アカンダナ山   2109.4m          白谷山      2188m    
 
 
 2004.3.17   


   晴れ    同行者あり    スキー     平湯バスターミナルよりR158号を伝う    行動時間:9H27M


@平湯バスターミナル5:43→(7M)→AR158最初のゲート5:50→(13M)→B二番目のゲート6:03→(65M)→C安房平西端7:08→(184M)→Dアカンダナ山10:12〜31→(94M)→E白谷山12:05〜15→(29M)→F白谷山南側コル12:44→(49M)→Gアカンダナ山東側コル下降点13:33〜14:00→(26M)→HR158に乗る14:26→(38M)→Iゲート15:04→(6M)→J平湯バスターミナル15:10


hirayu.jpg  ge-to.jpg  ge-to2.jpg  rindoukara.jpg 
@平湯バスターミナルをスタート。 A国道158号の平湯側ゲート。 B国道158号、平湯側2番目のゲート。ここは越えずに斜面に取付きショートカット。 林道途中から輝山。
aboudaira.jpg  onekarakanayama.jpg  onekaranekodake.jpg  onekaraakandana.jpg 
C安房平の西端。この付近から尾根に取付く。 尾根途中から金山側。   尾根途中から猫岳。 尾根途中からアカンダナ山。
akandanacyoxtuka.jpg  akandanakarashirotani.jpg  akandanakarahodaka.jpg  akandanasuki.jpg 
アカンダナ山直下。 Dアカンダナ山から白谷山。 Dアカンダナ山から穂高側。  D登ってきたスキートレース。
akanadanakaraiou.jpg  akandanayoriyakedake.jpg  shirotaninishiho.jpg  shirotaniyakedake.jpg 
Dアカンダナ山から硫黄岳側。  Dアカンダナ山から焼岳側。 E白谷山から西穂側。 E白谷山から焼岳。
shirotaninorikura.jpg  shirotanikaraone.jpg  shirotanikarakamitakara.jpg  shirotanikarakasa.jpg 
E白谷山から乗鞍側。 E白谷山山頂から、登ってきた尾根。けっこうに急登。 E白谷山から上宝村。   E白谷山から笠ヶ岳側。 
shirotanikoru.jpg  shirotanihurikaeru.jpg  kakouten.jpg  rindoudeai.jpg 
F白谷山南のコル。  帰り途中から白谷山を振り返る。  Gアカンダナ山東側コル(下降点)。  H林道に降り立ち、滑ってきた谷を見る。 
akandanacyuusyajyou.jpg  ge-tokaeri.jpg  taaminaru.jpg   
あかんだな駐車場  Iゲート帰り。  J平湯バスターミナル。   


  

 家を2:00出発。現地までの各峠が混んでおり、約束時間の15分前に滑り込みで平湯バスターミナルに到着する(5:15)。既にそこにはEAS氏の見慣れた四駆が有り、久しぶりの再会となる。今日は氏と二人での行動であった。

 
 すぐさま支度をして、5:43歩き出す。温泉地内を過ぎると、安房峠に向かう国道158号線はゲートで閉じられていた。ゲートは左脇からすり抜け車道を歩く。しばし舗装路の上を行くが、あかんだな駐車場の先で除雪は止まり、そこから雪の上を行く。そして再びゲートがあり林道は北に進んでいた。この場所から東にショートカットするように斜面に取付く。スキーを履き登るのだが、かなりの斜度があり、うまい具合にシールが噛まず難儀する。あまりにも進度が悪く、挙句の果てにはスキーを脱いでしまった。長い板なら良かっただろうが、今日はショートスキーであまり浮力が得られないのであった。つぼ足で歩きあげ林道へ。そこで再びスキーを着け前を行くEAS氏のトレースを辿る。

 
 7:10安房平手前から尾根に取り付く。時折マーキングもあり安堵感が増すが、全体的には歩きにくい尾根であった。立ち止まっては何度も休憩をとりながら這い上がる。雪の緩い所はいいが、硬く締まった場所はクトーが欲しく、神経を使う登りが続いた。一方、EAS氏は順調に高度を上げていた。板の差か、いやそもそものセンスの違いなのだろう。振り返ると乗鞍岳が見事であった。

 
 地形図を何度も見ながら目の前のルートを決める。地形が少し複雑でどこを進めば適当なのか、判読が出来ない。適当に等高線が粗いところを選んで進む。上にあがってからは県境の尾根ルートは辿らずトラバースを選択したのだが、斜度に対してスキー板の幅が広く、エッジが利かせにくい。ここでも途中で板を外し、再びつぼ足になる。EAS氏を追いながら先を目指していたら、ストンと穴に落ちた。足の下は何もない。万歳をしたような苦しい姿勢で大ピンチ。もがけばもがくほどに下に下がってゆく。頭の位置は雪面より下がっていた。足をばたばたさせているとハイマツの幹が足に当たった。それを利用して何とか脱出。雪の上での注意事項。スキーがある時は、木々の間の通過はスキーを着けた方が無難であるのだった。

