柏木山        1215.2m                                                                                                                                                                                                      
  2023.2.18(土)


  晴れ    単独    東尾根より      行動時間:1H14M


@1008高点西6:39→(2M)→A1000m地点山道入口6:41→(10M)→B東尾根破線路地点6:51→(25M)→C柏木山7:16〜20→(19M)→D1180m東下降点7:39→(11M)→D林道に戻る7:50〜52→(1M)→E1008高点西7:53 
                                                                                                                                           


 
@1008高点西の、枝林道入口(チェーンゲート)からスタート。 A1000m地点の山道入口 A道標 道形はひたすら南進してゆく。東尾根に乗った辺りで西進に切り替える。
       
B1040mの破線路(消失)を跨いだ先より、尾根に道形が現れる。刈り払いされている。 尾根上に境界標柱が続く。 リボンも続く 1130m付近まで膝附の急峻で、ここで少し緩む。
   
1170m峰 刃物痕が見られる。 南峰(痩せ尾根) C柏木山(東から)
     
C標識と四等点 C御料局三角点 C柏木山から相馬山(左)と二ッ岳(右)。 C西から。狭い頂部。
       
Cヤキソバパンと C浅間山 1200m鞍部の真新しい伐採痕。 1200m鞍部から1220m峰への急登。
       
1200mの相馬山への下降点 1200m下降点から見る相馬山。 D1180mから東へは青い荷紐が降りて行っている。ここからしばらくは道形は薄い。 1140m付近。道形が見えだすと急に立派になる。
       
谷地形を降りてゆくと、林道を跨ぐ水路の場所に出る。 E林道に戻る。 出た場所の北には保安林看板がある。 E出た場所を振り返る。谷に道形が在るが、マーキングは無く谷への道形は薄い。
       
残雪で遊びながら戻って行く。 E枝林道入口に戻る。 路面は凍結しテカテカツルツル。 富士見峠から


 柏木山の存在を、最近まで知らなかった。榛名旭岳や黒岩の情報を見ている時に、付近である柏木山の存在を知ることになった。山名は三角点名からのようであるが、名前の付けられた未踏の場所が見つかったことはありがたい。検索すると、つつじが丘がある北側からと、ガラメキ温泉のある南側からのアプローチが見られる。天秤にかけた場合、迷犬を雪で喜ばせたいので北から入ろうと思ったが、山体の東側に地形図上に破線路が描かれており気になった。それを見ると、クルっと周回できそうに見えてしまう。しかしこの道は不思議な道で、林道と並走するように描かれてはいるが、林道と接する場所は無い。一番近接するのが1008高点西の場所で、机上ではここから取り付こうと思った。引っかかるのは林道上の残雪具合で、車で楽が出来るか否かは現地入りしてみないと判らない。

 
 5:15家を出て、相馬ヶ原駐屯地を巻き込むようにして富士見峠に上がって行く。峠からの高崎の夜景は奇麗だった。ここまでは雪を気にせず進んでこられたが、ここから先が冷や冷やもので、ツルツルテカテカの雪面で帰りのことを考えながら進んでいた。幸いこの日はこの状態を予想して四駆で来ていて、スタッドレスも食いついてくれ進んで行くことが出来た。外気温はマイナス2℃。心臓に悪い斜度が続き、入ってきてしまったことを若干悔いる。

 
 1008高点の150mほど南に、西側に道標の立つ場所があり、ここから山道が南側に入っていた。破線路の入り口はここなのかと思えた。とりあえずと、予定していた1008高点西に進むと、高点側へ降りる枝林道が在り、こちらの方が近距離なので枝林道入口に停める。当初は破線路を西に突き上げる予定をしていた。枝林道側はチェーンゲートがされており、轍もなく冬季は使われていないようだった。西の植林斜面を見るが、破線路が在るようには見えない。棚のような地形は無く、ただただ斜面だった。道の位置が変わり、その答えを導いてくれるのが先ほど見た山道なのかと思えた。気になったまま後に残すのが嫌いなので、伝ってみることにした。


 6:39登ってきた林道を山道の入り口まで降りて行く。ここは広い余地があり駐車適地であった。山道に枝道は無く、北に進むのではなく南に進んでいた。最初は尾根を巻くために南に進み、いずれ北に進みだすと予想した。しかししかし南に進み続け、伝って行くと柏木山よりの東尾根に乗り上げた。完全に予定と逆行で、道形はここから南東側に進んでいた。計画を変え、ここから東尾根を突き上げてみることにした。道形を離れ尾根を西に登って行く。マーキングが見られ、好事家が伝っているのが見える。そして榛名一帯に見られる青い荷紐もこの一帯にたくさん縛られていた。

