峰北側 | C1158.3三角点峰。 |
C大ぶりな御影石の三等点 | Dむじな入ノ頭(1230m峰) | Dなぜかこの場所に、これほどの詳細看板が立つ。 | 1228高点は尾根の肩。 |
1228高点側から見る東側。 | 伐採地から見る浅間山 | 伐採地は展望のいいスカイライン。 | 1258.8峰南の棚地形。 |
E1258.8三角点峰(頼朝岩山)。広く明るく心地いい場所。 | E三角点の場所には図根点の氷柱が立つ。 | E東(八風山)側の様子。 | E北(浅間山)側。 |
Eヤキソバパンと | E雪面から600mmほど下にやっと出てきた頭。 | Eなんとか三等と読める。 | E絶縁テープを残す。枝はすぐに枯れ落ちるだろうもの。 |
伐採地帰り。深いトレールが往路のもの。 | 伐採地から西側。北アルプスの連なりが綺麗。 | 1228高点帰り | Fむじな入ノ頭帰り |
1220mの分岐。各方面に赤い頭の杭が見える。 | G1158.3m峰帰り。南側にアカマツが目立つ。 | 1100mの奇岩峰帰り。 | H閼伽流山トンネル横に戻る。見える通り、林道は勾配が強い。 |
ハッピードリンクのある分岐に戻る。 | I駐車余地に戻る。 | 香坂ダムは涸れていた。水無し。 | 本日の歩数。18706歩。 |
1999年発行の「エアリアマップ軽井沢浅間」内に、それこそ図面ギリギリに掲載されている「頼朝岩」なる場所を見つけた。岩壁の名前のようであり岩峰ではないことが判るが、名前のふられたすぐ上には三角点峰がある。頼朝岩山もしくは頼朝山としてもいいような位置取り。長野県が公開している香坂村の古地図には、「アカル山」と記載され閼伽流山が見える。そして上州国境側に八風山は書かれているが、その間は山名は無い。調べると、この尾根筋はクラシックルートのようで、平尾富士と八風山を結んで歩いている方も居る。さらに分かったのは、途中の1230mピークは「むじな入ノ頭」と言う珍名座のよう。金曜日の降雪後でもあり、標高も手ごろで決行となった。
入山地点を決めるのに、無積雪期であれば、最楽は東の妙義荒船林道からの一択。下ってアプローチする形であり、冬季封鎖でもあり東からは却下。北の軽井沢も森泉山からの林道が使えるが、森泉山の記録を掲載することに対し、管理会社から苦情を言われる状況に、別荘地とは関わらない方がいいと判断できる。西の平尾富士からのラッセルでは長すぎ、最後に残る南側だが、香坂ダムよりの破線路がとても魅力的に見えた。標高こそ違うが、北アルプスは五龍への遠見尾根を見ているかのような尾根の繋がりがあり、主尾根に乗っての南側は鎧のような岩壁が連なっており、展望もいいだろうと想像できた。
ほとんど西上州と言っていい場所なので、ゆっくりと5時に家を出る。佐久に入ると外気温はマイナス8℃だった。閼伽流山に登ったのが2001年なので、香坂地区を訪れるのは21年ぶりとなる。香坂川沿いの道は、積雪の残る場所があり、踏まれ凍った場所に注意しながら車を進める。香坂ダムはすぐに判り、入山口となる分岐の場所にはゼブラゾーンが設けてあり、停められそうにも見えるが、嫌なことにハッピードリンクの場所で自動販売機が並んでいた。購入者の駐車場となっているのだった。少し離れるが、ダム堰堤の北西に、すれ違い余地のようなスペースが設けられていた。2車線路なので必要ないのだが、その不思議な余地を利用させてもらう。なにかダム湖に関わる余地なのだろうとは思う。
6:42余地をスタートし、ハッピードリンクのある分岐を北に入って行く。西側にはソーラーパネルが並び、道向かいの東側には住まいする一軒家がある。雪の乗った道を進むと、上信越道に当たる格好になり道が途切れたように見えるが、そこから左に折れ進むと、高速を潜るトンネルが現れ抜けて行く。北に抜けると林道幅は左右に分かれるが、地形図通りに西に向かう。かなり強い勾配の場所で、キックステップで登って行くと、トンネルの口が左に見える。これが閼伽流山トンネルであった。北にかすかに道形が判り少し伝うが、その先のゴーロのような中に入った時点で判らなくなった。
そもそもこの先は等高線の混みあった中に破線路の場所があり、現地を見上げると“本当にこんな場所に在るのか”と思うような場所だった。破線路の場所を伝いたいと思うが、さすがに勾配が強すぎ道の存在を疑うほどだった。積雪がある中では酷なので、谷の中央付近のゆるい傾斜の場所を九十九を切りながら伝って行く。1000m付近には炭焼き窯跡も見られたが、それに対する道形も判らなかった。向かう先の高みが明るくなってゆく。西と東の1100mピークの間の鞍部に突き上げて行く谷であった。破線路は西の尾根に繋がっているので、少しでも形跡を探そうと西側の尾根へとトラバースしてゆく。
1070m付近で尾根に乗る。雪が消しているわけではなさそうだが、道形の気配はほとんどなかった。向かう先に奇岩が立ちはだかる。東側に細いバンドがあり、滑落に注意しながら巻き上げ奇岩の北側に出る。奇岩の北壁には、赤ペンキで矢印が上向きで描かれ、基部部分には黄ペンキで丸がされていた。何のマーキングだろか。1100m峰としては、この岩の上が最高所だが、雪が乗っているので上に立つのは止めておいた。北に雪のない高みがあり、そこから東進に変わる。