 
 少し学習してここで再びスキーを履いて谷に沿ってゆく。すると先の方でEAS氏が待って居てくれた。そこがアカンダナ山の取り付きであった。見上げると傾斜はさほど無く、少し休憩を入れてから歩き出した。九十九折にトレースを切りながらスキー登行。思いのほか楽に上がれ山頂到着(10:12)。少し樹木は邪魔をするが、展望が良い。次に向かう白谷山も凛として見えている。天候が心配だが、何とかもってくれる感じだ。乗鞍には雪煙が上がっている。向こうは風が強いようだ。ここに来ての雪の状態ならびに地形から、EAS氏の意向でここからワカンにスイッチした。北東側の谷まで降り、そこからアカンダナ北峰の西側稜を乗越すように登る。上まであがると、その下の白谷山のコルと言えよう谷が深く見え、さらにはその先の白谷山が高い。疲労も嵩み先が思いやられるが、ここまで来たら行くしかない。アカンダナ山北峰側からはかなり急峻を下る。そしてコルからは県境より西側の稜線を狙って這い上がる。

 
 途中でEAS氏はスキーを履いたが、私のショートスキーではシールが滑ってしまい登坂力が無く、ワカンを貫く。尾根上は少し西側の日影を選ぶように進んだ。理由はそこが一番締まっていたのだった。それから笹の上を選ぶ方が雪が固く、よく判らぬまま、疲れた思考のなかで自然と体がそのような場所を選んでいた。単調に高度を上げる。50mほど先をEAS氏が歩く。トレースを追うようにその後に続く。そして白谷山から派生する県境上の稜線に上がった。この先は雪庇が東側に張り出していて危険箇所が続く。西側に寄って慎重に高度を上げてゆく。尾根上は登り一辺倒でなく、細かいアップダウンがある。そして最後の登りがかなりきつい。細かい九十九折を切りながら何とか上に。12:05白谷山到着。


 絶景とはこの事か、焼岳を初め、穂高連峰、乗鞍岳、平湯の町、上宝の町、360度が見渡せる。来て良かったと思える場所であった。しかし山頂は、雪に亀裂が入り今にも崩れ落ちそうなのである。風も強く長居は無用と10分ほどの滞在で下山となる。シールをはずし滑降となった。スキー板が短い分、狭い尾根幅でもターンが決まり快適。一方EAS氏の板は少し長い為コントロールが大変そうであった。山頂からコルまでは、シュプールを刻みながら20分ほどで降り立った。登りと滑走とでは使う筋肉が違うので、ことのほか疲れる。コルで再びシールを着け、斜面に取り付く。緩やかにターンを刻みながら高度を上げる。私はスキーに向いていないのか、先ほどの滑走より、ここの登りの方が楽であった。まあ前を行くEAS氏のトレースのおかげと言えよう。


 アカンダナの取り付き地点は、登り出してすぐであった。ここから谷に沿うように進む。特に大きな登り返しはなく、順調に高度を下げる。13:33谷の下降点到着。ここでこの日初めてゆっくりと腰を下ろす。日差しもまだ暖かい。のんびりと語らいながら時間が過ぎる。ビールも入り、気分よく下降の準備となる。この日はあまり調子が良く無かった。登り初めにシールがグリップしなかったのもあるが、体力を使い果たした感じである。水分補給量がいつもより多いのだった。


 14:00滑降開始。最初はデブリなどが詰まる谷であったが、次第に傾斜も緩やかになり、気持ちよく滑ることが出来る。それでも足の疲れは現金で、長くは滑れず、何度も休憩を入れる。本当になだらかな良い斜面である。登りに使っても良い感じで、最後が急峻だが、あとは何も問題がない。ここでの滑走は88センチのショートスキーが抜群に合っていた。


 14:26林道到着。大満足であった。このまま林道を滑りながら行く。朝方締まっていた雪は緩み、抵抗を増す。登りあげて来た鉄塔のある斜面を滑り降りる。ここもなかなか滑りやすい。あっと言う間に下まで降りた。途中何処に行くのか、歩きの登山者の姿も見えた。

 あかんだな駐車場のところでスキーをザックに括り、車道を下って行く。15:10平湯ターミナルに着き、本日の行軍は終了となる。なんとも充実した一日であった。念願のアカンダナ山・白谷山と踏め大満足。EAS氏と次の再会を約束してお互い背を向ける。氏は日本海側に、私は太平洋側へ。

 
 さて振り返る。アカンダナ山を見ると、自然と安房峠が目に入る。当初は私も安房峠から入ろうかと思っていた。しかし積雪期(残雪期)しか狙えない事を考えると峠まで行くのが大変。となると今回のようなルートとなった。雪の状態にも寄るが、滑り降りた谷を突き上げアカンダナ山南側に上がってしまうのが、一番最良のコース取りのようにも思う。最初にあるアカンダナ山周辺には、全く危険は無いが、一方の白谷山の方は、雪庇や雪面のクラックが多々あり緊張する場所であった。特に山頂部のクラックはいやらしかった。展望は最高だが、長居をしたくない場所に思えた。3月のこの時期でクラックが入ると言う事は、雪が落ちるのが早いとも言えよう。となると狙える時期も短いとなるか。今回スキーで上がったが、長過ぎず短過ぎずの選択が必要で、気持ち自分にとって取り回しの良い短い板を持ち込んだ方が快適に行動できる場所に思えた。

軌跡データは薄らいだ記憶から書き出したもので、正確ではありません(2009.06.19)。
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往路のアカンダナ山への登りは、もう少し北側を辿ったかも。
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