三ッ峰山
1315m 榛名旭岳
1236m
相馬山
1411m
2023.1.28(土)
晴れ 単独 松之沢グランドから 行動時間:3H43M
@松之沢グランド6:55→(40M)→A三ッ峰山7:35〜37→(32M)→B榛名旭岳8:09〜17→(31M)→C行人洞(磨墨岩)8:48〜49→(44M)→D相馬山9:33〜43→(55M)→D松之沢グランド10:38
@松之沢グランドは獣除けの電線が張り巡らされていた。その際を通り谷の破線路の場所を進む。 | 谷のルートは道形は消滅していた。 | つつじ峠の西側で登山道に乗る。 | 階段の連続 |
長い長い階段路が連続する。 | 1230m峰の分岐 | これまでの尾根道が太いので、分岐からの道が細く感じる。 | A三ッ峰山登頂 |
A私設標識が一つ。 | Aこの石祠はお坊さんが設置したように読める。 | 1230m峰帰り | 長い階段路を戻る。 |
左に相馬山。右に榛名旭岳。 | つつじ峠 | 山頂直下は岩風味。 | B榛名旭岳登頂。 |
Bヤキソバパンと | B私設標識 | B北西 | B北東 |
B南東 | B南 | B西 | B「黒岩」上の双耳峰。 |
Bメロディーラインの直線路。 | B榛名湖は今年も完全結氷しなかった。 | 車道を跨ぐ。 | 磨墨峠側へと向かう。 |
C行人洞に寄る。 | 磨墨峠通過 | 最初の鳥居 | 1番目の梯子場は登れず北斜面を巻き上げる。 |
2番目の梯子場。ここは脇を這い上がる。 | 3番目の梯子場。登ったが、帰り降りられず、右の石碑側を使う。 | Dここが相馬山の最高所。鳥居は新潟競馬場寄贈。 | D相馬山の石塔群前。 |
D南 | D標識の上には20mmほど積もっていた。 | D小屋内には暖機も置かれていた。 | 3番目の梯子場は降りられず、南側を使って下る。 |
2番目は梯子の脇を難なく。 | 1番目はほとんど無理で、北側の谷地形を使い大きく巻く。下ってきた場所を振り返る。 | 「心明霊神」の石碑の場所に降りてきた。 | 磨墨峠帰り |
E松之沢グランドに戻る。 | E付近を散策したハイカーが他にも・・・。 |
25日、今年も榛名湖での氷上ワカサギ釣りが中止と発表された。結氷しなかったことが原因なのだが、24日よりの大寒波で大騒ぎの国内、普通に凍りやすい条件と思っていたが、相反する状況に”そんなわけないだろう”と思ってしまった。ここは一見に如かずで現地を見てみたいと思った。
ほとんど踏んでしまった榛名山系であるが、最近知った「榛名旭岳」は未踏座であった。地形図にもエアリアマップにも記載はなく、山岳移動ランキングでも有効座ではなかったので、全くノーマークの場所であった。今回の目的地としたが、この場所だけではあまりにも距離が短いので、三ッ峰山と相馬山を抱き合わせにして行動することにした。湖面を高みから見下ろし、現在の様子をしかと見ようと言う魂胆であった。
箕郷町の方から上がる手段もあるが、道は狭く除雪状況も不明な事から、榛名神社経由で湖畔に上がることにした。上室田では積雪は無かったが、榛名神社を過ぎると覆いだし、回転灯を回しながらの除雪車が動いていた。外気温はマイナス9℃で、勾配の強い場所はタイヤがグリップせず空転していた。除雪していない方が走りやすいと思ってしまう。まあ除雪の重要性は融雪を速める為でもあるから文句は言えない。天神峠からは静かに降りて行く。と、湖面が見える。確かに凍っていない。冷え込んでも、風があると凍らないのだそうだ。