 
 地形図からは、東尾根の1040m付近を破線路が南北に横切るのだが、現地は獣道のような踏み跡があり、何となく名残が確認できた。ただし、やはり斜面で道形の幅は100mmとか150mmほどで、道が在ったようには見えなかった。それよりも驚いたのは、この場所から西に、尾根上に刈り払いがされていたことだった。そう古いものではなく、近年の作業に見えた。ただ、刈り払いされてはいるがかなりの急登で登り辛い。それでもこの刈払いのまま山頂まで連れて行ってくれるのなら、かなり省力出来る。と言うのも、破線路は廃道だろうと、ササ漕ぎや藪漕ぎも想定して来ていた。直登的に登れるルートが存在するとは・・・完全に想定外だった。

 尾根上には境界標柱も埋められ、林班の境でもあるようだった。急登から解放されるのが1130m付近で、以降で勾配は緩む。そして東側の手前峰となる、1170m峰に乗り上げる。目の前に柏木山があるのだが、その柏木山よりその向こうの相馬山が凛々しく目を奪われてしまう。一度下り、鞍部まで行くと、この付近には伐木した痕も見られた。以西で道形は薄くなり、市村界尾根への最後は再び急登が待っていた。

 
 乗り上げた場所が柏木山ではなく、柏木山の南に痩せた高みがあり、ここを経て北に進むと、四等点と御料局三角点のある柏木山に到着する。標識は四等点に寄りかかっていた。予想より狭い山頂で、二人も居れば満席な感じであった。そんな突峰なので展望はいい。現物を見たことはないが、マッターホルンのような相馬山がかっこいい。1時間から1.5時間ほど格闘するかと思っていたが、東尾根を使い30分台で登れてしまったのは、ちと拍子抜けでもあった。東側にはフジオカTK氏の古い荷紐も結ばれていた。ヤキソバパンを迷犬と分かち合い、帰路は北進してゆく。

 進んで行くと、北の1210m峰の北側鞍部には、真新しい伐採痕が尾根上に見られた。この先から犬連れのトレースが見られた。最初、足跡は中型獣かと思っていたが、人間の足跡も見られるようになり犬連れと判断できた。柏木山を踏んだのか、はたまたま相馬山へ行く途中に下降点を見過ごしてしまったのか・・・。その下降点には沢山のマーキングが縛られていた。北東側に進み破線路の下降点を探す。ルートが尾根から東にオフセットした場所付近から、例の青い荷紐が東に降りて行っていた。荷紐の下には、薄い踏み跡があり、紐が破線路の場所を導いているようだった。

 上部は薄かったが、1140m付近からは歩道のような道幅が現れた。伝ってゆくと谷形状になった。本谷の方は南にあり、それとは違う山の細かいひだの間の谷を伝ってゆく。スマホで地形図を見るが、この道は破線の位置より南にあった。ログからは、1120m以上までは破線路上を伝っていたが、以降では南に逸れて歩いていた。そして、1030mで破線路を横切る形になるが、全くそれらしい道は左右に見えなかった。これほどに消えてしまうのかと不思議であった。

 林道が近くなると、分岐路が現れる。登路として使う場合、今伝って来た道(西進)と、分かれる道(北進)と、谷(西進)との3つの選択肢となり少し迷う場所だろう。マーキングの類は無かった。進む先に林道のガードレールが高く見え、その下の導水管へと進んで行く形となる。トンネルが好きな迷犬は、喜んで入って行っていた。谷の右岸側から舗装林道に戻る。林道に出た場所の15mほど北に保安林の掲示板が見られた。山道はあったものの、そこに導くマーキング類は林道沿いには無かった。

 南に下り、枝林道入口の駐車余地に戻る。

 振り返る。東尾根が柏木山への最短路で間違いないだろう。刈り払いや伐採痕を見ると、ルートを付けるのかと思ってしまうが、時間が経過すると答えは判るだろう。南の1090高点側を絡め、市村界尾根を長く伝うのも面白そう。「消えた破線路」を現存している時に伝ったことがある人は居るのだろうか。戦後アメリカにガラメキ温泉付近が接収された時に、地図上から道が消されたのかもしれない。那須塩原の自衛隊道路のように。南で途切れているのは至極不可解。謎が深まる。

  

      
                                                                         戻る