同標高の高みが二つ続く。その東側の高みから北に屈曲するのだが、ここが本コースで一番大きなアップダウンとなる。落ち込む先が見えないような斜度があり、続く尾根が見えないために東に寄りすぎてしまい、鞍部が左側に見えたので修正しつつ降りて行く。帰りはこの登り返しは省力したいと思うのだった。積雪は400mmくらいで、時折赤い頭の杭が立っていた。麓側には皆無だったが、高度を増すごとにシカの足跡が増え、1110m付近からはシカのトレースに乗って尾根の南面をトラバースして進んで行く。
1158.3三角点峰に着く。意識してなければ通過してしまうが、在ることが判っていて点を見ないわけにはいかない。予想をつけ足の裏に神経を集中させると、四角いそれが感じられ掘り下げる。横を掘り下げると三等と判り、三等の割には大ぶりな御影石であった。この先は緩やかな尾根筋で、積雪の中から時折ササが顔を出していた。そう繁茂していないので、無積雪期でも伝いやすい場所だろうと思えた。
1220mの尾根の合流点に到達。赤い頭の杭が西側の道を示すように、今伝って来た南側の道を示すように、これから進む東側の道を示すように3つ立っていた。南側山腹にシカのトレースがあり、それを利用して東に進んで行く。しかしそのまま進んではむじな入ノ頭を踏まずに通過してしまうので、南麓から東側に出たら、戻るようにして最高所に立つ。
むじな入ノ頭には大きなプレートが背を向けていた。こんな場所にこんな大きな山名板なのかと思ったら、熊に対する注意看板で、かなり詳細な表記で書かれていた。誰が設置したのかと見ると、軽井沢の、あのピッキオであった。ピッキオを知らないとモグリと言われるので、知らない人はすぐに検索しよう。ここでの積雪量は600mmほどだろう、迷犬のラッセルも雪面は背に近い場所までになっていた。僅かに東に進んだ場所が1228高点の場所。先ほどの西側の高みで標高を拾っても良さそうなものを、何か意味があって最高所をズレた場所で標高をとったのだろう。
1228高点に立つと、以東は広大な伐採地で北側に遮るものが無い。心地いいスカイラインと言った感じで、遮るものは一切なく浅間山の全容が見える。右に小浅間があり、降ったにしては意外と黒い場所が目立っていた。伐採地に見える切り株は太くカラマツを切り出したようだった。シカのトレースを追う。外すと酷いラッセルだった。シカも利口で、尾根上の起伏を避けて省力の為だろう、南面をトラバースしていた。1250m峰も南を通過し、目的地の1258.8三角点峰も南を通過していた。そして真南に来たところで、最後を北に突き上げて行く。
1258.8m峰である頼朝岩山到着。少し下に岩壁があるせいか、南側はあまり切り立った感じは無かった。さらには樹木があり、想像していたような見晴らしのいい場所ではなかった。もっとも、木々の間からは見通せる。で、山頂であるが、到達してよかったと思える気持ちいい場所で、その中央部に図根点の杭が立っていた。先ほどと同じように探すも、なかなか足下に感じられない。5分ほど探したが、一度諦め周囲展望を楽しんでから、再び探す。雪面から700mmくらい掘り下げたところで、三角点の天面が現れた。何等かと南面を掘り下げると「三」と見えた。満足。これ以外に人工物は無く、東側の大ぶりな木の枝に絶縁テープを残した。東に高みが二つ見える。どちらかが八風山だが、南の方が立派なピークに見えていた。戻る。
濃くなったトレースを伝えるので、帰路はだいぶ楽になった。1228高点を経てむじな入ノ頭に戻り、その先の1220m峰から南進してゆく。上信越道が近いので通過音が上がってくる。土曜日にしては少ない交通量に感じた。曇り予報であったが、晴れて日差しが強くなってきていた。照り返しが眩しく、犬はどうなのかと見ると、さして気にしている様子は無かった。持上げたリンゴを分け合いながら迷犬と前になったり後ろになったりしながら降りて行く。
1158.3峰は、三角点を掘り出した場所が、盗掘跡のように淫らに見えた。標高を下げてゆくと雪は既に腐りだして水分量の多いべちゃべちゃとした雪となっていた。1100m峰への登り返しは、鞍部の標高をそのまま南西にトラバースし、小尾根を越えてさらに進む。かなり省力して中間鞍部に到達した。往路もこのルートどりの方が良かった。次は奇岩峰で、北からよく見ると、南西諸島によく見られる石像のようにも見えた。再び東側の細いバンドを通って南に出る。
1100mの奇岩峰からは、東の谷には下りずに、そのまま尾根を伝って1030m付近まで行ってみた。がしかし地形図を見ての通りの急峻地形で、そこから東へは下りられなかった。そのまま閼伽流山トンネル上を通過し南に降りようとも思ったが、たまたまそこに北にトラバースしてゆくシカのトレースがあり、使わせてもらい谷の中に戻った。往路のトレースを見つけ辿って戻る。閼伽流山トンネルの脇は、排気ガスがトンネルから出て上にあがってくるのだろう、排ガスの濃度が濃く感じられた。高速下を潜って南に出る。アスファルト舗装の路面はだいぶ融雪が進んでいた。
ハッピードリンクのある分岐まで戻り、駐車余地までに香坂ダムの堰堤があるので寄り道してゆく。驚いたことにダムの中には水が無かった。こんなに立派なダムなのに水を湛えていないとは・・・。車に戻る。
クラシックルートと知る事となったが、現役の登山対象の場所としてもっと歩かれてもいい楽しいルートであった。途中に妙義荒船林道が切られているので、出くわすと拍子抜けする感じなんだろうとは思う。その林道を使い八風山に楽に登れるようになった。歩かれなくなった理由も判る気がする。