松之沢グランドの駐車場に到着。まだ誰も居らず無垢の雪面だった。前夜からの積雪量は20〜30mmほどだろう。すぐに準備に入る。机上の予定では、グランドを横切って谷の破線路に乗ろうと思っていた。しかしグランドの周囲には獣よけの電線が張られていた。湖畔にもシカが多いのか、グランドを荒らすほどに居るのかと不思議だった。雪の無い状態のグランドを見ていないので、想像するしかないのだが、芝でも敷かれたのだろうか・・・。
6:55行動開始。グランドの電線の際を進んで行く。グランドの南端から破線路が在るはずだが、笹の植生の中にはそれらしい筋は見当たらなかった。笹は膝丈で全く負荷にならない程度であった。大きく左右に振りながら歩いたが、結局道形に乗ることは無かった。適当に突き上げて行くと、尾根の北側が少し分けて進む植生があり、抜け出すと縦走路に乗った。つつじ峠の15mほど西だった。
尾根上の階段路を登って行く。人工的過ぎて登山道な感じがしない。公園山のような雰囲気になってしまっていた。勾配が強く滑りやすい地形であり、以前は靴のエッジでブレーキをかけながら伝った記憶の場所だった。そして1230m峰から進路を南に振る。防火帯のような広さのよく整備された道から、こちらに入るとやっと登山らしくなる印象だった。まだ誰も入山しておらず無垢の雪が覆っていた。
三ッ峰山登頂。前回も1月で、ちょうど23年ぶりとなる懐かしい山頂であった。祠の刻みを見ると、箕輪村だった頃だろう、お坊さんが設置したように読めた。木々の間から榛名湖が見える。ここからは半分凍っていないように見えていた。達筆でもあり彫刻された私設標識がいい味わいであった。やや耳障りなのは、南の採石場からの作業音だった。絶え間なく削岩音が続いていた。さて戻って行く。本日はこの次が本命。
階段を下るのだが、途中で飽きてしまい、迷犬共々地面を伝って行く。向かう先に相馬山がデンとあり、その右に太刀持ちのような位置取りで榛名旭岳があった。つつじ峠には、いたずら書きと併せ小さな榛名旭岳を示す道標が打たれていた。以前は何もなかったと記憶しているが、今でもこのマイナーさはどうしてだろうか。地形図からは顕著なピークである。峠からの最初は伝い易いが、山頂直下からは岩混じりとなる。どんな地形なのかと緊張しながら伝って行く。吹き曝しの場所で、北風がやや強く当たっていた。
榛名旭岳登頂。「山」と付く場所より、「岳」と付く場所の方が険しい印象だが、ここもそうだった。東西に長く、展望は360度得られ大展望ピークであった。こんないい場所が未踏だったとは・・・。東側には磨墨岩が見下ろせ、北側には流麗な榛名富士があり、その麓側からはメロディーラインの音が上がってきていた。ヤキソバパンを迷犬と分かち合う。マイナーな場所なのは、もしかしたら山頂の広さからなのかもしれないと思えた。多分、5人も居たらいっぱいな感じだろうと思えた。その狭さゆえに、一人静かにここに佇めるのは心地いい。今日は富士山は見えないが、筑波山は見えていた。三ッ峰山と少しだけ角度が変わっただけだが、ここから見ると、榛名湖は2/3が凍っていないように見えていた。
つつじ峠に戻り、松之沢峠側に戻るのだが、地形図の破線路の分岐を気にしていたが、やはりそれらしい場所は目に入ってこなかった。公的には東からの登山道一本になってしまったようだった。車道を跨ぎ、次は相馬山側へと進んで行く。向かうものの、相馬山の西斜面は鎖場と梯子場の連続。大型犬が抜けられるかどうかは、現地に行かないと判らなかった。
野草が覆う登山道で、雪が乗っているのでストックで払いながら進んで行く。磨墨岩が近くなり、登って行こうかとも思うが、ここの逃げようがない梯子場は犬には無理だろうと、見上げるだけで通過してゆく。それでも御利益がありそうなので、行人洞には寄って行く。磨墨峠を経て、またこちらも階段路が続く。そして赤い鳥居が見え核心部に入って行く。大型犬が登れるのか否か。幸い、まだ入山者はおらずトレースは無かった。時間をかけて登るコースを探れることになる。
