破風山 1067.9m
2010.12.31(金)
晴れ 単独 北山林道側ゲートより 行動時間1H11M
@ゲート9:55→(4M)→Aコンクリート舗装道入り口9:59→(4M)→B舗装終点10:03→(12M)→C林道(本道)に乗る10:15→(2M)→D林道終点(送電線鉄塔)10:17→(3M)→E尾根取付き点10:20→(8M)→F破風山10:28〜33→(8M)→G林道終点帰り10:41→(29M)→Hゲート11:10
@山頂直下へ続く林道入り口にはゲートあり。 | Aゲートから歩き出すと、途中に地形図に現われない道が上がっている。ここを伝う。 | Bコンクリート舗装の切れたところは十字路。ルートが判らず真っ直ぐ進む。 | イバラの多い作業道。 |
Cルートが無くなり、斜面を駆け上がり林道に乗る。 | D林道終点地。山頂を示す道標もある。 | 鉄塔下に来ると山頂が見えてくる。 | E尾根への取付き点。 |
E取付き点にある道標。 | 尾根の様子 | カモシカが出迎えてくれる。 | F山頂の祠。 |
F四等点 | F3枚の私的な標識が下げられている。 | F大きな反射板 | F山頂の北側に行政の標識がある。 |
F山頂から上越国境側。 | F山頂北側は岩場で、切れ落ちている。 | F東側の尾根。ルートがある様子。 | F反射板の銘板。 |
カモシカが同じ場所で待っていてくれた。 | G林道終点に戻る。 | G林道終点から小野子山側。 | 分岐。ここにも破風山を示す道標がある。 |
往路に伝ったコンクリート舗装路。 | Hゲートに戻る | H駐車の様子。 |
大晦日。今日が2010年の登り納め。前日からの気胸が治らず痛いまま。腰痛も完治せず、オンボロな体もここまでくると笑えてしまう。それでも出かけるのは、もっと酷い病気にかかっているように思うのだが・・・。馬鹿さ加減をひけらかすのはこの辺りとして、短時間でピークが踏めそうな場所を探す。あともう一つ重要懸案があり、榛名の「ガラメキ温泉」を探し出そうと思っていた。じつは、前日に探したのだが見つからなかった。2010年の集大成として是が非でも見つけ出したいと思っていた。前日に見つからなかったことで、我が山勘の悪さが判ったのだが、ここは年内中にきっちり修正しておかねば、新しい年を迎えられないとも思っていた。そんなこんなで、榛名周辺から手頃な場所を探す。
見つけた場所は、高山村とみなかみ町の境の破風山。林道が高い位置まで上がっており、それを伝って行けば、楽々踏めるだろうと考えた。お日様がしっかりと上がってから、のんびりと現地へ向かう。渋川からは、上越新幹線の上を通るように三国街道を伝って中山峠を越えて行く。ここからは榛名側がすばらしく綺麗に見える。そして高山村に下り、国道145号を跨いでそのまま北進。途中で「関越ゴルフ倶楽部」の道標に導かれ西進する。そのゴルフ場の西側の林道をアプローチに使おうと思っており、狭い村落内の道を進む。そして役原地区内の分岐点で北に入り、ズンズンと行く。途中から幅の狭いダートになり、左右の雑草でボディーがギーギー・キューキューと悲鳴を上げていた。林道には雪も乗り、時折タイヤが空転しながら駆け上がって行く。そして途中で舗装路に出る。これが北山林道か。植林された整然と並ぶ様子を左右に見ながら緩やかに高度を上げて行く。雪の上には軽トラらしい轍がある。猟師なのだろう。今日も注意せねば・・・。
山頂直下まで上がっている林道分岐点に着き、ハンドルを左に切って20m。なんと、そこで林道はゲートされていた。このゲートの存在は地図からは読めずに来ており、少しショック。もう少しのところで・・・と目の前のゲートを歯痒く思う。歩けるのか、この距離。少し肺と相談せねばならなかった。ダメ元で、ゲート前から林道の本道に戻り、西側に進んでみた。しばらく進み、峠のような場所から下り込みになった。日陰で雪が多く、さらには凍っている。暮れでありニュースになることは極力避けたい。ギャンブルは止め、先ほどの場所まで戻る。そこからカーナビで山頂までカーソルを移動すると、直線距離で750mほどある。くねくねとしている林道は、おそらく2キロほどはあり、登り30分くらいか。でも雪が乗っているから、そう簡単には・・・。
9:55ゲートを越えて行く。このゲートは、通常林道にあるゲートと異なり、簡単な仕掛けになっていた。現在は南京錠で施錠されているのだが、これを壊して中に入って行く人が居るらしい。その事に対する注意書きが、強烈な文字遣いで書いてあった。ゆっくりと歩き出し、さあ林道歩きを・・・と思っていた矢先、緑色の破風山の道標が右側に現われた。ここには地形図に無い道が北側に上がっており、これなら短時間で踏めるのではと俄に嬉しくなる。コンクリート舗装された道は新しく、なんか良い気分。やや急登な感じが、積雪期には辛い部分でもあったが・・・。しかし伝って行くと僅か先で舗装は終わり、そこは十字路となっていた。進める方向が3カ所。そのどの方向にも道標がない。先ほどの入り口であれほどの案内看板を出したのなら、ここでも欲しいところ。当然迷うのだが、短時間で上を目指すべく、直進する道を選ぶ。肺からプクプクとエアー漏れがし、酷く背中が痛む。歩調をゆっくりとし、呼吸量を絞る。