岩を踏みながら進み、最初の梯子場となる。迷犬は途中まで登り、それ以上進めないので地団太を踏んだような仕草をしていた。上に行けないのでもどかしいのだろう。少しだけなら持ち上げてもいいが、その先も、またその先も抱き上げねばならないので迂回することにした。う回路が見つからねばここで断念だった。北側に回ると、急ではあるが這い上がれる地形で迷犬も付いてくる。難なく巻き上げられ梯子の上に出た。二つ目の梯子場は、梯子の南側を登って行け、人間も梯子を使うより伝い易かった。最初にここに来た時、連続する梯子場にとても負荷を感じたが、23年経つとそこまででは無かった。いろんな経験をして来たって事なのだが、だからこそ緊張しないと危険と思えた。雪のある時期、ハイカーによってはアイゼン装着で登るだろう。一人と一匹は長靴と素足であった。
3つ目の梯子場は、途中一回だけ抱き上げてやり上に出る。これですべての梯子場クリアーで、あとは危険個所は無い。まあ同じ場所を下山しなければならないので、危険個所は無いと言うのは違うかもしれないが・・・。迷犬も登れない場所が現れ、そこを通過してきたので疲れたのか、雪面にゴロゴロしだし雪を体に纏わりつけていた。各梯子場の下山方法を考えながら、足は山頂へと向けて行く。やや雲の多い日で、日差しが途切れる時間もあるが、太陽が姿を現すととても暖かくなった。それでも外気温はマイナス10℃であった。
相馬山山頂到着。最高所は西の場所で、少し進むと黒髪山神社の社がある信心の場所らしい風景となる。この高みにして南にはトイレもあり、そこからはメジャーなピークと言えるだろう。オンマ谷からのルートが廃道になった今は、アプローチは西からしかなく、無垢の雪を伝って来た我々は山頂を独占となった。南側の展望はすこぶるよく、その背景には並ぶ石像もみな南を向いているので、群集心理と言うかよりよく見えるのであった。東側と南側のルート入口には「下山を禁止します」と注意書きが出ていた。ここもまた23年ぶりで懐かしい山頂風景であった。神社併設の避難小屋内には、炭とコンロが置かれ暖が取れるようになっていた。祭事の時に使うのだろう。さて下山。梯子場の下に降り立たないと緊張は解けない。
まず上段の梯子は、一部抱き上げた場所。降りられずに南の尾根側にある細い踏み跡を使う。石碑の裏を通るようにして梯子下に出た。中段の梯子は問題なく梯子南側を伝って降りた。そして最後の下段の梯子場。往路の斜面を降りだすも、迷犬は嫌がって降りなかった。登れても降りられない急峻と言うことになった。近辺で2回ほど下降を促したが、全てダメだった。このままではマズイとややドキドキする。大きく北に振ると谷地形があり、その中を下って行く。ただ北に降りてはダメなので、少しづつ西に足先を向けて降りて行く。途中には獣だろうか、昔道だろうか、伝っている形跡があり、進んだ先には石碑があり、「心明霊神」と彫られていた。
登山道を戻って行くと、磨墨峠で初めて他の入山者のトレースが見られた。進路は峠から磨墨岩の方へと進んでいた。峠からは松之沢グランドへと進んで行く。新たに犬連れのトレースも現れ、肉球の痕が残るそれらからは、犬の動きが想像できるほどであった。広く平らで心地よく、伊香保側からの車もあり、都度「静かな湖畔」が流れる(メロディーライン)。面白いことに、積雪が覆っていても奏でるのであった。凹凸での音なので、そのまま均等に雪が乗るのだから鳴るって事なのだろう。
松之沢グランドに戻る。見られたトレースの主だろう男性二人が、帰り支度をしているところだった。着替え、天神峠から降りて行くとスリップした跡が長く残っていた。ブレーキペダルに足を乗せたままセカンドギアで降りて行く。