舗装が終わった先からは、道形が先に続くものの、イバラが多く引っかかれながらの行脚となった。トゲに注意して摘み、それらを跳ね返らないように避けながら進む。これならそのまま林道を伝っていた方が良かったような。植林地の中なので、やや圧迫感があるルート。そしてクネクネトしていて、その為に前方の視界が得られない感じ。道形を追って伝って行くと、なんと道形は消滅してしまった。どうも分岐からの直進コースはNGのようであった。右か左が正解のようだが、こうなるともう判らない。上を見るとガードレールが見え、そこが林道だと判る。斜面を這い上がって、ガードレールを跨ぎ林道に乗る。林道の上には、たくさんの野生動物の足跡。来年は兎年。兎の足跡を選んでついて行く。目指す先に大きな鉄塔が見える。そこに向け林道を上って行くと、その最終地点に再び破風山の方向を指す標識が現われた。先程の事があるので、どこからか登山道が上がってきているのではないかと周囲を探したが、それらしきものは見当たらず。となると、分岐は左が正解だったのか。
鉄塔を左から巻くような道形があり、伝って行くと、歩道と言うより林道と言った方が良いほどの立派な直線的な道形が北に上がっていた。そして再び道標が現われる。北の「五領方面」と、南の「北山林道」の方向を示し、その道向かいに鉄塔側にやや背を向けるように、取付き点を示す道標が建っていた。これまでの道から逸れて尾根に取付く。最初こそ快適な尾根道だが、途中からかなり急登となる。落ち葉に足を取られ、雪に足を取られ・・・。するとすぐ目の前の雑木の中で大きな物体が動いた。それは雄のカモシカだった。距離にして5mほど。モケモケの体に、愛くるしい表情をしてこちらを見ている。誰も居ない山頂を思っていたが、今年最後にして嬉しい出迎えであった。しばし立ち止まり、無言の会話が始まる。カモシカは逃げもせず、じっとしたまま動こうとしない。ここで私が猟師なら、硝煙の臭いで獣はすぐに逃げると言う。静かにカモシカの脇を通り山頂に向かう。その間もカモシカは自然体のまま堂々としたもの。ここの主か・・・。
破風山山頂到着。最初に祠が目に入り、その先に四等点が雪から顔を出していた。その脇に私的な山頂標識が3枚下がり、その北側に「南妙法蓮華経嘱累品第二十二」と書かれた木片が立っていた。そこから北を見ると、大きな反射板が見える。周囲何処を見ても、作業道が無いので、建設の荷揚げにはヘリを使ったようだ。その反射板の北西に、行政の山頂標識が、木に隠れるように建っていた。上越国境の方は雪雲に隠れて見えないが、場所によっては白い頂が見えていた。足元の雪の下は岩場のようで、垂直に20mほど切れ落ちていた。反射板から東には顕著な尾根が進み、その頂部には道形があるようであった。反射板には、その詳細が書かれた銘板が取り付けられて居り、それがここの山名板のようでもあった。往路を戻る。
自分のトレースをなぞるように降りて行くと、なんと先ほどの場所にカモシカはそのまま待っていた。こちらを見据えて、なにか語りかけているような感じ。またまた数分対峙する。見るほどに可愛く感じ、そのモケモケの体を撫でたくもなる。この距離で逃げないのなら、可能なのではないかとも思えた。「撃たれるんじゃないぞ」と伝え、背を向ける。降りながら振り返ると、山頂に向かってゆっくりと歩いて行っていた。“そっか、山頂に行きたかった所を、俺が邪魔をしたのか・・・”と判った。鉄塔を経て、林道終点に戻る。そしてここからは林道を忠実に伝って行くことにした。その間も、どこからか登山道が合流している場所はないかと注意しながら降りていった。
北西に向かう林道は、しばらく登り勾配。その登りが終わると分岐となり、そこにまた破風山の道標が立っていた。林道には新しい轍があり、何処からか車が入れるのか。もしくは不法侵入か、はたまた地元の猟師か・・・。クネクネと曲がりくねる林道を下って行くのだが、ここで後悔。スキーに最適の状況なのだった。林道を歩く頭は無かったので持ってこなかったのだが、履いて上がって来れば快適な林間コースな感じで滑れる場所であった。そして下のゲートが近くなる頃に沢を一つ越えるのだが、その周辺では、自然薯を掘った跡が無数に残っていた。往路に伝ったコンクリート舗装の道を左に見るが、結局あの分岐点から何処に進むのが正解だったのか・・・この時点でも判らなかった。
ゲートに戻り、次の長見山へ向かう。帰りは往路の狭い林道は避けて、舗装林道をそのまま伝ってみた。雪の乗った林道は楽しく。スタッドレスに物を言わせて、グイグイと走ってゆく。ただし凍った場所もあるので、ノロノロと降りる場所もあり・・・。国道145に出た場所は、戸室交差点の東の場所だった。